食べた後に横になるのはNG?食後何分後なら良い?おすすめの向きも解説

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食後にお腹がいっぱいになると、ついゴロンと横になりたくなりますよね。でも「食べたら牛になる」と聞くと、体に悪いのか、太る原因になるのか気になるところ。実は、食後すぐに横になるのは消化不良や胃酸の逆流を招くため、避けたほうが良い習慣です。この記事では、食後何分後なら横になっても良いのか、消化を助ける体の向き、眠い時の正しい対処法まで、あなたの疑問にやさしくお答えします。健やかな食後の過ごし方を見つけましょう。

目次

1. 結論 食べたあとすぐに横になるのは体に悪影響

美味しい食事をいただいたあと、お腹がいっぱいで、ついソファや畳にごろんと横になりたくなりますよね。あの満腹感に包まれてうとうとする時間は、なんともいえない幸せなひとときです。

でも、実はその「食後すぐにごろん」という習慣、あなたの体に思わぬ負担をかけているかもしれません。なぜ良くないのか、その主な理由を2つ、一緒に見ていきましょう。

1.1 消化不良や胃もたれの原因になる

私たちの胃は、食べたものを消化するために、力強く動いています。このとき、私たちが座ったり立ったりしていると、重力が胃の働きをそっと手伝ってくれるのです。食べ物がスムーズに下(腸)へと送られるのを助けてくれるんですね。

ところが、すぐに横になってしまうと、この重力の助けを借りられず、食べ物が胃の中に長く留まってしまいます。これが、なんだかお腹がすっきりしない「消化不良」や、翌朝まで続くようなつらい「胃もたれ」の大きな原因になるのです。

1.2 胃酸が逆流し逆流性食道炎のリスクを高める

もうひとつの心配な点が、胃酸の逆流です。私たちの胃と食道の間には、胃酸が食道へ戻ってこないように、きゅっと閉じる蓋のような役割をする筋肉があります。

しかし、食後すぐに体を横にすると、胃の中身がこの蓋を押し広げやすくなり、強い酸性の胃酸が食道へ逆流してしまうことがあるのです。これが、胸のあたりが焼けるように感じる「胸やけ」の正体です。この状態が何度も繰り返されると、食道の粘膜が傷つき、「逆流性食道炎」という病気につながることもありますので、注意が必要ですよ。

主な症状考えられる原因
消化不良・胃もたれ重力の影響が減り、食べ物が胃に長く留まるため。
胸やけ・のどの違和感胃酸が食道へ逆流し、粘膜を刺激するため。

このように、食後すぐに横になることは、胃腸にとって良いことがありません。満腹で眠たい気持ちはよく分かりますが、健やかな毎日のために、少しだけ体を起こしておく習慣を心がけてみませんか。

2. 食べたあと横になると太るは本当?「牛になる」の真相を解説

「ご飯を食べたらすぐに横になると、牛になるよ!」なんて、子どもの頃に言われた経験はありませんか?なんだか微笑ましい響きですが、実はこの言い伝え、あながち間違いではないのです。ここでは、食後に横になると太りやすくなる理由と、「牛になる」という言葉に隠された本当の意味を、わかりやすく紐解いていきましょう。

牧場の写真

2.1 エネルギーが消費されず脂肪として蓄積されやすい

食後に横になると太りやすくなるのは、私たちの体の中で起こる「血糖値」と「インスリン」の働きが関係しています。

食事をすると、食べ物に含まれる糖質によって血糖値が上がります。すると、すい臓から「インスリン」というホルモンが分泌され、血液中の糖をエネルギーとして筋肉や細胞に送り込む働きをします。体を動かしていれば、この糖は活動のためのエネルギーとしてどんどん使われていきます。

しかし、食後すぐにゴロンと横になってしまうと、体は「お休みモード」に入ってしまいます。そのため、エネルギーとして使われるはずだった糖が余ってしまい、インスリンの働きによって脂肪として体に蓄えられやすくなるのです。特に、夕食後にそのまま寝てしまう習慣がある方は、日中よりも活動量が少ないため、より脂肪がつきやすい状態になるといえるでしょう。

2.2 迷信「牛になる」の本当の意味とは

では、昔から言われる「牛になる」という言葉は、ただ「太る」という意味だけなのでしょうか。実は、この言葉には昔の人の知恵や、しつけとしての意味合いも込められています。

このことわざに込められた、主な3つの意味を見てみましょう。

意味合い解説
① 太ってしまうことへの警告先ほどご説明した通り、食後に体を動かさないと脂肪が蓄積されやすくなるという、科学的な根拠にも通じる意味です。
② 行儀作法への戒め食事という大切な時間のあと、すぐにだらしなく寝転がるのは行儀が悪い、というしつけとしての意味合いが強くありました。
③ 怠け者になることへの懸念食後すぐに休むのが癖になると、何事にも無精で怠け者になってしまう、という生活態度全体への戒めも含まれています。

このように、「牛になる」という言葉は、単に体型の変化を指すだけでなく、行儀作法や生活習慣への配慮を促す、昔ながらの深い知恵だったのですね。昔の人々も、経験的に食後すぐの休息が体や心に良くない影響を与えることを感じ取っていたのかもしれません。

3. では食後何分後なら横になっても良い?時間の目安

美味しいごはんをいただいた後、なんだかまぶたが重くなってきて、「ちょっとだけ横になりたいな…」と感じること、ありますよね。あの満腹感と眠気はとても心地よいものですが、すぐにゴロンと横になってしまうのは、実は体にとってあまり良くないことなのです。では、一体どのくらいの時間をおけば、安心して横になれるのでしょうか。ここでは、その目安について詳しく見ていきましょう。

3.1 最低でも食後30分は体を起こしておく

まず覚えておきたいのが、どんな食事をした後でも、最低30分は体を起こしておくということです。なぜなら、私たちの体は重力をうまく利用して、食べたものを胃から腸へと送り出しているからです。食後すぐに横になると、この自然な流れが妨げられ、消化がスムーズに進まなくなってしまうのですね。

テレビを見たり、家族とおしゃべりを楽しんだり、お茶を一杯いただいたり。そんな風にゆったりと座って過ごすだけで、胃の働きを助けることにつながります。食後すぐのうたた寝はぐっとこらえて、まずは30分、体を起こしておく習慣をつけましょう。

3.2 理想的な時間は食事内容によって変わる

「30分経てば、もう安心!」と思いたいところですが、実は理想的な時間はその日の食事内容によって変わってきます。食べ物が胃の中に留まる時間は、その種類によって大きく異なるためです。消化の早いものと遅いもの、それぞれの目安を知っておくと、より体にやさしい過ごし方ができますよ。

下の表で、食事内容ごとの目安を確かめてみましょう。

食事の例横になっても良い時間の目安ポイント
軽食や消化の良いもの約1時間後胃での滞在時間が短く、比較的早く消化されます。
通常の食事約2〜3時間後一般的な食事は、消化にある程度の時間が必要です。
脂っこいものや量の多い食事約3時間以上後脂肪分は消化に時間がかかり、胃への負担が大きくなります。

3.2.1 軽食や消化の良いものなら1時間

お粥やうどん、スープ、果物(バナナなど)、ヨーグルトといった消化の良いものをいただいた時は、比較的短い時間で胃を通過していきます。そのため、食後1時間ほど経てば、横になっても体への負担は少ないでしょう。お昼ごはんを軽く済ませた後、少しだけお昼寝をしたい時などは、この時間を意識してみてくださいね。

3.2.2 通常の食事や脂っこいものなら2時間から3時間

お肉やお魚がメインのしっかりとした食事や、天ぷら、とんかつ、中華料理といった脂っこいものを食べた場合は、消化にもぐっと時間がかかります。脂肪分は胃酸の分泌を抑え、胃の動きを鈍くさせるため、食べ物が長く胃の中に留まることになるのです。

このような食事の後は、最低でも2時間、できれば3時間ほどは体を起こしておくのが理想的です。美味しい夕食を堪能した夜は、すぐに寝床へ向かわずに、読書をしたり、好きな音楽を聴いたりして、ゆったりとした時間を過ごしてみてはいかがでしょうか。

4. 食べたあとに横になる時のおすすめの向きはどっち?

せっかくの美味しい食事、そのあとのんびり体を休めたいけれど、「どっちを向いて横になるのが体に良いのかしら?」と迷ったことはありませんか。実は、横になる向きによって、私たちの体、特に胃の働きに与える影響が大きく変わってくるのですよ。体の構造を考えながら、ご自身の体調に合った最適な向きを見つけていきましょうね。

4.1 消化を助けるなら「右向き」

食後の胃もたれが気になる方や、消化を少しでもスムーズにしたいと感じる時は、体の右側を下にして横になる「右向き」がおすすめです。私たちの胃は、出口が体の右側に向かってカーブしています。そのため、右側を下にして横になると、食べたものが胃から次の消化器官である十二指腸へと自然に流れやすくなり、消化の助けになるのです。お腹にやさしく、消化の負担を軽くしたい時に試してみてくださいね。

4.2 胃酸の逆流を防ぐなら「左向き」

一方で、胸やけを感じやすい方や、胃酸が食道へこみ上げてくるような不快感がある場合は、体の左側を下にして横になる「左向き」が良いとされています。胃は、入り口が左側にあり、全体的にフラスコのような形をしています。左側を下に向けると、胃酸が胃の下のほうに溜まりやすくなり、食道へ逆流しにくくなるのです。特に、逆流性食道炎の症状が気になる方は、この「左向き」を意識すると、症状が和らぐかもしれません。

向き期待できる効果こんな方におすすめ
右向き消化を促進し、胃もたれを軽減する食べたものが胃に残りやすいと感じる方、消化を助けたい方
左向き胃酸の逆流を防ぎ、胸やけを抑える胸やけしやすい方、逆流性食道炎の症状が気になる方

4.3 避けるべき姿勢 うつ伏せと完全な仰向け

横になる向きも大切ですが、避けていただきたい姿勢もあります。それは「うつ伏せ」と「完全な仰向け」です。

まず、うつ伏せは、お腹全体を圧迫してしまうため最も避けたい姿勢です。胃に強い圧力がかかり、食べたものが逆流しやすくなるだけでなく、消化活動そのものを妨げてしまいます。胸も圧迫されて呼吸が浅くなることもあるので、食後は絶対にやめましょう。

また、体をまっすぐにした「完全な仰向け」も、胃酸の逆流を招きやすいので注意が必要です。仰向けになると、胃の入り口が緩みやすくなり、胃酸が食道まで戻ってきやすくなるのです。もし仰向けで休みたい場合は、次の章でご紹介する「上半身を高くする」工夫を取り入れてみてくださいね。

5. どうしても眠い!食べたあと横になりたい時の正しい対処法

食後の心地よい満腹感とともに、ふんわりとやってくる眠気。わかってはいるけれど、どうしても横になりたい時もありますよね。そんな時は、体に負担をかけにくい「賢い休み方」を試してみませんか?完全に横になってしまうのではなく、少し工夫するだけで、体への影響をぐっと減らすことができるのですよ。

5.1 上半身を高くして横になる

もし横になるのであれば、完全に体を水平にするのではなく、上半身を少し高く保つことを心がけてみてください。胃の入り口が食道よりも低い位置に保たれるため、食べたものが逆流しにくくなります。

ご自宅にあるクッションや座布団、折りたたんだ毛布などを背中にあてて、緩やかな傾斜を作るのがおすすめです。リクライニング機能のあるソファや椅子があれば、それを活用するのも良い方法ですね。角度の目安としては、背中から頭にかけて15度から30度くらいの傾斜をつけるのが理想的です。これなら、消化の妨げになりにくく、胃酸がこみ上げてくる不快感を防ぐことにもつながります。

5.2 ソファや椅子で仮眠をとる

「ちょっとだけ目を閉じたい」という時には、ベッドやお布団ではなく、ソファや椅子に座ったまま仮眠をとるのがおすすめです。座った姿勢は上半身が起きている状態に近いため、胃腸への負担が少なくて済みます。

深く眠り込みすぎないように、時間は15分から20分程度にとどめておきましょう。短い時間の仮眠は、午後の活動の活力を補ってくれますが、長すぎるとかえって夜の睡眠に影響してしまうこともあります。タイマーをセットしておくと、うっかり寝過ごす心配もなく安心ですよ。

5.3 軽い散歩やストレッチで眠気を覚ます

横になるのとは反対に、あえて少しだけ体を動かしてみるのも、眠気を乗りこなす素敵な方法です。食後の軽い運動は、血糖値の急な上昇を穏やかにしてくれるため、眠気の防止につながります。もちろん、息が上がるような激しい運動は消化の妨げになるので禁物です。あくまで「ゆっくり」「軽く」を意識しましょう。

具体的にどのようなことをすれば良いか、いくつか例を挙げてみますね。

おすすめの軽い運動ポイント
近所を散歩するおしゃべりできるくらいのゆったりとしたペースで、景色を楽しみながら15分ほど歩いてみましょう。気分転換にもなります。
その場でストレッチ腕をぐっと伸ばしたり、肩を回したり、足首をくるくる動かしたり。座ったままでもできる簡単な動きで、血の巡りを良くしましょう。
簡単な家事食器を洗ったり、洗濯物をたたんだりといった、立って行う軽い家事も効果的です。食後の片付けを済ませてしまえば、心もすっきりしますね。

ほんの少し体を動かすだけで、眠気がすっきりと晴れて、体も心も軽やかになるのを感じられるはずですよ。

6. まとめ

食後のひと休み、つい横になりたくなりますが、すぐに体を倒すのは消化不良や胸やけなど、体に負担をかけてしまうことがあります。理想は食事を終えてから1時間から3時間ほど、体を起こして過ごすこと。もし横になる場合は、消化を助けるなら右向き、胃酸の逆流が気になるなら左向きと、向きを意識するのも良い方法です。どうしても眠い時は、クッションなどで上半身を少し高く保つ工夫を。日々の小さな心がけで、健やかな毎日を過ごしましょう。

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この記事を書いた人

ハレノヒ編集部は、「わたしらしく、身軽に暮らす」をテーマに、日々の暮らしを前向きに楽しむためのヒントをお届けしています。
美容や健康、趣味、暮らしの工夫など、50代以降の女性を中心に、誰もが自分らしく輝けるような情報をやさしい目線で発信しています。
ちょっと気になる話題や、ふと心に残る言葉も添えて、皆さまの毎日が少し晴れやかになりますように。

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