受験やスポーツの試合など、大切な一日を前にすると、心を落ち着かせ、自信を与えてくれる「お守り」が欲しくなることはありませんか。この記事では、そんなあなたを後押しする「験担ぎ」を、食べ物やお菓子、アイテムまでシーン別に幅広くご紹介します。定番のカツ丼からコンビニで手軽に買えるお菓子まで、ご自身にぴったりの方法がきっと見つかるはず。験担ぎは、あなたの努力を信じて本番に臨むための大切な儀式。上手に取り入れて、最高の結果をつかみましょう。
1. そもそも験担ぎとは 意味や由来をわかりやすく解説
大切な試験や試合の前、あるいは新しいことを始めるとき、「うまくいきますように」と特別な行動をとった経験はありませんか?カツ丼を食べたり、いつも同じアクセサリーを身につけたり。こうした行いは「験担ぎ(げんかつぎ)」と呼ばれ、昔から私たちの暮らしに根付いています。
この章では、そんな「験担ぎ」という言葉の本来の意味や、ちょっと意外な由来、そしてなぜ私たちが験を担ぎたくなるのか、その不思議な力について、わかりやすく紐解いていきます。知っているようで知らなかった験担ぎの世界を、一緒に覗いてみましょう。

1.1 験担ぎの意味とは?縁起担ぎとの違い
「験担ぎ」とよく似た言葉に「縁起担ぎ」があります。どちらも幸運を願う気持ちは同じですが、実は少し意味合いが違うんですよ。その違いを知ると、日々の行いがもっと面白く感じられるかもしれません。
「験担ぎ」とは、主に自分自身の行動に結びついた幸運を願う習慣のことです。「以前、このペンを使ったらテストで良い点が取れたから、次も使おう」というように、良い結果が出た行動を繰り返すことで、再び幸運を呼び込もうとします。主体はあくまで「自分」の行動にあるのが特徴です。
一方、「縁起担ぎ」は、物や日、方角など、自分以外のものに元々備わっているとされる吉凶を気にする習慣を指します。「大安の日だから結婚式を挙げよう」「北枕は縁起が悪いから避けよう」といった考え方がこれにあたります。
違いを簡単な表にまとめてみました。
験担ぎ(げんかつぎ) | 縁起担ぎ(えんぎかつぎ) | |
---|---|---|
主になるもの | 自分自身の特定の行動 | 世間一般で良い(悪い)とされる物事や日時 |
具体例 | ・試合の朝は必ず同じメニューを食べる ・大切な商談には赤いネクタイをしていく ・試験会場までいつもの道順で行く | ・お祝い事に「4」や「9」の数字を避ける ・玄関に盛り塩を置く ・大安吉日に新しいことを始める |
このように、験担ぎは個人的な経験に基づいた「おまじない」のようなもの、縁起担ぎは古くからの言い伝えや風習に基づいたもの、と考えるとわかりやすいですね。
1.2 験担ぎの由来は江戸時代の「逆さ言葉」から
「験(げん)を担ぐ」という言葉、その語源はなんと江戸時代に流行した言葉遊びにあると言われています。
当時、江戸の町では言葉をひっくり返して言う「逆さ言葉」が粋な遊びとして大流行しました。例えば、お客様を「まきゃくさま」、新しいことを「しいあらた」と呼ぶような具合です。
その中で、「縁起(えんぎ)」という言葉も逆さにされ、「ぎえん」と言われるようになりました。この「ぎえん」が時を経て「げん」という音に変化したのが、「験」の由来とされています。「担ぐ」には、何かを信じたり、こだわったりするという意味がありますから、「縁起にこだわる」ことが「験を担ぐ」になったのですね。
粋な江戸っ子たちの言葉遊びが、現代の私たちの習慣につながっているなんて、なんだか面白いお話だと思いませんか?
1.3 なぜ人は験を担ぐの?心を整える心理的な効果
科学的な根拠はないとわかっていても、私たちはどうして験を担ぎたくなるのでしょうか。それには、私たちの心に働きかける、ちゃんとした理由があるのです。
大きな挑戦を前にすると、誰でも不安になったり、緊張したりするものです。そんなとき、験担ぎは心を落ち着かせ、前向きな気持ちにしてくれる大切なお守りのような役割を果たしてくれます。
例えば、スポーツ選手が試合前に行う一連の動作を「ルーティン」と呼びますが、これも験担ぎの一種です。「いつもと同じ行動」をすることで、「よし、準備は万端だ」という自信が生まれ、平常心で本番に臨むための心のスイッチになるのです。
また、「これをしたから大丈夫」と強く信じることで、力が湧いてくることもあります。これは「自己暗示」や「プラセボ効果」にも似た働きで、思い込みが実際の結果に良い影響を与えることも少なくありません。
験担ぎは、単なる迷信ではなく、大事な場面で自分の力を最大限に引き出すための、昔ながらの暮らしの知恵。あなたも、自分だけの「験担ぎ」を見つけて、毎日を少しだけ心強く過ごしてみるのも素敵ですね。
2. 【シーン別】勝負に勝つための験担ぎ
人生には「ここ一番!」という大切な場面が訪れますよね。お子さんやお孫さんの受験、ご自身の趣味の大会、あるいは大切な仕事の場面など、さまざまです。そんなとき、昔から多くの人が心の支えにしてきたのが「験担ぎ」。ここでは、大切な勝負の日に、あなたの背中をそっと押してくれるような、さまざまなシーン別の験担ぎをご紹介します。

2.1 受験や試験に臨むときの験担ぎ
長かった受験勉強や資格取得のための学習。その努力の成果をすべて出し切るために、心を落ち着かせてくれるおまじないを取り入れてみませんか。不安な気持ちを和らげ、自信を持って本番に臨むための、昔ながらの知恵がたくさんありますよ。
2.1.1 合格を祈願する食べ物やお菓子
試験前日や当日の朝食には、縁起の良い語呂合わせの食べ物が人気です。美味しくいただくだけで、不思議と「きっと大丈夫」という気持ちが湧いてきます。お弁当に入れて応援するのも素敵ですね。最近では、コンビニやスーパーで手軽に買える合格祈願のお菓子もたくさんあって、選ぶのも楽しいひとときです。
種類 | 食べ物・お菓子の例 | 由来・意味 |
---|---|---|
食事 | カツ丼、とんかつ | 「勝つ」という言葉にかけた定番の勝負飯です。 |
食事 | おむすび(おにぎり) | 「努力が実を結ぶ」「良い縁を結ぶ」といった意味が込められています。 |
食事 | タコ(オクトパス) | 「置くとパス(合格)」という語呂合わせから、縁起物とされています。 |
食事 | 納豆、とろろ | ネバネバした食材で、「粘り勝ち」を祈願します。 |
お菓子 | キットカット | 九州の方言「きっと勝つとぉ」が由来で、受験生の定番応援菓子です。 |
お菓子 | ポッキー、トッポ | 数字の「1」が並んでいるように見えることから、「吉報(きっぽう)」を連想させます。トッポは最後までチョコたっぷりなことから「最後まで諦めない」という意味も。 |
2.1.2 集中力を高めるアイテムや行動
食べ物だけでなく、ちょっとした行動や持ち物も、心を整える大切な儀式(ルーティン)になります。大切なのは、その行動をすることで自分自身が落ち着き、自信を持てること。自分だけの「お守り」を見つけてみましょう。
- 使い慣れた文房具を使う:長年連れ添ったペンや消しゴムは、まるで相棒のような存在。手に馴染んだ道具は安心感を与えてくれます。
- 五角形の鉛筆を持つ:「五角」と「合格」をかけた縁起の良いアイテムです。転がりにくい形も試験向きですね。
- お守りを身につける:学問の神様で知られる神社のお守りは、持っているだけで心が安らぎます。
- 試験会場の下見に行く:事前に場所や雰囲気を知っておくことで、当日の焦りをなくし、落ち着いて行動できます。
- 掃除をする:部屋や机の周りをきれいにすると、気持ちがすっきりして集中力が高まります。運気を呼び込むとも言われています。
2.2 スポーツの試合で力を発揮する験担ぎ
プロのスポーツ選手も、試合前に決まった行動をとることで心を整え、最高のパフォーマンスを発揮しようとします。大切な試合で日頃の練習の成果を存分に発揮できるよう、心と体を最高の状態に導く験担ぎを取り入れてみましょう。

2.2.1 試合前に食べたい勝負飯
試合で力を出し切るためには、エネルギー補給が欠かせません。消化が良く、力になる食事を摂ることが大切ですが、そこに「勝利」への願いを込めることで、さらに気持ちが高まります。
- うどん:消化が良く、エネルギーになりやすい炭水化物です。「太く長く」「運が強い」といった縁起の良い意味もあります。
- 餅・赤飯:お餅は「粘り強さ」を、お赤飯は「お祝い」を意味する縁起の良い食べ物です。力持ちの象徴でもありますね。
- バナナ:手軽にエネルギー補給ができ、足のつりを予防するカリウムも豊富なため、スポーツ選手に人気の果物です。
- ウインナー:英語の「Winner(勝者)」にちなんで、朝食やお弁当に取り入れる方も多いようです。
2.2.2 勝利を引き寄せるラッキーアイテム
いつも身につけているものが、勝利の女神を微笑ませるかもしれません。自分だけのラッキーアイテムを持つことで、「これがあれば大丈夫」という強い気持ちが生まれます。
- 決まった色のウェアや小物を身につける:「この色のソックスを履くと調子が良い」など、自分だけのラッキーカラーを決めてみましょう。
- ミサンガやパワーストーン:仲間との絆や、勝利への願いを込めたアクセサリーは、強力な心の支えになります。
- 使い込んだ道具:長年愛用しているラケットやグローブ、スパイクなどは、努力の証そのもの。一番の信頼できる相棒です。
- 試合前のルーティン:「必ず左足から靴を履く」「特定の音楽を聴く」など、試合に入るまでの一連の動作を決めておくと、心が落ち着き、集中モードへの切り替えがスムーズになります。
2.3 就職活動や大切な商談での験担ぎ
社会に出ると、就職の面接や大切なプレゼンテーション、商談など、新たな「勝負」の場面が待っています。良いご縁を引き寄せ、自分の力をしっかりと発揮するための、大人ならではの験担ぎをご紹介します。
服装や持ち物に縁起の良いものを取り入れるのが、手軽でおすすめです。例えば、「ここぞ」という時に締めるネクタイや、自信を与えてくれる色のスカーフなどを「勝負アイテム」として決めておくのです。また、出かける前に靴をピカピカに磨くのも良いでしょう。「幸運はきれいな靴に訪れる」と言われ、足元を整えることで気持ちが引き締まります。
昔ながらのおまじないとして、「人」という字を手のひらに書いて飲み込む、というものも有名ですね。緊張をほぐし、「相手にのまれないように」という強い気持ちを持つための、可愛らしい儀式です。大切なのは、こうした小さな工夫で前向きな気持ちを作り出し、自信を持ってその場に臨むことなのかもしれませんね。
3. 【食べ物】験担ぎにおすすめの食事メニュー一覧
大切な勝負の前には、おいしい食事で心と体を満たしてあげたいものですね。古くから伝わる縁起の良い食べ物を取り入れれば、食事が応援のメッセージに早変わり。ここでは、試験や試合といった大一番の日にぴったりの、験担ぎにおすすめの食事メニューをご紹介します。大切なご家族のために、心を込めて食卓を整えるのも素敵な応援になりますよ。
3.1 定番の験担ぎ飯 カツ丼やとんかつ
験担ぎの食べ物と聞いて、多くの方が真っ先に思い浮かべるのが「とんかつ」ではないでしょうか。「勝負に勝つ」というストレートな願いを込めた「カツ」は、まさに王道の勝負飯です。サクサクの衣をまとったジューシーなお肉をいただけば、心も体もエネルギーで満たされ、不思議と力が湧いてくる気がします。
定番は、甘辛いだしが染み込んだ「カツ丼」や、ご飯と相性抜群の「とんかつ定食」。ほかにも、手軽に食べられる「カツサンド」や、カレーと合わせた「カツカレー」も人気があります。ここ一番という大事な日の前夜や当日の朝に、力強い味方として食卓に登場させてみてはいかがでしょう。
3.2 粘り強さを発揮するネバネバ食材
受験勉強やスポーツの試合では、最後まで諦めない「粘り強さ」が求められますよね。そんな時には、「粘り勝ち」できるようにと願いを込めて、ネバネバとした食材を取り入れるのがおすすめです。納豆やとろろ、オクラといった食材は、栄養満点なことでも知られています。体を内側から整え、万全の状態で本番に臨む手助けをしてくれるでしょう。

ネバネバ食材 | 縁起の良い意味 | おすすめの食べ方 |
---|---|---|
納豆 | 粘り強さ、Never give up(ネバーギブアップ) | 納豆ご飯、納豆巻き |
とろろ(長いも・山芋) | 粘り勝ち、精がつく | とろろ蕎麦、麦とろご飯 |
オクラ | 粘り強さ、五角形で「合格」を連想させる | おひたし、和え物、スープの具 |
めかぶ | 粘り強さ | ご飯のお供、冷奴に乗せて |
いつもの食事に一品加えるだけで、手軽に験を担げるのが嬉しいですね。朝食に取り入れれば、すっきりと一日を始められそうです。
3.3 語呂合わせで縁起の良い食べ物
日本語には、音の響きから縁起の良さを見出す素敵な文化があります。そんな語呂合わせの良い食べ物は、験担ぎにぴったり。食卓を囲む会話も弾みそうな、楽しくて縁起の良い食材がたくさんありますよ。

食べ物 | 縁起の良い意味(語呂合わせ) | おすすめの料理 |
---|---|---|
昆布(こんぶ) | よろ「こぶ」 | 昆布巻き、おにぎりの具、佃煮 |
鯛(たい) | めで「たい」 | 塩焼き、お刺身、鯛めし |
たこ | オクトパス → 置くとパス(合格) | たこ焼き、酢の物、たこの唐揚げ |
鶏肉 | 運を「とり」こむ | 親子丼、唐揚げ、照り焼き |
れんこん | 穴が開いていて「見通しが良い」 | 煮物、きんぴら、はさみ焼き |
伊予柑(いよかん) | 「いい予感」 | そのままデザートとして |
ウインナー | 英語の「Winner(勝者)」 | 朝食やお弁当のおかずに |
これらの食材を組み合わせれば、勝負の日に向けた特別な応援メニューが出来上がります。例えば、鶏肉とれんこんの煮物や、たことオクラの和え物など、工夫次第でいろいろな料理が楽しめます。大切な人の幸運を願いながら、愛情のこもった一皿を用意してみてはいかがでしょうか。
4. 【お菓子】コンビニやスーパーで買える験担ぎスナック
大切なご家族の受験や試合、あるいはご自身のちょっとした挑戦の前に、何か応援できるものはないかしら、と探すことはありませんか。そんな時、私たちの身近にあるコンビニやスーパーで手軽に買えるお菓子が、心を込めた素敵な「験担ぎ」の贈り物になります。ここでは、思わず笑顔になるような、縁起の良いお菓子をご紹介します。
4.1 受験生に人気 定番の合格祈願お菓子
毎年、受験シーズンになると、お菓子のパッケージが特別な応援仕様に変わるのを目にしたことがある方も多いでしょう。昔から親しまれている定番のお菓子には、合格を願う素敵な語呂合わせが隠されています。お孫さんやお子さんへの差し入れに、そっと添えてみてはいかがでしょうか。

お菓子の名前 | 験担ぎの理由や特徴 |
---|---|
キットカット | 九州の方言「きっと勝つとぉ」が名前の由来という説があり、「きっと勝つ」という力強いメッセージで受験生を応援するお菓子の代表格です。パッケージの裏に応援メッセージを書けるのも嬉しいですね。 |
カール | 商品名に「ウ」をつけると「ウカール(受かーる)」となることから、合格祈願の験担ぎとして人気です。チーズあじと、うすあじ、どちらも美味しいお守りになります。 |
コアラのマーチ | コアラは木の上で眠っていても、ほとんど木から落ちることがない動物です。その姿から「(試験に)落ちない」という縁起の良いお守りとされています。たくさんの絵柄の中に、見つけると幸せになれると言われる「まゆげコアラ」を探すのも楽しいひとときです。 |
Toppo(トッポ) | 「最後までチョコたっぷり」というキャッチフレーズでおなじみですね。これを「最後まで諦めずに、持てる力を出し切れる」と捉え、応援の気持ちを込めて贈る方も多いようです。 |
4.2 縁起の良い名前や形のお菓子
受験だけでなく、スポーツの試合や大切なプレゼンテーションなど、さまざまな「ここ一番!」という場面で力をくれる、縁起の良い名前や形のお菓子もあります。普段のおやつにも、ちょっとした幸運を呼び込むきっかけとして楽しんでみませんか。

お菓子の名前 | 験担ぎの理由や特徴 |
---|---|
ハッピーターン | その名の通り、「幸せ(ハッピー)が戻ってくる(ターン)」という願いが込められています。幸運を呼び込みたいときにぴったりのお菓子です。ハートの形をした「ハートハッピー」を見つけたら、さらに良いことがあるかもしれません。 |
ポッキー/プリッツ | 見た目が数字の「1」に似ていることから、「No.1を目指す」「一番乗り」といった意味を込めて選ばれることがあります。目標達成への願いを込めて、ぽりぽりといただくのも良いですね。 |
キャラメルコーン | 袋の中に、もし星形のキャラメルコーンが入っていたら、それはとても幸運なこと。「願いが叶う」というジンクスがあり、見つけただけで嬉しい気持ちになります。 |
五角形のお菓子 | 期間限定で登場することが多いですが、「五角(ごかく)」と「合格(ごうかく)」をかけた五角形のパッケージのお菓子も人気です。例えば、森永製菓のラムネなどが、受験シーズンに合格祈願パッケージで販売されることがあります。 |
お菓子に込められた遊び心あふれるメッセージは、緊張した心をふっと和ませてくれる力があります。大切な誰かを思う気持ちや、自分自身を励ます気持ちをのせて、ささやかながらも心強いお守りとして、これらの験担ぎスナックを選んでみてはいかがでしょうか。
5. 【アイテム】持っているだけで心強い験担ぎグッズ
大切な勝負の日、食事だけでなく「これがあるから大丈夫」と思えるアイテムがそばにあると、心が落ち着きますよね。ここでは、持っているだけで力が湧いてくるような、心強い験担ぎのアイテムをご紹介します。お守りのように、あなたの背中をそっと押してくれる、とっておきの品を見つけてみませんか。
5.1 学業成就に効果的な験担ぎアイテム
お子さんやお孫さんの受験、あるいはご自身の資格試験など、学びの成果を発揮したいとき。そんなときにぴったりの、学業成就を願う縁起の良いアイテムがたくさんあります。昔ながらの定番から、ユニークなものまで見ていきましょう。
5.1.1 お守りやだるま、絵馬
験担ぎのアイテムと聞いて、まず思い浮かぶのが神社やお寺でいただくお守りではないでしょうか。学問の神様として知られる菅原道真公がまつられている天満宮の「学業成就」や「合格祈願」のお守りは、いつの時代も受験生の心の支えです。また、「七転び八起き」のことわざでもおなじみのだるまも、強い味方。願いを込めて左目を入れ、願いが叶ったら右目を入れるという風習は、目標達成への道のりを一緒に歩んでくれるようで、励みになりますね。
5.1.2 縁起の良い文房具
最近では、語呂合わせや形で縁起を担いだユニークな文房具も人気を集めています。普段使うものだからこそ、こだわりたいポイント。勉強の合間にふと目に入ると、くすっと笑えて気持ちが和らぐかもしれません。
アイテムの例 | 縁起が良いとされる理由 |
---|---|
五角(ごかく)の鉛筆 | 「合格」との語呂合わせから。転がりにくい形も試験向きです。 |
滑り止めのついた消しゴム | 試験に「すべらない」という願いが込められています。 |
タコの置物や文具 | 英語の「オクトパス」が「置くとパス(Pass=合格)」と聞こえることから。 |
桜のデザインの文具 | 「サクラサク」という言葉が、合格の知らせを意味することから。 |
お孫さんへのちょっとした贈り物にしても、きっと喜ばれることでしょう。
5.2 勝利を呼び込むスポーツ関連グッズ
スポーツの試合や発表会など、練習の成果を存分に発揮したい日。そんな日には、自分の力を信じさせてくれる特別なアイテムが勝利を引き寄せてくれるかもしれません。多くのスポーツ選手も、自分なりの験担ぎを取り入れているんですよ。
5.2.1 勝負服やラッキーカラー
「この服を着ると調子がいい」「この色の小物を身につけると落ち着く」といった経験はありませんか。それはあなたにとっての「勝負服」や「ラッキーカラー」です。科学的な根拠はなくても、「これを身につけているから大丈夫」という自信が、最高のパフォーマンスにつながります。大切な試合の日には、お気に入りの色のタオルやアンダーウェアを選んでみてはいかがでしょうか。心を整え、いつも通りの力を引き出す手助けをしてくれるはずです。
5.2.2 ミサンガやお守り
チームの仲間とお揃いでミサンガを手首や足首につけるのも、素敵な験担ぎですね。願いを込めて結び、自然に切れたときに願いが叶うといわれています。仲間との絆を感じられるのも、心強いポイントです。また、スポーツの勝利を祈願する「勝守(かちまもり)」を授与している神社も全国にあります。目標とする大会名などを書いて身につければ、神様が見守ってくれているような、穏やかな気持ちで本番に臨めることでしょう。
6. 注意点 やりすぎは禁物 験担ぎとの上手な付き合い方
勝負の日に、少しでも自信を持ちたい。そんなときにそっと背中を押してくれるのが「験担ぎ」ですよね。まるで、心強いお守りのような存在です。しかし、その思いが強すぎるあまり、かえって自分を追い詰めてしまうことがあるのをご存知でしょうか。ここでは、験担ぎと上手に付き合い、あなたの力を最大限に引き出すためのヒントをお伝えします。
6.1 験担ぎが逆効果になってしまうケース
良かれと思って始めた験担ぎも、度が過ぎると心の負担になってしまうことがあります。どんな時に注意が必要なのか、具体的な例を見ていきましょう。
6.1.1 失敗したときに験担ぎのせいにしてしまう
「朝、黒猫を見てしまったから試験に落ちたんだ」「いつもの勝負飯を食べなかったから試合に負けた」というように、うまくいかなかった原因をすべて験担ぎのせいにしてしまうのは危険なサインです。本来、自分の努力を後押ししてくれるはずのものが、自分を責める道具に変わってしまいます。これでは、次への一歩を踏み出す気力も削がれてしまいますよね。
6.1.2 ルーティンに固執しすぎてしまう
「試合前には必ずこの音楽を聴く」「試験の日の朝食は絶対にこれ」といったルーティンを決めるのは、心を落ち着かせる上でとても効果的です。しかし、「それができなかったら、もうダメだ」と頑なになってしまうと、予期せぬ事態に対応できなくなってしまいます。交通機関の遅れでいつもの店に行けなかったり、うっかりお気に入りのアイテムを忘れてしまったり…。そんな小さなアクシデントで大きく動揺してしまうようでは、本来の実力を発揮するのが難しくなってしまいます。
6.1.3 周りの人にまで強要してしまう
ご自身が大切にしている験担ぎを、家族や友人にも押し付けてしまうのは考えものです。特に、受験を控えたお子さんやお孫さんに対して、「縁起が悪いから、その言葉は使わないで!」「これを食べなきゃ合格しないわよ!」などと過度にプレッシャーをかけてしまうと、かえって相手を不安にさせてしまうことも。良かれと思った応援が、大切な人の負担になっては悲しいですよね。
6.2 験担ぎを「お守り」に変えるための心得
では、どうすれば験担ぎをプレッシャーではなく、心強い「お守り」にできるのでしょうか。大切なのは、あなたの心の持ちようです。今日からできる、ちょっとした心得をご紹介します。
考え方のポイント | やりすぎな考え方(逆効果) | 上手な付き合い方(お守りにする) |
---|---|---|
結果が出なかった時 | 「あの験担ぎをしなかったからだ…」と自分や験担ぎを責める。 | 「今回は縁がなかっただけ。また次頑張ろう!」と気持ちを切り替えるきっかけにする。 |
準備の段階 | 「いつものカツ丼を食べないと絶対にダメ!」と頑なになり、食べられないとパニックになる。 | 「カツ丼が食べられたらラッキー!なくても大丈夫」と柔軟に考え、できたら嬉しいお楽しみにする。 |
周りとの関わり | 「あなたもこれを食べなさい!」と家族や友人にまで自分のルールを強要する。 | 「私はこれを食べて頑張るね」と自分の楽しみとして留め、ポジティブな気持ちを共有する。 |
このように、験担ぎは「やらなければならない」という義務ではなく、「できたら嬉しいな」という軽い気持ちで取り入れるのがおすすめです。
験担ぎは、あくまでもあなたの努力を後押しする「応援団」のようなもの。主役は、これまで頑張ってきたあなた自身です。大切なのは、験担ぎに心を縛られるのではなく、あなたが心地よく、前向きな気持ちで本番を迎えられること。もし験担ぎができなかったとしても、「まあ、いっか」と笑い飛ばせるくらいの心の余裕を持つことが、一番の力になるのかもしれませんね。
7. まとめ
大切な受験や試合の日、心を少しでも前向きにしてくれるのが「験担ぎ」ですね。この記事では、カツ丼といった定番の食事から、キットカットなどのお菓子、心強いアイテムまで、様々な験担ぎをご紹介してまいりました。験担ぎが力をくれる一番の理由は、科学的な根拠以上に、「きっと大丈夫」という自信や安心感を与え、心を落ち着かせてくれる点にあるのでしょう。あなたに合った験担ぎを暮らしにそっと取り入れて、大切な一日を晴れやかな気持ちで迎えられますように。
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