春の足音に心弾む3月。年度末の慌ただしさのなかにも、新しい季節への期待がふくらみますね。この記事では、ビジネスやプライベートなど様々な場面で使える3月の挨拶を、豊富な例文とともにご紹介します。上旬・中旬・下旬と時期に合わせた表現や、心に響く結びの言葉も解説。相手やシーンにふさわしい、あなたらしい言葉がきっと見つかります。大切な方へ、心のこもった季節の便りを届けませんか。

1. 3月の挨拶で使える時候の挨拶とキーワード

3月は、長く厳しい冬がようやく終わりを告げ、やわらかな日差しとともに春の訪れを感じる、心弾む季節です。その一方で、年度末という節目を迎え、卒業や異動など、出会いと別れが交錯する少し慌ただしい時期でもありますね。そんな3月にふさわしい挨拶は、相手の状況や気持ちにそっと寄り添うような、温かみのある言葉を選びたいものです。ここでは、手紙やメール、スピーチなど、さまざまな場面で使える3月の挨拶の言葉と、季節感を表現するキーワードをご紹介します。
1.1 3月は春の訪れと年度末が重なる季節
3月の挨拶を考えるとき、心に留めておきたいのが、「希望に満ちた春の始まり」と「一区切りを迎える年度末」という二つの側面です。道端の草花が芽吹き、鳥たちのさえずりが聞こえ始めると、自然と心が浮き立つような気持ちになります。その一方で、お世話になった方との別れや、新しい環境への期待と不安が入り混じる、感慨深い時期でもあります。
こうした季節の背景を少し意識するだけで、挨拶の言葉にぐっと深みが増します。例えば、ビジネスシーンでお世話になった方へは、春からの新しい門出を祝う言葉を添えたり、親しい友人には、一緒に春の訪れを喜ぶような言葉を選んだり。相手の心に響く挨拶は、こうした細やかな心遣いから生まれるのかもしれません。
1.2 3月全般で使える時候の挨拶
ここでは、3月を通して使える時候の挨拶を、改まった表現とやわらかな表現に分けてご紹介します。送る相手や場面に合わせて使い分けてみてくださいね。
種類 | 挨拶の言葉 | 使う場面のヒント |
---|---|---|
漢語調(改まった表現) | 早春(そうしゅん)の候、春暖(しゅんだん)の候、春分(しゅんぶん)の候、浅春(せんしゅん)の候 | ビジネス文書や目上の方への手紙など、丁寧さが求められる場面に適しています。「~の候」のあとには、「皆様におかれましては益々ご清祥のこととお慶び申し上げます。」といった言葉を続けます。 |
口語調(やわらかな表現) | 日ごとに春めいてまいりましたが、いかがお過ごしでしょうか。 桃の節句も過ぎ、本格的な春の訪れが待たれる頃となりました。 ひと雨ごとに暖かさが増してまいりますが、お変わりございませんか。 | 親しい間柄の方への手紙やメール、お知らせなどで使うと、温かく親しみやすい印象になります。相手の健康を気遣う言葉を続けると、より気持ちが伝わります。 |
「春暖の候」は、春の暖かさを感じるようになってから使うのが一般的です。3月上旬のまだ寒さが残る時期には「早春の候」や「浅春の候」を選ぶなど、送る時期の気候に合わせて選ぶと、より季節に合った挨拶になりますよ。
1.3 3月の季節感を表す言葉や季語
挨拶文に季節の言葉を少し加えるだけで、情景が目に浮かぶような、彩り豊かな文章になります。二十四節気や季節の行事、咲き始める花の名前などを上手に取り入れて、あなたらしい春の便りを紡いでみませんか。
どのような言葉があるのか、いくつか見ていきましょう。
分類 | 言葉・季語の例 |
---|---|
二十四節気 | 啓蟄(けいちつ)… 3月5日頃。冬ごもりしていた虫たちが土から出てくる頃。 春分(しゅんぶん)… 3月20日頃。昼と夜の長さがほぼ同じになり、この日を境に昼が長くなっていきます。 |
気候・天気 | 弥生(やよい)、春寒(しゅんかん・はるさむ)、三寒四温(さんかんしおん)、春一番、春霞(はるがすみ)、麗か(うららか)、雪解け(ゆきどけ) |
植物・花 | 桃の花、雛菊(ひなぎく)、沈丁花(じんちょうげ)、木蓮(もくれん)、菜の花、つくし、たんぽぽ、桜の便り |
行事・風物詩 | 雛祭り(ひなまつり)、桃の節句、春の彼岸、卒業、ホワイトデー |
例えば、「啓蟄の候、皆様にはお健やかにお過ごしのことと存じます。」のように時候の挨拶として使ったり、「沈丁花の甘い香りが漂う季節となりました。」のように書き出しの文章に織り込んだりすることができます。「桜」という言葉を使う際は、3月上旬であれば「桜の便りが待たれる頃」、下旬であれば「桜のつぼみも膨らみ始め」のように、時期に合わせた表現を選ぶのが素敵です。
二十四節気の正確な日付は年によって異なります。より詳しく知りたい方は、国立天文台のウェブサイトなども参考になりますよ。
参考:国立天文台暦計算室 暦Wiki「二十四節気」
2. 【時期別】3月の挨拶 例文集
3月は、日ごとに春の気配が濃くなる美しい季節ですね。ひとくちに「3月の挨拶」といっても、上旬、中旬、下旬で少しずつ季節の様子が変わります。ここでは、そんな季節の移ろいに合わせた挨拶の例文を、時期別にご紹介します。お手紙やメールを送る際の参考に、ぜひお役立てください。
2.1 3月上旬の挨拶例文 啓蟄の頃
3月上旬は、暦の上では「啓蟄(けいちつ)」を迎える頃。冬ごもりをしていた虫たちが、春の暖かさを感じて土から出てくる時期です。とはいえ、まだ寒さが戻る「三寒四温(さんかんしおん)」の時季でもあります。ひな祭り(桃の節句)もあり、少しずつ春のお祝いムードが感じられますね。そんな季節感を込めた、心温まる挨拶はいかがでしょうか。
種類 | 挨拶の言葉・キーワード |
---|---|
漢語調 | 啓蟄の候、早春の候、浅春の候 |
口語調 | 桃の節句も過ぎ、春めいてまいりましたが |
季節の言葉 | 三寒四温、春寒、ひな祭り、梅の香り、春の足音 |
【例文1】
啓蟄の候、皆様におかれましては、ますますご健勝のこととお慶び申し上げます。
寒さの中にも、時折ふわりと梅の香りが漂い、春の訪れを感じるようになりました。
【例文2】
桃の節句も過ぎ、ようやく春めいてまいりましたが、お変わりなくお過ごしでしょうか。
三寒四温の時節柄、どうぞご自愛くださいませ。
【例文3】
日に日に春の気配が濃くなるこの頃、いかがお過ごしですか。
近所の土手ではつくしが顔を出し始め、春の足音に心が弾みます。
2.2 3月中旬の挨拶例文 春分の頃
3月中旬になると、昼と夜の長さがほぼ同じになる「春分(しゅんぶん)」を迎えます。この日を境に、本格的な春がやってくるといわれていますね。お彼岸の時期でもあり、ご先祖様に思いを馳せる方もいらっしゃるでしょう。また、卒業式のシーズンでもあり、旅立ちの季節でもあります。暖かな日差しに満ちた、希望あふれる季節感を表現してみましょう。
種類 | 挨拶の言葉・キーワード |
---|---|
漢語調 | 春分の候、仲春の候、麗春の候 |
口語調 | 春分を迎え、本格的な春の到来となりますが |
季節の言葉 | 春色、春光、お彼岸、卒業、旅立ち、春うらら |
【例文1】
春分の候、皆様におかれましては、ますますご清栄のこととお慶び申し上げます。
やわらかな春光に、心も和む毎日です。
【例文2】
春色うららかな好季節となりました。お変わりなくお過ごしでしょうか。
お彼岸には、ご家族皆様で穏やかな時間を過ごされたことと存じます。
【例文3】
日増しに暖かさを感じる今日この頃、いかがお過ごしですか。
街では卒業式に向かう晴れやかな姿を見かけるようになり、こちらも微笑ましい気持ちになります。
2.3 3月下旬の挨拶例文 年度末や桜の便りが聞かれる頃
3月下旬は、いよいよ春本番。桜のつぼみが膨らみ、地域によっては開花の便りが聞かれる心躍る季節です。一方で、年度末ということもあり、お仕事や地域の活動などで何かと慌ただしい日々を送る方も多い時期。相手の忙しさを気遣いながら、新しい季節への期待を込めた挨拶を心がけたいですね。
種類 | 挨拶の言葉・キーワード |
---|---|
漢語調 | 春暖の候、麗春の候、春爛漫の候 |
口語調 | 桜の便りが聞かれる頃となりましたが |
季節の言葉 | 年度末、春休み、桜前線、お花見、春霞(はるがすみ) |
【例文1】
春暖の候、皆様にはますますご健勝のこととお慶び申し上げます。
年度末ご多忙の折とは存じますが、くれぐれもご無理なさらないでください。
【例文2】
桜のつぼみも膨らみ、春爛漫の季節が待ち遠しいこの頃、いかがお過ごしでしょうか。
何かとお忙しい毎日かと存じますが、くれぐれもご無理なさらないでくださいね。
【例文3】
ようやく春本番となり、心華やぐ季節となりました。
お変わりありませんか。近所の公園の桜も咲き始めましたので、今度ぜひご一緒にお花見でも楽しみたいですね。
お住まいの地域の桜の開花状況は、気象庁の情報を参考にされるのもおすすめです。
気象庁 | さくらの開花状況
3. 【ビジネス】3月の挨拶 メールやスピーチで使える例文

お仕事の場面では、季節感のある挨拶が一言添えられているだけで、相手への心遣いが伝わり、丁寧な印象を与えますよね。特に3月は、年度末の慌ただしさや、出会いと別れの季節が重なります。そんな時期だからこそ、言葉の力で円滑なコミュニケーションをはかりたいものです。ここでは、ビジネスメールや朝礼のスピーチですぐに使える、心のこもった3月の挨拶をご紹介します。
3.1 ビジネスメールで使える3月の挨拶
文字でのやり取りが中心のメールは、ともすると無機質な印象になりがちです。時候の挨拶を添えることで文章に温かみが生まれ、お相手との距離も少し縮まるかもしれません。社外の取引先へ送る場合と、社内の同僚へ送る場合、それぞれの場面で使える例文を見ていきましょう。
3.1.1 書き出しの挨拶例文
メールの冒頭に置く挨拶は、送る時期に合わせるのが素敵です。上旬、中旬、下旬それぞれの季節感を取り入れた表現を使ってみましょう。
時期 | 表現の丁寧さ | 例文 |
---|---|---|
3月上旬 (啓蟄の頃) | 丁寧(社外・目上向け) | 啓蟄の候、〇〇様におかれましては、ますますご健勝のこととお慶び申し上げます。早春の候、貴社におかれましては、いよいよご清栄のこととお慶び申し上げます。 |
3月上旬 (啓蟄の頃) | やや丁寧(社内・親しい取引先向け) | 日ごとに春めいてまいりましたが、皆様いかがお過ごしでしょうか。桃の節句も過ぎ、寒さの中にも春の気配が感じられる頃となりました。 |
3月中旬 (春分の頃) | 丁寧(社外・目上向け) | 春分の候、皆様には一段とご活躍のことと拝察いたします。春暖の候、貴社ますますご発展のこととお慶び申し上げます。 |
3月中旬 (春分の頃) | やや丁寧(社内・親しい取引先向け) | ひと雨ごとに暖かさが増す今日この頃、お変わりなくお過ごしのことと存じます。春のお彼岸を迎え、過ごしやすい季節となりました。 |
3月下旬 (年度末) | 丁寧(社外・目上向け) | 陽春の候、〇〇様におかれましては、ますますご清祥のこととお慶び申し上げます。年度末ご多忙の折とは存じますが、貴社いよいよご隆盛のことと存じます。 |
3月下旬 (年度末) | やや丁寧(社内・親しい取引先向け) | 桜の便りが聞かれる季節となりましたが、皆様いかがお過ごしでしょうか。年度末のお忙しい時期かと存じますが、お変わりございませんでしょうか。 |
3.1.2 結びの挨拶例文
メールの最後を締めくくる結びの言葉は、相手の健康や今後の活躍を願う気持ちを伝える大切な部分です。年度末ならではの挨拶も覚えておくと、さまざまな場面で役立ちますよ。
シーン | 例文 |
---|---|
相手の健康を気遣う | 季節の変わり目ですので、どうぞご自愛くださいませ。寒暖差の激しい日が続きますので、くれぐれもご無理なさらないでください。 |
今後の発展や活躍を祈る | 〇〇様の今後のさらなるご活躍を心よりお祈り申し上げます。貴社のますますのご発展を心より祈念しております。 |
年度末の挨拶として | 年度末のお忙しい時期とは存じますが、皆様の益々のご健勝を心よりお祈り申し上げます。来年度も変わらぬご厚情を賜りますよう、お願い申し上げます。 |
異動や退職する方へ | 新天地でのご活躍を心よりお祈りしております。末筆ではございますが、長きにわたり賜りましたご厚情に深く感謝申し上げますとともに、今後のご健勝とご多幸を心よりお祈り申し上げます。 |
3.2 朝礼やスピーチで使える3月の挨拶
大勢の前で話す朝礼やスピーチ。その冒頭で時候の挨拶に触れると、聞いている人の心がなごみ、話に引き込まれやすくなります。長すぎず、心に残る一言で、素敵なスピーチを始めましょう。
【朝礼での挨拶例】
「皆さん、おはようございます。3月に入り、梅の香りや沈丁花の甘い香りが風に乗って届く季節となりました。春の訪れを感じると、心も自然と明るくなりますね。年度末で忙しい毎日ですが、体調管理に気をつけて、今月も元気に乗り切りましょう。」
「おはようございます。3月も後半に入り、いよいよ今年度の締めくくりの時期となりました。この一年を振り返り、悔いのないよう最終日まで業務に励むとともに、気持ちよく新年度を迎えられるよう準備を進めていきましょう。」
【歓送迎会などでのスピーチ例】
「ご紹介にあずかりました〇〇です。春寒もようやく和らぎ、桜の開花が待たれる季節となりました。本日、輝かしい門出を迎えられる皆様、誠におめでとうございます。皆様の未来が、この春の光のように明るく希望に満ちたものであることを心から願っております。」
「春の訪れとともに、別れの季節もやってまいりました。〇〇さんには、公私にわたり大変お世話になりました。寂しい気持ちでいっぱいですが、〇〇さんの新天地でのさらなるご活躍を、社員一同、心より応援しております。今まで本当にありがとうございました。」
スピーチでは、ご自身の言葉で、近所で見かけた春の花のエピソードや、卒業式にまつわる思い出などを少し加えると、より一層心に響くものになりますよ。
4. 【カジュアル】プライベートで使える3月の挨拶例文

気心の知れたお友達や、お世話になった方へ送るプライベートなご挨拶。ビジネスの時とは少し違って、ご自身の言葉で、やわらかな季節の便りを届けたいものですね。うららかな春の陽気に誘われるように、心もふわりと軽くなるような、そんな素敵な一文を見つけてみませんか。
ここでは、お手紙やメール、LINEなど、場面に合わせて使えるカジュアルな3月の挨拶を、たくさんの例文とともにご紹介します。
4.1 手紙やはがきで使える3月の挨拶
少しあらたまったお手紙や、季節の絵はがきを送るときには、時候の挨拶を一言添えるだけで、ぐっと心が通うような温かい印象になります。親しい方へだからこそ、丁寧な言葉を選んで、春の訪れの喜びを分かち合いましょう。
4.1.1 親しい間柄で使える書き出しの挨拶
- 桃の節句も過ぎ、日ごとに春の色が濃くなってまいりましたが、お変わりなくお過ごしでしょうか。
- 沈丁花の甘い香りに、春の訪れを感じる今日この頃です。皆様お元気でいらっしゃいますか。
- ひと雨ごとに暖かさが増してくるのを感じます。お変わりありませんか。
- 春一番の便りが聞かれ、本格的な春の到来が待たれる頃となりました。ご無沙汰しておりますが、お元気ですか。
- つくしが顔を出し始め、春の息吹を感じる季節となりました。皆様、いかがお過ごしでしょうか。
4.1.2 友人や知人へ送る結びの挨拶
- 季節の変わり目ですので、どうぞご自愛くださいませ。
- 花冷えの時節柄、くれぐれも暖かくしてお過ごしください。
- 希望に満ちた春となりますよう、心よりお祈りしております。
- 皆様の新たな門出が、素晴らしいものとなりますように。
- また近いうちに、お会いできる日を楽しみにしております。
4.2 メールやLINEで使える短い3月の挨拶
メールやLINEで用件を伝える前に、ひと言クッションになるような季節の挨拶があると、コミュニケーションがより円滑になりますね。長文でなくとも、相手を気遣う気持ちが伝わる便利なフレーズを集めてみました。
使える場面 | 挨拶の例文 |
---|---|
春の訪れを伝えるとき | うららかな春の日差しが心地よいですね。お元気ですか? |
相手を気遣うとき | 三寒四温の毎日ですが、体調を崩されていませんか? |
花粉症の季節に | 花粉のつらい季節ですが、いかがお過ごしですか?どうぞご無理なさらないでくださいね。 |
卒業や門出を祝うとき | ご卒業おめでとうございます!素敵な春になりますように。 |
ひな祭りに触れるとき | 今日はひな祭りですね。楽しい一日をお過ごしください。 |
桜の便りに触れるとき | 桜の開花が待ち遠しい今日この頃、いかがお過ごしですか? |
5. 3月の挨拶を作成するときのポイントと注意点
3月の挨拶状は、ほんの少しの心配りで、相手の心に温かく響くものになります。季節の言葉を選ぶ楽しさとともに、相手を思いやる気持ちを大切にしたいですね。ここでは、心に残る挨拶文を作成するための3つのポイントをご紹介します。
5.1 相手や場面に合わせた言葉を選ぶ
挨拶は、誰に、どのような場面で送るのかによって、ふさわしい言葉遣いが変わってきます。例えば、お仕事でお世話になっている方へのメールと、気心の知れた友人へ送る手紙とでは、表現が自ずと異なりますよね。大切なのは、相手との関係性を考え、心からの気持ちが伝わる言葉を選ぶことです。かしこまった表現が良い場合もあれば、少し親しみを込めた言葉が喜ばれることもあります。それぞれの場面に合わせた言葉選びを心がけることで、より良い人間関係を育むきっかけにもなりますよ。
5.2 送る時期と季語の整合性を確認する
3月は、厳しい寒さが和らぎ始める「早春」から、桜の便りが聞かれる「晩春」へと、季節が足早に移り変わる月です。そのため、挨拶状を送る時期に合った季節の言葉を選ぶことがとても大切になります。例えば、まだ雪解けの便りが聞かれる上旬に、満開の桜を思わせる言葉を使うと、少し季節を先取りしすぎている印象を与えてしまうかもしれません。二十四節気(にじゅうしせっき)などを参考に、その時々の季節感を大切に表現しましょう。
下の表で、3月の時期ごとにふさわしい言葉の例をまとめましたので、参考にしてみてくださいね。
時期 | 季節の目安 | ふさわしい言葉・キーワードの例 |
---|---|---|
3月上旬 | 啓蟄(けいちつ)の頃 (3月5日頃~) | 早春、浅春、春寒、三寒四温、雪解け、桃の節句、ひな祭り、梅の香り |
3月中旬 | 春分(しゅんぶん)の頃 (3月20日頃~) | 春分、お彼岸、麗らか、春色、陽春、日増しに暖かく、つくし、たんぽぽ |
3月下旬 | 年度末・桜の便り | 晩春、春爛漫、桜前線、おぼろ月夜、春光、風光る、卒業、旅立ち |
より詳しい二十四節気については、国立天文台暦計算室のウェブサイトなども参考になりますよ。
5.3 年度末や異動シーズンに配慮した内容を添える
3月は、多くの会社や組織にとって「年度末」にあたります。また、卒業や入学、就職、転勤など、新しい生活の準備を始める方も多い、変化の季節でもありますよね。挨拶の言葉に、こうした相手の状況を思いやる一言を添えるだけで、ぐっと心のこもった温かいメッセージになります。
お仕事関係の方へは、「年度末ご多忙のことと存じますが」といった労いの言葉を。お世話になった方が異動や退職をされる場合は、これまでの感謝と今後の活躍を祈る気持ちを伝えましょう。また、お子さまの卒業や進学を控えたご友人には、お祝いの言葉をかけると、きっと喜ばれるはずです。
慌ただしい季節だからこそ、相手の心にそっと寄り添うような、優しい言葉を選んでみてはいかがでしょうか。
6. まとめ
春の足音が聞こえ始め、心も軽やかになる3月。同時に、年度末の慌ただしさや別れの季節でもありますね。この記事では、ビジネスやプライベートなど、様々な場面で使える3月の挨拶をご紹介しました。大切なのは、相手を想い、季節の言葉を添える心遣い。ほんの一言に心を込めるだけで、人間関係はより豊かになります。ご紹介した例文をヒントに、あなたらしい言葉で、大切な方へ春の便りを届けてみませんか。
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