十三参りとは?いつ?意味や由来、行い方を解説

  • URLをコピーしました!

お子さんやお孫さんが数え年13歳を迎えるにあたり、「十三参り」の準備を考え始める頃ではないでしょうか。十三参りは、子供が知恵と福徳を授かるための大切な厄払いの儀式です。この記事では、その意味や由来といった基本から、参拝時期やおすすめの寺社、当日の服装マナーや準備まで、気になる情報を網羅的に解説します。大切な節目を心穏やかにお祝いできるよう、必要な知識がすべてわかりますので、どうぞ最後までご覧ください。

目次

1. 十三参りとは 数え年13歳で子供の成長を祝う伝統行事

お子さんやお孫さんの健やかな成長は、何よりの喜びですね。七五三のお祝いをされたのが、ついこの間のことのように感じられるかもしれません。そんな幼かったお子さんが心も体も大人へと近づく大切な節目に、「十三参り(じゅうさんまいり)」という素敵な伝統行事があるのをご存知でしょうか。

十三参りとは、数え年で13歳になったお子さんが、これまでの成長を感謝し、これから先の知恵と福徳を授かるために虚空蔵菩薩(こくうぞうぼさつ)様へお参りする伝統行事です。知恵を授かることから「知恵参り」や「知恵もらい」とも呼ばれ、特に関西地方を中心に古くから大切に受け継がれてきました。

七五三が幼少期の成長を祝う儀式であるのに対し、十三参りは子どもから大人へと移行する最初の節目のお祝いです。心身ともに大きく変化する多感な時期に、お子さん自身が成長を自覚し、感謝の気持ちを持つきっかけにもなる、とても意義深い行事なのです。

項目十三参り七五三
対象年齢数え年13歳(男女)数え年3歳(男女)、5歳(男の子)、7歳(女の子)
お祝いの意味知恵と福徳を授かる・厄払いこれまでの無事な成長への感謝と今後の健康祈願
主なお参り先虚空蔵菩薩を祀る寺院が中心地域の氏神様など神社が一般的

近年では、関東地方でも十三参りを行うご家庭が増えてきています。中学校入学という大きな節目とも重なるため、新たな門出を祝い、お子さんのさらなる飛躍を願う良い機会として、改めて注目されているのかもしれませんね。

2. 十三参りの意味と由来をわかりやすく解説

七五三のお祝いを終え、お子さんが少し大人びて見えるようになった頃に迎えるのが「十三参り(じゅうさんまいり)」です。これは、古くから伝わる日本の美しい伝統行事。ただのお祝いというだけでなく、お子さんの健やかな成長と輝かしい未来への願いが込められた、とても大切な儀式なのですよ。ここでは、その奥深い意味と由来について、一つひとつ丁寧に見ていきましょう。

2.1 知恵と福徳を授かるための厄払い

十三参りは、子供から大人へと成長する大切な節目に、知恵と福徳を授かり、厄を払うための儀式です。七五三が「これまでの成長を神仏に感謝する」意味合いが強いのに対し、十三参りは「これから大人になるための知恵と幸福を授けてください」と祈願する、未来に向けた行事といえるでしょう。

また、数え年13歳は、男女ともに人生で最初の厄年とされています。この時期に心身ともに健やかに、そして災いなく過ごせるようにと、厄払いの意味も込めてお参りをするのです。お子さんやお孫さんの成長を思うと、感慨深いものがありますね。

2.2 なぜ数え年13歳で行うの?

「どうして13歳なの?」と疑問に思う方もいらっしゃるかもしれませんね。この「13」という年齢には、いくつかの大切な意味が重なっています。

数え年13歳で祝う理由内容
干支が一巡する年生まれた年の干支が、12年経って初めて巡ってくる人生最初の大きな節目です。昔はこの年を一つの区切りとして、元服(成人の儀式)を行っていました。
人生最初の厄年男女ともに、数え年13歳は最初の厄年とされています。この大切な時期を無事に乗り越えられるよう、厄払いの祈願をします。
心と体が大人になる時期子供から大人へと、心も体も大きく変化する第二次性徴期にあたります。この多感な時期を健やかに過ごせるようにとの願いが込められています。
仏教との関わり十三参りのご本尊である虚空蔵菩薩に縁のある聖数が「13」であることから、この年齢でお参りするようになったともいわれています。

2.3 十三参りの起源と虚空蔵菩薩

十三参りの発祥は、京都の嵐山にある法輪寺(ほうりんじ)といわれています。平安時代の868年、清和天皇が数え年13歳で成人の儀式として法輪寺で祈願したことが始まりと伝えられている、歴史ある行事なのです。

そして、この十三参りでお参りするのが「虚空蔵菩薩(こくうぞうぼさつ)」様です。「虚空」が無限の広がりを意味するように、無限の知恵と慈悲の心で、人々の願いを叶えてくださる仏様として古くから信仰されてきました。特に「知恵の仏様」として有名で、十三参りではこの虚空蔵菩薩様から知恵を授かることで、福徳と英知に満ちた大人になれるとされています。

十三参りは、お子さんがこれから歩む長い人生が、豊かで幸多きものになるようにと願う、親心のあふれる美しい習わしなのですね。
より詳しくは、十三参り発祥のお寺である京都 嵐山 虚空蔵法輪寺の公式サイトもご覧になってみてください。

3. 十三参りはいつ行く?参拝時期と対象年齢の早見表

お子さまが知恵を授かる大切な節目、十三参り。いざ準備を始めようとすると「いつお参りに行けばいいのかしら?」「うちの子は今年が対象?」など、気になることが出てきますよね。ここでは、十三参りの参拝時期や対象年齢について、わかりやすくご紹介します。早見表も用意しましたので、ぜひ参考にしてくださいね。

3.1 参拝の時期は春が一般的

十三参りは、春のあたたかな季節、3月13日から5月13日頃までにお参りするのが一般的です。これは、十三参りのご本尊である虚空蔵菩薩(こくうぞうぼさつ)の縁日(えんにち)が旧暦の3月13日であることに由来しています。

現在では、旧暦にこだわらず、新暦の4月13日を中心とした約2ヶ月間が参拝のシーズンとされています。ちょうど春休みやゴールデンウィークと重なるため、ご家族の都合も合わせやすい時期ですね。桜が咲き誇る中で、お子さまの成長をお祝いするのも素敵です。

ただし、お寺や神社によっては参拝期間が異なる場合もあります。また、地域によっては秋の七五三の時期に合わせて行う「秋の十三参り」という習慣もあるようです。お参りを予定している寺社の公式サイトなどで、事前に期間を確認しておくと安心ですよ。

3.2 数え年と満年齢どちらで祝う?

年齢の数え方も、少し迷うポイントかもしれませんね。十三参りは、古くからの習わしにのっとり、「数え年」で13歳になる年にお祝いするのが正式とされています。

「数え年」とは、生まれた日を1歳とし、その後は元日(1月1日)を迎えるたびに1つ歳をとるという考え方です。例えば、12月生まれのお子さまは、生まれた時点で1歳、そして翌月の元日にはもう2歳になります。そのため、満年齢が11歳か12歳の時に、数え年で13歳を迎えることになります。

とはいえ、最近では満年齢の考え方が一般的になったことから、満13歳、つまり中学校に入学するタイミングでお祝いするご家庭も増えています。どちらが正しいという決まりはありませんので、ご家庭の方針や地域の慣習に合わせて、お祝いしやすいタイミングを選んで大丈夫ですよ。

3.3 【2024年・2025年】十三参りの対象年齢早見表

「うちの子はいつが対象になるのかしら?」とすぐに確認できるよう、対象となる生まれ年の早見表をご用意しました。小学校を卒業し、中学校へ入学する学年を目安にすると分かりやすいでしょう。

祝い方生まれ年(和暦・西暦)2024年時点の年齢学年(2024年4月時点)
数え年13歳(一般的)平成24年(2012年)生まれ満12歳中学1年生
満年齢13歳平成23年(2011年)生まれ満13歳中学2年生
祝い方生まれ年(和暦・西暦)2025年時点の年齢学年(2025年4月時点)
数え年13歳(一般的)平成25年(2013年)生まれ満12歳中学1年生
満年齢13歳平成24年(2012年)生まれ満13歳中学2年生

※1月1日から4月1日生まれの早生まれのお子さまも、同じ学年のお子さまと一緒の年にお祝いすることが多いようです。お子さまの成長の節目として、一番良いタイミングを家族で話し合ってみてくださいね。

4. 十三参りはどこへお参りに行く?おすすめの寺社を紹介

お子様の成長を祝う十三参り。せっかくなら、由緒ある場所でお祝いしたいと考える方もいらっしゃるでしょう。十三参りは、知恵を授けてくださる虚空蔵菩薩(こくうぞうぼさつ)を本尊とするお寺にお参りするのが古くからの習わしです。ここでは、全国的に有名なお寺から、お近くの寺社を選ぶ際のポイントまで、わかりやすくご紹介しますね。

4.1 【全国】十三参りで有名な寺社

まずは、十三参りのお参り先として特に名高いお寺をご紹介します。どちらも歴史と格式があり、毎年多くの方がお祝いに訪れる場所ですよ。

4.1.1 京都 嵐山法輪寺

十三参りの発祥のお寺として知られるのが、京都の嵐山にある法輪寺(ほうりんじ)です。平安時代に清和天皇が数え年13歳で成人の証として法輪寺に参拝したことが、この行事の始まりと伝えられています。まさしく「元祖」といえる場所ですね。

法輪寺の十三参りには、お参りを終えた後に渡月橋(とげつきょう)を渡りきるまで、決して後ろを振り返ってはいけないという有名な言い伝えがあります。もし振り返ってしまうと、授かった知恵を返さなければならないのだとか。お孫さんやお子さんと「後ろを見ないで渡りきれるかな?」とお話ししながら渡るのも、素敵な思い出になりそうですね。

項目内容
所在地京都府京都市西京区嵐山虚空蔵山町
ご本尊虚空蔵菩薩
公式サイト十三まいり 嵐山 虚空蔵法輪寺

4.1.2 東京 浅草寺

関東で十三参りのお参り先として大変人気があるのが、東京の浅草寺(せんそうじ)です。境内にある虚空蔵菩薩像が安置されている「虚空蔵堂」前では、春になると晴れ着姿の子供たちで賑わいます。都心からのアクセスも良く、お参りの後に家族で浅草散策を楽しむのもおすすめです。

浅草寺では、毎年3月13日から5月13日にかけて「十三まいり」の特別期間を設けており、期間中は多くの方が参拝に訪れます。知恵を授けていただく「智恵授与」のご祈祷を受けることができますので、訪れる際はぜひ検討してみてくださいね。

項目内容
所在地東京都台東区浅草2-3-1
ご本尊聖観世音菩薩(本堂)、虚空蔵菩薩(虚空蔵堂)
公式サイト浅草名所七福神 聖観音宗 あさくさかんのん 浅草寺

4.1.3 その他関東・関西の寺社

村松山虚空蔵堂

法輪寺や浅草寺のほかにも、十三参りのお参りができる寺社は全国にあります。特に関東と関西で知られる寺社をいくつかご紹介します。

エリア寺社名所在地特徴
関東村松山虚空蔵堂(日本三体虚空蔵尊)茨城県那珂郡東海村伊勢の朝熊山、会津の柳津と並ぶ日本三体虚空蔵尊の一つです。
関東高幡不動尊金剛寺東京都日野市不動明王がご本尊ですが、虚空蔵菩薩もお祀りされており、十三参りのご祈祷も行っています。
関西太平寺大阪府大阪市天王寺区「夕陽丘の十三参り」として親しまれ、大阪では古くから知られています。
関西中山寺兵庫県宝塚市安産祈願で有名ですが、十三参りのご祈祷も受け付けています。

4.2 地元の神社やお寺でも大丈夫?

「有名なところは少し遠くて大変…」「近所で済ませたいのだけれど…」そんなふうに思われる方もいらっしゃるかもしれませんね。ご安心ください。十三参りは、必ずしも特定の有名なお寺へ行かなければならない、という決まりはありません。

もちろん、虚空蔵菩薩をお祀りしているお寺にお参りするのが伝統的なかたちではありますが、最も大切なのは、お子様の健やかな成長を祝い、感謝する気持ちです。最近では、七五三などと同じように子供の成長儀礼の一つとして、広くご祈祷を受け付けてくれる神社やお寺も増えています。

まずは、日頃からお世話になっている地元の氏神様(うじがみさま)や菩提寺(ぼだいじ)に「十三参りのご祈祷は行っていますか?」と問い合わせてみるのが一番です。お子様の成長を身近な場所で見守ってくださる神様や仏様に感謝を伝えることは、とても意義深いことではないでしょうか。ご家族にとって無理のない範囲で、心からお祝いできる場所を選ぶのが良いですね。

5. 十三参り当日の流れと作法

いよいよ迎える十三参りの当日。お子さまの晴れやかな姿に、胸がいっぱいになりますね。当日の流れや作法をあらかじめ知っておくと、心にゆとりが生まれ、より穏やかな気持ちでお祝いできますよ。ここでは、受付からお参り後までの一般的な流れと、十三参りならではの作法をご紹介します。

5.1 受付からご祈祷までの手順

お寺や神社によって多少の違いはありますが、ご祈祷を受ける際の一般的な流れは以下の通りです。特に大きな行事と重なる時期は混雑も予想されますので、時間に余裕をもって行動すると安心です。

手順内容
1. 手水舎(ちょうずや)で身を清める境内に入る前に、手と口をすすぎ、心身を清めます。正しい作法がわからなくても、お子さまと一緒に丁寧に行う気持ちが大切です。
2. 受付で申し込みをする社務所や祈祷受付所で申し込み用紙に記入し、ご祈祷料を納めます。予約が必要な寺社がほとんどですので、事前に確認しておきましょう。
3. 控室で待機する順番が来るまで控室で静かに待ちます。お手洗いや身なりの最終チェックを済ませておくと良いでしょう。
4. 本堂(本殿)へ移動案内があったら、本堂(本殿)へ移動します。私語は慎み、厳かな気持ちで席に着きましょう。
5. ご祈祷を受ける僧侶や神職によるご祈祷が始まります。お子さまの健やかな成長と、知恵が授かるよう、心を込めて祈りましょう。名前を呼ばれたら、親子で一緒に頭を下げます。
6. 授与品をいただくご祈祷が終わると、お札やお守りなどの授与品(じゅよひん)をいただきます。大切に持ち帰りましょう。

5.2 授かる知恵の象徴「一字写経」

十三参りでは、知恵を授けてくださる虚空蔵菩薩(こくうぞうぼさつ)に、自分の好きな漢字一文字を毛筆で書いたものを奉納する「一字写経」という儀式を行うのが習わしです。この一文字は、これからの自分の目標や大切にしたい想いを込めて選びます。

例えば、「知」「健」「優」「夢」など、どんな漢字でも構いません。「どんな大人になりたいかな?」「これからどんなことを頑張りたい?」など、お子さまと一緒に漢字を選ぶ時間も、きっと素敵な思い出になりますね。心を込めて書いた一文字を奉納することで、仏様とのご縁がより一層深まると言われています。

5.3 お参り後の有名な言い伝え

十三参りには、ちょっぴりドキドキする有名な言い伝えがあります。特に、十三参りの発祥の地として知られる京都の嵐山法輪寺では、お参りを終えて渡月橋(とげつきょう)を渡る際に、決して後ろを振り返ってはいけないと言われています。

なぜなら、後ろを振り返ってしまうと、せっかく授かった知恵を仏様にお返ししてしまう(忘れてしまう)と考えられているからです。この言い伝えは、授かった知恵を大切に持ち帰り、これからの人生をしっかりと前を向いて歩んでいく、という決意の表れなのかもしれませんね。お子さまが無事に橋を渡りきる姿を、少し離れた場所からそっと見守ってあげるのも、親心の醍醐味ではないでしょうか。

この言い伝えは法輪寺特有のものですが、十三参りの一つのクライマックスとして、今も多くの人に語り継がれています。

6. 十三参りにふさわしい服装は?子供と親の服装マナー

お子様の健やかな成長を祝う、十三参り。大切なハレの日には、どのような服装で臨めばよいのでしょうか。ご祈祷を受ける場にふさわしい服装のマナーを知って、心に残る素敵な一日にしましょう。ここでは、お子様とご家族、それぞれの服装について、わかりやすくご紹介しますね。

6.1 子供の服装

十三参りの主役は、もちろんお子様です。心と身体が大人へと向かう大切な節目に、少し背伸びした晴れ着を用意してあげたいものですね。服装に厳格な決まりはありませんが、和装・洋装ともに、ご祈祷の場にふさわしい品のある装いを心がけましょう。

6.1.1 女の子は本裁ちの着物やワンピース

女の子の装いは、大人への第一歩を祝うにふさわしい、華やかさと清らかさが感じられるものを選んであげましょう。

和装の場合
十三参りでは、大人と同じ仕立ての「本裁ち(ほんだち)」の着物を、肩上げをして着るのが正式な習わしとされています。七五三で着た「四つ身(よつみ)」という子供用の着物とは違い、大人サイズの着物を初めて身にまとうことで、心身ともに成長したことを示す大切な儀式となります。お手持ちのお母様やお祖母様の着物を受け継いで着るのも、とても素敵ですね。中振袖などが一般的ですが、華やかな小紋などでも大丈夫ですよ。最近では、十三参り用にぴったりの着物レンタルも充実していますので、利用してみるのも良いでしょう。

洋装の場合
洋装の場合は、中学校の制服が最も手軽でフォーマルな装いとなります。もし制服がない、あるいは別の服装を選びたい場合は、清楚な雰囲気のワンピースや、ジャケットとスカートを合わせたアンサンブルなどがおすすめです。色は、白や淡いパステルカラー、ネイビーなどが好印象。足元は、服装に合わせてフォーマルな靴を選んであげてくださいね。

6.1.2 男の子は羽織袴やスーツ・制服

男の子は、りりしく成長した姿を見せてくれる装いを選びましょう。ぐっと大人びた表情に、思わず胸が熱くなるかもしれません。

和装の場合
男の子の正装は、羽織袴(はおりはかま)です。七五三の時よりも落ち着いた色柄の羽織袴を選ぶと、少年から青年へと向かう、この時期ならではの凛々しさが引き立ちます。黒や紺、グレーなどの地色に、縁起の良い柄が描かれたものが人気です。

洋装の場合
女の子と同様に、中学校の制服があればそれが一番の正装になります。制服がない場合は、ブレザーにスラックスを合わせたり、フォーマルなスーツを用意したりすると良いでしょう。色は、ブラックやネイビー、チャコールグレーなどが落ち着いた印象を与えます。シャツは白を選び、ネクタイを締めると、より一層引き締まりますね。足元は革靴が基本です。

6.2 親(両親・祖父母)の服装

ご両親や祖父母様の服装は、主役であるお子様を引き立てることを第一に考えましょう。お子様よりも控えめな「セミフォーマル(準礼装)」や「インフォーマル(略礼装)」を意識するのがマナーです。ご家族で服装の格を揃えると、統一感が出てより素敵なお祝いの場になりますよ。特に、両家のおじい様、おばあ様もご一緒される場合は、事前に服装の雰囲気を話し合っておくと安心ですね。

参加者和装洋装
母親・祖母訪問着、付け下げ、色無地、江戸小紋など、控えめな色柄のもの上品なセレモニースーツ、ワンピースにジャケットを羽織るスタイルなど。色はネイビー、ベージュ、グレーなどがおすすめ。
父親・祖父(一般的ではありませんが)着物であれば、お召や紬など。羽織を着用するとより丁寧です。ダークスーツ(ブラックスーツ、ネイビースーツ、チャコールグレースーツなど)。ネクタイは派手すぎないものを選びましょう。

アクセサリーは、パールなど上品なものを選び、華美になりすぎないように気を配りましょう。お子様の成長を祝う気持ちを大切に、ご家族皆様で素敵な装いを選んでくださいね。

7. 十三参りの準備と持ち物リスト

お子さまが十三歳という大切な節目を迎える十三参り。当日を心穏やかに、そして笑顔で過ごすためには、事前の準備がとても大切になります。いざという時に慌てないよう、必要なものや手配について、一つひとつ確認していきましょう。ここでは、準備しておきたいことや持ち物をリストにしてご紹介しますね。

7.1 ご祈祷料(初穂料)の相場とのし袋の書き方

ご祈祷をお願いする際に、お寺や神社へお渡しするのがご祈祷料です。神社では「初穂料(はつほりょう)」、お寺では「ご祈祷料」や「御布施(おふせ)」と呼ばれることが多いですが、どちらを使っても大きな問題はありません。相場は5,000円から10,000円ほどが一般的ですが、金額が決められている場合や、お札やお守りなどの授与品によって変わることもあります。事前に寺社の公式サイトなどで確認しておくと安心です

お金は、のし袋に入れてお渡しするのがマナーです。水引は、何度あっても喜ばしいお祝い事に使われる「紅白の蝶結び」を選びましょう。新札を用意できると、より丁寧な印象になりますよ。

項目書き方とポイント
表書き(上段)濃い墨の筆ペンや毛筆で、水引の上に「御祈祷料」「御初穂料」「御布施」などと書きます。
表書き(下段)水引の下に、ご祈祷を受けるお子さまの名前をフルネームで書きます。
中袋(表)中央に、包んだ金額を「金 壱萬圓也」のように大字(だいじ)で書くとより丁寧です。(例:五千円→伍仟圓、一万円→壱萬圓)
中袋(裏)左下に、住所とお子さまの名前をフルネームで書きます。
お札の入れ方お札の肖像画が描かれている面が、中袋の表側に来るようにして入れます。

7.2 写真撮影や食事会の手配

健やかに成長したお子さまの晴れ姿は、ぜひ写真に残しておきたいものですよね。フォトスタジオで事前に撮影する「前撮り」や、参拝当日にプロのカメラマンに同行してもらう「出張撮影」など、さまざまな選択肢があります。ご家族の都合や予算に合わせて、素敵な思い出を残す方法を考えてみてください。特に春の行楽シーズンは混み合いますので、早めに予約するのがおすすめです。

また、お参りの後にご家族で食事会を開くのも良い記念になります。レストランや料亭の個室を予約したり、ご自宅でゆっくりお祝いしたりと、こちらもご家族らしい形でお祝いできると素敵ですね。お店を予約する際は、十三参りのお祝いであることを伝えておくと、細やかな心遣いをしてもらえるかもしれません。

7.2.1 当日の持ち物チェックリスト

最後に、当日あると安心な持ち物をリストにまとめました。お出かけ前に、ぜひチェックしてみてくださいね。

持ち物用途・ポイント
ご祈祷料(初穂料)のし袋に入れて準備します。
数珠お寺でお参りする場合に必要です。ご家族の分も忘れずに。
スマートフォン・カメラ記念撮影のために。充電が十分にあるか確認しておきましょう。
ハンカチ・ティッシュ身だしなみの基本として持っていると安心です。
サブバッグご祈祷後にいただくお札やお守りなどを入れるのに便利です。
履き慣れた靴慣れない草履や革靴で疲れてしまった時のために。特に小さなお子さまには用意しておくと安心です。
ヘアピン・櫛風などで髪型が乱れてしまった時にさっと直せます。
絆創膏靴ずれなどの万が一の怪我に備えて。

8. 十三参りのお祝いと内祝い(お返し)のマナー

お子さんやお孫さんの健やかな成長を祝う、十三参り。大切な節目だからこそ、お祝いの気持ちをきちんと伝えたいものですよね。ここでは、お祝いを贈る側と受け取る側、それぞれの立場で知っておきたい心遣いやマナーについて、やさしく解説します。お互いが気持ちよくこの佳き日を迎えられるよう、ぜひ参考にしてくださいね。

8.1 お祝い金の相場と渡す時期

祖父母や親しい方からお祝いをいただく機会もあるでしょう。また、お孫さんへお祝いを贈るのを楽しみにしている方もいらっしゃるかもしれませんね。お祝いは現金に限らず、記念になる品物を贈るのも素敵です。

お祝い金を贈る場合の相場は、お子さんとの関係性によって変わってきます。一般的な目安を下の表にまとめました。

贈る相手金額の目安備考
祖父母から孫へ10,000円~30,000円当日の衣装代や食事代として渡すこともあります。
おじ・おばから甥・姪へ5,000円~10,000円ご兄弟と相談して金額を合わせると安心です。
その他親戚や知人から3,000円~5,000円親しい間柄であれば、図書カードなども喜ばれます。

ご祝儀袋は、紅白で蝶結びの水引がついたものを選びましょう。蝶結びは、何度あっても嬉しいお祝い事に使われます。表書きは「祝十三参」「十三参御祝」「御祝」などとし、下段には贈り主の名前をフルネームで書きます。

お祝いを渡すタイミングは、お参りの1週間前から当日までが一般的です。もし遠方にお住まいなど、直接会うのが難しい場合は、事前に現金書留で送っても心のこもったお祝いになりますよ。

8.2 内祝いは必要?品物と相場

お祝いをいただいたら、お返し(内祝い)は必要なのかしら、と迷いますよね。結論から言うと、十三参りでは、基本的にお返しは不要とされています。

というのも、お祝いはあくまで「子供の成長を祝うため」のものであり、ご本人へ贈られたものだからです。お返しを準備するよりも、お子さんから直接、あるいは電話などで感謝の気持ちを伝えることが何よりの「お返し」になります。その際に、お参りの当日の様子を写した写真や、お子さん自身が書いたお礼の手紙を添えると、成長した姿が伝わり、きっと喜んでいただけますよ。

ただ、高額なお祝いをいただいた場合や、どうしても感謝を形にしたいという時は、お返しをしてももちろん問題ありません。その場合は、いただいた金額の3分の1から半額程度を目安に品物を選びましょう。

品物は、お菓子やお赤飯、お茶といった、あとに残らない「消えもの」が好まれます。相手の好みがわからない場合は、好きなものを選んでいただけるカタログギフトも良い選択です。

内祝いを贈る際は、紅白の蝶結びの水引がついたのし紙をかけます。表書きは「内祝」または「十三参内祝」とし、名入れは、お祝いをいただいたお子さんの名前を記載します。お参りが無事に終わった報告も兼ねて、お参り後1ヶ月以内を目安に贈ると丁寧です。

9. まとめ

十三参りは、数え年13歳という多感な時期に、お子様の健やかな成長を祝い、知恵と福徳を授かるための心温まる伝統行事ですね。干支が一周する人生最初の厄年であることから、この年齢で行われる大切な節目です。春の心地よい季節に、ご家族で晴れ着をまといお参りする一日は、きっと素敵な思い出になるでしょう。この記事を参考に準備を整え、お子様の輝かしい未来を願う大切な時間をお過ごしください。

よかったらシェアしてね!
  • URLをコピーしました!
  • URLをコピーしました!

この記事を書いた人

ハレノヒ編集部は、「わたしらしく、身軽に暮らす」をテーマに、日々の暮らしを前向きに楽しむためのヒントをお届けしています。
美容や健康、趣味、暮らしの工夫など、50代以降の女性を中心に、誰もが自分らしく輝けるような情報をやさしい目線で発信しています。
ちょっと気になる話題や、ふと心に残る言葉も添えて、皆さまの毎日が少し晴れやかになりますように。

コメント

コメントする

CAPTCHA


目次