メルカリでの取引、「確定申告は必要なの?」「売上がいくらから対象になるの?」とご不安に思われるかもしれませんね。この記事では、メルカリの売上に関する確定申告の基本から、所得税が発生する具体的なケース、利益の計算方法、手続きの流れまで、わかりやすく解説します。生活で使っていたものの売却は原則非課税であることなど、知っておきたいポイントも。安心してメルカリを楽しむための知識を一緒に確認しましょう。
1. メルカリの売上は確定申告が必要?基本を解説
メルカリで不用品を売ったり、手作りの品を販売したりする方が増えていますね。手軽にお小遣い稼ぎができるのは嬉しいけれど、「これって確定申告が必要なのかな?」と気になっている方もいらっしゃるのではないでしょうか。ここでは、メルカリの売上と確定申告の基本的な関係について、わかりやすくご説明します。メルカリでの取引が、私たちの暮らしとどう関わってくるのか、一緒に見ていきましょう。
1.1 メルカリの確定申告が必要になるケースとは
メルカリでの取引で確定申告が必要になるのは、主に「利益(所得)」が発生し、それが一定の金額を超える場合です。具体的には、次のようなケースが考えられます。
- お金を得ることを目的として商品を仕入れて販売し、利益が出た場合(いわゆる「せどり」や「転売」などと呼ばれるものです)
- ご自身で作った品物(ハンドメイド作品など)を継続的に販売し、利益が出た場合
- 不用品の販売であっても、事業として繰り返し行い、継続的に利益を得ていると判断される場合
これらの活動から得た利益は、税金の計算上「所得」とみなされ、金額によっては確定申告をして所得税を納める必要が出てきます。どのような場合に所得税がかかるのか、具体的な金額の目安は次の章で詳しく見ていきましょう。ご自身の状況と照らし合わせながら、読み進めてみてくださいね。
1.2 メルカリの確定申告が不要になるケースとは
一方で、メルカリでの売上すべてに確定申告が必要というわけではありません。次のような場合は、基本的に確定申告は不要です。多くの方がこちらに当てはまるかもしれませんね。
- ご自身の不用品(「生活用動産」といいます)を売却した場合(詳しくは次の項目でご説明しますので、ご安心ください)
- 売上から仕入れ値や材料費などの経費を差し引いた利益(所得)がほとんどない、または赤字の場合
- メルカリでの利益(所得)が、確定申告が必要となる基準額に満たない場合(お勤めの方や、ご家族の扶養に入っている方など、状況によって基準額が異なります)
「これは不用品だから大丈夫かな?」と迷うこともありますよね。特に大切なのが、次の「生活用動産」という考え方です。これを理解しておくと、安心してメルカリを利用できますよ。
1.3 生活用動産の売却は原則非課税
メルカリで最も多い取引は、ご家庭にある「生活用動産」の売却ではないでしょうか。生活用動産とは、家具、じゅう器、通勤用の自動車、衣服など、普段の生活で使っている品物のことを指します。これらのものを売って得た利益は、原則として所得税がかからず、確定申告も不要です。これは、暮らしの中で自然と出てくる不用品を売ることは、利潤追求の事業とは性質が異なると考えられているためです。この点については、国税庁のウェブサイト「No.3105 譲渡所得の対象となる資産と課税方法」でも明記されています。
例えば、次のようなものを売った場合は、基本的に非課税と考えてよいでしょう。
- 着なくなった洋服や昔使っていたバッグ
- 読み終えた本や聴かなくなったCD、見終わったDVD
- お子様が大きくなって使わなくなったおもちゃやベビー用品
- 買い替えで不要になった家具や家電製品(テレビ、冷蔵庫、洗濯機など)
このように、普段の生活で使っていたものを手放す際の売上は、心配いらないケースがほとんどです。ただし、生活用動産の売却でも注意が必要なケースがいくつかあります。以下の表で確認してみましょう。
注意が必要なケース | 説明 |
---|---|
1点(または1組)の価格が30万円を超える貴金属、宝石、書画、骨とう品など | これらは生活用動産とはみなされず、売って得た利益は「譲渡所得」として課税対象になります。ご自宅に眠っている高価な品を売る際は、少し気をつけてくださいね。 |
明らかに儲ける目的で仕入れたものを売る場合 | たとえ見た目は普段使いの品物でも、最初から転売する目的で安く仕入れて高く売るような場合は、生活用動産の売却とは言えません。この場合の利益は、事業所得や雑所得として課税対象になる可能性があります。 |
同じような品物を継続的に、大量に販売している場合 | 個人の不用品処分とは言えない規模で、繰り返し同じような品物を販売していると、事業とみなされることがあります。例えば、毎月何十点も同じジャンルの品物を売っている、といった場合です。 |
「これはどっちかな?」と迷ったときは、「お金儲けが主な目的なのか、それとも家の中の不用品整理が主な目的なのか」という視点で考えてみると、判断の助けになるかもしれません。それでもご自身での判断に迷う場合は、お住まいの地域を管轄する税務署や、税理士に相談することをおすすめします。安心してメルカリを楽しむために、基本的なルールを知っておくことは大切ですね。
2. メルカリの確定申告で所得税が発生する売上・利益額の目安
メルカリで楽しくお取引をされていると、「この売上、税金はどうなるのかしら?」と気になることがありますよね。特に、どれくらいの売上や利益が出たら確定申告をして、所得税を納める必要があるのかは、多くの方が知りたいポイントではないでしょうか。ここでは、あなたの状況に合わせて、所得税が発生するメルカリでの売上や利益の目安を、わかりやすくご説明しますね。
大切なのは、メルカリでの「売上」そのものではなく、売上から必要経費を差し引いた「所得(利益)」の金額が基準になるということです。どんな場合に所得税がかかってくるのか、一緒に見ていきましょう。
2.1 会社員やアルバイトなど給与所得者の場合
会社にお勤めの方や、パート・アルバイトで給与をもらっている方は、普段、会社が年末調整をしてくれるので、ご自身で確定申告をする機会は少ないかもしれませんね。でも、メルカリでの販売活動が「副業」にあたる場合、その所得によっては確定申告が必要になることがあります。
2.1.1 副業の所得が20万円を超える場合
会社員やアルバイトの方がメルカリで得た所得(売上から経費を引いた利益)が、年間で20万円を超える場合には、原則として確定申告が必要になります。この「20万円」という金額は、メルカリ以外の副業、例えばアフィリエイトや他のフリマアプリでの所得などもすべて合計した金額で判断します。
たとえば、メルカリでの利益が15万円で、他にハンドメイド作品をネットショップで販売して8万円の利益があった場合、副業の所得合計は23万円となり、20万円を超えるため確定申告が必要になる、というわけです。この20万円以下のルールは、あくまで所得税に関するもので、住民税の申告は別途必要になる場合があるので注意しましょうね。詳しくは、お住まいの市区町村の窓口で確認なさるのが安心です。
2.2 主婦・主夫や学生など被扶養者の場合
配偶者の扶養に入っている主婦・主夫の方や、親御さんの扶養に入っている学生さんの場合も、メルカリでの所得によっては確定申告が必要になることがあります。こちらは、会社員の方とは少し基準が異なりますよ。
2.2.1 所得が48万円(基礎控除額)を超える場合
メルカリでの所得を含む年間の合計所得金額が48万円(基礎控除額)を超える場合は、確定申告が必要になり、所得税が発生する可能性があります。この48万円という金額は、すべての人に適用される「基礎控除」の額です。所得がこの基礎控除額以下であれば、所得税はかからない仕組みになっているのですね。
例えば、専業主婦(主夫)の方がメルカリだけで収入を得ていて、その所得(売上から経費を引いた利益)が年間50万円だった場合、48万円を超えていますので確定申告が必要となります。学生さんの場合も同様に、アルバイトをしておらず、メルカリの所得が48万円を超えると、ご自身で確定申告を考える必要が出てきます。
また、メルカリでの所得が増えることで、配偶者控除や扶養控除の対象から外れてしまう可能性もあるので、ご家族ともよく相談しておくと良いでしょう。特に、年間所得が48万円を超えると扶養から外れるケースが多いので、注意が必要です。
参考:国税庁「基礎控除」
2.3 個人事業主やフリーランスの場合
すでに個人事業主として活動されている方や、フリーランスとしてお仕事をしている方がメルカリで販売を行う場合、その売上や利益は事業の一部として考えることが一般的です。
2.3.1 事業所得として申告する場合
個人事業主やフリーランスの方は、メルカリでの売上や経費も、他の事業収入や経費と合算して事業所得として確定申告を行います。そのため、「いくらから」という明確なラインがあるわけではなく、事業全体の所得に対して所得税が計算されます。
例えば、デザインのお仕事をフリーランスで請け負いつつ、趣味で作った雑貨をメルカリで販売している場合、メルカリでの売上もデザインの売上と一緒に事業の収入として計上し、かかった経費を差し引いて所得を計算します。そして、その合計所得金額に応じて所得税を納めることになります。青色申告をしている場合は、青色申告特別控除などの特典も受けられますので、ご自身の事業形態に合わせて適切に処理しましょうね。
このように、メルカリでの活動によって所得税が発生する目安は、あなたの働き方や状況によって変わってきます。ご自身のケースに合わせて、確定申告が必要かどうかを確認してみてくださいね。
3. メルカリの確定申告における所得の種類と計算方法
メルカリで得た収入について、「これは税金の対象になるのかしら?」「どうやって計算するの?」と疑問に思われる方もいらっしゃるかもしれませんね。ここでは、メルカリの売上がどのような種類の所得にあたるのか、そして利益(所得)をどのように計算するのかを、わかりやすくご説明します。ご自身の状況に合わせて、確定申告の準備を進めていきましょう。
3.1 メルカリの利益は主に雑所得か事業所得
メルカリで得た利益は、その性質によって主に「雑所得(ざつしょとく)」または「事業所得(じぎょうしょとく)」のどちらかに分類されます。どちらに該当するかによって、確定申告の際に少し違いが出てくるんですよ。
多くの場合、会社員の方が副業としてメルカリを利用したり、主婦の方が不用品を販売したりして得た利益は「雑所得」に該当します。これは、事業とまではいえない、一時的な収入や副次的な収入と考えられるからです。例えば、読み終えた本やサイズが合わなくなったお洋服を売って得た利益などがこれにあたりますね。
一方、メルカリでの販売を本格的なお仕事として、継続的に、そしてある程度の規模で行っている場合は「事業所得」として扱われることがあります。例えば、ご自身で商品を仕入れて、利益を出すことを目的としてメルカリで販売活動を続けているようなケースです。事業所得として申告する場合は、事前に税務署へ「開業届」を提出することが一般的です。事業所得には、青色申告という節税効果の高い申告方法を選べるメリットもありますよ。詳しくは国税庁のウェブサイトで「事業所得の課税のしくみ(事業所得)」や「雑所得」に関する情報をご確認くださいね。
ご自身のメルカリでの活動がどちらにあたるか迷った場合は、税務署や税理士さんに相談してみるのが安心です。
3.2 メルカリの利益(所得)の計算方法
メルカリで得た利益、つまり所得は、次の簡単な式で計算できます。
収入金額(売上金額) - 必要経費 = 所得金額
この計算で出た所得金額をもとに、確定申告が必要かどうか、また納める税金の額が決まってきます。それでは、それぞれの項目について詳しく見ていきましょう。
3.2.1 売上金額の集計方法
まずは、メルカリでの「売上金額」を正確に把握することが大切です。これは、商品が売れた金額の合計ですね。メルカリのアプリやウェブサイトの「売上履歴」や「販売履歴」といった項目から、期間を指定して確認することができますよ。
確定申告の対象となるのは、1月1日から12月31日までの1年間の売上です。年末が近づいてきたら、忘れずに集計するようにしましょう。手書きのノートやパソコンの表計算ソフトなどを使って、毎月記録しておくと、後で慌てなくて済みますね。
3.2.2 経費として計上できるもの一覧
次に、「必要経費」です。これは、メルカリで商品を販売するために直接かかった費用のことを指します。経費をきちんと計上することで、所得金額を抑えることができ、結果として税金の負担を軽くすることにつながります。どんなものが経費になるのか、代表的なものをいくつかご紹介しますね。
経費の種類 | 具体例 | ポイント |
---|---|---|
仕入れ代金 | 販売する目的で購入した商品の代金 | 転売目的で商品を仕入れた場合に限ります。不用品販売の場合は該当しません。 |
梱包材費 | 封筒、段ボール、プチプチ(緩衝材)、ガムテープなど | 商品を発送するために使った梱包用品の費用です。 |
送料 | 商品を発送する際にかかった郵便代、宅配便料金など | 出品者負担で送料を支払った場合に経費となります。 |
販売手数料 | メルカリに支払う販売価格の10%の手数料 | 売上から自動的に引かれていますが、経費として計上します。 |
振込手数料 | 売上金をご自身の銀行口座に振り込む際にかかる手数料 | 売上金を引き出す際に発生した場合です。 |
通信費 | インターネット回線費用、スマートフォンの通信料など | メルカリの出品や取引連絡に使用した分を、家事按分して一部経費にできます。 |
その他 | 商品の撮影に使用した小物代、仕入れのための交通費など | 販売に直接関連する費用であれば経費と認められる場合があります。 |
上記はあくまで一例です。ご自身の状況に合わせて、何が経費にあたるのかを確認してみてくださいね。国税庁の「やさしい必要経費の知識」も参考になりますよ。
3.2.3 経費の計算と証拠書類の保管
経費を計上するためには、「いつ」「何に」「いくら支払ったか」を証明する書類が必要不可欠です。具体的には、レシートや領収書、クレジットカードの利用明細などがこれにあたります。これらの書類は、確定申告が終わった後も、一定期間大切に保管しておかなければなりません。白色申告の場合は原則5年間、青色申告の場合は原則7年間(一部5年のものもあります)の保管が義務付けられています。
日頃から、メルカリ販売にかかった費用のレシートは専用の封筒やファイルにまとめておいたり、家計簿やノートに記録したりする習慣をつけておくと、確定申告の際にスムーズです。最近では、レシートをスマートフォンで撮影して記録できるアプリなどもありますので、活用してみるのも良いかもしれませんね。
もし証拠書類がないと、税務署から経費として認めてもらえない可能性もありますので、証拠書類の保管は確定申告の基本中の基本と覚えておきましょう。国税庁の「記帳や帳簿等保存・青色申告」のページにも、帳簿書類の保存に関する詳しい情報がありますので、一度目を通しておくと安心です。
このように、売上と経費をきちんと把握し、正しく所得を計算することが、メルカリの確定申告の第一歩となります。少し手間がかかるように感じるかもしれませんが、慣れてしまえば大丈夫ですよ。
4. メルカリの確定申告 具体的なやり方と流れ
メルカリでの楽しい取引のあとには、ちょっぴり頭を悩ませるかもしれない確定申告が待っていることがありますわね。でも大丈夫、一つひとつ手順を追っていけば、決して難しいことではありません。ここでは、メルカリの売上に関する確定申告の具体的な進め方について、わかりやすくご案内いたします。
4.1 確定申告の準備物
確定申告をスムーズに進めるためには、あらかじめ必要なものを揃えておくことが大切です。何が必要なのか、一緒に確認していきましょう。
準備するもの | 主な内容・入手先など |
---|---|
マイナンバーカード | マイナンバー(個人番号)が記載された顔写真付きのカードです。お持ちでない場合は、マイナンバー通知カードと運転免許証などの本人確認書類の組み合わせでも代用できます。 |
源泉徴収票(給与所得がある方) | お勤め先から年末から年始にかけて発行されます。給与所得の証明になります。 |
メルカリの売上データ | メルカリのアプリやウェブサイトから、期間を指定して売上履歴をCSVファイルなどでダウンロードできます。いつ、何が、いくらで売れたのかを把握するために必要です。 |
経費の領収書や記録 | 仕入れ代金、梱包材、送料、振込手数料など、メルカリでの販売にかかった費用の証明書類です。詳しくは後述します。 |
銀行口座の情報 | 還付金がある場合に、振込先の口座情報(金融機関名、支店名、口座番号など)が必要です。ご本人名義の口座をご用意ください。 |
印鑑(認印で可) | 申告書に押印する際に使用します。e-Taxで電子申告する場合は不要なこともあります。 |
筆記用具、電卓 | 手書きで申告書を作成する場合に必要です。 |
これらの準備物を揃えておけば、申告作業がぐっと楽になりますよ。特にメルカリの売上データや経費の記録は、日頃からこまめにまとめておくと安心ですわね。
4.2 確定申告書の作成方法
確定申告書を作成する方法はいくつかあります。ご自身の状況ややりやすい方法を選んで、チャレンジしてみましょう。
4.2.1 白色申告と青色申告の違い
確定申告には、主に「白色申告」と「青色申告」の2種類があります。メルカリの売上を申告する場合、どちらを選べばよいのでしょうか?それぞれの特徴をみてみましょう。
項目 | 白色申告 | 青色申告 |
---|---|---|
帳簿付け | 簡易な帳簿(単式簿記)でOK | 原則として複式簿記(より詳細な帳簿)が必要 |
事前手続き | 特に不要 | 原則として、その年の3月15日まで(または開業日から2ヶ月以内)に「所得税の青色申告承認申請書」を税務署に提出が必要 |
特別控除 | なし | 最大65万円、55万円、または10万円の特別控除が受けられる(要件あり) |
赤字の繰り越し | 原則不可 | 純損失を翌年以降3年間繰り越せる |
その他メリット | 手続きが比較的簡単 | 家族への給与を経費にできる(青色事業専従者給与)、貸倒引当金の設定など |
メルカリでの販売が副業で、それほど手間をかけずに申告を済ませたいという方には、まずは白色申告が取り組みやすいでしょう。一方、メルカリでの販売を事業として本格的に行い、節税効果も期待したいという方は、青色申告を検討する価値があります。ただし、青色申告は帳簿付けが複雑になるため、会計ソフトの利用や税理士への相談も視野に入れるとよいかもしれませんね。
4.2.2 e-Taxでのオンライン申告
最近では、ご自宅のパソコンやスマートフォンからインターネット経由で確定申告ができる「e-Tax(イータックス)」を利用する方が増えています。24時間いつでも申告手続きができ、一部の添付書類の提出を省略できるなどのメリットがあります。
e-Taxを利用するには、主に以下の方法があります。
- マイナンバーカードとICカードリーダライタ(またはマイナンバーカード読み取り対応のスマートフォン)を使って申告する方法
- 事前に税務署でID・パスワード方式の届出を完了させて申告する方法
国税庁のウェブサイトには「確定申告書等作成コーナー」という便利なページがあり、画面の案内に従って入力するだけで申告書が作成できます。初めての方でも比較的わかりやすく作られていますので、挑戦してみてはいかがでしょうか。
4.2.3 税務署への持参または郵送
もちろん、従来通り、作成した確定申告書を税務署の窓口へ直接提出したり、郵送したりする方法もあります。
税務署へ持参する場合は、受付時間を確認し、申告期間の終盤は大変混み合いますので、時間に余裕をもって行かれることをおすすめします。その場で職員の方に簡単な質問ができる場合もあります。
郵送する場合は、管轄の税務署宛に送ります。「信書」扱いとなるため、郵便局の窓口で確認するか、レターパックなどを利用するとよいでしょう。提出期限日の消印有効です。申告書の控えに受付印が必要な場合は、切手を貼った返信用封筒と申告書の控えを同封するのを忘れずに。
4.3 確定申告の期限と納税方法
確定申告には、申告書の提出期限と、納めるべき税金がある場合の納税期限が定められています。うっかり忘れてしまうとペナルティが発生することもあるので、しっかり確認しておきましょう。
所得税の確定申告の期限は、原則として毎年2月16日から3月15日までです。この期間内に申告書の提出と納税を済ませる必要があります。(曜日の関係で前後することがありますので、必ずその年の正確な日程をご確認ください。)
納税方法には、以下のようなものがあります。
納税方法 | 概要 |
---|---|
振替納税 | 指定した預貯金口座から自動的に引き落とされる方法。事前に手続きが必要です。納税期限が少し先に延びるメリットがあります。 |
e-Tax(ダイレクト納付・インターネットバンキング) | e-Taxを利用して、インターネットバンキングやATMから電子納税する方法。 |
クレジットカード納付 | 国税クレジットカードお支払サイトを通じて、クレジットカードで納付する方法。決済手数料がかかりますが、ポイントが付く場合もあります。 |
コンビニ納付 | 税務署から発行されるバーコード付きの納付書を使って、コンビニエンスストアで納付する方法(納付額30万円以下)。 |
窓口納付 | 金融機関または所轄の税務署の窓口で、現金に納付書を添えて納付する方法。 |
ご自身にとって便利な方法を選んで、期限内に納税を済ませてくださいね。もし還付金がある場合は、申告書に記載した銀行口座へ後日振り込まれます。楽しみにお待ちくださいませ。
確定申告の手続きは少し複雑に感じるかもしれませんが、一つひとつ丁寧に進めれば大丈夫。もし途中で分からなくなったり、不安なことがあったりしたら、税務署の相談窓口や税理士さんに相談することも考えてみてくださいね。
5. メルカリの確定申告をしないとどうなる?バレる可能性とペナルティ
メルカリでの取引が楽しくて、ついつい夢中になってしまうこともありますよね。でも、もし確定申告が必要なのにうっかり忘れてしまったら、どうなるのでしょうか。ここでは、メルカリの売上を申告しなかった場合に考えられることや、ペナルティについて、わかりやすくご説明しますね。
5.1 無申告がバレるケースとは
「少しの金額だから大丈夫かしら」「どうせバレないでしょう」なんて思っていませんか?実は、税務署はさまざまな方法で個人のお金の動きを把握しています。メルカリでの売上も例外ではありません。
例えば、以下のようなケースで無申告が明らかになることがあります。
- 税務署の調査: 税務署は、法律に基づいてメルカリのようなプラットフォーム事業者に情報提供を求めることができます。これにより、誰がどれくらいの売上を得ているかを把握することが可能です。また、銀行口座の入出金記録などから個人の所得状況を調査することもあります。国税庁も「インターネット取引を行っている場合の税務上の取扱いについて」といった情報を提供し、ネット取引への関心を高めています。
- 第三者からの情報提供: まれなケースではありますが、何らかの事情で第三者から税務署へ情報が提供されることも考えられます。
- 支払調書の提出義務(将来的な可能性): 現状、メルカリから個人への売上について、税務署へ支払調書を提出する義務は必ずしもありません。しかし、税務署は必要に応じてメルカリに情報照会を行う権限を持っていますし、今後の税制改正で取り扱いが変わる可能性もゼロではありません。
- マイナンバー制度との連携: マイナンバー制度の導入により、将来的には個人の所得情報が一層把握されやすくなると言われています。
このように、「バレないだろう」という安易な考えは禁物です。申告が必要な場合は、きちんと手続きを行いましょう。
5.2 確定申告を怠った場合のペナルティ
もし確定申告が必要にもかかわらず申告を怠ったり、申告した内容に誤りがあったりした場合、本来納めるべき税金に加えて、いくつかのペナルティが課されることになります。主なものとして「無申告加算税」と「延滞税」があります。それぞれ見ていきましょう。
5.2.1 無申告加算税
無申告加算税は、定められた期限までに確定申告をしなかった場合に課される税金です。ペナルティの税率は、申告の状況によって異なります。
状況 | 無申告加算税の税率 |
---|---|
税務署の調査を受ける前に、自主的に期限後申告をした場合 | 原則として、納付すべき税額の5% |
税務署の調査を受けてから申告した場合や、税務署から申告漏れを指摘された場合 | 原則として、納付すべき税額のうち50万円までの部分は15%、50万円を超える部分は20% (注:令和6年1月1日以後に法定申告期限が到来するものについては、300万円を超える部分に対しては30%となる場合があります。) |
このように、自主的に申告するかどうかで、ペナルティの大きさが変わってくることがわかりますね。もし「申告し忘れていた!」と気づいたら、できるだけ早くご自身で申告することが大切です。
さらに、もし意図的に所得を隠していたなど、悪質だと判断された場合には、無申告加算税に代えて、または追加でさらに重い「重加算税」(原則として、追加本税の35%または40%)というペナルティが課されることもありますので、くれぐれもご注意ください。
5.2.2 延滞税
延滞税は、定められた納期限までに税金を納付しなかった場合に、その遅れた日数に応じて課される利息のような税金です。納期限の翌日から実際に納付した日までの日数に応じて計算されます。
延滞税の税率は年によって変動し、また納付が遅れた期間によっても変わることがあります。具体的には、納期限の翌日から2か月を経過する日までは比較的低い利率ですが、それを過ぎると利率が高くなるのが一般的です。
(参考:国税庁「延滞税について」)
つまり、確定申告を怠ると、本来納めるべき税金に加えて、無申告加算税と延滞税という余分な負担が増えてしまう可能性があるのです。安心してメルカリを楽しむためにも、確定申告のルールをきちんと理解し、必要な手続きを忘れずに行いましょうね。
6. メルカリ確定申告に関するよくある質問
メルカリでの取引と確定申告について、皆さまから寄せられることの多いご質問にお答えします。ちょっとした疑問もここで解決して、すっきりとした気持ちで毎日を過ごしましょう。
6.1 メルカリの売上が少額でも確定申告は必要?
メルカリでの売上がたとえ少額であっても、利益(所得)が発生した場合には、原則として確定申告が必要になる可能性があります。ただし、すべての方が対象となるわけではありません。
例えば、会社にお勤めの方(給与所得者)で、メルカリでの所得(売上から経費を引いた利益)が年間20万円以下の場合や、専業主婦(主夫)の方や学生さんなどで、メルカリを含めた年間の合計所得金額が48万円(基礎控除額)以下の場合には、所得税の確定申告は不要となることがあります。
ただし、これはあくまで所得税のお話です。住民税の申告は別途必要になる場合があるため、注意が必要です。ご自身の状況に合わせて、申告が必要かどうかを確認しましょう。
6.2 住民税の申告は別途必要?
所得税の確定申告をされた方は、その情報が税務署からお住まいの市区町村に連携されるため、原則として別途住民税の申告を行う必要はありません。
しかし、先ほどお話ししたように、メルカリでの所得が年間20万円以下であるなどの理由で所得税の確定申告が不要だった場合でも、住民税の申告は必要になるケースがあります。住民税には「20万円以下なら申告不要」というルールがないためです。メルカリで利益が出ている場合は、お住まいの市区町村の役所窓口やウェブサイトで確認し、必要であれば住民税の申告手続きを行いましょう。
6.3 開業届は出すべき?
メルカリでの販売を事業として本格的に行い、その所得を「事業所得」として申告する場合には、税務署へ「個人事業の開業・廃業等届出書(開業届)」を提出する必要があります。開業届を提出し、青色申告の承認を受けると、最大65万円の青色申告特別控除など、税制上の優遇措置を受けられるメリットがあります。
一方、メルカリでの所得が一時的なものやお小遣い稼ぎ程度で、「雑所得」として申告する場合には、開業届の提出は必須ではありません。ご自身の活動の実態(継続性、規模、収益性など)から、事業所得に該当するか雑所得に該当するかを判断しましょう。判断に迷う場合は、税務署や税理士にご相談いただくのが安心です。
もし事業所得として申告する予定であれば、事業を開始した日から1か月以内に提出するのが原則です。詳しくは、国税庁のウェブサイト「[手続名]個人事業の開業届出・廃業届出等手続」も参考にしてくださいね。
6.4 メルカリ以外のフリマアプリやネットオークションの売上も合算する?
はい、メルカリ以外のフリマアプリ(ラクマ、PayPayフリマなど)やネットオークション(ヤフオク!など)で得た売上や利益も、原則として合算して申告する必要があります。
例えば、メルカリでの所得が雑所得に該当し、他のフリマアプリでの所得も雑所得に該当する場合、それらの所得をすべて合計して雑所得として申告します。給与所得など他の所得がある場合は、それらと合算して総所得金額を計算し、最終的な税額を算出します。それぞれのプラットフォームごとに売上や経費をきちんと管理し、正確な所得を把握することが大切です。
6.5 確定申告で困ったときの相談先は?
確定申告は少し複雑に感じるかもしれませんが、困ったときには相談できる場所がいくつかあります。一人で悩まず、専門家の力を借りるのも良い方法ですよ。
相談先 | 特徴 | 費用 | こんな方におすすめ |
---|---|---|---|
税務署 | 確定申告の基本的な疑問、申告書の書き方などを相談できます。電話相談や、国税庁のウェブサイトではチャットボット(ふたば)やタックスアンサー(よくある税の質問)も利用できます。 | 無料 | 何から手をつけて良いかわからない方、基本的なことを確認したい方。 |
税理士 | 税務の専門家です。個別の状況に合わせた具体的な節税アドバイスや、複雑な申告書の作成代行、記帳代行などを依頼できます。 | 有料 | 売上が大きい方、節税対策をしっかり行いたい方、申告手続きに時間をかけられない方。 |
青色申告会 | 個人事業主の方を中心に、記帳指導や確定申告のサポートを行っています。比較的安価な会費で相談できる場合があります。 | 会費制 | 青色申告を検討している個人事業主の方、継続的なサポートを受けたい方。 |
市区町村の役所(住民税担当課) | 住民税の申告に関する相談ができます。所得税の確定申告が不要でも住民税の申告が必要な場合に。 | 無料 | 住民税の申告について具体的に確認したい方。 |
国税庁の「確定申告期に多いお問合せ事項Q&A」のページも、疑問解決のヒントになるかもしれません。ご自身に合った相談先を見つけて、安心して確定申告を進めてくださいね。
7. まとめ
メルカリでの心ときめくお取引、その利益によっては確定申告が必要になる場合がございますの。特に、会社員の方で副業の所得が年間20万円を超える場合や、扶養に入られている方で所得が年間48万円を超える場合は、お手続きを忘れないようにしたいものですね。もし申告を怠ってしまうと、ペナルティが発生することもございます。この記事を道しるべに、ご自身の状況を一度ご確認いただき、これからも安心してメルカリを楽しんでいきましょう。