2025年「寒露」はいつ?意味や由来、風習について解説

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秋が深まり、朝露が冷たく感じられる頃に訪れる二十四節気の「寒露(かんろ)」。2025年の寒露は10月8日です。この記事では、寒露の正確な日付や期間はもちろん、言葉の詳しい意味や由来、季節の移ろいを表す七十二候についても丁寧にご紹介します。長寿を願う菊酒などの風習や、栗や柿といった旬の味覚も取り上げながら、日々の暮らしを豊かに彩るヒントをお届けします。

目次

1. 2025年の寒露はいつ?

秋が一段と深まり、朝晩の空気にひんやりとした冷たさを感じる頃、二十四節気の「寒露(かんろ)」がやってきます。草花に降りる朝露が、冷たさで凍ってしまいそうに見えることから名付けられた、美しい季節の節目です。

さて、気になる2025年の寒露はいつなのでしょうか。国立天文台の発表によると、2025年の「寒露」は10月8日(水)です。この日を境に、暦の上では本格的な秋の季節へと移り変わっていきます。

1.1 寒露の期間はいつからいつまでか

「寒露」というと10月8日という特定の日を思い浮かべるかもしれませんが、実は二十四節気では、その日から次の節気までの約15日間を「寒露の期間」と呼びます。

具体的には、寒露が始まる日(節入り日)から、次の節気である「霜降(そうこう)」が始まる前日までを指します。2025年の場合、10月8日から霜降が始まる10月23日の前日、10月22日頃までが寒露の期間となります。この約2週間で、野山は少しずつ彩りを変え、秋の深まりを私たちに感じさせてくれるのですね。

1.2 過去と未来の寒露の日付一覧

寒露の日は、地球が太陽の周りをまわる周期(公転)をもとに計算されるため、毎年同じ日とは限らず、1日ほど前後することがあります。近年の寒露の日を一覧にまとめてみましたので、暮らしの計画にお役立てください。

寒露の日付曜日
2022年10月8日土曜日
2023年10月8日日曜日
2024年10月8日火曜日
2025年10月8日水曜日
2026年10月8日木曜日
2027年10月9日土曜日
2028年10月8日日曜日

(参考:国立天文台 暦要項

こうして見ると、ほとんどが10月8日ですが、時々9日になる年もあるのがわかりますね。季節の便りとして、毎年カレンダーで確認するのも楽しいひとときかもしれません。

2. そもそも寒露とはどんな日?意味と由来を解説

「寒露(かんろ)」という言葉を聞くと、どこかひんやりとした、澄んだ秋の空気を思い浮かべる方も多いのではないでしょうか。毎年10月上旬にやってくるこの季節の節目は、私たちの暮らしに深く根付いています。ここでは、寒露がどのような日なのか、その意味や歴史をゆっくりと紐解いていきましょう。

2.1 二十四節気における寒露の位置づけ

寒露は、1年を24に分けた「二十四節気(にじゅうしせっき)」の17番目にあたります。二十四節気は、カレンダーの日付とは少し違い、太陽の黄道上の位置で決められる季節の目安です。春分や夏至、秋分、冬至などが有名ですね。これらは古代中国で生まれ、農作業の時期を知るために使われてきました。

秋の二十四節気は、立秋から始まり、霜降で終わります。寒露は、そのちょうど後半に位置し、秋の深まりを告げる大切な節目です。

順番名称読み方おおよその時期
13立秋りっしゅう8月7日頃
14処暑しょしょ8月23日頃
15白露はくろ9月8日頃
16秋分しゅうぶん9月23日頃
17寒露かんろ10月8日頃
18霜降そうこう10月23日頃

前の節気である「秋分」で昼と夜の長さがほぼ同じになり、この「寒露」を経て、次の「霜降(そうこう)」ではいよいよ霜が降りるほど寒くなります。このように、二十四節気は季節が少しずつ移り変わっていく様子を、美しい言葉で私たちに教えてくれるのです。

2.2 寒露の読み方と詳しい意味

寒露は「かんろ」と読みます。「寒」という字が使われていることからもわかるように、冷たさが増してくる季節を表しています。

言葉を分解してみると、その意味がより深く理解できます。

  • 寒(かん):冷たい、寒々しい
  • 露(ろ):草木や地面につく水滴(つゆ)

つまり寒露とは、夜の間に草木に降りた露が、朝の冷気によって冷たく感じられる頃という意味を持っています。日中は過ごしやすい秋晴れの日が多くても、朝晩はぐっと冷え込むようになり、肌寒さを感じる季節。野の花にきらめく冷たい露は、本格的な秋の訪れを告げる美しいサインなのですね。

2.3 寒露の由来と歴史

寒露を含む二十四節気は、紀元前の古代中国で生まれました。当時の人々は、月の満ち欠けに基づいた太陰暦を主に使用していましたが、これだけでは季節のズレが生じてしまい、農業に影響が出ることがありました。そこで、太陽の動きを基準にした二十四節気が考案され、農作物を植えたり収穫したりする時期を知るための、大切な暦として活用されるようになったのです。

日本には、暦とともに飛鳥時代から奈良時代にかけて伝わったとされています。以来、日本の気候や文化と融合しながら、季節の移ろいを感じる言葉として、また暮らしの節目として、現代にまで受け継がれています。季節の便りや俳句の季語としても使われ、私たちの生活に豊かな彩りを添えてくれています。

より詳しい二十四節気については、国立天文台のウェブサイトでも解説されていますので、ご興味のある方はぜひご覧になってみてください。

3. 寒露の時期の気候と季節の移ろい

「寒露」と聞くと、少しひんやりとした秋の空気を思い浮かべる方も多いのではないでしょうか。この季節になると、日中の陽ざしはまだ暖かくても、朝晩は肌寒さを感じるようになります。空は高く澄み渡り、空気が乾燥してくるため、夜空の月や星がことさらに美しく見えるのもこの頃です。ここでは、寒露の時期に私たちの周りで起こる気候の変化や、季節の細やかな移ろいについてご紹介します。

3.1 秋が深まり朝露が冷たくなる季節

寒露とは、その名の通り草花につく朝露が冷たく感じられるようになる頃を指します。秋が深まり、夜間の気温がぐっと下がることで、空気中の水蒸気が冷やされて露となります。この現象を「放射冷却」と呼びますが、難しい言葉はさておき、朝の散歩道で植物の葉先にきらりと光る露は、本格的な秋の訪れを告げる美しいサインですね。

日中の日差しは心地よく、過ごしやすい日が多い一方で、朝晩の気温差が大きくなるため、羽織るものを一枚用意するなど、服装で上手に体温調節をすることが大切になります。風邪をひかないように、体を冷やさない工夫を心がけたい季節です。

3.2 寒露の七十二候

二十四節気をさらに約5日ずつに分けたものを「七十二候(しちじゅうにこう)」と呼びます。昔の人々が感じ取っていた、より細やかな自然の変化を知ることができ、季節の移ろいを身近に感じさせてくれます。寒露の時期には、次のような七十二候があります。

時期名称読み方意味
初候(10月8日~12日頃)鴻雁来こうがんきたる雁が北から渡ってくる頃
次候(10月13日~17日頃)菊花開きくのはなひらく菊の花が咲き始める頃
末候(10月18日~22日頃)蟋蟀在戸きりぎりすとにありこおろぎが戸口で鳴く頃

(日付は2025年の場合のおおよその目安です)

それでは、ひとつひとつの候をもう少し詳しく見ていきましょう。

3.2.1 初候 鴻雁来(こうがんきたる)

春に北へ帰っていったツバメと入れ替わるように、冬を越すために雁(がん)がシベリアなどから日本へやってくる季節です。V字の隊列を組んで青空を渡る「雁行(がんこう)」は、秋の空の風物詩。その鳴き声が聞こえてくると、本格的な秋の深まりを感じさせられますね。

3.2.2 次候 菊花開(きくのはなひらく)

文字通り、菊の花が美しく咲き誇る頃です。菊は古くから邪気を払い、長寿をもたらす縁起の良い花とされてきました。この時期になると、各地で「菊まつり」や「菊花展」が開かれ、丹精込めて育てられた色とりどりの菊が私たちの目を楽しませてくれます。お散歩の途中で、ご近所の庭先に咲く菊を愛でるのも素敵な時間ですね。

3.2.3 末候 蟋蟀在戸(きりぎりすとにあり)

秋の夜、家の戸口や庭先で「リーン、リーン」と美しい音色を響かせる虫の声が聞こえてくる頃です。ここで少し面白いのが、昔の暦でいう「きりぎりす」は、現在の「コオロギ」を指すということです。静かな秋の夜長に耳を澄ませば、虫たちの声が心地よい子守唄のように聞こえてくるかもしれません。季節の終わりを告げる、少し寂しげで風情のある音色です。
(参考:日本の七十二候 | 暦Wiki | 国立天文台

4. 寒露の時期の過ごし方と日本の風習

草木に降りた露が、冷たい空気によって凍る寸前になる「寒露」。秋がぐっと深まり、どこか物寂しさを感じる季節ですが、この時期ならではの美しい景色や豊かな恵みもたくさんあります。昔ながらの風習を取り入れながら、季節の移ろいを丁寧に感じてみませんか。ここでは、寒露の時期を心地よく過ごすためのヒントをご紹介します。

4.1 長寿を願う菊酒を飲む

寒露の時期は、古くから伝わる五節句のひとつ「重陽の節句(ちょうようのせっく)」と重なることがあります。旧暦の9月9日に行われるこの節句は、菊の花が咲き誇る時期であることから「菊の節句」とも呼ばれています。

古代中国では、菊は邪気を払い長寿をもたらす特別な花と考えられていました。その思想が日本に伝わり、平安時代の宮中では、菊の花を鑑賞する宴「菊花の宴(きっかのえん)」が催され、菊の花びらを浮かべた「菊酒」を酌み交わして、無病息災や長寿を願ったとされています。

現代でも、この風習に倣って菊酒を楽しむことができます。食用菊の花びらを冷酒にそっと浮かべるだけで、見た目も香りも華やかな一杯に。日本酒が苦手な方は、お湯を注ぐだけで楽しめる菊茶や、おひたしや和え物など、食用菊を使ったお料理で季節を感じてみるのも素敵ですね。

4.2 紅葉狩りや秋の行楽

「読書の秋」「芸術の秋」「スポーツの秋」と、秋はさまざまな楽しみ方がある季節。寒露のころになると、北国や山間部から紅葉の便りが届き始め、本格的な行楽シーズンの幕開けです。

少し足を延ばして紅葉の名所へ出かけるのも良いですし、近所の公園や街路樹の葉が色づいていく様子を眺めながら散策するだけでも、心豊かな時間を過ごせます。澄み切った秋空のもと、五感を澄ませて、この時期だけの美しい景色を心ゆくまで味わうのは、何よりの贅沢かもしれません。

また、秋桜(コスモス)畑や、ふわりと香る金木犀(きんもくせい)など、紅葉以外にも秋を感じさせてくれる草花はたくさんあります。お弁当を持ってピクニックに出かけたり、美術館で静かに芸術に触れたりと、ご自身のペースで秋の1日を計画してみてはいかがでしょうか。

4.3 本格的な冬支度と衣替え

「寒」という文字が使われていることからもわかるように、寒露は冬の足音が聞こえ始めるころ。朝晩の冷え込みが日ごとに増し、そろそろ本格的な冬支度を始めるのにぴったりの時期です。

少し面倒に感じられるかもしれませんが、あたたかく快適な冬を迎えるための大切な準備。お気に入りの音楽でも聴きながら、暮らしを整える時間を楽しんでみましょう。主な冬支度には、次のようなものがあります。

種類やることの例暮らしを心地よくするポイント
衣替え夏服を洗い、きちんと乾かして収納します。セーターやコートなど、秋冬物の状態をチェックして、いつでも着られるように準備しておきましょう。次のシーズンも気持ちよく着られるように、防虫・防カビ対策を忘れずに行いましょう。
暖房器具の準備ストーブやファンヒーター、こたつ、ホットカーペットなどを出し、フィルターの掃除や試運転をしておきます。火災などの思わぬ事故を防ぐためにも、安全に使えるかどうかの確認はとても大切です。
寝具の準備厚手の布団や毛布を天日干しして、ふかふかにしておきましょう。カバー類も新しく洗濯したものに取り替えると、さらに気持ちよく眠れます。太陽の光をたっぷり浴びたお布団は、ぬくもりと安心感を与えてくれます。
住まいの冬支度窓に断熱シートを貼ったり、カーテンを厚手のものに替えたりするだけで、室内の暖かさが変わります。小さな工夫で暖房効率が上がり、光熱費の節約にもつながります。

一つひとつ丁寧に進めることで、冬を迎える心構えも自然と整っていきますよ。

5. 寒露の時期に旬を迎える食べ物

寒露のころは、まさに実りの秋本番。野山や畑ではたくさんの恵みが収穫され、市場やお店にも旬の食材がずらりと並びます。この時期ならではの美味しい味覚をいただくことは、季節の移ろいを感じる素敵な時間ですね。ここでは、寒露の時期にぜひ味わいたい、旬の食べ物をご紹介します。

5.1 栗やさつまいもなど秋の味覚

秋といえば、ほくほくとした食感が恋しくなる根菜や木の実がおいしい季節です。食卓に取り入れるだけで、ぐっと秋らしい雰囲気が増しますよ。

栗(くり)
秋の味覚の代表格である栗。優しい甘さと豊かな風味は、多くの人を魅了します。定番の栗ごはんや甘露煮はもちろん、お菓子作りがお好きな方はモンブランや渋皮煮に挑戦してみるのも楽しいですね。

さつまいも
食物繊維が豊富で、女性に嬉しい栄養がたくさん含まれているさつまいも。じっくり火を通した焼き芋は、蜜があふれるほど甘くなります。ほかにも、天ぷらや大学芋、レモン煮など、おかずからおやつまで幅広く活躍してくれる万能選手です。

里芋(さといも)
ねっとりとした独特の食感が特徴の里芋も、この時期に旬を迎えます。だしをたっぷり含ませた煮っころがしは、どこか懐かしい味わいで、心も体も温まります。豚汁や芋煮など、具だくさんの汁物に入れるのもおすすめです。

5.2 きのこ類

秋の深まりとともに、きのこ類も旬の盛りを迎えます。「香りの松茸、味のしめじ」と言われるように、それぞれに個性豊かな風味と食感があり、秋の料理に欠かせない存在です。

特に、松茸は「香りの王様」とも呼ばれる秋の味覚の最高峰。土瓶蒸しや松茸ごはんで、その芳醇な香りを楽しみたいものですね。また、しいたけや舞茸、しめじ、エリンギなども旨味がたっぷりで、炒め物や炊き込みご飯、お鍋、天ぷらなど、さまざまな料理でそのおいしさを発揮してくれます。低カロリーでビタミンやミネラルも豊富なきのこは、日々の健康維持にも役立つ嬉しい食材です。

5.3 柿や梨などの果物

果物屋さんやスーパーの店先が、赤や黄色で彩られるのもこの季節ならではの光景です。寒露の時期には、みずみずしい秋の果物がたくさん旬を迎えます。

柿(かき)
「柿が赤くなれば、医者が青くなる」ということわざがあるほど、柿は栄養価の高い果物です。ビタミンCやβ-カロテンが豊富で、季節の変わり目の体調管理にもぴったり。そのままいただくのはもちろん、白和えやサラダに加えると、料理の彩りと味わいに深みが出ます。

梨(なし)
シャリシャリとした食感と、じゅわっとあふれる果汁が魅力の梨。幸水や豊水といった品種に続き、この時期は「新高(にいたか)」などの大玉で甘みの強い品種も出回ります。食後のデザートにいただくと、お口の中がさっぱりしますね。

ぶどう
巨峰やピオーネ、そして近年人気のシャインマスカットなど、さまざまな品種が楽しめるぶどう。皮ごと食べられるものも多く、手軽にポリフェノールを摂ることができます。一粒一粒に秋の甘みがぎゅっと詰まっています。

5.4 旬の魚介類

「食欲の秋」という言葉通り、海の世界でも多くの魚が脂をたくわえ、一年で最もおいしい時期を迎えます。旬の魚介類を食卓に並べて、季節の恵みを存分に味わいましょう。

寒露の時期においしくなる代表的な魚介類をいくつかご紹介しますね。

魚介類特徴おすすめの食べ方
秋刀魚(さんま)秋の味覚の代名詞。この時期のさんまは脂がのって格別の味わいです。塩焼きにして、大根おろしとすだちを添えるのが定番。蒲焼きや炊き込みご飯もおすすめです。
鯖(さば)「秋鯖は嫁に食わすな」と言われるほど、たっぷりと脂がのり、身が締まっておいしくなります塩焼きや味噌煮はもちろん、新鮮なものが手に入れば、しめ鯖にして味わうのも乙なものです。
鮭(さけ)産卵のために川に戻ってくる「秋鮭(あきあじ)」が旬を迎えます。脂は控えめであっさりとした味わいです。ムニエルやホイル焼き、石狩鍋、ちゃんちゃん焼きなど、さまざまな料理で楽しめます。筋子(いくら)もこの時期ならではのごちそうです。
伊勢海老(いせえび)多くの地域で漁が解禁され、旬を迎える高級食材。お祝いの席など、特別な日を華やかに彩ります。お刺身でぷりぷりの食感と甘みを楽しむのが一番。鬼殻焼きや味噌汁にしても、濃厚な旨味を堪能できます。

これらの旬の食材については、農林水産省のウェブサイトでも紹介されていますので、参考にしてみるのも良いでしょう。

6. まとめ

2025年の「寒露」は10月8日です。草木に降りる冷たい露が、本格的な秋の訪れを告げる二十四節気の一つですね。古くから伝わる菊酒で長寿を願ったり、旬を迎える栗や柿を味わったりと、この時期ならではの楽しみ方がたくさんあります。日に日に深まる秋を感じながら、冬に向けての支度を少しずつ始めるのも良いでしょう。移ろいゆく季節を丁寧に感じながら、心豊かな毎日をお過ごしくださいね。

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この記事を書いた人

ハレノヒ編集部は、「わたしらしく、身軽に暮らす」をテーマに、日々の暮らしを前向きに楽しむためのヒントをお届けしています。
美容や健康、趣味、暮らしの工夫など、50代以降の女性を中心に、誰もが自分らしく輝けるような情報をやさしい目線で発信しています。
ちょっと気になる話題や、ふと心に残る言葉も添えて、皆さまの毎日が少し晴れやかになりますように。

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