ビール・発泡酒・第三のビールの違いは?見分け方や原料・味の違い、特徴を解説

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今日の晩酌に、と手に取った一本。それは本当に「ビール」でしょうか?それとも「発泡酒」や「第三のビール」かもしれませんね。この記事では、似ているようで実は違う、ビール・発泡酒・第三のビールの違いを、原料や価格、味わいの観点からやさしく解き明かします。その違いの決め手となっているのは、主に「麦芽の使用率」。それぞれの特徴を知れば、その日の気分や食事に合わせた一本がきっと見つかり、いつもの時間がもっと楽しくなりますよ。

目次

1. ビールと発泡酒 第三のビールの違いが一目でわかる比較表

「ビールに発泡酒、第三のビール…なんだかいろいろあって、違いがよくわからないわ」と感じている方も多いのではないでしょうか。スーパーのお酒売り場にずらりと並んだ缶を前に、迷ってしまうこともありますよね。でも、ご安心ください。実は、この3つの違いはとってもシンプルなんです。

一番のポイントは、「麦芽(ばくが)をどれくらい使っているか」という原料の違いと、それによって変わる「お酒の税金(酒税)」にあります。まずは下の表で、それぞれの特徴を比べてみましょう。これを見れば、きっとスッキリしますよ。

種類ビール発泡酒第三のビール(新ジャンル)
原料(酒税法上の定義)麦芽の使用率が50%以上で、国が定めた副原料(米、とうもろこし、果実など)の重量が麦芽の5%以内。麦芽の使用率が50%未満のもの。または、麦芽使用率が50%以上でも、ビールで認められていない原料を使っているもの。麦芽を全く使わないで、豆類やとうもろこしなどを原料にしたもの。または、発泡酒に麦由来のスピリッツ(蒸留酒)などを加えたもの。
味わいの特徴麦芽由来の深いコクと豊かな香り。しっかりとした飲みごたえが楽しめます。すっきりとした飲み口で、軽やかな味わいが特徴。爽快なのどごしです。ビールに近い味わいを追求しつつ、ゴクゴク飲める軽やかさが魅力。商品ごとの個性も豊かです。
価格の目安(350ml缶)約200円~約160円~約140円~
代表的な商品アサヒスーパードライ
キリン一番搾り
サッポロ生ビール黒ラベル
キリン淡麗グリーンラベル
アサヒスタイルフリー
サントリー金麦
キリンのどごし<生>
アサヒクリアアサヒ

※価格はあくまで目安です。お店によって異なります。
※原料の定義については、国税庁の「酒類の定義及び分類」を参考にしています。

いかがでしたか? このように、麦芽をたっぷり使って作られているのが「ビール」で、麦芽の量を減らしたり、別の原料を使ったりすることで、お値段が手ごろになっているのが「発泡酒」や「第三のビール」というわけです。どれが良い・悪いということではなく、それぞれに違った魅力があるのですね。この後の章では、それぞれの特徴やおいしさについて、もっと詳しく見ていきましょう。

2. ビール・発泡酒・第三のビールの定義とそれぞれの特徴

スーパーのお酒売り場にずらりと並んだ、ビールや発泡酒、第三のビール。見た目はとてもよく似ていますが、実は法律(酒税法)によってきちんと分類されているんですよ。ここでは、それぞれの定義と特徴を、ひとつずつ丁寧に見ていきましょう。この違いがわかると、毎日の晩酌がもっと楽しくなるかもしれません。

2.1 ビールの定義と特徴

まずは、王道の「ビール」から。昔から多くの人に愛されてきたビールは、その豊かな味わいと香りが魅力です。日本の酒税法では、ビールと名乗るために厳しい条件が定められています。

2.1.1 原料は麦芽・ホップ・水が基本

ビールの主な原料は「麦芽」「ホップ」「水」、そして酵母です。法律では、麦芽の使用割合が50%以上であることが定められています。また、風味付けに使う副原料も、麦や米、とうもろこし、でんぷんなど、決められたものしか使うことができません。この厳格なルールがあるからこそ、ビールならではの深いコクと麦の豊かな香り、ホップの心地よい苦みが生まれるのですね。

2.1.2 代表的な商品 アサヒスーパードライなど

誰もが一度は耳にしたことがある有名な商品がたくさんあります。キレのある辛口が人気の「アサヒ スーパードライ」や、麦のおいしさを存分に味わえる「キリン 一番搾り」、バランスの取れた味わいの「サッポロ生ビール黒ラベル」、華やかな香りが特徴の「サントリー ザ・プレミアム・モルツ」などが代表的です。

2.2 発泡酒の定義と特徴

次に、すっきりとした飲みやすさで人気の「発泡酒」です。ビールに比べて手頃な価格で楽しめることから、多くの方に親しまれています。

2.2.1 麦芽使用率50%未満のビールテイスト飲料

発泡酒は、ビールとよく似た製法で作られますが、決定的な違いは麦芽の使用割合にあります。麦芽の使用割合が50%未満のもの、またはビールでは認められていない原料(例えば、果実や香辛料など)を使用したものが「発泡酒」に分類されます。麦芽の割合が少ないため、ビールに比べて酒税が安く、その分お手頃な価格で販売されているというわけです。味わいは、軽やかでクセがなく、ゴクゴクと飲みやすいのが特徴です。

2.2.2 代表的な商品 キリン淡麗グリーンラベルなど

発泡酒の代表的な商品としては、すっきりとした味わいと爽やかな香りが特徴の「キリン 淡麗グリーンラベル」や、糖質ゼロで人気の「アサヒ スタイルフリー」などがあります。健康を意識した商品が多いのも、発泡酒の嬉しいポイントですね。

2.3 第三のビール(新ジャンル)の定義と特徴

そして、今ではすっかりおなじみになった「第三のビール」。正式には「新ジャンル」と呼ばれ、さらにお手頃な価格で楽しめるのが最大の魅力です。毎日の食卓にも気軽に合わせやすいですよね。

2.3.1 麦芽以外の原料や別のアルコールを使用

第三のビールは、ビールや発泡酒とは異なるアプローチでビールらしい味わいを追求したお酒です。大きく分けて2つのタイプがあります。

タイプ作り方の特徴
その他の醸造酒(発泡性)麦芽をまったく使わずに、えんどう豆や大豆、とうもろこしなどを原料にして作られます。
リキュール(発泡性)麦芽使用率が低い発泡酒に、麦から作ったスピリッツ(蒸留酒)などを加えて作られます。

こうした工夫によって、より低い酒税が適用され、私たちがお求めやすい価格になっているのです。各メーカーの努力によって、味わいもどんどん進化しており、ビールに引けを取らない満足感のある商品が増えています。

2.3.2 代表的な商品 サントリー金麦など

麦のうまみにこだわった「サントリー 金麦」や、すっきりとしたのどごしが人気の「キリン のどごし<生>」、クリアな後味が特徴の「アサヒ クリアアサヒ」などが、スーパーなどでもよく見かける代表的な商品です。

3. 【簡単】ビール 発泡酒 第三のビールの見分け方

スーパーのお酒売り場にずらりと並んだ、色とりどりの缶。どれも美味しそうだけれど、「これはビール?それとも発泡酒?」と迷ってしまうことはありませんか。実は、この3種類、誰でもすぐに見分けられる簡単な方法があるんですよ。お買い物の際にさっと確認できる、2つのポイントをご紹介しますね。

3.1 パッケージの品目表示を確認する

一番確実で簡単な見分け方は、缶のパッケージに書かれている「品目」の表示を確認することです。缶の裏側や側面に、原材料名などが書かれている欄がありますので、そこをじっくり見てみてください。「品名」や「名称」ではなく、「品目」という項目を探すのがコツですよ。

この「品目」は、お酒にかかる税金の法律である「酒税法」に基づいてきちんと分類されています。ここに何と書かれているかで、そのお酒がビール、発泡酒、第三のビールのどれにあたるのかがはっきりとわかるのです。

お酒の種類パッケージの「品目」表示
ビールビール
発泡酒発泡酒
第三のビール(新ジャンル)リキュール(発泡性)① または その他の醸造酒(発泡性)①

表を見ていただくとわかるように、ビールと発泡酒はそのまま「ビール」「発泡酒」と書かれています。一方で、第三のビールは「第三のビール」や「新ジャンル」とは書かれていません。「リキュール(発泡性)①」や「その他の醸造酒(発泡性)①」といった表示になっているのが大きな特徴です。今度お店で見かけたら、ぜひ缶をくるっと回して確かめてみてくださいね。詳しいお酒の分類については、国税庁のホームページでも確認できますよ。

3.2 価格帯で判断する

「いちいち表示を確認するのは少し面倒かしら…」という方は、おおよその価格帯で判断するという方法もあります。ビール、発泡酒、第三のビールは、それぞれお酒にかかる税金(酒税)の額が異なるため、販売価格にも違いが出てくるのです。

一般的には、「ビール」が最も価格が高く、次いで「発泡酒」、「第三のビール」の順にお手頃になっていきます。もちろん、お店や商品によって多少の違いはありますが、大まかな目安として覚えておくと便利ですよ。

お酒の種類価格の目安
ビール200円前後~
発泡酒150円前後~
第三のビール(新ジャンル)120円前後~

※上記の価格はあくまで目安です。

このように、価格の違いを知っておくと、棚に並んでいる商品がどの種類なのかを大まかに推測することができます。「今日はちょっと贅沢したいからビールにしよう」「毎日飲むから、お財布にやさしい第三のビールがいいわ」といったように、その日の気分やシーンに合わせて選ぶ際の参考にもなりますね。

4. 味や価格の違いから選ぶ おすすめの選び方

ビール、発泡酒、第三のビール(新ジャンル)、それぞれの違いがわかると、今度は「自分にはどれが合うのかしら?」と気になりますよね。ここからは、その日の気分や食事、お財布事情に合わせて、あなたにぴったりの一本を見つけるための選び方をご紹介します。それぞれの魅力を知って、毎日の暮らしをもっと豊かに彩りましょう。

あなたにぴったりの選び方を、簡単な表にまとめてみました。

こんな方におすすめビールの種類味の特徴価格帯
ご褒美や特別な日にビール麦のコクと香りが豊か高め
味と価格のバランス重視発泡酒すっきり軽やか中間
毎日の晩酌に第三のビールクリアで飲みやすい手頃

4.1 しっかりとしたコクと香りを楽しむならビール

週末の夜、一日頑張った自分へのご褒美に、ゆったりとした時間を過ごしたい。そんな時には、やはり「ビール」がおすすめです。麦芽を贅沢に使った豊かなコクと深い香りは、ビールならではの醍醐味。一口飲むたびに、ふわりと広がる麦のうまみとホップの爽やかな苦みが、心と体を解きほぐしてくれます。

例えば、「アサヒスーパードライ」のようなキレのある味わいは食事を引き立ててくれますし、「サッポロ ヱビスビール」のように芳醇でまろやかなものは、それだけでじっくりと味わうのにぴったりです。大切な人との食事や、記念日のお祝いなど、少し特別なひとときを、より一層素敵なものにしてくれるでしょう。

4.2 価格と味わいのバランスを求めるなら発泡酒

「ビールらしい味わいは好きだけれど、毎日のことだから少し価格も気になるわ」という方には、「発泡酒」が素敵な選択肢になります。ビールに比べて麦芽の使用率が低い分、価格は控えめですが、すっきりとしていて軽やかな飲み心地が魅力です。

食事の味を邪魔しないので、和食や洋食、どんなお料理とも相性が良いのも嬉しいポイント。「キリン 淡麗グリーンラベル」のように、糖質やプリン体を抑えた商品も多く、健康に気を配りたい方にも人気があります。味わいと価格、どちらも大切にしたいという賢いあなたにぴったりの、まさに「良いとこどり」の存在ですね。

4.3 毎日の晩酌に コスパ重視なら第三のビール

家族のために毎日お料理を頑張った後、ほっと一息つく時間。そんな日々の晩酌には、お財布にやさしい「第三のビール(新ジャンル)」が心強い味方です。最大の魅力は、なんといってもその手頃な価格。これなら、気兼ねなく毎日の食卓に並べられますね。

「サントリー 金麦」や「キリン のどごし〈生〉」など、最近の第三のビールは企業努力によって、ビールに引けを取らないほどの満足感が得られるものが増えています。ゴクゴクと飲める爽快なのどごしは、一日の疲れを忘れさせてくれるはず。気軽に楽しめるので、冷蔵庫に常備しておきたくなる、暮らしに寄り添う一本です。

5. 知っておきたい酒税法の改正と今後の動向

「最近、好きだった第三のビールが少し高くなった?」「ビールが前より買いやすくなった気がする…」そんな風に感じたことはありませんか?実はそれ、2020年から段階的に始まった「酒税法」の改正が関係しているんです。ちょっと難しそうに聞こえるかもしれませんが、私たちの毎日の晩酌にも関わる大切なお話。ここでは、その内容と今後の変化について、わかりやすくご紹介しますね。

5.1 酒税改正の目的は「税率の格差をなくすこと」

これまでビール、発泡酒、第三のビール(新ジャンル)は、それぞれお酒にかかる税金、つまり「酒税」の額が異なっていました。一番税率が高かったのが「ビール」で、麦芽の使用率が低い「発泡酒」、そして「第三のビール」と続くにつれて税率が安くなっていたのです。

そのため、各メーカーさんは少しでも手頃な価格で楽しめるようにと、税率の低い発泡酒や第三のビールの開発に力を注いできました。今回の酒税改正は、こうしたお酒の種類による税率の差をなくし、公平にしていこうという目的があるんですよ。

5.2 段階的に行われる酒税改正のスケジュール

酒税の変更は、私たちの暮らしへの影響が大きいことから、2020年、2023年、2026年の3回に分けて、少しずつ行われています。具体的に350mlあたりの税額がどのように変わっていくのか、下の表で見てみましょう。

改正前(~2020年9月)第1段階(2020年10月~)第2段階(2023年10月~)最終段階(2026年10月~)
ビール77円70円63.35円54.25円
発泡酒(麦芽比率25%未満)46.99円46.99円46.99円54.25円
第三のビール(新ジャンル)28円37.8円46.99円54.25円

※発泡酒は麦芽使用率によって税率が異なりますが、ここでは一般的な商品を例に挙げています。より詳しい情報は国税庁の公式サイトでもご確認いただけます。

5.3 私たちの暮らしへの影響は?価格はどう変わる?

この税額の変更によって、私たちの暮らしにも変化が訪れています。

  • ビール:段階的に「減税」されているため、以前よりも少しお求めやすい価格になりました。これまで特別な日に楽しんでいた方も、気軽に手に取りやすくなったかもしれませんね。
  • 第三のビール(新ジャンル):反対に「増税」となるため、少しずつ価格が上がっています。毎日の楽しみにしていた方にとっては、少し悩ましい変化かもしれません。
  • 発泡酒:しばらく税額は変わりませんでしたが、2026年にはビールや第三のビールと同じ税額になります。

一番のポイントは、2026年に向けて、これら3つの種類の価格差がどんどん小さくなっていくということです。これからは「安いから第三のビール」という選び方だけでなく、新しい選び方が主流になっていくかもしれません。

5.4 2026年には「ビール系飲料」の税率が一本化

そして、最終目的地の2026年10月。ついにビール、発泡酒、第三のビールの税率が「54.25円」に統一されます。税金が同じになるということは、メーカーさんは価格の競争だけでなく、より一層「味」や「品質」、「個性」で心を掴む商品づくりに力を入れるようになるでしょう。

私たち飲み手にとっても、これは嬉しい変化。価格を気にすることなく、「今日はしっかりした苦みを味わいたいからビール」「すっきり爽やかな気分だから、この発泡酒」というように、その日の気分やお料理に合わせて、純粋に「飲みたい味」で選べる楽しみが広がりそうですね。これからの新しい商品にも、期待が膨らみます。

6. まとめ

ビール、発泡酒、第三のビールの違いは、主に麦芽の使用割合と、それに基づく酒税法の区分にありました。この違いが、それぞれの個性豊かな味わいや価格に繋がっているのですね。豊かなコクと香りを楽しみたい特別な日にはビールを、すっきりとした飲みやすさと価格のバランスを求めるなら発泡酒、そして日々の食卓で気軽に味わいたいときには第三のビールを。それぞれの特徴を知って、その日の気分やシーンに合わせて選ぶ楽しみを見つけてみてはいかがでしょうか。

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この記事を書いた人

ハレノヒ編集部は、「わたしらしく、身軽に暮らす」をテーマに、日々の暮らしを前向きに楽しむためのヒントをお届けしています。
美容や健康、趣味、暮らしの工夫など、50代以降の女性を中心に、誰もが自分らしく輝けるような情報をやさしい目線で発信しています。
ちょっと気になる話題や、ふと心に残る言葉も添えて、皆さまの毎日が少し晴れやかになりますように。

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