クリーニングに出したいけれど、料金がいくらかかるのか不安に感じていませんか?スーツやコート、ダウン、着物など、衣類の種類によってクリーニング代は大きく異なります。この記事では、各衣類のクリーニング代相場を詳しく解説し、料金の仕組みや安く抑えるコツもお伝えします。適正価格を知ることで、安心してクリーニングを利用できるようになり、大切な衣類を長く美しく保つことができるでしょう。
1. クリーニング代の相場を知る前に押さえておきたい基本知識
お気に入りの洋服をクリーニングに出す際、「なぜこの料金なのかしら?」と疑問に思ったことはありませんか。クリーニング料金は、衣類の素材や加工方法、地域によって大きく変わります。適正な料金を知っておくことで、お店選びの参考になり、家計にも優しくなりますね。まずは、クリーニング料金の基本的な仕組みを理解していきましょう。

1.1 クリーニング料金の決まり方
クリーニング料金は、主に以下の要素によって決まります。衣類の種類と素材が最も大きな要因となり、綿やポリエステルなどの一般的な素材は比較的安価ですが、シルクやカシミヤなどの高級素材は特別な技術と時間が必要なため料金が高くなります。
料金決定要因 | 影響度 | 具体例 |
---|---|---|
衣類の種類 | 高 | シャツ、スーツ、コート、着物など |
素材 | 高 | 綿、ウール、シルク、カシミヤなど |
加工方法 | 中 | ドライクリーニング、水洗い、特殊洗浄 |
付加サービス | 中 | しみ抜き、撥水加工、防虫加工など |
仕上げ期間 | 低 | 通常仕上げ、即日仕上げ |
また、衣類の構造の複雑さも料金に大きく影響します。例えば、裏地がついているコートやジャケット、装飾が多いドレスなどは、シンプルなシャツに比べて手間がかかるため料金が高くなる傾向があります。
1.2 ドライクリーニングと水洗いの違いと料金差
クリーニングには大きく分けて「ドライクリーニング」と「水洗い」の2つの方法があります。それぞれの特徴を理解しておくと、なぜ料金が違うのかが分かりやすくなります。
ドライクリーニングは、水の代わりに有機溶剤を使用する洗浄方法です。油性の汚れに強く、型崩れしにくいのが特徴で、スーツやコート、ウール製品などによく使われます。一方、水洗いは文字通り水と洗剤を使用する方法で、汗などの水溶性の汚れに効果的です。

洗浄方法 | 適した汚れ | 適した衣類 | 料金目安 |
---|---|---|---|
ドライクリーニング | 油性汚れ、化粧品など | スーツ、コート、ウール製品 | やや高め |
水洗い | 汗、皮脂、水溶性汚れ | シャツ、下着、タオルなど | やや安め |
特殊洗浄 | 頑固なしみ、特殊素材 | 着物、革製品、毛皮など | 高め |
一般的に、ドライクリーニングの方が設備や溶剤のコストがかかるため、水洗いよりも料金が高くなることが多いです。ただし、最近では「ウェットクリーニング」という、水洗いでありながら型崩れを防ぐ特殊な技術も普及しており、こうした高品質な水洗いは通常の水洗いよりも料金が高く設定されています。
1.3 地域による料金差の実態
意外に思われるかもしれませんが、クリーニング料金は地域によって大きな差があります。これは、店舗の家賃や人件費、競合店の数などが地域によって異なるためです。
都市部、特に東京や大阪などの大都市圏では、家賃や人件費が高いため、クリーニング料金も全国平均より高くなる傾向があります。一方、地方都市や郊外では、比較的リーズナブルな料金設定のお店が多く見つかります。
地域区分 | 料金水準 | スーツ上下の目安料金 | 特徴 |
---|---|---|---|
東京都心部 | 高 | 1,800円〜2,500円 | 高級店が多い、サービス充実 |
大阪・名古屋など | やや高 | 1,500円〜2,200円 | 競合多数、選択肢豊富 |
地方都市 | 標準 | 1,200円〜1,800円 | 個人店が多い、地域密着 |
郊外・農村部 | 安 | 1,000円〜1,500円 | チェーン店中心、コスパ重視 |
ただし、料金が安いからといって品質が劣るわけではありません。地方の老舗クリーニング店には、長年培った確かな技術を持つお店も多く、むしろ料金に対する品質の満足度が高い場合もあります。
また、同じ地域内でも商業地区と住宅地区では料金差があることが多く、駅前や繁華街のお店は便利さと引き換えに料金が高めに設定されている傾向があります。少し歩いて住宅地のお店を利用することで、お得にクリーニングサービスを受けられる場合もありますので、ご近所のお店を比較してみるのもおすすめです。
2. スーツのクリーニング代相場と注意点
スーツのクリーニングは、ビジネスシーンには欠かせないお手入れです。男性も女性も、きちんとした身だしなみを保つためにクリーニング代は必要な出費といえるでしょう。料金は素材や仕立てによって大きく変わるため、事前に相場を知っておくと安心です。
2.1 メンズスーツのクリーニング代相場
男性のスーツクリーニングは、上下セットでお願いするのが一般的です。料金は店舗の種類や地域によって差がありますが、全国的な相場をまとめてご紹介します。

店舗種類 | 上下セット料金 | ジャケット単品 | スラックス単品 |
---|---|---|---|
大手チェーン店 | 1,200円〜1,800円 | 600円〜900円 | 400円〜600円 |
個人経営店 | 1,500円〜2,500円 | 800円〜1,200円 | 500円〜800円 |
高級クリーニング店 | 3,000円〜5,000円 | 1,500円〜2,500円 | 1,000円〜1,800円 |
一般的なウールスーツであれば、上下セットで1,500円前後が相場と考えておくとよいでしょう。ただし、素材によって料金が変わることも多く、カシミヤやシルクが混紡されたスーツは追加料金が発生する場合があります。
仕上がりまでの日数は通常3〜5日程度です。急ぎの場合は即日仕上げも可能ですが、500円〜1,000円程度の追加料金がかかることがほとんどです。
2.2 レディーススーツのクリーニング代相場
女性のスーツは、デザインや素材のバリエーションが豊富なため、料金設定も幅があります。特にジャケットは、装飾やライニング(裏地)の有無によって価格が変動します。
アイテム | チェーン店 | 個人経営店 | 高級店 |
---|---|---|---|
ジャケット(シンプル) | 600円〜1,000円 | 800円〜1,500円 | 1,800円〜3,000円 |
ジャケット(装飾付き) | 1,000円〜1,500円 | 1,200円〜2,000円 | 2,500円〜4,000円 |
スカート | 400円〜700円 | 600円〜1,000円 | 1,200円〜2,000円 |
パンツ | 400円〜600円 | 500円〜800円 | 1,000円〜1,800円 |
レディーススーツで注意したいのは、ビーズやスパンコールなどの装飾が付いている場合は、特殊クリーニング扱いになることです。このような場合、通常の料金に500円〜1,500円程度が加算されます。
また、シルクブラウスと合わせてクリーニングに出すことも多いですが、シルク素材は別料金となることがほとんどで、1枚800円〜1,500円程度かかります。
2.3 高級スーツのクリーニング料金
高級ブランドのスーツや、オーダーメイドスーツは通常のクリーニングとは料金体系が異なります。素材の特性や縫製の繊細さを考慮した、専門的な技術が必要になるためです。
海外ブランドや国内高級ブランドのスーツは、専門店での取り扱いをおすすめします。一般的なクリーニング店では、適切な処理ができない場合があるからです。
スーツの種類 | 料金相場 | 特徴 |
---|---|---|
高級既製スーツ | 3,000円〜6,000円 | カシミヤ、高級ウール使用 |
オーダーメイドスーツ | 5,000円〜10,000円 | 個別対応、手仕上げ |
ヴィンテージスーツ | 6,000円〜12,000円 | 専門技術、補修含む |
高級スーツのクリーニングでは、単純な洗浄だけでなく、プレスの仕方やハンガーでの保管方法まで、細やかな配慮が行われます。仕上がりまでには1週間〜10日程度かかることも珍しくありません。
また、高級スーツを長持ちさせるためには、クリーニングの頻度を調整することも大切です。着用5〜6回に1度程度を目安とし、日頃のブラッシングや陰干しでのメンテナンスを心がけましょう。シーズン終わりには必ずクリーニングに出してから保管することで、来シーズンも気持ちよく着用できます。
3. コート類のクリーニング代相場
コートは季節の変わり目にまとめてクリーニングに出すことが多く、料金も衣類の中では高めに設定されています。素材や仕立ての違いによって料金が大きく変わるため、事前に相場を知っておくと安心です。

3.1 トレンチコートのクリーニング代
春と秋に活躍するトレンチコートは、一般的なクリーニング店で1,500円から2,500円程度が相場となっています。素材がポリエステルや綿混合の場合は比較的安価ですが、高級ブランドのトレンチコートになると3,000円から5,000円程度かかることもあります。
トレンチコートの種類 | 料金相場 | 備考 |
---|---|---|
一般的なトレンチコート | 1,500円〜2,500円 | ポリエステル・綿混合素材 |
高級ブランドトレンチ | 3,000円〜5,000円 | バーバリーなど |
ライナー付きトレンチ | 2,000円〜3,500円 | ライナー着脱可能タイプ |
ライナー付きのトレンチコートの場合、ライナーも一緒にクリーニングすることで追加料金が発生する場合があります。事前に確認しておきましょう。
3.2 ウールコートのクリーニング代
ウール素材のコートは保温性が高く、冬のお出かけには欠かせないアイテムです。クリーニング料金は2,000円から3,500円程度が一般的な相場となっています。
ウール100%のコートは特に丁寧な取り扱いが必要で、ドライクリーニングが基本となります。毛玉取りや型崩れ防止の処理も含まれることが多く、仕上がりの品質も重視されています。
ウールコートの種類 | 料金相場 | 特徴 |
---|---|---|
ウール混合コート | 2,000円〜2,800円 | ポリエステル等混合 |
ウール100%コート | 2,500円〜3,500円 | 純毛素材 |
アンゴラ混合コート | 3,000円〜4,000円 | 高級素材使用 |
3.3 カシミヤコートのクリーニング代
最高級の天然繊維として知られるカシミヤのコートは、クリーニング料金も高めに設定されています。4,000円から8,000円程度が相場で、専門的な技術と設備が必要なため、一般的なクリーニング店では断られることもあります。
カシミヤは非常にデリケートな素材のため、専用の洗剤と温度管理された環境でのクリーニングが必要です。毛羽立ちや縮みを防ぐため、手作業での処理が多く含まれることも料金が高い理由の一つです。
カシミヤコートの種類 | 料金相場 | 注意点 |
---|---|---|
カシミヤ混合コート | 4,000円〜6,000円 | 混合率により変動 |
カシミヤ100%コート | 6,000円〜8,000円 | 最高級クリーニング必要 |
カシミヤロングコート | 8,000円〜12,000円 | 丈の長さで追加料金 |
高級ブランドのカシミヤコートの場合、ブランド専門のクリーニング店を利用することをおすすめします。一般的なクリーニング店よりも料金は高くなりますが、素材の特性を理解した専門技術で安心してお任せできます。
3.4 毛皮コートのクリーニング代
毛皮のコートは最も特殊な取り扱いが必要で、専門店でのクリーニングが必須となります。料金は10,000円から30,000円程度と幅広く、毛皮の種類や加工方法によって大きく変わります。
本毛皮の場合は革の部分と毛の部分、それぞれに適したクリーニング方法が必要です。フェイクファーの場合でも、静電気防止や毛並みを整える特殊な処理が必要なため、一般的なコートよりも高額になります。
毛皮の種類 | 料金相場 | 処理内容 |
---|---|---|
フェイクファーコート | 5,000円〜10,000円 | 静電気防止・毛並み整え |
ラビットファー | 10,000円〜18,000円 | 革部分の特殊処理 |
ミンクコート | 20,000円〜30,000円 | 最高級毛皮専用処理 |
毛皮のコートをクリーニングに出す際は、必ず毛皮専門のクリーニング店を選びましょう。一般的なクリーニング店では適切な処理ができず、大切なコートが台無しになってしまう可能性があります。また、クリーニング後は専用の保管方法も教えてもらえるので、長く愛用できるでしょう。
4. ダウンジャケット・ダウンコートのクリーニング代相場
寒い季節に欠かせないダウンジャケットやダウンコートは、羽毛という特殊な素材を使用しているため、一般的な衣類よりもクリーニング料金が高めに設定されています。お気に入りのダウンを長く着るためにも、適切な料金相場を知っておくことが大切です。
ダウン製品のクリーニングは、羽毛の油分を落としすぎないよう特別な技術が必要で、仕上げにも専用の乾燥設備を使用するため、どうしても料金が上がってしまいます。それでも、自宅での洗濯では失敗のリスクが高いため、プロのクリーニング店にお任せするのが安心です。
4.1 一般的なダウンジャケットの料金
街でよく見かけるダウンジャケットのクリーニング代は、お店の種類によって大きく異なります。チェーン系のクリーニング店では1,500円から2,500円程度が相場となっており、比較的手頃な価格でお手入れができます。
店舗タイプ | 料金相場 | 仕上がり日数 |
---|---|---|
チェーン系クリーニング店 | 1,500円〜2,500円 | 3〜5日 |
個人経営クリーニング店 | 2,000円〜3,500円 | 4〜7日 |
宅配クリーニング | 2,200円〜3,800円 | 1〜2週間 |
個人経営のクリーニング店では、より丁寧な手作業での仕上げが期待できる分、料金も少し高くなる傾向があります。特に、羽毛のふんわり感を重視したい方には、個人店での仕上げがおすすめです。
4.2 高級ダウンブランドの料金
モンクレールやカナダグースといった高級ダウンブランドの場合、クリーニング料金は5,000円から8,000円程度と、一般的なダウンより2倍以上高くなることが一般的です。これは、ブランド品特有の素材や縫製技術に配慮した、より慎重な取り扱いが必要なためです。
高級ダウンをお持ちの方は、ブランド品を専門に扱うクリーニング店や、高級衣類専門のクリーニング店を選ぶことをおすすめします。多少料金は高くなりますが、大切なお品物を安心して預けることができます。
ブランドレベル | 料金相場 | 特別対応 |
---|---|---|
国内ブランド(ユニクロなど) | 1,500円〜2,000円 | 標準コース |
中級ブランド(ノースフェイスなど) | 2,500円〜4,000円 | アウトドア専用コース |
高級ブランド(モンクレールなど) | 5,000円〜8,000円 | 特別取扱いコース |
また、高級ダウンの場合は撥水加工の追加オプションも人気です。1,000円から2,000円程度の追加料金で、新品のような撥水性を復活させることができ、長期間にわたって快適に着用できます。
4.3 ダウンベストのクリーニング代
袖のないダウンベストは、ダウンジャケットよりも500円から1,000円程度安くクリーニングできることが多いです。使用している羽毛の量が少ないことと、作業工程が若干簡略化できることが理由です。
ダウンベストの場合、チェーン系のクリーニング店では1,000円から1,800円程度が相場となっており、気軽にお手入れできる価格帯です。ただし、インナーダウンベストのような薄手のものでも、羽毛を使用している以上は通常の衣類より高めの設定になることを覚えておきましょう。
春先や秋口によく着るダウンベストは、シーズン終わりにクリーニングに出して、きれいな状態で保管することが大切です。汗や皮脂汚れをそのままにしておくと、羽毛の劣化や臭いの原因になってしまいます。
5. 着物・和服のクリーニング代相場
着物は私たちの大切な文化遺産であり、結婚式や成人式、お茶席などの特別な場面で着用する貴重な衣装です。正絹や上質な素材で作られた着物は、一般的な洋服とは異なる専門的なクリーニング技術が必要になります。着物のクリーニング料金は素材や仕立て、装飾の複雑さによって大きく変わってきます。
着物のクリーニングでは、丸洗いと部分洗いの2つの方法があります。丸洗いは着物全体をクリーニングする方法で、部分洗いはシミや汚れのある箇所のみを処理する方法です。また、着物の種類によっても料金が大きく異なるため、事前に相場を知っておくことで適正な料金でサービスを受けることができます。
5.1 振袖のクリーニング代
振袖は成人式や結婚式で着用する格式高い着物で、袖が長く装飾も豪華なため、クリーニング料金も高めに設定されています。振袖の丸洗いの相場は8,000円から15,000円程度が一般的です。
クリーニング内容 | 料金相場 | 備考 |
---|---|---|
丸洗い | 8,000円~15,000円 | 全体的な汚れを除去 |
部分洗い(シミ抜き) | 3,000円~8,000円 | シミの大きさ・種類により変動 |
汗抜き | 4,000円~7,000円 | 夏場の着用後に推奨 |
プレス仕上げ | 2,000円~4,000円 | シワ取りと形直し |
振袖は金糸や銀糸、刺繍などの装飾が施されていることが多いため、一般的な着物よりも慎重な取り扱いが必要です。特に古典柄や手描き友禅の振袖は料金が高くなる傾向があります。
5.2 訪問着・留袖のクリーニング代
訪問着や留袖は格式のある場面で着用する準礼装の着物です。訪問着の丸洗いは6,000円から12,000円程度、留袖は7,000円から13,000円程度が相場となっています。
留袖は黒留袖と色留袖があり、どちらも格式が高く、紋が入っていることが多いため、クリーニング料金もやや高めです。訪問着は色柄が豊富で、染めの技法によって料金が変わることがあります。
着物の種類 | 丸洗い料金 | 部分洗い料金 |
---|---|---|
訪問着 | 6,000円~12,000円 | 2,500円~6,000円 |
黒留袖 | 7,000円~13,000円 | 3,000円~7,000円 |
色留袖 | 7,000円~13,000円 | 3,000円~7,000円 |
訪問着や留袖の場合、胴裏や八掛の汚れも一緒にクリーニングすることが推奨されており、この場合は追加料金が発生することがあります。
5.3 浴衣のクリーニング代
浴衣は夏祭りや花火大会で気軽に楽しめる和装で、木綿や麻素材で作られているものが多いため、他の着物と比べてクリーニング料金は比較的リーズナブルです。浴衣の丸洗いは2,000円から4,000円程度が相場です。
浴衣は汗をかきやすい夏場に着用するため、汗抜きクリーニングが特に重要になります。木綿素材の浴衣は水洗いも可能ですが、正絹や特殊な染めの浴衣はドライクリーニングが必要です。
浴衣の素材 | クリーニング料金 | 処理方法 |
---|---|---|
木綿浴衣 | 2,000円~3,500円 | 水洗い・ドライクリーニング両方可能 |
麻浴衣 | 2,500円~4,000円 | 素材の特性に応じた処理 |
正絹浴衣 | 4,000円~7,000円 | ドライクリーニング |
浴衣はシーズン中に複数回着用することが多いため、シーズン終了後にまとめてクリーニングに出すという方も多くいらっしゃいます。
5.4 帯のクリーニング代
帯は着物と同様に重要な和装小物で、素材や種類によってクリーニング料金が大きく異なります。袋帯や名古屋帯などの正装用の帯は3,000円から8,000円程度、半幅帯などのカジュアルな帯は2,000円から4,000円程度が相場です。
帯は金糸や銀糸、箔などの装飾が施されているものが多く、これらの装飾がある帯は特別な技術が必要になるため料金も高くなります。また、帯は着物よりも汚れが付きやすい部分でもあるため、定期的なメンテナンスが大切です。
帯の種類 | クリーニング料金 | 特徴 |
---|---|---|
袋帯 | 4,000円~8,000円 | 礼装・準礼装用、装飾が豪華 |
名古屋帯 | 3,000円~6,000円 | 準礼装・外出着用 |
半幅帯 | 2,000円~4,000円 | カジュアル・浴衣用 |
丸帯 | 5,000円~10,000円 | 最も格式が高い帯 |
帯のクリーニングでは、帯芯の状態も確認してもらうことが重要です。帯芯にカビや虫食いがある場合は、別途修理費用が必要になることもあります。着物専門のクリーニング店では、帯の仕立て直しや寸法直しなどのサービスも提供していることが多いので、気になることがあれば相談してみると良いでしょう。
6. その他衣類のクリーニング代相場
日常的によく着用する衣類も、クリーニング代は意外とかかるものです。ここでは、普段使いの衣類から少し特殊な素材まで、幅広いアイテムのクリーニング代相場をご紹介します。家計管理をしっかりと行いたい方にとって、これらの金額を把握しておくことは大切です。
6.1 シャツ・ブラウスのクリーニング代
シャツやブラウスは、最も頻繁にクリーニングに出す衣類の一つです。素材や加工によって料金が大きく変わってきます。
アイテム | 料金相場 | 特徴 |
---|---|---|
一般的なシャツ(綿・ポリエステル) | 150円~250円 | 機械プレス仕上げ |
ドレスシャツ(手仕上げ) | 300円~500円 | アイロン手仕上げ |
シルクブラウス | 400円~600円 | デリケート素材のため丁寧な処理 |
レースブラウス | 500円~800円 | 装飾部分の特別な処理が必要 |
シャツのクリーニングでは、襟の汚れや袖口の黄ばみが気になる場合、しみ抜きの追加料金が発生することがあります。定期的なクリーニングを心がけることで、汚れが定着する前に対処できるので、結果的に費用を抑えることができます。
6.2 ワンピースのクリーニング代
ワンピースは、デザインや素材によって料金が大きく変動します。特に、装飾が多いものや特殊な素材を使用したものは高額になる傾向があります。
ワンピースの種類 | 料金相場 | 備考 |
---|---|---|
シンプルなワンピース | 600円~900円 | 綿・ポリエステル素材 |
シルクワンピース | 1,000円~1,500円 | デリケート素材のため特別処理 |
レースワンピース | 1,200円~2,000円 | レース部分の丁寧な処理が必要 |
パーティードレス | 1,500円~3,000円 | 装飾やビーズ付きの場合 |
ワンピースをクリーニングに出す際は、装飾品の有無やデザインの複雑さを事前に確認してもらうことをおすすめします。特に、ビーズやスパンコールが付いているものは、取れる可能性があることを承知しておくことが大切です。
6.3 セーター・ニットのクリーニング代
セーターやニットは、素材によって料金が大きく異なります。特に天然繊維のものは、型崩れを防ぐための特別な処理が必要になります。
ニット素材 | 料金相場 | 処理方法 |
---|---|---|
アクリル・ポリエステルニット | 400円~600円 | 一般的なドライクリーニング |
ウールセーター | 600円~1,000円 | 縮み防止の特別処理 |
カシミヤセーター | 1,000円~2,000円 | 最高級の取り扱い |
手編みニット | 800円~1,500円 | 型崩れ防止の特別な乾燥 |
ニット類をクリーニングに出す際は、必ず素材表示を確認し、特に繊細な素材の場合は信頼できるクリーニング店を選ぶことが重要です。安価なクリーニング店では、縮みや型崩れのリスクが高くなる場合があります。
6.4 革製品のクリーニング代
革製品のクリーニングは、一般的な衣類とは全く異なる専門的な技術が必要です。そのため、料金も高めに設定されています。
革製品の種類 | 料金相場 | 所要時間 |
---|---|---|
革ジャケット | 3,000円~6,000円 | 1週間~10日 |
革スカート | 2,500円~4,500円 | 1週間~10日 |
革パンツ | 3,000円~5,500円 | 1週間~10日 |
スエード製品 | 3,500円~7,000円 | 10日~2週間 |
革製品のクリーニングでは、クリーニング後に革の柔軟性を保つためのオイル加工や色補正が含まれる場合が多いです。革専門のクリーニング店を利用することで、より適切な処理を受けることができます。
これらの衣類をクリーニングに出す際は、それぞれの特性を理解し、適切な店舗選びをすることが大切です。特に高価な衣類や思い入れのある品物については、多少料金が高くても信頼できる専門店を選ぶことをおすすめします。
7. 特殊なクリーニングサービスの料金相場
クリーニングには、一般的な洗濯やドライクリーニング以外にも、さまざまな特殊サービスがあります。これらのサービスは通常料金に加えて追加料金がかかることが多く、事前に相場を知っておくと安心です。ここでは、代表的な特殊サービスの料金相場をご紹介します。
7.1 しみ抜きの追加料金
食べこぼしや化粧品、血液など、頑固な汚れを取り除くしみ抜きサービスは、多くのクリーニング店で対応しています。しみの種類や大きさ、付着してからの経過時間によって料金が変わります。
しみの種類 | 料金相場 | 備考 |
---|---|---|
軽微なしみ(1箇所) | 200円~500円 | 醤油、コーヒーなどの一般的なしみ |
中程度のしみ(1箇所) | 500円~1,000円 | 血液、口紅、インクなど |
重度のしみ(1箇所) | 1,000円~3,000円 | 時間が経過した頑固なしみ、複数の汚れが重なったもの |
特殊しみ抜き | 2,000円~5,000円 | カビ、変色、特殊な染み |
しみ抜きは完全に除去できない場合もあります。特に時間が経過した汚れや、素材によっては対応が困難なケースもあるため、事前にクリーニング店で相談することをおすすめします。
7.2 撥水加工の料金
雨や汚れから衣類を守る撥水加工は、コートやジャケット、スーツなどでよく利用されるサービスです。効果は約6ヶ月から1年程度持続し、定期的な再加工が推奨されています。
衣類の種類 | 撥水加工料金 | 効果持続期間 |
---|---|---|
コート・ジャケット | 800円~1,500円 | 6ヶ月~1年 |
スーツ(上下セット) | 1,000円~2,000円 | 6ヶ月~1年 |
スカート・パンツ | 500円~800円 | 6ヶ月~1年 |
レインコート | 1,000円~2,000円 | 1年~1年半 |
撥水加工は素材によって効果や持続期間が異なります。ナイロンやポリエステルなどの化学繊維は効果が長持ちしやすく、天然繊維は効果がやや短めになる傾向があります。
7.3 防虫加工の料金
大切な衣類を虫食いから守る防虫加工は、特にウールやカシミヤなどの天然繊維で人気のサービスです。長期保管前に施すことで、衣類を安心して収納できます。
衣類の種類 | 防虫加工料金 | 効果持続期間 |
---|---|---|
セーター・ニット | 300円~600円 | 6ヶ月~1年 |
コート(ウール・カシミヤ) | 500円~1,000円 | 6ヶ月~1年 |
スーツ | 600円~1,200円 | 6ヶ月~1年 |
着物・和服 | 800円~1,500円 | 6ヶ月~1年 |
防虫加工は人体に安全な薬剤を使用していますが、アレルギーをお持ちの方は事前に相談することをおすすめします。また、効果を持続させるためには、密閉性の高い収納環境で保管することが大切です。
7.4 即日仕上げの追加料金
急な用事で衣類が必要になったときに便利な即日仕上げサービス。通常は1~3日かかるクリーニングを当日中に完了してくれますが、追加料金が必要です。
サービス内容 | 追加料金相場 | 対応時間 |
---|---|---|
即日仕上げ(朝出し・夕方渡し) | 通常料金の30%~50%増 | 午前10時までの受付 |
特急仕上げ(3~4時間) | 通常料金の50%~100%増 | 店舗により異なる |
超特急仕上げ(1~2時間) | 通常料金の100%~200%増 | 対応可能店舗のみ |
即日仕上げはすべてのクリーニング店で対応しているわけではありません。また、衣類の種類や汚れの程度によっては対応が困難な場合もあります。特にしみ抜きが必要な衣類や、デリケートな素材の衣類は時間がかかることが多いため、余裕を持ってクリーニングに出すことをおすすめします。
これらの特殊サービスを上手に活用することで、大切な衣類をより長く、美しい状態で着用することができます。料金は追加でかかりますが、衣類の価値や着用頻度を考慮して、必要なサービスを選択してみてくださいね。
8. クリーニング店の種類別料金比較
クリーニング店には、それぞれ異なる特徴と料金体系があります。どのお店を選ぶかによって、同じ衣類でも料金に大きな差が生まれることがあります。ここでは、主な4つのタイプのクリーニング店について、料金相場とそれぞれのメリット・デメリットをご紹介します。
8.1 チェーン店のクリーニング代相場
全国展開している大手チェーン店は、料金の安さと利用しやすさが最大の魅力です。システム化された運営により、コストを抑えた料金設定が実現されています。
衣類の種類 | チェーン店の料金相場 | 仕上がり日数 |
---|---|---|
ワイシャツ | 150円~250円 | 1~2日 |
スーツ上下 | 800円~1,200円 | 2~3日 |
コート | 1,200円~1,800円 | 3~4日 |
ダウンジャケット | 1,500円~2,500円 | 4~5日 |
チェーン店の特徴として、パック料金やまとめ割引などのサービスが充実していることが挙げられます。また、全国どこでも同じ品質とサービスが受けられる安心感があります。ただし、特殊な素材や高級品については、対応できない場合もあるので事前確認が大切です。
8.2 個人経営店のクリーニング代相場
昔ながらの個人経営クリーニング店は、店主の技術力と細やかな対応が魅力です。お客様一人ひとりのニーズに合わせた丁寧な仕上がりが期待できます。
衣類の種類 | 個人店の料金相場 | 仕上がり日数 |
---|---|---|
ワイシャツ | 200円~350円 | 2~3日 |
スーツ上下 | 1,000円~1,500円 | 3~5日 |
コート | 1,500円~2,500円 | 4~7日 |
ダウンジャケット | 2,000円~3,500円 | 5~7日 |
個人経営店では、長年の経験に基づいた職人技術により、難しいシミ抜きや特殊素材の取り扱いも得意としています。また、地域に根ざした営業により、お客様との信頼関係を大切にした温かいサービスが受けられることが多いです。
8.3 高級クリーニング専門店の料金
ブランド品や高級衣料を専門に扱うクリーニング店は、最高品質の仕上がりと専門知識が売りです。価格は高めですが、大切な衣類を安心して任せることができます。
衣類の種類 | 高級店の料金相場 | 仕上がり日数 |
---|---|---|
高級シャツ | 500円~1,000円 | 3~5日 |
ブランドスーツ | 2,000円~4,000円 | 5~7日 |
カシミヤコート | 3,000円~6,000円 | 7~10日 |
高級ダウン | 4,000円~8,000円 | 7~14日 |
高級クリーニング専門店では、一つひとつの衣類に対して詳細な検査を行い、最適なクリーニング方法を選択します。また、修理やお直しサービスも充実しており、愛用品を長く大切に着続けるためのサポートが受けられます。
8.4 宅配クリーニングの料金
近年注目を集める宅配クリーニングは、自宅にいながら便利にクリーニングが利用できる新しいサービスです。特にお忙しい方や重い衣類を持ち運びたくない方に人気があります。
サービス形態 | 料金体系 | 配送料 | 仕上がり日数 |
---|---|---|---|
単品クリーニング | 店舗価格+300円~500円 | 往復800円~1,500円 | 5~10日 |
パック料金制 | 5点:8,000円~12,000円 10点:12,000円~18,000円 | 無料 | 7~14日 |
定期便サービス | 月額5,000円~15,000円 | 無料 | 7~10日 |
宅配クリーニングのメリットは、24時間いつでも申し込みができ、重い衣類を持ち運ぶ必要がないことです。また、保管サービス付きのプランも多く、季節物の衣類をクローゼットから解放できます。ただし、仕上がりまでの日数が長めで、急ぎの場合には不向きです。
どのタイプのクリーニング店を選ぶかは、ご自身のライフスタイルや予算、衣類の種類によって決めるのがよいでしょう。普段使いの衣類はチェーン店で、大切な衣類は高級専門店で、といったように使い分けることで、賢くクリーニングを活用できます。
9. クリーニング代を安く抑えるコツ
大切な衣類を美しく保ちたいけれど、クリーニング代がかさんで家計の負担になることもありますよね。でも、ちょっとした工夫で料金を抑えることができるんです。知っているだけでお得になる方法をご紹介しますので、ぜひ参考にしてくださいね。
9.1 割引サービスの活用方法
多くのクリーニング店では、さまざまな割引サービスを用意しています。これらを上手に活用することで、通常料金から10~30%程度お得になる場合があります。
会員カードやポイントカードを作ると、利用回数に応じて割引が受けられることが多いです。白洋舎やホワイト急便などの大手チェーンでは、ポイント制度を導入しており、貯まったポイントでクリーニング代を支払うことができます。
また、平日割引や朝割引を実施している店舗もあります。平日の午前中に持ち込むと5~10%引きになったり、65歳以上の方向けのシニア割引を用意している店舗もあるんです。
割引の種類 | 一般的な割引率 | 適用条件 |
---|---|---|
会員割引 | 5~15% | 会員カード作成 |
平日割引 | 5~10% | 平日の持ち込み |
シニア割引 | 10~20% | 60歳以上など |
初回割引 | 10~30% | 新規利用者 |
9.2 まとめ出しでお得になる方法
一度にたくさんの衣類をクリーニングに出すことで、単価を下げることができるのが「まとめ出し」のメリットです。
多くの店舗では「5点以上で10%引き」「10点以上で15%引き」といった、点数による割引サービスを実施しています。例えば、スーツ3着とシャツ5枚を別々に出すよりも、一度にまとめて出す方がずっとお得になります。
また、家族分をまとめて出すのも効果的です。ご夫婦やお子様の分も一緒に出すことで、割引の対象点数に達しやすくなります。衣替えの時期などは特に、まとめ出しのチャンスですね。
宅配クリーニングサービスでも同様で、リネットやクリコムなどでは、一定金額以上の利用で送料無料になったり、パック料金制を導入していることがあります。
9.3 季節やタイミングを狙った節約術
クリーニング店にも繁忙期と閑散期があり、タイミングを選ぶことで料金を抑えられる場合があります。
春と秋は衣替えの時期で最も混雑する季節です。この時期を避けて、夏や冬にコートやジャケットをクリーニングに出すと、閑散期料金が適用されることがあります。特に8月や1月は、通常料金から20~30%引きになる店舗もあるんです。
また、年末年始やお盆休みの前後は、特別料金を設定している店舗が多いです。急ぎでなければ、これらの時期は避けた方が無難でしょう。
さらに、即日仕上げや特急料金は通常料金の1.5~2倍になることが多いため、余裕を持って出すことで追加料金を避けられます。大切な衣類は、着用予定日の1週間前には出しておくと安心ですね。
時期 | 料金の傾向 | おすすめ度 |
---|---|---|
1~2月 | 閑散期割引あり | ◎ |
3~4月 | 繁忙期で高め | △ |
7~8月 | 閑散期割引あり | ◎ |
10~11月 | 繁忙期で高め | △ |
年末年始 | 特別料金で割高 | × |
これらのコツを覚えておくだけで、年間のクリーニング代をかなり節約できます。お気に入りの服を長く大切に着るためにも、賢くクリーニングを利用していきましょう。
10. まとめ
クリーニング代の相場は衣類の種類や素材によって大きく異なります。スーツは800円~1,500円、コート類は1,500円~5,000円、ダウンジャケットは2,000円~4,000円、着物は5,000円~15,000円が一般的な相場となっています。料金を抑えるコツとして、まとめ出しや割引サービスの活用、季節の変わり目を狙うことで節約が可能です。大切な衣類を長持ちさせるためにも、価格だけでなく店舗の技術力や信頼性も考慮して選ぶことが重要です。
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