二十四節気とは?暮らしが豊かになる季節の便り。意味や由来、春夏秋冬の一覧をわかりやすく解説

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慌ただしく過ぎていく毎日の中で、ふと空を見上げたとき、雲の形や陽の光に季節の移ろいを感じることはありませんか。二十四節気(にじゅうしせっき)とは、そんな繊細な自然の変化を捉え、1年を24に分けた昔ながらの季節の暦です。それは単なる古い暦ではなく、旬の味覚を味わったり、季節の行事を楽しんだり、私たちの暮らしに潤いと彩りを添えてくれる、先人の知恵が詰まった暮らしの便りといえるでしょう。この記事では、二十四節気の意味や由来、春夏秋冬の各節気について、初めての方にも分かりやすく解説します。読み終える頃には、道端の草花や吹く風に季節の訪れを感じ、日々の暮らしがもっと豊かで愛おしいものになるヒントが見つかるはずです。

目次

1. まず知りたい 二十四節気とは何かを簡単に解説

「二十四節気(にじゅうしせっき)」という言葉、カレンダーやニュースで目にすることはあっても、詳しくは知らないという方も多いのではないでしょうか。なんだか難しそうに聞こえるかもしれませんが、実は私たちの暮らしに彩りを添えてくれる、素敵な季節の便りなのです。まずは、二十四節気がどのようなものなのか、簡単にご紹介しますね。

1.1 一年を24に分けた季節のしるし

私たちが普段親しんでいる「春夏秋冬」は、一年を4つの季節に分けたものですよね。二十四節気は、その一年をさらに細かく、全部で24の季節に分けて名前をつけたものです。太陽の動きをもとにしており、約15日ごとにひとつの季節が訪れる計算になります。空の色や風の匂い、草花の様子など、日々の繊細な自然の変化を捉えた、美しい季節の呼び名が揃っています。

1.2 昔の人の暮らしの知恵

二十四節気は、もともと古代中国で生まれました。昔使われていた暦(旧暦)は月の満ち欠けを基準にしていたため、実際の季節と少しずつズレが生じてしまうことがありました。そこで、農作業で大切な種まきや収穫の時期を正確に知るため、太陽の動きをもとに作られたのが二十四節気’mark>なのです。季節の移ろいを肌で感じ、自然と共に生きてきた昔の人々の、豊かな知恵が詰まっているのですね。

1.3 春夏秋冬、それぞれの季節に6つの節気

二十四節気は、その名の通り24ありますが、大きく春夏秋冬の4つのグループに分けられ、それぞれに6つずつの節気が割り当てられています。例えば、「立春」から春が始まり、「立夏」から夏が始まる、というように、季節の始まりを告げてくれます。

天気予報などでもおなじみの言葉も、実はこの二十四節気のひとつです。どのようなものがあるか、代表的なものを少し見てみましょう。

季節代表的な節気簡単な説明
立春(りっしゅん)、春分(しゅんぶん)暦の上での春の始まりや、昼と夜の長さがほぼ同じになる日です。
立夏(りっか)、夏至(げし)夏の気配が感じられる頃や、一年で最も昼の時間が長くなる日です。
立秋(りっしゅう)、秋分(しゅうぶん)秋の気配が立ち始める頃や、再び昼と夜の長さがほぼ同じになる日です。
立冬(りっとう)、冬至(とうじ)冬の始まりを感じる頃や、一年で最も昼の時間が短くなる日です。

1.4 二十四節気と「節分」の関係は?

ところで、「節分」というと2月の豆まきを思い浮かべますが、これも二十四節気と深い関わりがあります。節分とは、もともと「季節を分ける」という意味で、立春・立夏・立秋・立冬、それぞれの前日のことを指していました。つまり、年に4回あったのです。

その中でも、旧暦では一年の始まりとされ、特に大切に考えられていた「立春」の前日だけが今に残り、私たちがよく知る「節分」として定着したといわれています。新しい季節を迎える前に、邪気を払う行事として大切にされてきたのですね。

2. 二十四節気を暮らしに取り入れて季節を感じる

昔の人が作った暦、二十四節気。なんだか難しそうに聞こえるかもしれませんが、実は私たちの毎日を豊かにしてくれる、素敵なヒントがたくさん詰まっているんです。忙しい日々の中でも、二十四節気を少し意識するだけで、これまで見過ごしていたかもしれない季節の小さな変化に気づけるようになります。

道端に咲く草花の名前、空の色や雲の形、風の匂い。そんな自然からのささやかな便りを受け取ると、心がふっと和みますよね。ここでは、二十四節気を暮らしの中に楽しく取り入れるための、3つのアイデアをご紹介します。

2.1 旬の食材で食卓を豊かに

「旬のものを食べると体に良い」とよく言われますが、その「旬」を知るのに二十四節気はぴったりの道しるべになります。旬の野菜や果物、魚介類は、栄養価が最も高く、味も濃厚。そして何より、お手頃な価格で手に入ることが多いのも嬉しいポイントです。

季節の恵みをいただくことは、私たちの体と心を健やかに保つ、昔ながらの知恵。スーパーの売り場を眺めながら、「今は『穀雨』だから、たけのこが美味しい頃ね」なんて考えてみるのも楽しいものですよ。

節気の例旬の食材楽しみ方のヒント
清明(せいめい)の頃たけのこ、春キャベツ、あさり柔らかな穂先はお吸い物に、根元は若竹煮や炊き込みご飯に。あさりの酒蒸しも春の香りを楽しめます。
小暑(しょうしょ)の頃きゅうり、トマト、うなぎみずみずしい夏野菜は、火照った体を内側から優しく冷やしてくれます。土用の丑の日に向けて、うなぎで元気をつけたい時期ですね。
寒露(かんろ)の頃新米、さつまいも、きのこ類実りの秋、到来。炊き立ての新米の香りは格別です。きのこやさつまいもを入れた炊き込みご飯は、秋の醍醐味です。
冬至(とうじ)の頃かぼちゃ、ゆず、ぶり栄養満点のかぼちゃを食べて風邪を予防するのは昔からの習わし。脂がのった寒ぶりは、お刺身や照り焼きでいただきたいですね。

2.2 季節の行事を楽しむヒント

お正月や節分、お彼岸など、日本には古くから大切にされてきた行事がたくさんあります。実は、これらの多くが二十四節気と深い関わりを持っています。それぞれの行事が持つ意味や由来を知ると、何気なく過ごしていた一日が、より味わい深い特別な日に感じられるようになります。

季節の節目ごとに行事を楽しむことで、日々の暮らしに心地よいリズムが生まれます。お子さんやお孫さんと一緒に、季節の手仕事や習わしに触れてみるのも素敵な時間になるでしょう。

節気や時期関連する行事楽しみ方のヒント
立春(りっしゅん)の前日節分「鬼は外、福は内」と豆まきをして、一年の無病息災を願います。恵方巻をいただくのもすっかりおなじみになりましたね。
夏至(げし)の頃夏越の祓(なごしのはらえ)多くの神社で「茅の輪(ちのわ)くぐり」が行われます。今年前半の穢れを祓い、残り半年の健康を祈願する、古式ゆかしい神事です。
秋分(しゅうぶん)の頃お彼岸ご先祖様に感謝を伝える大切な期間。家族でお墓参りに行ったり、おはぎ(ぼたもち)を作って味わったりするのも良いですね。
冬至(とうじ)の頃ゆず湯一年で最も昼が短い日。「冬至の日にゆず湯に入ると風邪をひかない」と言われています。湯船に浮かぶゆずの爽やかな香りに癒されます。

2.3 衣替えや模様替えの目安に

「いつコートを出そうかしら」「そろそろ毛布をしまっても良いかしら」と、衣替えのタイミングに迷うことはありませんか。そんな時も、二十四節気が頼りになります。気温だけを基準にすると急な寒の戻りに慌ててしまうこともありますが、暦を参考にすれば、ゆとりを持って準備を進められます。

例えば、冬ごもりの虫が土から出てくる「啓蟄(けいちつ)」の頃に春物の準備を始め、霜が降り始める「霜降(そうこう)」の頃に冬支度を意識する、といった具合です。暦を目安にすることで、慌てずに心穏やかに季節の準備ができます

衣類だけでなく、お部屋のしつらえを少し変えてみるのもおすすめです。「清明」の頃にはクッションカバーを明るい色にしたり、「処暑」を過ぎたら涼しげなガラスの器をしまって温かみのある陶器を出したり。そんな小さな工夫が、暮らしに潤いと季節感をもたらしてくれます。

3. 春夏秋冬 二十四節気の一覧と意味

季節の移ろいを細やかに知らせてくれる二十四節気。ここからは、春、夏、秋、冬の季節ごとに、それぞれの節気が持つ意味や季節の様子、暮らしのヒントを一覧でご紹介します。暦とめぐる季節の物語を知ると、日々の暮らしがもっと愛おしく感じられるかもしれませんね。

3.1 春の節気 立春 雨水 啓蟄 春分 清明 穀雨

長く厳しい冬が終わり、柔らかな光とともに新しい命が芽吹く春。心も軽やかになるような、希望に満ちた季節の始まりです。少しずつ暖かくなる空気を感じながら、春の訪れを楽しみましょう。

節気名(読み)時期の目安意味と季節の過ごし方
立春(りっしゅん)2月4日頃暦の上で春が始まる日。まだ寒さは厳しいですが、日差しに春の気配が感じられ、梅の花が咲き始めます。前日の「節分」で豆まきをして、新たな気持ちで春を迎えるのも素敵な習慣ですね。
雨水(うすい)2月19日頃空から降るものが雪から雨に変わり、積もった雪や氷が溶けて水になる頃。凍てついていた大地が潤い始め、草木の芽吹きを促します。この時期にお雛様を飾ると、良縁に恵まれるという言い伝えもありますよ。
啓蟄(けいちつ)3月5日頃「啓」はひらく、「蟄」は土の中で冬ごもりする虫のこと。暖かさに誘われて、虫たちが土から顔を出す頃を意味します。春の雷が鳴り始めるのもこの時期。本格的な春の訪れに、心も弾みます。
春分(しゅんぶん)3月20日頃太陽が真東から昇り真西に沈み、昼と夜の長さがほぼ同じになる日です。「自然をたたえ、生物をいつくしむ日」として国民の祝日にもなっていますね。ご先祖様を敬うお彼岸の中日にあたり、ぼたもちをいただく風習があります。
清明(せいめい)4月4日頃すべてのものが清らかで生き生きと輝いて見える頃。「清浄明潔(しょうじょうめいけつ)」という言葉を略したもので、その名の通り、空は澄み渡り、花々が咲き乱れます。桜前線が北上し、お花見を楽しむのにぴったりの季節です。
穀雨(こくう)4月20日頃春の柔らかな雨が降り注ぎ、穀物の成長を助ける恵みの雨とされる頃。この時期の雨に後押しされるように、田畑では種まきが始まります。旬のタケノコやワラビなど、春の味覚を食卓に取り入れてみてはいかがでしょう。

3.2 夏の節気 立夏 小満 芒種 夏至 小暑 大暑

草木が青々と茂り、生命力にあふれる夏。日差しが強まり、日に日に暑さが増していきますが、夏の行事や旬の味覚には、この季節ならではの楽しみがたくさん詰まっています。

節気名(読み)時期の目安意味と季節の過ごし方
立夏(りっか)5月5日頃暦の上で夏が始まる日。風が心地よく、新緑が目にまぶしい、一年で最も過ごしやすい季節かもしれません。カエルたちの鳴き声が聞こえ始め、夏の気配が感じられます。こどもの日には、柏餅やちまきをいただくのも良いですね。
小満(しょうまん5月21日頃あらゆる生命が満ち足りてくる頃。秋にまいた麦の穂が実り、ほっと一安心(少し満足)することから名付けられたと言われます。木々の緑は一層深まり、田植えの準備が始まる時期でもあります。
芒種(ぼうしゅ)6月5日頃「芒(のぎ)」とは、稲や麦などイネ科の植物の穂先にある針のような突起のこと。稲など芒のある穀物の種をまくのに適した時期とされています。梅雨入りし、しとしとと雨が降る日が多くなりますが、アジサイの花が美しく色づく季節です。
夏至(げし)6月21日頃北半球では、一年で最も昼の時間が長く、夜が最も短くなる日。この日を境に、本格的な夏がやってきます。関西地方では、豊作を祈ってタコを食べる習慣があるそうですよ。
小暑(しょうしょ)7月7日頃梅雨が明け始め、本格的な暑さがやってくる頃。七夕や、夏の土用の丑の日もこの時期です。暑中見舞いを出し始めるのも小暑から。涼やかな風鈴の音を聞きながら、夏野菜をたっぷりいただいて元気に過ごしたいですね。
大暑(たいしょ)7月22日頃その名の通り、一年で最も暑さが厳しくなる頃。夏の風物詩である花火大会やお祭りが各地で開かれ、夏が盛り上がりを見せます。厳しい暑さですが、打ち水をするなど、昔ながらの知恵を取り入れて涼やかに乗り切りましょう。

3.3 秋の節気 立秋 処暑 白露 秋分 寒露 霜降

厳しい暑さが和らぎ、過ごしやすい日が増える秋。空は高く澄み渡り、実りの季節を迎えます。美しい紅葉や秋の味覚など、自然の恵みを存分に感じられる豊かな季節です。

節気名(読み)時期の目安意味と季節の過ごし方
立秋(りっしゅう)8月7日頃暦の上で秋が始まる日。まだまだ残暑が厳しいですが、よく耳を澄ますと虫の音が変わり、朝夕の風にふと涼しさを感じることがあります。この日からの暑さは「残暑」と呼ばれ、夏の疲れが出やすい頃。無理せず体を休めましょう。
処暑(しょしょ)8月23日頃「処」には「止まる」という意味があり、厳しい暑さが峠を越える頃とされています。日中の暑さは残るものの、朝晩は過ごしやすくなります。台風のシーズンでもあるため、日頃から備えをしておくと安心です。
白露(はくろ)9月7日頃夜の間に大気が冷え、草花に白い露が宿るようになる頃。秋の気配がぐっと深まり、空気が澄んで月が美しく見えます。旬を迎えるブドウや梨など、秋の果物を味わうのも楽しみですね。
秋分(しゅうぶん)9月23日頃春分と同じく、昼と夜の長さがほぼ同じになる日。「祖先をうやまい、なくなった人々をしのぶ」日として祝日になっています。お彼岸の中日にあたり、おはぎをお供えする風習が今も残っています。
寒露(かんろ)10月8日頃草木に降りる露が、冷たく感じられるようになる頃。秋の長雨が終わり、本格的な秋晴れの日が多くなります。菊の花が咲き始め、紅葉の便りも聞かれるようになり、行楽にぴったりの季節です。
霜降(そうこう)10月23日頃朝晩の冷え込みが増し、北国や山間部では霜が降り始める頃。紅葉前線が南下し、山々は美しい錦に染まります。冬支度を始める目安にも。栗やさつまいも、きのこなど、秋の味覚が食卓を豊かにしてくれます。

3.4 冬の節気 立冬 小雪 大雪 冬至 小寒 大寒

木々の葉が落ち、生き物たちが静かに身をひそめる冬。寒さは厳しいですが、空気が澄み渡り、星空が美しく輝く季節でもあります。温かい部屋で、ゆったりと流れる時間を楽しむのも冬ならではの過ごし方です。

節気名(読み)時期の目安意味と季節の過ごし方
立冬(りっとう)11月7日頃暦の上で冬が始まる日。日差しはまだ暖かく、小春日和(こはるびより)と呼ばれる穏やかな日もありますが、朝晩は冷え込み、冬の訪れを感じさせます。「木枯らし1号」のニュースが聞かれるのもこの頃。そろそろ冬物の準備を始めたいですね。
小雪(しょうせつ)11月22日頃北国から雪の便りが届き始める頃。まだ本格的な積雪にはならず、ちらちらと舞うような雪であることが多いため「小雪」と呼ばれます。寒さが増し、鍋料理が恋しくなる季節です。
大雪(たいせつ)12月7日頃山々は雪景色となり、平野にも本格的に雪が降り積もる頃。動物たちも冬ごもりに入ります。街はクリスマスのイルミネーションで彩られ、年末に向けて慌ただしくなる時期でもあります。
冬至(とうじ)12月22日頃北半球では、一年で最も昼の時間が短く、夜が最も長くなる日。この日を境に、再び日が長くなっていきます。昔から、かぼちゃを食べて栄養をつけ、ゆず湯に入って体を温めることで、風邪を引かずに冬を越せると言われています。
小寒(しょうかん)1月5日頃「寒の入り」とも言われ、これから本格的な寒さが始まる頃。寒中見舞いを出し始めるのもこの時期です。松の内が明ける頃でもあり、お正月の雰囲気から日常へと戻っていきます。
大寒(だいかん)1月20日頃その名の通り、一年で最も寒さが厳しい時期。ですが、よく見ると梅のつぼみが少しずつ膨らみ始めるなど、春に向けた小さな兆しを見つけることもできます。この時期の冷たい水は「寒の水」と呼ばれ、雑菌が少なく質が良いとされ、お味噌やお酒造りの仕込みに使われます。

4. さらに詳しく 二十四節気の由来と決め方

季節の移ろいを繊細に知らせてくれる二十四節気。その起源は、はるか昔の古代中国にさかのぼります。もともとは、農業を営む人々が種まきや収穫の時期を知るための、大切な暮らしの指標でした。月の満ち欠けをもとにした太陰暦では、季節と日付が少しずつずれてしまうため、太陽の動きを基準にして、より正確に季節を把握するという知恵から生まれたのです。

「そろそろ暖かくなるから、畑の準備を始めよう」「この時期は台風が多いから気をつけよう」など、自然と共に生きてきた人々の経験と知識がぎゅっと詰まっているのですね。

4.1 太陽の動きが基準となる太陽暦

二十四節気は、地球から見た太陽の通り道である「黄道(こうどう)」を基準に決められています。地球が太陽の周りを一周する360度を、15度ずつ24に分割し、それぞれの分割点に季節を表す名前をつけたものが二十四節気です。

私たちが普段使っているカレンダーも「太陽暦」なので、太陽の動きが基準になっている点は同じです。そのため、二十四節気の日付は毎年ほぼ同じ日になるのですよ。

季節の大きな節目となるのが、昼と夜の長さがほぼ同じになる「春分」と「秋分」、そして昼が最も長くなる「夏至」と最も短くなる「冬至」です。この4つを基準に、さらに季節のはじまりを示す「立春」「立夏」「立秋」「立冬」などが定められています。

季節の節目節気の名称意味
二至(にし)夏至(げし)一年で最も昼の時間が長い日
冬至(とうじ)一年で最も昼の時間が短い日
二分(にぶん)春分(しゅんぶん)昼と夜の長さがほぼ同じになる日(春)
秋分(しゅうぶん)昼と夜の長さがほぼ同じになる日(秋)
四立(しりゅう)立春(りっしゅん)春の始まり
立夏(りっか)夏の始まり
立秋(りっしゅう)秋の始まり
立冬(りっとう)冬の始まり

4.2 二十四節気と関連の深い七十二候

二十四節気をさらに細やかに、約5日ごとに3つに分けたものを「七十二候(しちじゅうにこう)」と呼びます。これは、より繊細な自然の変化を捉えるための、昔の人の美しい感性が生んだ季節の便りです。

例えば、「立春」の約15日間は、次のように分けられます。

時期名称意味
初候(しょこう)東風解凍(はるかぜこおりをとく)春風が川や湖の氷を解かし始める頃
次候(じこう)黄鶯睍睆(うぐいすなく)鶯(うぐいす)が山里で鳴き始める頃
末候(まっこう)魚上氷(うおこおりをいずる)割れた氷の間から魚が飛び跳ねる頃

「春風が氷をとかし…」「うぐいすが鳴きはじめ…」なんて、情景が目に浮かぶようですね。七十二候を知ると、道端の草花や鳥の声、風の匂いなど、日々の何気ない風景が特別なものに感じられ、暮らしがより一層味わい深くなりますよ。

もともとは中国から伝わったものですが、江戸時代に日本の気候風土に合わせて改訂されました。私たちの身近な自然に寄り添った言葉になっているからこそ、今も心に響くのかもしれませんね。

5. まとめ

この記事では、二十四節気の意味や由来、そして春夏秋冬の一覧をめぐってまいりました。太陽の運行をもとに一年を24に分けた二十四節気は、単なる古い暦というわけではなく、自然と共に生きた人々の繊細な感性が息づく、暮らしの道しるべです。

旬のものを食卓へ運んだり、季節の行事を楽しんだり、あるいは衣替えの目安にしたり。二十四節気を暮らしに少し取り入れるだけで、慌ただしく過ぎていく毎日の中に、美しい季節の移ろいを見つけることができます。それは、日々の暮らしに潤いと彩りを与えてくれる、ささやかで素敵なきっかけになるはずです。

まずはカレンダーに記された、次の節気の名前をふと眺めてみませんか。季節の細やかな変化に気づくことで、心にゆとりが生まれ、毎日がもっと愛おしく感じられるかもしれません。二十四節気という季節の便りが、あなたの暮らしを豊かにする一助となれば幸いです。

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この記事を書いた人

ハレノヒ編集部は、「わたしらしく、身軽に暮らす」をテーマに、日々の暮らしを前向きに楽しむためのヒントをお届けしています。
美容や健康、趣味、暮らしの工夫など、50代以降の女性を中心に、誰もが自分らしく輝けるような情報をやさしい目線で発信しています。
ちょっと気になる話題や、ふと心に残る言葉も添えて、皆さまの毎日が少し晴れやかになりますように。

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