3月14日のホワイトデー。バレンタインのお返しをする日として馴染み深いですが、実は日本発祥の文化だということをご存知でしたか?この記事を読めば、お菓子業界の働きかけから始まったとされるホワイトデーの起源や由来、日本に定着した歴史がわかります。お返しに込められた意味や、贈る相手別の相場、海外の事情まで詳しく解説。大切な方への贈り物選びが、もっと心温まるものになるヒントをお届けします。

1. ホワイトデーとは 3月14日にバレンタインのお返しをする日
2月のバレンタインデーに心を込めて贈ったプレゼント。そのお返しが届くホワイトデーは、いくつになっても心がときめく特別な一日ではないでしょうか。毎年やってくるこの素敵な習慣について、改めて考えてみましょう。
ホワイトデーとは、バレンタインデーのちょうど1ヶ月後である3月14日に、チョコレートなどを受け取った男性が、お礼の気持ちを込めて女性にプレゼントを贈る日として広く知られています。バレンタインデーと対になる、日本で育まれた心温まる文化です。

1.1 ホワイトデーの基本をひと目で確認
ホワイトデーがどのような日なのか、基本的な情報を表にまとめてみました。ご家族やお友達との会話のきっかけにも、ぜひお役立てくださいね。
項目 | 内容 |
---|---|
日付 | 3月14日 |
目的 | バレンタインデーにもらった贈り物へのお返し |
贈る人(主に) | 贈り物を受け取った男性 |
贈られる人(主に) | 贈り物をした女性 |
もともとは男性から女性へのお返しの日として定着しましたが、最近ではその形も少しずつ変化しています。例えば、友人同士でプレゼントを交換したり、性別にかかわらず日頃の感謝を伝え合ったりと、より自由なコミュニケーションの日として楽しまれるようにもなりました。
この習慣を広めたとされる全国飴菓子工業協同組合の公式サイトでも、ホワイトデーは「素敵な愛の記念日」として紹介されており、その歴史や想いを知ることができます。参考:ホワイトデー公式サイト
2. ホワイトデーの起源と由来 日本発祥の文化
バレンタインデーにいただいた想いへのお返しをするホワイトデー。実はこの素敵な習慣、海外から伝わったものではなく、日本で生まれた独自の文化だということをご存じでしたか?律儀で、いただいたものへのお礼やお返しを大切にする、日本人らしい心遣いから始まったといわれています。今ではすっかり春の風物詩として暮らしに溶け込んでいますが、その始まりにはお菓子屋さんの素敵な物語が隠されていました。
2.1 諸説あるホワイトデーの始まり
ホワイトデーがどのようにして始まったのか、その起源にはいくつかの説があります。はっきりとした一つの答えがあるわけではなく、複数の菓子店や団体がそれぞれの想いを持って同時期に働きかけたことで、徐々に日本全国へと広まっていったと考えられています。中でも特に有力とされているのが、福岡市の老舗菓子店「石村萬盛堂」が始めたとする説と、「全国飴菓子工業協同組合」が仕掛けたとする説です。
それぞれの説を詳しく見ていくと、当時の人々の想いや時代の空気感が伝わってきて、とても興味深いものがありますよ。
2.2 石村萬盛堂の「マシュマロデー」が起源とする説
ひとつめの説は、福岡市に本店を構える老舗菓子店「石村萬盛堂」が始めた「マシュマロデー」が起源だというものです。
1977年(昭和52年)、三代目の社長であった石村善悟氏が、女性向けの雑誌を眺めていたときのこと。「バレンタインデーのお返しがないのは不公平。せめてマシュマロでも贈ってほしい」という少女の投稿が目に留まりました。この小さな声に心を動かされた社長は、「バレンタインにもらったチョコレートを、私のやさしさ(マシュマロ)で包んでお返しします」という素敵なコンセプトを考案。そして、翌年の1978年(昭和53年)3月14日、バレンタインデーのお返しをする日として「マシュマロデー」をスタートさせました。
この試みは百貨店との協力もあって大成功を収め、のちにマシュマロの白さにちなんで「ホワイトデー」へと名前を変え、全国に広まるきっかけになったといわれています。(出典:石村萬盛堂 公式サイト)
2.3 全国飴菓子工業協同組合による説
もうひとつの有力な説が、全国の飴菓子メーカーが集まって作られた「全国飴菓子工業協同組合」がホワイトデーを定めた、というものです。
1970年代後半、日本でもバレンタインデーがすっかり定着し、チョコレートの売り上げが大きく伸びていました。これに注目した組合は、「バレンタインのお返し」という新しい習慣を作ることで、キャンディーの消費を促そうと考えたのです。
そして1978年(昭和53年)の総会で、3月14日を「ホワイトデー」と名付け、お返しにはキャンディーを贈る日としてキャンペーンを開始することを決定しました。「ホワイト」という名前には、キャンディーの主原料である砂糖の白さや、純潔のイメージ、若者のさわやかな愛といった意味が込められていたそうです。1980年(昭和55年)には、大々的なイベントも開催され、この動きが全国的な普及を後押ししたとされています。(出典:全飴協「ホワイトデー」サイト)
どちらの説が正しいというわけではなく、こうしたお菓子業界のさまざまな働きかけが重なり合って、現在のホワイトデーという文化が形作られていったのですね。
項目 | 石村萬盛堂の説 | 全国飴菓子工業協同組合の説 |
---|---|---|
提唱者 | 福岡市の菓子店「石村萬盛堂」 | 全国飴菓子工業協同組合(全飴協) |
始まった年 | 1978年(昭和53年) | 1978年(昭和53年)に制定、1980年に第1回イベント |
当初の名称 | マシュマロデー | ホワイトデー |
お返しの品 | マシュマロ | キャンディー |
きっかけ | 女性雑誌への投稿 | バレンタイン定着によるお返し文化の創出 |
3. ホワイトデーはいつから日本に定着したのか
バレンタインデーとセットで考えられることの多いホワイトデーですが、その歴史は意外と新しいことをご存知でしたか。今ではすっかり春の恒例行事として親しまれていますが、いつ頃から私たちの暮らしの中に溶け込んでいったのでしょうか。ここからは、ホワイトデーが日本に定着していった道のりを、その背景とともに紐解いていきます。
3.1 1980年代に全国へ普及
ホワイトデーという習慣が日本全国に広まったのは、1980年代のことでした。きっかけは、このサイトの前の章でもご紹介したお菓子業界の働きかけです。特に、全国飴菓子工業協同組合が1978年に「ホワイトデー」を制定し、2年後の1980年3月14日に第1回のキャンペーンを行ったことが大きな一歩となりました。
この動きにデパートやお菓子メーカーも賛同し、積極的に関連商品を販売するようになりました。テレビCMや雑誌広告なども後押しとなり、バレンタインデーのお返しをする日として、ホワイトデーは1980年代を通じて全国的に知られるイベントへと成長していったのです。当時は景気も上向きで、季節のイベントを楽しむ雰囲気があったことも、普及を後押ししたのかもしれませんね。
3.2 バレンタインデーの定着が背景に
ホワイトデーがこれほどスムーズに日本社会に受け入れられた背景には、バレンタインデーの存在が欠かせません。1970年代には、すでに「女性から男性へ愛を込めてチョコレートを贈る日」として、バレンタインデーが広く親しまれていました。
贈り物をもらった男性たちの中から、「何かお返しをしたい」という気持ちが自然と生まれてきたのは想像に難くありません。そこに、日本人の「いただきものにはお返しをする」という、礼儀を重んじる心や、日頃の感謝を伝えたいという美しい習慣が結びついたのです。お菓子業界は、こうした日本人の心遣いに寄り添う形で「お返しのための日」を提案し、それが多くの人々の共感を呼んだというわけですね。
バレンタインデーという一大イベントの成功があったからこそ、その「お返し」という文化もまた、私たちの暮らしの中に自然と根付いていったのでしょう。
4. ホワイトデーは海外にもある?日本以外の国の事情
バレンタインデーのお返しをするホワイトデーは、日本で生まれた素敵な習慣ですが、世界に目を向けてみると、その事情は国によってさまざまです。お隣の国では似た文化があったり、欧米では全く異なる形だったりと、興味深い違いが見えてきますよ。
4.1 韓国や台湾などアジアの一部でみられる習慣
ホワイトデーの習慣は、日本だけでなく、韓国や台湾、中国の一部など、アジアの国々にも広がっています。日本の文化が伝わり、それぞれの国で少しずつ形を変えながら根付いているようです。
特に韓国では、日本と同じように3月14日はホワイトデーとして広く知られています。男性が女性へ愛情を込めてお返しを贈る日で、キャンディーを贈るのが定番とされています。さらに韓国には、4月14日の「ブラックデー」というユニークな記念日も。これは、バレンタインデーやホワイトデーで贈り物をもらえなかった人たちが、黒い服を着て「チャジャンミョン(黒い味噌で味付けした麺)」を食べる日なのだとか。少し寂しい気もしますが、ユーモアのある面白い文化ですね。
アジアの国々でのホワイトデーの広まり方を、下の表で少し覗いてみましょう。
国・地域 | ホワイトデーの有無 | 特徴 |
---|---|---|
韓国 | あり | 日本と同様に定着。キャンディーを贈るのが主流。4月14日には「ブラックデー」がある。 |
台湾 | あり | 日本と同じように、バレンタインのお返しをする日として若者を中心に親しまれている。 |
中国 | 一部であり | 都市部の若者を中心に認知されつつあるが、全国的なイベントとしては定着していない。 |
ベトナム | 一部であり | 若者の間で知られているが、まだ一般的な習慣とはいえない。 |
4.2 欧米にはホワイトデーの文化はない
一方、アメリカやヨーロッパなどの欧米諸国に目を向けると、ホワイトデーという文化は基本的に存在しません。その理由は、バレンタインデーの捉え方が日本とは大きく異なるためです。
日本のバレンタインデーは「女性から男性へチョコレートを贈って想いを伝える日」というイメージが強いですが、欧米では「恋人たちが愛を確かめ合う日」であり、男性から女性へプレゼントを贈るのが一般的です。花束やカード、ジュエリーを贈ったり、素敵なレストランでディナーを楽しんだりと、お互いの愛を表現する日として大切にされています。
このように、もともと男性がプレゼントを贈るのが主流のため、「お返し」という考え方自体が生まれず、ホワイトデーの習慣も存在しないのですね。国によって愛の伝え方が違うのも、文化の面白いところ。日本のホワイトデーは、相手を想う心を大切にする、日本ならではの細やかな心遣いから生まれた文化といえるのかもしれません。
5. ホワイトデーのお返しに込められた意味
バレンタインデーにいただいた贈り物へのお返しを選ぶホワイトデー。せっかくなら、感謝の気持ちが伝わる素敵な一品を選びたいものですよね。実は、ホワイトデーに贈るお菓子には、それぞれ特別な意味が込められていると言われているのをご存知でしたか?まるで花言葉のように、お菓子にメッセージを託すなんて、なんだか奥ゆかしくて素敵ですね。ここでは、代表的なお返しに込められた意味をご紹介します。お相手との関係に合わせて選ぶ際の、ささやかなヒントになれば幸いです。
5.1 マシュマロに込められた意味

ふんわりと優しい口当たりのマシュマロですが、お返しに選ぶ際には少し注意が必要かもしれません。マシュマロは口に入れるとすぐに溶けてなくなってしまうことから、「あなたのことがあまり好きではありません」「関係を早く終わらせたい」といった、ちょっぴり寂しい意味合いで解釈されることがあるようです。ホワイトデーの起源のひとつが「マシュマロデー」だったことを考えると少し意外ですが、こうした意味が広まっているため、本命の方や大切に想う方へのお返しとしては、避けた方が安心かもしれませんね。
5.2 クッキーに込められた意味

サクサクとした軽やかな食感が魅力のクッキーは、「これからも良い友達でいましょう」「あなたは大切な仲間です」といった、親しい友情を示すメッセージが込められています。ドライな食感から「さっぱりとした関係」を連想させることや、たくさんの枚数が入っていることが多いことから「大勢の中のひとり」と解釈されることもあるようです。職場の同僚や友人への「ありがとう」の気持ちを伝えるのにぴったりの、気軽で素敵なお返しと言えるでしょう。
5.3 キャンディーに込められた意味

色とりどりで可愛らしいキャンディーは、ホワイトデーのお返しの定番ですね。このキャンディーには、「あなたのことが好きです」という、とても甘くストレートな想いが込められています。口の中で長く甘さを楽しめ、硬くてなかなか割れないことから「あなたとの関係を長く続けたい」「固い絆」を象徴すると言われています。大切な方への真剣な気持ちを伝えたい時に、ぜひ選びたいお返しです。
5.4 マカロンやチョコレートなどその他のお菓子

マシュマロ、クッキー、キャンディー以外のお菓子にも、さまざまなメッセージが込められています。どのお菓子がどんな意味を持つのか、下の表で見ていきましょう。お相手の顔を思い浮かべながら、ぴったりの一品を探してみてくださいね。
お返しの品 | 込められた意味 | おすすめのお相手 |
---|---|---|
マカロン | あなたは「特別な人」です | 本命・特に大切な友人 |
チョコレート | いただいた気持ちをそのままお返しします | 本命・義理・友人 |
バームクーヘン | 幸せが長く続きますように | 本命・友人・家族 |
キャラメル | 一緒にいると安心します | 本命・友人 |
マドレーヌ | もっと仲良くなりたいです | これから親しくなりたい方 |
これらのお菓子の意味は、あくまで一般的に言われているものです。一番大切なのは、お相手を想うあなたの温かい気持ち。心を込めて選んだ一品であれば、きっとその想いはまっすぐに伝わるはずです。ご紹介した意味合いは、選ぶ楽しみを増すためのスパイスとして、どうぞ気軽にご参考にしてくださいね。
6. ホワイトデーのお返しの相場はどのくらい?
バレンタインに心のこもった贈り物をいただいたら、次はお返しの準備ですね。ホワイトデーのプレゼント選びで、多くの方が悩まれるのが「どのくらいの金額のものをお返しすれば良いのか」という予算ではないでしょうか。高価すぎるとかえって相手に気を遣わせてしまうかもしれませんし、あまりに質素でも気持ちが伝わるか心配になるものです。
ここでは、お相手との関係性に合わせたお返しの相場を、具体的な金額とともにご紹介します。大切なのは感謝の気持ちですが、一般的な相場を知っておくことで、心に余裕をもってプレゼント選びを楽しめますよ。
6.1 本命へのお返し相場
パートナーや恋人など、特別な方へのお返しは、いただいたプレゼントの金額を少し上回るくらいが目安とされています。とはいえ、金額の大小よりも、あなたの「ありがとう」の気持ちを伝えることが何よりも大切です。
日頃の感謝を込めて、少し特別なものを選んでみてはいかがでしょうか。アクセサリーや上質な革小物、二人で楽しめるレストランでのお食事なども素敵ですね。
お相手 | 一般的な相場 | プレゼントの例 |
---|---|---|
本命(パートナー・恋人) | 5,000円~15,000円程度 | アクセサリー、ブランドの小物、レストランでの食事、少し贅沢なスイーツなど |
お相手の笑顔を思い浮かべながら、心を込めて選ぶ時間そのものが、最高の贈り物になるはずです。
6.2 職場の同僚や義理チョコへのお返し相場
職場の同僚などからいただく「義理チョコ」へのお返しは、相手に気を遣わせない心遣いが大切になります。いただいたものと同額程度か、少しだけ上乗せするくらいがちょうど良いでしょう。
複数人からまとめていただいた場合は、みんなで分けられる個包装のお菓子などが喜ばれます。休憩時間に話が弾むような、見た目も可愛らしいお菓子を選ぶのも楽しいですね。
お相手 | 一般的な相場 | プレゼントの例 |
---|---|---|
職場の同僚・義理 | 500円~1,500円程度 | 個包装の焼き菓子、ハンカチ、ハンドクリーム、ドリップコーヒーのセットなど |
高価なものである必要はありません。感謝の気持ちが伝わる、さりげないプレゼントを選びましょう。
6.3 友人へのお返し相場
気心の知れた友人からの「友チョコ」には、お互いに負担にならない範囲で、感謝の気持ちを伝えるのが一番です。いただいたプレゼントと同額くらいを目安に、相手の好みに合わせたものを選んでみましょう。
美味しいお菓子はもちろん、ちょっとしたコスメやおしゃれな雑貨なども喜ばれます。「今度一緒にお茶でもしない?」と、楽しい時間をプレゼントするのも素敵なアイデアですね。
お相手 | 一般的な相場 | プレゼントの例 |
---|---|---|
友人 | 1,000円~3,000円程度 | 話題のスイーツ、おしゃれな雑貨、ミニサイズのコスメ、カフェでのランチなど |
プレゼント交換をきっかけに、友人との会話が弾み、より一層仲が深まるかもしれませんね。
7. まとめ
ホワイトデーは、バレンタインのお返しを通して感謝を伝える、日本で生まれた素敵な文化です。その始まりは、福岡の菓子店である石村萬盛堂や全国飴菓子工業協同組合の働きかけなど諸説ありますが、1980年代にはすっかり定着しました。贈るお菓子に込められた意味を知ると、お返し選びも一層楽しくなることでしょう。大切な方へ、あるいは日頃お世話になっている方へ、心を込めた贈り物で素敵な一日を過ごしてみてはいかがでしょうか。
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