暦の上では春を迎えましたが、まだまだ肌寒い日が続きますね。そんな折に、大切な方へ季節の便りを届けたいと思う方も多いのではないでしょうか。「余寒見舞い」は、寒中見舞いの時期を過ぎた立春(2月4日頃)から2月末までに出すのが基本です。この記事では、余寒見舞いを出す正しい時期や寒中見舞いとの違い、いざという時に迷わないための書き方やマナーを、相手や状況に合わせた豊富な例文とともに分かりやすく解説します。あなたの温かな心遣いを、季節の便りにのせてそっと届けるためのお手伝いができれば幸いです。
1. 余寒見舞いとは 寒中見舞いとの違いも解説
暦の上では春を迎えましたが、まだまだ風の冷たい日が続きますね。そんな時期に交わされるのが「余寒見舞い」という季節の挨拶状です。
なんとなく聞いたことはあるけれど、寒中見舞いとどう違うのかしら?と疑問に思う方もいらっしゃるかもしれません。この章では、余寒見舞いの意味や目的、そして寒中見舞いとの違いをわかりやすくご説明しますね。

1.1 余寒見舞いを送る意味と目的
余寒見舞いとは、暦の上での春(立春)を過ぎてもなお残る寒さ(余寒)の時期に、相手の健康を気遣い、お互いの近況を伝えあうためのお便りです。
厳しい冬を乗り越え、春の訪れを心待ちにするこの季節。なかなか会えない大切な方へ「お変わりありませんか?」「どうぞ暖かくしてお過ごしくださいね」といった、温かい気持ちを届ける素敵な習慣です。
また、季節の挨拶としてだけでなく、次のような目的で送ることもできます。
- 年賀状を出しそびれてしまった方へのご挨拶として
- いただいた年賀状への返信が遅くなってしまった場合のお詫びとお礼を兼ねて
- 喪中の方へ、年賀状の代わりとなる冬の挨拶状として
様々な場面で、あなたの細やかな心遣いを伝えることができるのが、余寒見舞いの良いところですね。
1.2 寒中見舞いと余寒見舞いの明確な違い
余寒見舞いとよく似たものに「寒中見舞い」があります。どちらも寒い時期に相手を気遣うお便りですが、実は送る時期に明確な違いがあります。
一番のポイントは、「立春(りっしゅん)」の日を境に使い分けるということです。立春は毎年2月4日頃にあたります。
二つの違いを、下の表で比べてみましょう。
| 寒中見舞い | 余寒見舞い | |
|---|---|---|
| 送る時期 | 松の内が明けてから立春の前日まで | 立春以降、まだ寒さが残る間 |
| 意味合い | 一年で最も寒さが厳しい時期の健康を気遣う挨拶 | 暦の上では春になったものの、まだ続く寒さの中での健康を気遣う挨拶 |
| 書き出しの言葉 | 「寒中お見舞い申し上げます」 | 「余寒お見舞い申し上げます」 |
このように、立春を過ぎてから出す挨拶状が「余寒見舞い」となります。もし寒中見舞いを出しそびれてしまっても、余寒見舞いとしてお便りを出すことができるので、覚えておくと便利ですよ。どちらも、寒い季節に相手を思いやる気持ちを伝える、心のこもった日本の美しい習慣です。

2. 余寒見舞いを出す時期はいつからいつまで?
「余寒見舞いって、いつ送るのが正しいのかしら?」と迷われる方は少なくありません。寒中見舞いと混同しがちですが、送る時期にははっきりとした違いがあります。せっかく心を込めて送るのですから、相手に失礼のないよう、ぴったりのタイミングで届けたいものですよね。ここでは、余寒見舞いを出す時期について、分かりやすく解説します。
まずは、寒中見舞いと余寒見舞いを出す時期の違いを比べてみましょう。
| 挨拶状の種類 | 出す時期の目安 |
|---|---|
| 寒中見舞い | 松の内(1月7日頃 ※)が明けてから、立春(2月4日頃)の前まで |
| 余寒見舞い | 立春(2月4日頃)を過ぎてから、2月末頃まで |
※松の内が明ける時期は、関東では1月7日、関西など他の地域では1月15日とするなど、地域によって異なります。

2.1 余寒見舞いは立春(2月4日頃)から出すのが基本
余寒見舞いを出し始めるのは、暦の上で春が始まる「立春(りっしゅん)」を過ぎてからです。立春は毎年2月4日頃にあたります。
立春の前までは「寒中(かんちゅう)」と呼ばれ、この時期に出す挨拶状が「寒中見舞い」です。そして、立春を過ぎると暦の上では春になります。とはいえ、実際にはまだまだ厳しい寒さが続く季節。「春とは名ばかりの寒い毎日ですが、いかがお過ごしですか」と、残る寒さ(余寒)の中で相手を気遣うのが「余寒見舞い」なのです。
つまり、寒中見舞いを出しそびれてしまった場合でも、立春を過ぎれば余寒見舞いとして季節の挨拶状を送ることができますよ。
2.2 いつまでに送る?遅くとも2月末までが目安
余寒見舞いを送る時期に、厳密な決まりはありません。しかし、一般的には2月末までを目安に送るのが良いとされています。遅くとも3月上旬には相手に届くように手配するのがおすすめです。
なぜなら、3月に入ると日差しもあたたかくなり、春の訪れを実感する日が増えてくるからです。「余寒」という言葉が、少しずつ季節感と合わなくなってきますね。相手が「もう春なのに…」と違和感を覚えることのないよう、配慮することが大切です。
ただし、これも相手が住んでいる地域の気候に合わせて調整すると、より心のこもったお見舞いになります。例えば、まだ雪深い北海道や東北地方の方へは3月上旬頃まで、比較的温暖な沖縄などでは2月中旬頃までにするなど、柔軟に考えると良いでしょう。
3. 【相手別】すぐに使える余寒見舞いの例文集
さて、余寒見舞いを書こうと思っても、いざペンを持つとどのような言葉を選べばよいか、迷ってしまうこともありますよね。ここでは、贈るお相手やさまざまな状況に合わせた例文をいくつかご紹介します。ご自身の言葉を添えて、あなたらしいお見舞い状に仕上げるためのヒントにしてみてくださいね。
3.1 ビジネスシーンで使える余寒見舞いの例文
お仕事でお世話になっている方へは、丁寧な言葉遣いを心がけましょう。日頃の感謝の気持ちや、今後の変わらぬお付き合いをお願いする一文を添えると、より心のこもったお便りになります。

3.1.1 取引先やお客様向けの丁寧な例文
余寒の候、貴社におかれましてはますますご清栄のこととお慶び申し上げます。
平素は格別のご高配を賜り、厚く御礼申し上げます。
まだしばらくは寒さが続くようですので、皆様どうかご自愛ください。
今後とも変わらぬお引き立てを賜りますよう、よろしくお願い申し上げます。
3.1.2 上司など目上の方への例文
余寒なお厳しい折、〇〇様におかれましては、お変わりなくお過ごしのことと存じます。
いつも温かいご指導をいただき、心より感謝しております。
季節の変わり目ですので、くれぐれもご無理なさらないでください。
未熟者ではございますが、今後ともご指導ご鞭撻のほどよろしくお願い申し上げます。
3.2 プライベートで使える余寒見舞いの例文
親しい間柄の方へは、お相手の顔を思い浮かべながら、温かい言葉を選びましょう。ご自身の近況などを少し加えると、会話を楽しむような気持ちが伝わりますよ。
3.2.1 親戚や恩師などへの例文
春の訪れが待たれるこの頃、皆様お変わりなくお過ごしでしょうか。
おかげさまで、私どもは元気に過ごしております。
寒さもあと少しの辛抱かと存じます。どうかお体を大切にお過ごしください。
またお会いできる日を楽しみにしております。
3.2.2 友人や知人向けのカジュアルな例文
〇〇ちゃん、元気にしていますか?
立春とは名ばかりの寒い日が続くけれど、風邪などひいていないでしょうか。
私は最近、庭で春に向けて花の球根を植えてみました。咲くのが今から楽しみです。
春になったら、また一緒にランチにでも行きたいね。
暖かくなるまで、お互い元気に過ごしましょう。
3.3 状況別の例文
余寒見舞いは、年賀状の返信が遅れてしまった時や、喪中の方へご挨拶をしたい時にも使うことができます。それぞれの状況に合わせた心遣いを大切にしましょう。
3.3.1 年賀状の返信が遅れた場合の例文
この度は、ご丁寧な年始のご挨拶をいただき、誠にありがとうございました。
ご挨拶が遅くなり、大変失礼いたしました。
暦の上では春となりましたが、まだ寒い日が続いておりますので、どうぞご自愛ください。
本年も変わらぬお付き合いのほど、よろしくお願い申し上げます。
3.3.2 喪中の方へ送る場合の例文
余寒厳しい毎日ですが、いかがお過ごしでしょうか。
ご服喪中と存じ、年始のご挨拶は遠慮させていただきました。
寒さ厳しき折、どうかお体を大切にお過ごしください。
春の訪れとともに、皆様の心が少しでも和らぎますようお祈り申し上げます。
4. 余寒見舞いの基本的な書き方と構成
いざ余寒見舞いを出そうと思っても、どんな順番で、何を書けば良いのか迷ってしまいますよね。でも、ご安心ください。基本的な構成さえ押さえれば、心のこもったお便りをすらすらと書くことができます。ここでは、余寒見舞いの基本的な書き方の流れを、一つひとつ丁寧に解説していきます。
余寒見舞いは、主に次の4つの要素で構成されています。
- 時候の挨拶
- 本文(相手への気遣いや近況報告)
- 結びの挨拶
- 日付・差出人
この流れに沿って書くことで、相手に失礼がなく、気持ちが伝わる文章になりますよ。

4.1 時候の挨拶の書き出し例
手紙の書き出しは、季節感を表す「時候の挨拶」から始めるのが一般的です。余寒見舞いでは、「余寒(よかん)」という言葉を使い、立春を過ぎてもまだ残る寒さについて触れるのが美しい書き方です。
少し改まった表現から、親しい方向けの柔らかい表現まで、いくつか覚えておくと便利ですよ。相手との関係性に合わせて使い分けてみましょう。
| 挨拶の例 | 使う相手の目安やニュアンス |
|---|---|
| 余寒の候、 | ビジネス関係や目上の方など、改まった間柄の相手に使います。「〇〇の候」は漢語調で丁寧な表現です。 |
| 余寒なお厳しい折から、 | 丁寧でありながら、少し柔らかい印象を与えます。幅広い相手に使える便利な表現です。 |
| 暦の上では春とは申しますが、 | 春になったはずなのにまだ寒い、という季節感を表現した、風情のある書き出しです。 |
| 梅のつぼみもほころび始めましたが、 | 春の兆しを感じさせる、明るい印象の書き出しです。親しい間柄の方におすすめです。 |
時候の挨拶に続けて、「皆様におかれましては、ますますご健勝のこととお慶び申し上げます。」や「〇〇様には、お変わりなくお過ごしでしょうか。」といった、相手の安否を気遣う言葉をつなげると、より自然な文章になります。
4.2 本文の書き方(相手への気遣いと近況報告)
時候の挨拶に続く本文では、「相手を気遣う言葉」と「自分の近況報告」を伝えるのが中心となります。相手が読んで心温まるような、前向きで季節感のある話題を選ぶのがポイントです。
まずは、相手の健康や暮らしを気遣う言葉を述べましょう。「厳しい寒さが続いておりますが、いかがお過ごしでしょうか。」といった一文があると、相手を思いやる気持ちが伝わります。
次に、ご自身の近況を伝えます。難しく考えすぎず、日々の暮らしの中での小さな楽しみや、春に向けての期待などを綴ってみましょう。
【近況報告の例文】
- おかげさまで、私どもは元気に過ごしております。暖かい部屋で手芸を楽しんだり、春になったらどこへ出かけようかと計画を立てたりする時間が、今の私のささやかな楽しみです。
- 先日、窓辺に飾ったヒヤシンスから良い香りがして、小さな春の訪れを感じました。〇〇様のお住まいの地域では、春の気配は感じられますでしょうか。
- 最近はもっぱら家で過ごす時間が多いのですが、先日久しぶりに近所を散歩したところ、梅の花が咲き始めており、心が和みました。
このように、相手がその情景を思い浮かべられるような、具体的なエピソードを添えると、より親しみのあるお便りになります。
4.3 結びの挨拶の書き方
本文を書き終えたら、結びの挨拶で締めくくります。ここでも、改めて相手の健康を気遣う一文を添えて、温かい気持ちで締めくくることを意識しましょう。そして最後に、「結びの言葉」で手紙を終えます。
【相手を気遣う言葉の例】
- 余寒厳しき折、くれぐれもご無理なさらないでください。
- 春の訪れが待ち遠しい毎日ですが、どうぞ暖かくしてお過ごしくださいませ。
- 季節の変わり目ですので、何卒ご自愛のほどお祈り申し上げます。
こうした一文の後に、今後の関係性を示す「結びの言葉」を続けます。
| 結びの言葉の例 | 使う相手の目安 |
|---|---|
| 今後とも変わらぬご厚情を賜りますようお願い申し上げます。 | 目上の方や取引先など、特に丁寧な表現が求められる相手に使います。 |
| 皆様のますますのご健勝を心よりお祈り申し上げます。 | 相手の健康や幸せを願う、丁寧で一般的な結びの言葉です。 |
| またお会いできる日を楽しみにしております。 | 親しい友人や知人など、プライベートな間柄の相手に使うと良いでしょう。 |
4.4 日付と差出人の書き方
最後に、日付と差出人の情報を忘れずに書き入れましょう。これは「後付け(あとづけ)」と呼ばれ、守るべきマナーがあります。
【日付】
日付は、はがきを出す年月を記します。「令和六年二月」のように漢数字で書くのが正式です。日にちまで細かく書く必要はなく、「二月吉日(きちじつ)」と記すのも良いでしょう。「吉日」には「お日柄の良い日」という意味があり、お祝い事などでよく使われますが、季節の挨拶状で使っても差し支えありません。
【差出人】
ご自身の郵便番号、住所、氏名をはっきりと書きます。氏名は、本文の末尾よりも低い位置に、少し小さめの文字で書くとバランスが整います。
これらの情報は、結びの挨拶から一行あけて、少し右下にずらした位置から書き始めるのが一般的です。このひと工夫で、はがき全体の見た目が美しく引き締まりますよ。
5. 知っておきたい余寒見舞いのマナーと注意点
季節の挨拶状には、相手への心遣いを形にするための、ちょっとした決まりごとがありますよね。余寒見舞いも例外ではありません。せっかく送るのですから、相手に「素敵なお便りね」と喜んでもらえるよう、基本的なマナーと注意点を一緒に確認していきましょう。心を込めた一枚が、きっと良い関係を育んでくれますよ。
5.1 使用するはがきの選び方
余寒見舞いに使うはがきは、どのようなものがふさわしいのでしょうか。選び方のポイントは、意外とシンプルです。
基本的には、郵便局で販売されている通常の官製はがきや、季節感のある絵柄の私製はがきを使います。梅や椿、雪景色といった、春を待ちわびる季節にぴったりのデザインを選ぶと、受け取った方も心が和むでしょう。
ここで一番気をつけたいのが、年賀状の扱いです。お正月に使いきれなかった年賀はがきが手元にあると、つい使いたくなってしまうかもしれませんが、余った年賀はがきをそのまま使うのはマナー違反とされています。「年賀」という文字には新年を祝う意味が含まれているため、時期がずれた余寒見舞いにはふさわしくないのです。
どうしても使用したい場合は、「年賀」の文字を二重線で消して送る方法もありますが、できれば新しいはがきを用意するのが望ましいでしょう。大切な方へのお便りですから、細やかな心遣いを大切にしたいですね。
| はがきの種類 | ポイントと注意点 |
|---|---|
| 官製はがき(通常はがき) | 切手が印刷されているので手軽です。シンプルな胡蝶蘭のデザインが一般的です。 |
| 私製はがき | 季節感のある美しいデザインを選べます。ただし、切手を貼り忘れないように注意しましょう。 |
| 年賀はがき | 基本的には使用を避けます。お祝いの「賀」の字が入っているため、余寒見舞いには適しません。 |
5.2 写真入りのはがきは使用しても良いか
「最近撮った素敵な写真があるから、はがきに入れたいな」と考える方もいらっしゃるかもしれませんね。写真入りの余寒見舞いは、送る相手との関係性によって判断が分かれます。
親しいご友人やご親戚、気心の知れた間柄の方へ送る場合は、家族の写真やペット、趣味の作品などの写真を入れてもまったく問題ありません。むしろ、近況が伝わって温かみのあるお便りになり、喜ばれることが多いでしょう。ただし、相手の方が喪中の場合は、お祝い事を連想させるような華やかな写真入りのはがきは控えるのが思いやりです。
一方で、お仕事関係の方や目上の方へ送る場合は、写真入りのはがきは避けるのが無難です。余寒見舞いはあくまで季節の挨拶状ですので、フォーマルな場面ではシンプルなデザインのはがきを選ぶのが良いでしょう。
5.3 余寒見舞いを受け取った場合の返信について
もしあなたが余寒見舞いを受け取ったら、「お返事はどうしたらいいかしら?」と迷うかもしれませんね。
余寒見舞いへの返信は、必ずしなければならないという決まりはありません。しかし、お相手からの心遣いへのお礼として、返信を出すとより丁寧な印象になります。特に目上の方からいただいた場合には、お返事を出すのがおすすめです。
返信をする場合は、あまり日を置かずに、同じく「余寒見舞い」として送りましょう。時期の目安は、遅くとも2月末までには相手に届くように準備したいですね。
返信の際には、まずお便りをいただいたことへのお礼を伝え、相手の健康を気遣う言葉を添えます。そして、ご自身の近況などを簡潔に記すと良いでしょう。相手に返信の気遣いをさせないよう、「お返事はご放念ください」といった一言を添えるのも、大人の素敵な心遣いですね。
6. まとめ
暦の上では春とはいえ、まだまだ寒さが身にしみる季節。そんな時期に送るのが「余寒見舞い」です。寒さの厳しい折に相手を気遣うお便りは、立春を過ぎてから出すのが習わしとされています。この記事では、基本的なマナーや相手に合わせた例文をご紹介しました。一番大切なのは、相手の健康を気遣い、思いやるあたたかな気持ちです。一枚のはがきに季節の言葉と心遣いをのせて、大切な方へぬくもりを届けてみませんか。あなたの言葉が、誰かの心にそっと春を運んでくれるかもしれません。


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