赤い羽根募金とは?意味や使い道などの実態は?

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街で見かける「赤い羽根募金」。その意味や寄付金の使い道について、気になったことはありませんか?この記事では、共同募金運動の歴史や仕組み、集まったお金が私たちの地域の福祉や災害支援にどう役立てられているのかを詳しく解説します。募金は強制ではなく任意であることや、税金の控除といった気になる疑問にも丁寧にお答えします。活動の実態を知ることで、安心して協力するためのヒントが見つかるはずです。

目次

1. 赤い羽根募金とは そもそもどんな活動?

秋になると、駅前やお店の入り口で「募金にご協力お願いしまーす!」という声とともに、胸に赤い羽根をつけた方々を見かけるようになりますね。子どもの頃、学校で募金をして赤い羽根をもらった思い出がある方も多いのではないでしょうか。この「赤い羽根募金」、実は「共同募金」という活動の愛称なんです。なんとなく知っているけれど、詳しくは知らない…という方もいらっしゃるかもしれません。ここでは、私たちの暮らしに深く関わっている赤い羽根募金が、そもそもどんな活動なのか、その目的や歴史をひもといていきましょう。

1.1 共同募金運動の目的と歴史

赤い羽根募金、正式には「共同募金運動」といいます。この運動は、社会福祉法という法律にもとづいて行われている、民間の福祉活動です。スローガンは「じぶんの町を良くするしくみ。」。その言葉の通り、私たちが暮らす町で支援を必要としている方々のために、みんなで助け合おうという思いから始まりました。

この運動が日本で始まったのは、第二次世界大戦が終わって間もない1947年(昭和22年)のこと。当時は、戦争によって家や家族を失った方々、お年寄りや障がいのある方々など、多くの方が生活に困っていました。そんな大変な時代に、政府の力だけでなく、民間の力で助け合おうと始まったのが、この共同募金運動なのです。

その歩みを少し振り返ってみましょう。

主な出来事
1947年(昭和22年)「国民助け合い共同募金運動」として、全国いっせいに運動が始まる。
1951年(昭和26年)社会福祉事業法(現在の社会福祉法)が定められ、法律にもとづく募金活動となる。
現在子ども食堂の運営、お年寄りの見守り活動、障がいのある方の支援、災害時のボランティア活動など、地域のさまざまな福祉活動を支える大切な財源として定着。

このように、赤い羽根募金は70年以上の長い歴史を持ち、時代とともに形を変えながらも、一貫して「地域の支え合い」を大切にしてきた活動なのです。詳しくは赤い羽根データベース「はねっと」のウェブサイトでも紹介されています。

1.2 「赤い羽根」の由来と意味

では、なぜシンボルが「赤い羽根」なのでしょうか?これには、心温まる由来があります。

この羽根のアイデアは、15世紀のイギリスの伝説にさかのぼるといわれています。義賊として知られるロビン・フッドが、領主への抵抗のしるしとして、味方のしるしに赤い羽根を帽子につけていたのだとか。そこから「赤い羽根」は、勇気や善い行いの象徴とされるようになりました。

その後、アメリカで共同募金運動が始まった際に、寄付をした証として水鳥の羽根を赤く染めて渡すようになり、それが日本にも伝わったのです。ですから、この赤い羽根は単に「募金しました」という印ではなく、寄付に込められた「思いやり」や「助け合いの心」を表す、大切なシンボルなんですね。

ちなみに、現在使われている羽根は、鶏の羽根を有効活用したもので、羽根を染めたり、シールに貼り付けたりする作業は、福祉施設の方々のお仕事にもつながっているそうです。小さな一つの羽根に、たくさんの人の思いが込められていると思うと、なんだか温かい気持ちになりますね。

2. 赤い羽根募金の仕組みを解説

街でよく見かける赤い羽根募金ですが、どのような仕組みで私たちの善意が届けられているのか、気になったことはありませんか?ここでは、その運営の裏側や、いつ募金ができるのかといった基本的な仕組みを、一つひとつ丁寧に見ていきましょう。知ることで、もっと安心して募金に参加できるかもしれませんね。

2.1 誰が運営しているの?

赤い羽根募金を運営しているのは、「社会福祉法人 共同募金会」という民間の団体です。この共同募金会は、全国的な活動をまとめる「中央共同募金会」と、各都道府県で活動する「都道府県共同募金会」、そして私たちの住む市区町村の窓口となる「市町村共同募金委員会(支会・分会)」というように、役割を分担しながら連携して活動しています。

この活動は、社会福祉法という法律に基づいて行われており、厚生労働大臣の定める法人です。つまり、国や都道府県、市町村と連携しながら進められている、とても公共性の高い活動なのですね。たくさんのボランティアの方々に支えられながら、私たちの寄付を地域の福祉活動へとつなげてくれています。

組織名主な役割
中央共同募金会全国的な運動の企画や広報、都道府県共同募金会への支援、大規模災害時の調整などを行います。
都道府県共同募金会各都道府県内の募金目標額の設定や配分計画の策定、市町村ごとの調整、実際の助成先の決定などを行います。
市町村共同募金委員会
(支会・分会)
地域住民に一番身近な窓口として、街頭募金や戸別訪問などの実際の募金活動を行います。

2.2 募金期間はいつからいつまで?

「そういえば、募金箱を見かけるのは寒い季節が多いかしら?」と感じる方もいらっしゃるかもしれません。その通り、赤い羽根募金には全国一斉に運動を行う期間が決められています。

原則として、毎年10月1日から12月31日までの3か月間が、赤い羽根をシンボルとする共同募金運動の期間です。この期間には、年末に助け合いを目的とした「歳末たすけあい募金」もあわせて行われます。

ただし、大きな地震や豪雨などの災害が発生した際には、被災地を支援するための義援金募集がこの期間とは別に行われることもあります。災害が起きたときには、期間を問わず支援の輪を広げる活動も行っているというわけです。詳しい情報は、社会福祉法人中央共同募金会の公式ホームページで確認することができますよ。

募金の種類期間
赤い羽根共同募金(一般募金)10月1日~12月31日
歳末たすけあい募金12月1日~12月31日
災害義援金など災害発生時に別途期間を定めて実施

3. 【使い道】集まった寄付金は何に使われる?

街角やお店のレジ横で見かける赤い羽根募金。心を込めて募金した大切なお金が、一体どんな風に役立っているのか、気になりますよね。実は、私たちが寄せたあたたかい気持ちは、すぐ近くの誰かを支える力になっているんですよ。ここでは、その具体的な使い道について、詳しく見ていきましょう。

3.1 地域福祉活動への助成

赤い羽根募金で集まった寄付金の最も大きな使い道は、私たちの暮らす地域をより良くするための活動への支援です。なんと、集まった寄付金のおよそ70%は、募金が行われた都道府県の中で、さまざまな福祉活動のために使われているのです。まさに「じぶんの町を良くするしくみ」と言えるでしょう。

例えば、こんな活動に役立てられています。

  • お年寄りの方が集うサロンの運営費や、一人暮らしの方への見守り活動
  • 障がいのある方が働く作業所の運営や、社会参加をお手伝いする活動
  • 子育てに悩むお母さんやお父さんのための相談窓口や、親子が集える場所づくり
  • 経済的な理由などで食事に困っている子どもたちへの食事提供(子ども食堂)

年末に行われる「歳末たすけあい募金」も共同募金の一環で、新たな年を迎える時期に支援を必要とする方々のために使われます。あなたの善意が、ご近所さんの笑顔につながっていると思うと、なんだか心が温かくなりますね。

3.2 災害時の支援活動

日本は地震や台風、大雨など、自然災害が多い国です。赤い羽根募金は、そんな「もしもの時」にも大きな力を発揮します。

寄付金の一部は「災害等準備金」として積み立てられ、大規模な災害が起きた際には、被災地を支援するために迅速に使われます。具体的には、被災地に設置される「災害ボランティアセンター」の運営支援や、被災された方々へのお見舞い金、復旧・復興のための活動資金などになります。

災害が起きた直後から、復興という長い道のりまで、赤い羽根募金は被災地に寄り添い、支え続ける大切な役割を担っているのですよ。

3.3 具体的な助成先の事例紹介

「じぶんの町を良くする」と言っても、なかなかイメージが湧きにくいかもしれませんね。そこで、赤い羽根募金がどのような活動を支えているのか、具体的な事例をいくつかご紹介します。あなたの町でも、きっと同じような素敵な活動が行われているはずです。

より詳しい情報は、社会福祉法人 中央共同募金会のウェブサイト「助成・公募情報」でもご覧いただけます。

支援の対象具体的な活動の例支援によってできること
高齢者地域のふれあいサロンお茶やお菓子、レクリエーション用品の購入費となり、高齢者の方々の孤立を防ぎ、交流の輪を広げます。
障がいのある方障がい者作業所の送迎車両車いすでも乗れる新しい車両の購入費となり、障がいのある方々が安全に作業所へ通えるようになります。
子ども・子育て家庭子ども食堂の運営栄養バランスの取れた食事を提供するための食材費となり、子どもたちの健やかな成長と安心できる居場所づくりを支えます。
地域のつながりづくり多世代交流イベントお祭りやイベントの開催費用となり、子どもからお年寄りまで、地域に住む人々の顔が見える関係づくりに役立ちます。

このように、赤い羽根募金への寄付は、特別な誰かのためだけではなく、私たちの暮らしのすぐそばにある、さまざまな「支え合い」の活動へとつながっているのです。

4. 赤い羽根募金に参加する方法

「誰かの力になりたいな」と思っても、何から始めたら良いか迷うこともありますよね。赤い羽根募金は、私たちの暮らしのすぐそばで、気軽に参加できる素敵な方法のひとつです。ご自身の生活スタイルに合わせて、ぴったりの方法を見つけてみませんか?ここでは、主な参加方法を3つご紹介しますね。

4.1 街頭や戸別訪問での募金

秋風が心地よい季節になると、駅前や商店街で「募金にご協力お願いしまーす」という元気な声が聞こえてきます。これが、一番おなじみの「街頭募金」です。ボランティアの方から直接赤い羽根を受け取ると、なんだか心が温かくなる気がしますよね。また、町内会や自治会の方がお家を訪ねてこられる「戸別訪問」も、昔ながらの方法です。地域の方とのふれあいの中で、自分の町を良くする活動に参加している実感が持てて、これもまた素敵な機会ですね。

4.2 コンビニや職場での募金

もっと手軽に参加したいという方には、いつものお買い物や職場でできる募金がおすすめです。セブン-イレブンやファミリーマート、ローソンといったコンビニエンスストアのレジの横に、そっと置かれている募金箱。お買い物のついでに、お財布の中の小銭をチャリンと入れるだけで、誰かの笑顔につながります。また、お勤め先によっては、お給料から少しだけ寄付できる仕組みがあったり、社内に募金箱が置かれていたりすることも。日々の暮らしの中で、無理なく自然に社会貢献ができるのは、とても嬉しいことですよね。

4.3 オンラインでの寄付

最近では、お家にいながらスマートフォンやパソコンで寄付することもできるんですよ。時間や場所を気にせず、思い立った時にすぐ行動できるのが魅力です。クレジットカードはもちろん、PayPayなどのQRコード決済、さらにはTポイントのような貯まったポイントを使って寄付することもできるんです。どんな方法があるのか、少し見てみましょうか。

寄付の方法特徴
クレジットカード公式サイトから、金額を決めていつでも寄付できます。毎月定額を寄付する設定も可能です。
QRコード決済スマートフォンの決済アプリを使って、QRコードを読み込むだけで簡単に寄付が完了します。
ポイントTポイントなど、お買い物で貯まったポイントを1ポイントから寄付に使うことができます。
キャリア決済携帯電話の利用料金と一緒に支払う方法です。面倒な入力が少なく手軽です。

このように、今は本当にいろいろな方法があるんですね。ご自身にとって一番便利な方法で、あたたかい気持ちを届けることができますよ。詳しい手続きについては、赤い羽根募金の公式サイトで分かりやすく案内されていますので、一度のぞいてみてはいかがでしょうか。

5. 赤い羽根募金の実態に関するよくある質問

長年親しまれてきた赤い羽根募金ですが、最近ではいろいろな声も聞こえてくるようになりました。ここでは、皆さんが「これってどうなのかしら?」と気になっている疑問に、一つひとつ丁寧にお答えしていきますね。

5.1 募金は強制なの?断ってもいい?

町内会や会社、学校などで募金のお願いがあると、「協力しないといけないのかしら…」と少し気まずい気持ちになる方もいらっしゃるかもしれませんね。でも、どうぞご安心ください。赤い羽根募金はあくまで「任意」のものであり、強制ではありません。断っても、まったく問題ないのですよ。

寄付は、その活動に共感し、「応援したい」という温かい気持ちから生まれるものです。もし、今は協力するのが難しいと感じたり、少し疑問に思うことがあったりするなら、無理をする必要はまったくありません。ご自身の気持ちを大切に、判断してくださいね。

5.2 特定の団体への助成問題とは

最近、インターネットなどで「赤い羽根募金が特定の団体にばかり寄付しているのでは?」といった声を見かけて、心配になった方もいらっしゃるかもしれません。特に、困難を抱える若い女性を支援するNPO法人などへの助成が話題になりました。

これについて、募金を運営する中央共同募金会は、支援を必要としている方々のための活動へ、定められた審査基準に基づいて公正に助成を行っていると説明しています。とはいえ、大切なお金がどのように使われるのか、気になるのは当然のことですよね。

実は、寄付金がどのような団体に、いくら助成されたのかという情報は、各都道府県の共同募金会のウェブサイトで詳しく公開されています。少し難しい内容に感じるかもしれませんが、ご自身の目で直接確かめてみることで、納得して寄付に参加できるかもしれません。もしよろしければ、お住まいの地域の共同募金会のホームページを一度のぞいてみてはいかがでしょうか。

5.3 寄付すると税金の控除は受けられる?

「せっかく寄付するなら、何か良いことはあるのかしら?」と思われる方もいらっしゃるでしょう。実は、赤い羽根共同募金への寄付は、税金の控除(寄付金控除)の対象となり、税金が少しお安くなる場合があります

この制度を利用するためには、ご自身で確定申告を行う必要があり、その際に共同募金会が発行する「領収書」が必須となります。街頭での募金では領収書がもらえないことが多いですが、共同募金会の窓口での寄付や、銀行振込、オンラインでの寄付などの場合は発行してもらえますよ。

控除には「所得控除」と「税額控除」の2種類があり、ご自身にとって有利な方を選ぶことができます。少し専門的なお話になりますが、違いを簡単な表にまとめてみました。

控除の種類計算方法特徴
所得控除(寄付金額 – 2,000円)が所得から差し引かれる所得税率が高い方(所得が多い方)ほど、減税額が大きくなる傾向があります。
税額控除(寄付金額 – 2,000円)× 40% が所得税額から直接差し引かれる多くの場合、所得控除よりも減税額が大きくなります。

どちらがお得になるかは、その方の所得によって異なります。詳しい内容については、国税庁のウェブサイトで確認したり、お近くの税務署に相談したりするのも良いでしょう。例えば、国税庁のウェブサイト「No.1150 一定の寄附金を支払ったとき(寄附金控除)」のページが参考になりますよ。

6. まとめ

今回は赤い羽根募金について、その意味やお金の使い道、そして気になる疑問点を一つひとつ見てきました。私たちの善意が、地域で暮らす方々の支えや災害時の助けとなり、日々の暮らしにそっと寄り添っているのですね。募金は強制ではなく、あくまでも任意です。この記事が、赤い羽根募金への理解を深め、ご自身にあった関わり方を見つけるささやかなきっかけとなれば幸いです。

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この記事を書いた人

ハレノヒ編集部は、「わたしらしく、身軽に暮らす」をテーマに、日々の暮らしを前向きに楽しむためのヒントをお届けしています。
美容や健康、趣味、暮らしの工夫など、50代以降の女性を中心に、誰もが自分らしく輝けるような情報をやさしい目線で発信しています。
ちょっと気になる話題や、ふと心に残る言葉も添えて、皆さまの毎日が少し晴れやかになりますように。

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