西郷隆盛の犬の名前は?│上野の銅像の犬種・歴史・エピソードを解説

西郷隆盛の銅像の隣にいつもいる犬、その愛らしい姿に心惹かれる方も多いのではないでしょうか。この記事をお読みいただくと、その犬の名前が「ツン」であること、犬種は日本の薩摩犬であること、そしてなぜ銅像に犬が寄り添っているのか、その歴史的背景や理由が詳しくわかります。西郷さんと愛犬「ツン」の心温まるエピソードや、彼の意外な愛犬家としての一面もご紹介しますので、どうぞお楽しみに。

目次

1. 西郷隆盛の銅像の犬 その名前は「ツン」

東京・上野恩賜公園に佇む西郷隆盛の銅像。その傍らには、愛らしい一匹の犬が寄り添っていますね。この犬の存在をご存知の方も多いのではないでしょうか。実は、この犬にもちゃんと名前があるのです。その名は「ツン」といいます。凛々しい西郷さんの隣で、どこか愛嬌のある表情を見せる「ツン」。この名前には、どんな意味が込められているのでしょうか。そして、この「ツン」は、西郷さんにとってどのような存在だったのでしょう。

1.1 「ツン」という名前の由来と意味

「ツン」という少し変わった名前の由来には、いくつかの説が語り継がれています。もっともよく知られているのは、猟犬としての性質や行動に由来するというものです。

西郷隆盛は狩りを好み、「ツン」も優秀な猟犬でした。ウサギ狩りの際、「ツン」は獲物を見つけると、すぐに飛びかかるのではなく、まるで獲物を睨みつけるかのように「ツン」と澄ました態度をとった、あるいはピタリと静止して獲物を見据えたことから、この名が付けられたといわれています。その姿は、猟の名手である西郷さんにとって、頼もしくも愛らしいものだったのかもしれませんね。

また、一説には「ツン」はメス犬であったともいわれており、その愛称として「ツン」と呼ばれていた可能性も考えられます。いずれにしても、その名前からは西郷さんの「ツン」に対する親愛の情が感じられるようです。

1.2 銅像の犬「ツン」は西郷隆盛が実際に飼っていた愛犬

上野公園の銅像にいる「ツン」は、単に銅像の構成要素として加えられた架空の犬ではありません。驚くことに、この「ツン」は、西郷隆盛が実際にたいそう可愛がり、猟の供としても連れていた実在の愛犬なのです。

銅像という形で、今もなお西郷さんの傍らにその姿をとどめている「ツン」。このことからも、西郷さんにとって「ツン」がいかに大切な存在であったかがうかがえます。ただのペットというだけでなく、苦楽を共にした相棒のような存在だったのかもしれませんね。この後の章では、そんな「ツン」の犬種や、西郷さんと「ツン」にまつわる心温まるエピソードについて、さらに詳しくご紹介していきます。

2. 西郷隆盛の銅像の犬「ツン」の犬種について

上野公園で西郷隆盛の銅像のそばに、ちょこんと寄り添っている愛らしい犬。この犬の名前が「ツン」であることは、皆さまもご存知かもしれませんね。では、この「ツン」は一体どんな種類の犬だったのでしょうか。ここでは、西郷さんがこよなく愛したと言われる「ツン」の犬種について、もう少し詳しく見ていくことにしましょう。

2.1 「ツン」の犬種は薩摩犬(さつまいぬ)

西郷隆盛の愛犬であり、銅像のモデルにもなった「ツン」の犬種は、「薩摩犬(さつまいぬ)」であったと伝えられています。薩摩犬は、その名前が示す通り、現在の鹿児島県にあたる薩摩地方が原産の日本犬です。古くからその地で、猟のお供として、また時には家を守る番犬として、人々の暮らしに深く関わってきた犬なのです。

西郷さんにとって「ツン」は、ただ可愛がるだけのペットという存在ではなく、厳しい自然の中で獲物を追う狩りの名パートナーであり、激動の時代を生きた西郷さんの心を癒やす、かけがえのない友だったのかもしれませんね。そんな大切な「ツン」が、故郷・薩摩の地犬であったというのは、薩摩隼人(さつまはやと)としての西郷さんの誇りや気質とも、どこか響き合うものがあったのではないでしょうか。

2.2 薩摩犬とは どんな特徴を持つ犬種か

では、具体的に「薩摩犬」とはどのような犬なのでしょうか。その姿や性格について、一緒に見てまいりましょう。薩摩犬は、日本固有の犬種の一つで、特に薩摩地方で猪(いのしし)や鹿(しか)といった獣を狩るための猟犬として、長い間活躍してきました。

その主な特徴をまとめてみると、このようになりますわ。

特徴項目詳細
原産地日本(鹿児島県を中心とする薩摩地方)
体格中型犬に分類され、山野を駆け巡るのに適した、筋肉質で引き締まったしなやかな体つきをしていますの。
外見ピンと立った三角形の耳(立ち耳)、そして力強く巻いた尾(巻き尾または差し尾)は、日本犬らしい凛々しさを感じさせます。顔つきは素朴ながらも野性味があり、賢そうな印象です。
毛色赤毛、黒毛、白毛、そして複数の色が混じった胡麻毛(赤胡麻、黒胡麻など)といった、日本犬特有の毛色が見られます。一般的には、日本の気候に適した短毛のダブルコート(上毛と下毛の二層構造)です。
性格飼い主に対しては非常に忠実で、深い愛情を示すと言われています。また、猟犬としての本能から勇敢で警戒心が強く、見知らぬものには容易に心を許さない一面も持っています。しかし、一度信頼関係を築いた家族には、従順で献身的な素晴らしいパートナーとなるでしょう。
能力猟犬として、優れた持久力、俊敏性、そして獲物を追跡する粘り強さを持っています。状況判断能力にも長け、主人との連携プレーを得意としていたと考えられます。

これらの特徴からもお分かりいただけるように、薩摩犬は日本の厳しい自然環境の中で生き抜き、人々の狩猟生活を支えてきた、強さと賢さ、そして忠誠心を兼ね備えた素晴らしい犬だったのですね。西郷隆盛が片時も離さず愛育したという「ツン」も、きっとこのような薩摩犬ならではの魅力にあふれていたことでしょう。想像するだけで、心が温かくなりますね。

残念ながら、現在では純粋な薩摩犬の数は非常に少なくなってしまったと言われていますが、その血を引く犬たちや、日本犬の原種に近い犬種として、一部の愛好家の方々によって大切に保存活動が続けられています。もし、日本犬や薩摩犬についてもっとお知りになりたい場合は、犬種の保存に取り組んでいる団体の情報をご覧になるのも良いかもしれません。例えば、公益社団法人日本犬保存会のウェブサイトなどでは、日本犬に関する様々な情報が発信されていますので、ご興味があれば訪ねてみてくださいね。

3. なぜ西郷隆盛の銅像には犬が一緒にいるの?その歴史的背景

東京・上野公園のシンボルともいえる西郷隆盛像。その傍らには、いつも愛らしい犬が寄り添っていますよね。この犬がいるのには、西郷さんの人となりや当時の時代背景が深く関わっているのです。ここでは、なぜ西郷さんの銅像に犬が一緒にいるのか、その歴史的な背景を紐解いていきましょう。

3.1 上野公園の西郷隆盛像 建立の経緯と犬の存在理由

上野公園に立つ西郷隆盛像は、1898年(明治31年)に除幕されました。これは、西郷さんが亡くなってから21年後のことです。明治維新という大きな時代の変化に貢献した西郷さんでしたが、西南戦争で新政府と敵対したことから「逆賊」とされた時期もありました。しかし、その功績や人柄を慕う声は多く、明治天皇の勅許と多くの国民からの寄付によって、この銅像の建立が実現したのです。

では、なぜ犬を連れた姿なのでしょうか。これにはいくつかの理由が考えられています。ひとつは、西郷さんが大の犬好きで、うさぎ狩りなどの猟を趣味としていたこと。銅像は、西郷さんが猟に出かける際の、リラックスした日常の姿を表現していると言われています。また、軍服姿ではなく、こうした普段着に近い姿にすることで、威圧感を和らげ、民衆に親しまれやすいようにとの配慮もあったようです。犬を連れることで、西郷さんの温厚な一面や、自然を愛する心を表しているのですね。

3.2 銅像の犬が象徴する西郷隆盛の姿とは

銅像の犬は、単なるペットとして描かれているだけではありません。この犬の存在は、西郷隆盛という人物の多面的な魅力を私たちに伝えてくれています。

まず、猟犬を従える姿は、西郷さんの趣味や余暇の過ごし方を私たちに教えてくれます。厳しい政治の世界で活躍した西郷さんにも、自然の中で心を解放する時間があったことがうかがえますね。これは、彼の人間味あふれる一面を象徴していると言えるでしょう。

また、犬は古来より人間にとって忠実なパートナーであり、猟の際には獲物を見つけたり、主人を守ったりする勇敢な存在です。銅像の犬のりりしい姿は、西郷さんの指導者としての資質や、いざという時の決断力といった側面を暗示しているのかもしれません。そして何よりも、動物を慈しむ姿は、西郷さんの深い愛情や優しさ、飾らない人柄を私たちに強く印象づけます。犬と共にいることで、西郷さんの威厳の中にも親しみやすさが感じられ、多くの人々に愛される理由の一つとなっているのでしょう。

3.3 西郷隆盛像の制作者と犬のモデルについて

この有名な西郷隆盛像を手がけたのは、明治時代を代表する彫刻家、高村光雲(たかむら こううん)です。詩人であり彫刻家でもあった高村光太郎の父としても知られていますね。光雲は、西郷さんの銅像を制作するにあたり、その人となりや風格を表現するために大変な苦労を重ねたと言われています。特に、西郷さんの「敬天愛人」の精神をどのように形にするか、試行錯誤したことでしょう。

そして、気になるのが一緒にいる犬のモデルです。この犬について、詳しい情報を見てみましょう。

項目詳細
銅像の制作者高村光雲
犬のモデル西郷隆盛の愛犬「ツン」が直接のモデルではありません。銅像の犬は薩摩犬(さつまいぬ)を参考にしたと言われています。当時、西郷さんのイメージに合う、日本の犬種として選ばれたと考えられます。
制作の意図高村光雲は、西郷さんの猟を好むという側面や、威厳の中にも親しみやすさを感じさせる姿を表現するため、犬を伴うデザインを選んだとされています。

西郷さんが実際に飼っていた愛犬「ツン」は洋犬の血が入った犬だったため、銅像の犬とは姿が異なります。銅像制作時にはツンは既に亡くなっていたこともあり、高村光雲は西郷さんの風格にふさわしい、精悍で忠実な日本の犬のイメージをこの銅像に込めたのかもしれませんね。こうして、西郷隆盛像は、制作者の深い洞察と技術によって、今もなお多くの人々に愛される姿で上野の地に立っているのです。

4. 西郷隆盛と愛犬「ツン」にまつわる心温まるエピソード

西郷隆盛といえば、その人柄とともに、いつもそばにいた愛犬の存在が思い浮かびますね。ここでは、西郷さんと愛犬「ツン」にまつわる、心が温かくなるようなお話をご紹介しましょう。

4.1 猟犬として活躍した「ツン」と西郷隆盛

西郷隆盛は、大の猟好きで知られていました。特にウサギ狩りを好み、そのお供として活躍したのが愛犬「ツン」だったのです。「ツン」は薩摩犬で、猟犬としての素質に非常に優れていました。野山を駆け巡り、獲物を見つけると、西郷さんに的確に知らせる賢い犬だったと言われています。

西郷さんが猟に出かける際には、「ツン」を伴うのが常で、その姿は周囲の人々にもよく知られていたようです。主従を超えた、まるで相棒のような関係だったのかもしれませんね。二人(一人と一匹)が猟を楽しむ様子は、当時の記録や言い伝えからも伺い知ることができます。

4.2 西郷隆盛の深い愛情 「ツン」との絆を示す逸話

西郷隆盛が「ツン」に注いだ愛情は、とても深かったと伝えられています。単に猟の道具としてではなく、家族の一員として大切にしていた様子が、数々の逸話からうかがえます。

例えば、食事の際には自分の食べるものを分け与えたり、寝る時もそばに置いたりすることもあったと言われています。「ツン」もまた、主人である西郷さんによく懐き、常に寄り添っていたそうです。その姿は、深い信頼と愛情で結ばれた、かけがえのない絆を象徴しているかのようですね。

ある時、西郷さんが冗談で「ツンを誰かにやってしまおうか」と言うと、それを聞いた「ツン」が悲しそうな表情を見せ、西郷さんが慌てて「冗談だ、冗談だ」と取りなした、という可愛らしいエピソードも残っています。こうした話からも、西郷さんの「ツン」に対する優しい眼差しが感じられます。

4.3 西南戦争と「ツン」 その後の運命

西郷隆盛の人生にとって大きな転換点となった西南戦争ですが、愛犬「ツン」がこの戦争に同行したという確かな記録は、実はありません。上野の銅像のモデルとなった「ツン」は、西南戦争よりも前に飼われていた愛犬で、主に鹿児島での猟の供をしていたとされています。

そのため、西南戦争の戦火を「ツン」が直接経験した可能性は低いと考えられています。西郷さんが西南戦争の際に別の犬を連れていたという話もありますが、それが「ツン」という名前だったのか、詳細は定かではありません。

銅像の「ツン」の「その後」については、正確な記録が乏しいのが現状です。しかし、西郷隆盛の傍らで忠実に仕え、深い愛情を注がれた「ツン」は、その死後も西郷さんの大切な存在として語り継がれ、銅像として永遠にその姿を残すことになりました。これは、「ツン」にとって、ある意味で幸せな運命だったのかもしれませんね。西郷さんと「ツン」の物語は、時代を超えて私たちの心に温もりを届けてくれています。

5. 西郷隆盛は「ツン」以外にも犬を飼っていた?愛犬家としての一面

上野の銅像で有名な愛犬「ツン」の存在は、西郷隆盛の犬好きとしての一面を私たちに教えてくれますね。では、西郷さんは「ツン」以外にも犬を飼っていたのでしょうか。実は、西郷さんは生涯を通じてたくさんの犬たちに愛情を注いだ、真の愛犬家だったのですよ。

5.1 西郷隆盛が愛した他の犬たち

記録を紐解くと、西郷さんが「ツン」以外にも複数の犬を飼っていたことがわかります。特に猟を好んだ西郷さんにとって、犬たちは頼もしい相棒であり、かけがえのない家族のような存在だったのでしょう。

残念ながら、すべての犬の名前や犬種が詳しく記録されているわけではありません。しかし、奄美大島や沖永良部島での潜居生活の際にも犬を飼い、心の慰めにしていたと伝えられています。また、猟に出かける際には、ツンだけでなく数匹の猟犬を連れていたと言われています。その中には、ツンと同じ薩摩犬もいたかもしれませんし、他の種類の犬もいたかもしれませんね。彼が犬たちに向ける眼差しは、いつも温かさに満ちていたことでしょう。

もし、飼っていた犬たちの名前や特徴が具体的に分かっているものが複数あれば、情報を整理するために表を用いることも有効ですが、現時点では詳細な情報が少ないため、ここでは文章でのご紹介とさせていただきますね。西郷さんが犬たちに囲まれて過ごす姿を想像すると、なんだか心が和みます。

5.2 記録に残る西郷隆盛の犬好きエピソード

西郷隆盛の犬好きぶりは、数々のエピソードからも伺い知ることができます。彼は犬たちを単なる猟の道具としてではなく、深い愛情をもって接していたと言われています。

例えば、こんなお話が残っています。

  • 猟の際には、犬たちの体調を気遣い、決して無理をさせなかったそうです。犬が疲れている様子を見せると、その日の猟を切り上げることもあったとか。
  • 犬が怪我をしたり病気になったりすると、自ら看病にあたることもあったと伝えられています。その姿は、まるで我が子を心配する親のようだったのかもしれません。
  • 食事の際にも、犬たちに分け与えることを忘れなかったと言われています。自分と同じものを食べさせていたという話もあり、犬たちとの間に強い絆があったことがうかがえますね。
  • ある時、猟の途中で大切な犬が崖から落ちてしまったことがありました。西郷さんは危険を顧みず自ら崖を降りて助け出したというエピソードは、彼の犬への深い愛情を物語っています。

これらのエピソードからは、西郷隆盛が犬たちを心から信頼し、大切に思っていた様子が伝わってきます。厳しい武士としての一面だけでなく、動物たちに見せる優しい眼差しは、彼の人間的な魅力をより一層深めているように感じられますね。もしかしたら、犬たちと過ごすひとときが、激動の時代を生きた西郷さんにとって、心安らぐ大切な時間だったのかもしれません。

6. まとめ

西郷隆盛の銅像でお馴染みの犬、その名は「ツン」でしたね。この「ツン」は、西郷さんが実際にこよなく愛した薩摩犬です。銅像に犬が共にいるのは、猟を好み、動物を深く慈しんだ西郷さんの温かいお人柄や、親しみやすい一面を今に伝えるため。愛犬「ツン」との絆を示す心温まる逸話の数々は、西郷さんの人間的な魅力を私たちにそっと教えてくれます。この記事を通して、歴史上の人物の新たな一面に触れ、あなたの心に小さな発見やときめきが届けられたなら幸いです。

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この記事を書いた人

ハレノヒ編集部は、「わたしらしく、身軽に暮らす」をテーマに、日々の暮らしを前向きに楽しむためのヒントをお届けしています。
美容や健康、趣味、暮らしの工夫など、50代以降の女性を中心に、誰もが自分らしく輝けるような情報をやさしい目線で発信しています。
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