春の訪れを感じる3月、旬の食材で食卓に彩りを添えてみませんか。この記事では、3月に旬を迎える野菜・魚介・果物を一覧で詳しくご紹介します。みずみずしい春キャベツや旨みたっぷりの鰆など、この時期ならではの味覚を使った簡単レシピから、新鮮な食材を選ぶコツまで、春を味わい尽くすヒントが満載です。旬の恵みを取り入れることで、日々の食卓はより豊かになり、心も体も満たされます。

1. 3月に旬を迎える食材の特徴
暦の上では春とはいえ、まだ肌寒さが残る3月。けれど、日差しは少しずつやわらかくなり、自然界はゆっくりと冬の眠りから覚めはじめます。そんな季節の変わり目に旬を迎える食材たちには、私たちの心と体に春の訪れを告げる、特別な魅力がたくさん詰まっているのですよ。
1.1 冬の名残と春の息吹が共存する時期
3月の食卓の面白いところは、冬の間にじっくりと甘みや栄養を蓄えた「冬の名残の食材」と、これからぐんぐん育っていく「春の息吹を感じる食材」の両方を楽しめる点にあります。例えば、大根や白菜といった冬野菜は旬の終盤を迎え、寒さから身を守るために蓄えた糖分で、より一層甘みが増していることも。一方で、ふきのとうや菜の花のように、土の中から顔を出す生命力あふれる山菜や春野菜は「走り」の時期を迎え、みずみずしさと独特の香りで春の到来を知らせてくれます。
1.2 春野菜特有の「ほろ苦さ」と「香り」
春野菜と聞いて、菜の花やふきのとう、たけのこなどの、あの独特の「ほろ苦さ」を思い浮かべる方も多いのではないでしょうか。この苦みは、ポリフェノールや植物性アルカロイドといった成分によるもの。冬の間に体に溜め込みがちだった余分なものを排出し、すっきりと目覚めさせてくれる働きがあるとも言われています。厳しい冬を乗り越えた植物が、自らを守り、活動的になるために作り出すこの成分は、私たちの体にも同じように働きかけてくれるのかもしれませんね。この心地よい苦みと豊かな香りは、まさに春だけの特別なごちそうです。
1.3 海の幸も春の訪れを告げる
春の訪れは、海の中にも変化をもたらします。海水温が少しずつ上がり始めると、多くの魚介類が産卵の時期を迎えます。産卵を控えた魚たちは、体に栄養をたっぷりと蓄えるため、身はふっくらと厚みを増し、脂がのって旨みが格段に増すのです。ひな祭りに食卓を彩るはまぐりや、春告魚(はるつげうお)とも呼ばれる鰆(さわら)、桜の咲く頃に旬を迎える桜鯛(さくらだい)など、この時期ならではの豊かな味わいに出会えるのも、3月の大きな楽しみのひとつです。
1.4 旬の食材をいただくことの嬉しい効果
旬のものを食べると「なんだか体が喜ぶ気がする」と感じたことはありませんか? それには、ちゃんとした理由があるのですよ。旬の食材を日々の食事に取り入れることの嬉しい効果をまとめてみました。
嬉しい効果 | その理由 |
---|---|
栄養価が高い | 食材が最も生育する時期なので、ビタミンやミネラルなどの栄養素が豊富に含まれています。例えば、冬に収穫されたほうれん草より、旬である春先のもののほうがビタミンCが豊富だと言われています。 |
味が濃くて美味しい | 自然の恵みをたっぷりと受けて育っているため、野菜や果物は甘みや香りが強く、魚は脂がのって旨みが凝縮されています。素材そのものの味を存分に楽しめます。 |
新鮮でお手頃 | 収穫量が増えるため、市場にたくさん出回ります。そのため、新鮮なものが比較的お求めやすい価格で手に入りやすいのも、家計には嬉しいポイントです。 |
心も豊かになる | 食卓に並ぶ食材で季節の移ろいを感じることは、日々の暮らしに彩りを与えてくれます。「もう、たけのこの季節ね」なんて、家族との会話も弾むかもしれません。 |
このように、旬の食材は私たちの心と体の両方に、たくさんの喜びを届けてくれます。次の章からは、3月にぜひ味わっていただきたい具体的な食材を、野菜、魚介、果物に分けてご紹介していきますね。
(参考:農林水産省 みんなの食育)
2. 【野菜編】3月が旬のおすすめ食材一覧
冬の寒さが和らぎ、やわらかな日差しが心地よい3月。食卓にも春の息吹を運んでくれる、みずみずしい野菜たちが顔をそろえます。独特のほろ苦さや優しい甘みは、まさに春だけの特別な贈り物。ここでは、3月にぜひ味わっていただきたい旬の野菜をご紹介します。
2.1 春の訪れを告げるほろ苦さ 菜の花

黄色い可憐な花が春の風景を彩る菜の花は、食卓にも春を運んでくれる代表的な野菜です。つぼみ、茎、葉のすべてを食べることができ、特有のほろ苦さと香りが魅力。この苦味成分には、デトックス効果や新陳代謝を促す働きがあるともいわれ、冬の間に体に溜まったものをすっきりとさせてくれるようです。
おひたしや和え物にするのが定番ですが、さっと茹でてパスタの具材にしたり、豚肉と一緒に炒め物にしたりするのもおすすめです。鮮やかな緑色が、お料理を一層華やかにしてくれますよ。
栄養素 | 主な食べ方 |
---|---|
ビタミンC、β-カロテン、鉄分、カルシウム | おひたし、辛子和え、パスタ、天ぷら、炒め物 |
農林水産省の広報誌でも、春を告げる野菜として紹介されています。詳しくはこちらをご覧ください。
2.2 甘くて柔らかい春の味覚 春キャベツ

3月から5月にかけて出回る春キャベツは、「新キャベツ」とも呼ばれ、多くのファンを持つ人気の野菜です。冬のキャベツに比べて葉の巻きがふんわりとゆるく、一枚一枚がとても柔らかいのが特徴。みずみずしくて甘みが強いので、ぜひ生で味わっていただきたい食材です。
ざく切りにしてサラダにするだけで、立派な一品になります。また、火を通すとさらに甘みが増すので、スープやポトフ、さっと火を通すだけの炒め物にもぴったり。胃腸の粘膜を保護してくれるといわれるビタミンU(キャベジン)も豊富なので、季節の変わり目で疲れが出やすい時期の体にも優しいですね。
2.3 みずみずしさが格別 新玉ねぎ

春キャベツと並んで春の食卓に欠かせないのが、新玉ねぎです。収穫後に乾燥させず、すぐに出荷されるため、水分が豊富で驚くほどみずみずしく、辛みが少ないのが特徴です。玉ねぎ特有のツンとした刺激が苦手な方でも、新玉ねぎなら美味しく食べられるかもしれません。
薄くスライスして、かつお節とポン酢をかけるだけで、最高の箸休めに。血液をサラサラにする効果が期待される硫化アリルは水に溶けやすいので、生で食べるのが最も効率的です。丸ごとスープにしたり、オーブンでじっくり焼いたりすると、とろりとした食感と濃厚な甘みが楽しめますよ。
2.4 香りと食感を楽しむ たけのこ

春の味覚の王様といえば、やはり「たけのこ」を思い浮かべる方も多いのではないでしょうか。地面から顔を出したばかりの若いたけのこは、えぐみが少なく、シャキシャキとした心地よい歯ごたえと、豊かな風味がたまりません。
手に入れたら、できるだけ早く米ぬかと一緒に茹でてアク抜きをするのが、美味しくいただくための大切なひと手間。定番の炊き込みご飯や土佐煮はもちろん、薄切りにして木の芽和えにしたり、天ぷらにしたりするのも春ならではの贅沢な味わいです。食物繊維が豊富で、お腹の調子を整えてくれるのも嬉しいポイントです。
2.5 独特の風味が魅力 アスパラガス

すっと伸びた姿が美しいアスパラガスも、春に旬を迎える野菜のひとつです。国産のものは春から初夏にかけて最も美味しくなります。根本はシャキシャキ、穂先は柔らかく、ほんのりとした甘みと独特の風味が魅力です。
疲労回復を助けるアスパラギン酸や、生活習慣病予防に役立つとされるルチンなど、栄養も満点。シンプルな塩茹でやグリル、ベーコン巻き、炒め物など、どんな調理法でも美味しくいただけます。鮮やかなグリーンが食卓に彩りを添えてくれますね。
栄養素 | 主な食べ方 |
---|---|
アスパラギン酸、葉酸、ルチン、ビタミン類 | 塩茹で、グリル、ベーコン巻き、炒め物、天ぷら |
2.6 春を代表する山菜 ふきのとうとタラの芽

春の訪れをいち早く知らせてくれるのが、ふきのとうやタラの芽といった山菜です。雪解けの地面から力強く顔を出す姿は、生命力にあふれています。
「ふきのとう」は、独特の香りとほろ苦さが春の目覚めを感じさせてくれる、大人の味わい。一番のおすすめは、やはり天ぷらです。衣をつけて揚げることで苦味が和らぎ、香りが引き立ちます。細かく刻んで味噌と和えた「ふき味噌」は、ご飯のお供にもお酒の肴にも最高ですよ。
「タラの芽」は「山菜の王様」とも呼ばれ、もっちりとした食感と、ほのかな苦味、コクのある味わいが特徴です。こちらも天ぷらにするのが定番で、その風味を存分に楽しめます。さっと茹でておひたしや胡麻和えにするのも美味しいです。春だけの特別な味を、ぜひ楽しんでみてください。
3. 【魚介類編】3月が旬のおすすめ食材一覧
春の訪れとともに、海の幸もまた豊かな表情を見せ始めます。3月の魚介類は、産卵を控えて栄養をたっぷりと蓄えているため、格別な味わいを楽しめるのが魅力です。冬の寒さで引き締まった身に、春の旨みがぎゅっと詰まっています。ひな祭りやお祝いの席など、特別な日の食卓を華やかに彩ってくれる魚介類も多い季節。旬の恵みをいただいて、体の中から春を感じてみませんか。
3.1 春を告げる魚 鰆(さわら)

「魚」へんに「春」と書くその名の通り、鰆は春を代表する魚です。成長するにつれて名前が変わる出世魚でもあり、縁起が良いとされています。一般的に、冬の鰆は「寒鰆」と呼ばれ脂がのっていますが、春に旬を迎える鰆は産卵期前で、さっぱりとして上品な旨みを味わえるのが特徴です。くせのない柔らかな白身は、どんな料理にもよく合いますよ。
主な産地 | 選び方のポイント | おすすめの食べ方 |
---|---|---|
福井県、石川県、京都府など | 切り身は身に透明感と弾力があるもの。皮目の模様がはっきりしているもの。 | 西京焼き、塩焼き、照り焼き、ムニエル、お刺身(新鮮なもの) |
3.2 ひな祭りに欠かせない はまぐり

3月3日のひな祭りに、はまぐりのお吸い物をいただくご家庭も多いのではないでしょうか。はまぐりの貝殻は、対になっているものでないとぴったりと合わないことから、夫婦円満や貞操の象徴とされ、女の子の幸せな結婚を願う意味が込められています。旬のはまぐりは身がぷっくりと厚く、火を通すと濃厚で滋味深いだしがあふれ出します。お祝いの席にぴったりの、上品な味わいです。
主な産地 | 選び方のポイント | おすすめの食べ方 |
---|---|---|
千葉県、茨城県、三重県など | 殻の口が固く閉じているもの。殻の表面にツヤがあるもの。 | お吸い物、酒蒸し、焼きはまぐり、バター醤油焼き、パスタ |
3.3 春の風物詩 白魚(しらうお)とホタルイカ

春の訪れを感じさせてくれる、小さくて愛らしい海の幸が白魚とホタルイカです。どちらもこの時期ならではの繊細な味わいが魅力で、食卓にのぼると季節感がぐっと増しますね。
3.3.1 白魚(しらうお)
透き通るように美しい姿をした白魚は、江戸時代から親しまれてきた春の味覚です。つるりとした喉ごしと、ほのかな苦みが大人の味わい。熱を通すと白く変化し、ふわっとした食感を楽しめます。シンプルにお吸い物にするほか、卵とじやかき揚げにしても絶品です。
3.3.2 ホタルイカ
富山湾のものが特に有名なホタルイカ。プリッとした食感と、濃厚なワタの旨みとコクがたまらない美味しさです。茹でたてを酢味噌で和えるのが定番ですが、パスタやアヒージョなど、洋風の料理にもよく合います。旬の時期にしか味わえない、貴重な海の幸です。
3.4 桜の季節に美味しい 真鯛(まだい)

「花の王様が桜なら、魚の王様は鯛」と言われるほど、お祝いの席には欠かせない真鯛。春、桜が咲く頃に獲れる真鯛は「桜鯛(さくらだい)」と呼ばれ、ひときわ珍重されます。産卵を控えて栄養を蓄え、体表が美しい桜色を帯び、脂がのりながらも身が引き締まっているのが特徴です。その華やかな姿と上品な味わいは、まさに春の食卓の主役にふさわしい風格を持っています。
(参考:農林水産省 aff(あふ)2021年3月号 特集1 春夏秋冬 旬の魚を食べよう!(春))
主な産地 | 選び方のポイント | おすすめの食べ方 |
---|---|---|
長崎県、福岡県、愛媛県など | 目が澄んでいるもの。エラが鮮やかな紅色をしているもの。 | お刺身、塩焼き、鯛めし、カルパッチョ、潮汁(うしおじる) |
3.5 産卵期を迎える あさり

春になると潮干狩りでもおなじみのあさり。3月から5月にかけて産卵期を迎えるため、その前に栄養をたくさん蓄えます。そのため、この時期のあさりは身がふっくらと肉厚になり、旨み成分であるコハク酸が最も多くなると言われています。あさりから出る美味しいだしは、お味噌汁やスープ、パスタなど、様々な料理を味わい深くしてくれます。食卓に春の磯の香りを運んでくれる、身近で嬉しい食材ですね。
主な産地 | 選び方のポイント | おすすめの食べ方 |
---|---|---|
愛知県、静岡県、北海道など | 殻の模様がはっきりしているもの。平たい形よりも、厚みがあり丸っこいもの。 | お味噌汁、酒蒸し、パスタ(ボンゴレ)、炊き込みご飯、クラムチャウダー |
4. 【果物編】3月が旬のおすすめ食材一覧
春の訪れとともに、果物売り場も華やかになりますね。冬から続く柑橘類やいちごが、この時期ならではの美味しさを迎えます。食後のデザートや、ほっと一息つきたいときのお供に、旬の果物を取り入れてみませんか。
4.1 旬の終盤で甘みが増す いちご

子どもから大人までみんな大好きな「いちご」。12月頃から出回りますが、3月は旬の終盤にあたります。春の暖かい日差しをたっぷり浴びて、糖度が高まり、甘みがぎゅっと凝縮されるのがこの時期のいちごの特徴です。ビタミンCが豊富なので、季節の変わり目の体調管理や、美容のためにも積極的に摂りたい果物ですね。
3月頃にスーパーでよく見かける代表的な品種と、その特徴を少しご紹介します。
品種名 | 主な特徴 |
---|---|
あまおう | 「あかい・まるい・おおきい・うまい」の頭文字から。甘みと酸味のバランスが良く、果汁が豊富。 |
とちおとめ | 鮮やかな赤色で、甘みが強くほどよい酸味。果肉がしっかりしているのも特徴です。 |
さがほのか | すっきりとした上品な甘さと、穏やかな酸味。香りが良く、みずみずしい食感が楽しめます。 |
そのままいただくのはもちろん、ヨーグルトに添えたり、軽くつぶして牛乳と混ぜていちごミルクにしたりと、楽しみ方も広がります。
4.2 爽やかな香りと酸味 はっさく

ぷりっとした大粒の果肉と、さっぱりとした後味が魅力の「はっさく」。和歌山県が主な産地で、春の訪れを感じさせてくれる柑橘のひとつです。爽やかな香りと、甘みの中に感じる独特のほろ苦さがクセになる美味しさで、食後のお口直しにもぴったりですよ。
薄皮をむくひと手間はありますが、その先にはジューシーな果肉が待っています。苦味成分である「ナリンギン」はポリフェノールの一種。クエン酸も含まれているので、体が少しお疲れ気味のときにもおすすめです。サラダやマリネに加えると、彩りも食感も良いアクセントになります。
4.3 濃厚な甘さが人気の柑橘 デコポン(不知火)

ぽこっとした「デコ」が愛らしい「デコポン」。実は「デコポン」はJA熊本果実連の登録商標で、品種名は「不知火(しらぬい)」といいます。糖度13度以上、酸度1.0%以下など、厳しい基準をクリアしたものだけが「デコポン」として出荷される、いわば美味しさの証なのです。(参考: JA熊本果実連 デコポン)
手で簡単に皮がむける手軽さと、種がほとんどない食べやすさも人気の理由。袋(じょうのう)も薄いので、そのまま食べられます。果汁たっぷりで濃厚な甘みと、まろやかな酸味のバランスが絶妙で、ひとつ食べると満足感があります。春の暖かいリビングで、ゆっくりと味わいたいですね。
5. 3月の旬食材を使った簡単レシピ3選
春の訪れとともに、食卓も華やかに彩りたいものですね。ここでは、3月に旬を迎える食材をふんだんに使った、心も体も喜ぶ簡単レシピを3つご紹介します。旬の恵みは、シンプルな調理法でも驚くほど豊かな味わいを楽しめるのが魅力。いつもの食事が、ぐっと特別なひと皿に変わりますよ。
5.1 春キャベツとあさりのパスタ
甘くて柔らかい春キャベツと、旨みが凝縮されたあさり。この二つが出会えば、春の香りをぎゅっと閉じ込めた、とっておきのパスタが出来上がります。にんにくと鷹の爪の香りが食欲をそそり、白ワインで仕上げる本格的な味わいながら、作り方はとっても簡単です。
5.1.1 材料(2人分)
材料 | 分量 |
---|---|
スパゲッティ | 160g〜200g |
春キャベツ | 3〜4枚 |
あさり(砂抜き済み) | 200g |
にんにく | 1片 |
鷹の爪 | 1本 |
白ワイン(または酒) | 大さじ3 |
オリーブオイル | 大さじ3 |
塩、こしょう | 少々 |
5.1.2 作り方
- 春キャベツは手で食べやすい大きさにちぎります。にんにくはみじん切りに、鷹の爪は種を取り除いておきましょう。
- たっぷりのお湯に塩(お湯1リットルに対し塩小さじ2が目安)を入れ、スパゲッティを袋の表示時間より1分短く茹で始めます。
- フライパンにオリーブオイル、にんにく、鷹の爪を入れて弱火にかけ、香りが立ったらあさりと白ワインを加えて蓋をします。
- あさりの口が開いたら、春キャベツを加えてさっと混ぜ合わせます。あさりの身が固くならないよう、口が開いたらすぐに火を止めるのがポイントです。
- 茹で上がったスパゲッティと茹で汁お玉1杯分をフライパンに加え、ソースとよく絡めます。塩、こしょうで味を調えたら完成です。
5.2 たけのこと豚肉の炊き込みご飯
春の香りといえば、やはり「たけのこ」は外せませんね。豚肉の旨みと油揚げのコクが、たけのこの風味を一層引き立ててくれます。炊飯器のスイッチひとつで、春爛漫の食卓が広がる、心も和む一品です。水煮のたけのこを使えば、下処理いらずで手軽に作れますよ。
5.2.1 材料(3〜4人分)
材料 | 分量 |
---|---|
お米 | 2合 |
たけのこの水煮 | 150g |
豚バラ肉(薄切り) | 100g |
油揚げ | 1枚 |
だし汁 | 360ml |
醤油 | 大さじ2 |
みりん | 大さじ1 |
酒 | 大さじ1 |
5.2.2 作り方
- お米は洗って30分ほど水に浸した後、ざるにあげて水気を切っておきます。
- たけのこは薄切りに、豚バラ肉は2cm幅に切ります。油揚げは熱湯をかけて油抜きをし、細切りにします。
- 炊飯器の内釜にお米を入れ、だし汁、醤油、みりん、酒を加えて軽く混ぜ、炊飯器の2合の目盛りまで水を足します。
- お米の上に、たけのこ、豚バラ肉、油揚げを乗せて、混ぜずにそのまま炊飯します。具材を混ぜ込まずにお米の上に乗せて炊くことで、ご飯がムラなくふっくらと炊き上がります。
- 炊き上がったら、底からさっくりと混ぜ合わせ、10分ほど蒸らしたら出来上がりです。お好みで木の芽を添えると、より春らしい香りを楽しめます。
5.3 鰆の西京焼き
「春告魚(はるつげうお)」とも呼ばれる鰆(さわら)。上品な白身に、西京味噌のまろやかな甘みが染み込んだ西京焼きは、まるでお店でいただくような、本格的で贅沢な味わい’mark>です。漬け込んで焼くだけなので、見た目よりもずっと簡単に作れるのが嬉しいですね。ご飯のお供にも、お酒の肴にもぴったりです。
5.3.1 材料(2人分)
材料 | 分量 |
---|---|
鰆の切り身 | 2切れ |
塩 | 少々 |
A 西京味噌(白味噌) | 大さじ3 |
A みりん | 大さじ1 |
A 酒 | 大さじ1 |
5.3.2 作り方
- 鰆の切り身に軽く塩を振り、15分ほど置きます。出てきた水分をキッチンペーパーで優しく拭き取ります。このひと手間で、魚の臭みが取れて味が染み込みやすくなります。
- ボウルにAの材料(西京味噌、みりん、酒)を入れ、滑らかになるまでよく混ぜ合わせ、漬け床を作ります。
- 保存容器やバットに漬け床の半量を広げ、ガーゼを敷いた上に鰆を並べます。上からもう一枚ガーゼをかぶせ、残りの漬け床を乗せて全体を覆います。冷蔵庫で1〜2日ほど寝かせましょう。
- 焼く前に、鰆の表面についている味噌をキッチンペーパーで軽く拭き取ります。味噌は焦げ付きやすいので、魚焼きグリルでは弱火でじっくりと焼くのがコツです。フライパン用のアルミホイルを敷いて焼くと、後片付けも楽になりますよ。
- 両面にきれいな焼き色がついたら完成です。はじかみ生姜などを添えると、彩りも美しく仕上がります。
6. 新鮮な3月の食材を選ぶコツと保存方法
春の訪れとともに、お店には生命力あふれる旬の食材がずらりと並びますね。せっかくなら、一番おいしい状態のものを選んで、その味わいを余すことなく楽しみたいものです。ここでは、みずみずしい春の恵みを見分けるためのコツと、おいしさを長持ちさせる保存の知恵をご紹介します。毎日の食卓が、もっと豊かになりますように。
6.1 美味しい野菜の選び方
春野菜は、冬の間に蓄えた栄養と、芽吹きのエネルギーに満ちています。見た目や手触りで、その新鮮さを見分けることができますよ。
野菜の名前 | 選び方のポイント |
---|---|
菜の花 | つぼみが固く締まっていて、開花していないものを選びましょう。茎が太すぎず、切り口がみずみずしいものが新鮮な証拠です。葉の色が鮮やかな緑色であることも確認してくださいね。 |
春キャベツ | 葉の巻きがふんわりと柔らかく、持った時に軽いものがおすすめです。葉にツヤとハリがあり、鮮やかな緑色をしているものが、甘くておいしい春キャベツの目印です。 |
新玉ねぎ | 表面に傷がなく、ツヤツヤしているものを選びましょう。手に取ってみて、ずっしりと重みを感じるものが、水分をたっぷり含んだみずみずしい新玉ねぎです。 |
たけのこ | 皮にツヤがあり、しっとりとしているものが新鮮です。穂先が黄色っぽく、固く閉じているものを選びましょう。穂先が緑色のものは、日に当たりすぎてえぐみが強いことがあります。 |
アスパラガス | 穂先がキュッと固く締まっているものが良品です。茎は太さが均一で、まっすぐ伸びているものを選びましょう。切り口が乾いておらず、みずみずしいかどうかも大切なポイントです。 |
ふきのとう・タラの芽 | つぼみが固く閉じ、開ききっていないものが香り高く、おいしさも格別です。全体的にハリがあり、色が鮮やかなものを選んで、春ならではのほろ苦さを楽しんでください。 |
6.2 新鮮な魚介類の見分け方
春の海が育んだ魚介類は、食卓を華やかにしてくれます。透明感や色の鮮やかさに注目して、とびきり新鮮なものを見つけましょう。
魚介類の名前 | 見分け方のポイント |
---|---|
鰆(さわら) | 目が黒く澄んでいて、濁っていないものを選びましょう。エラの内側が鮮やかな赤色をしているものが新鮮です。体にハリとツヤがあり、斑点模様がはっきりしているものがおすすめです。 |
はまぐり・あさり | 口が固く閉じていて、殻にツヤがあるものを選びましょう。貝同士を軽く打ち合わせると、コンコンと澄んだ音がするものが新鮮です。パックに入っている場合は、水が濁っていないか確認してください。 |
白魚(しらうお)・ホタルイカ | 体が透き通っていて、ツヤとハリがあるものが新鮮な証拠です。特にホタルイカは、目がはっきりとしていて、全体的にふっくらとしているものを選びましょう。 |
真鯛(まだい) | 目が澄んでいて、体全体の色が鮮やかなピンク色のものを選びます。ウロコがきちんと揃っていて、簡単にはがれないものが新鮮です。お腹を押してみて、弾力があるかどうかも確かめてみてください。 |
6.3 旬の食材を長持ちさせる保存のポイント
旬の食材は、少しでも長くおいしく味わいたいもの。それぞれの食材に合った方法で保存することで、鮮度と風味を保つことができます。農林水産省のウェブサイトでも野菜の保存方法などが紹介されていますので、参考にしてみるのも良いでしょう。
6.3.1 春野菜を長持ちさせる保存方法
春野菜は水分が多いものがほとんど。乾燥を防ぎ、みずみずしさを保つことが大切です。
- 菜の花・アスパラガス
湿らせたキッチンペーパーで根元を包み、ポリ袋や保存袋に入れます。冷蔵庫の野菜室に、穂先を上にして立てて保存すると、鮮度が長持ちします。 - 春キャベツ
芯をくり抜いて、そこに湿らせたキッチンペーパーを詰めてからポリ袋に入れ、冷蔵庫で保存します。こうすることで、成長を抑え、葉の水分が保たれます。 - 新玉ねぎ
水分が多く傷みやすいため、風通しの良い冷暗所で保存するのが基本です。ネットなどに入れて吊るすか、一つずつ新聞紙で包んでかごに入れると良いでしょう。 - たけのこ
生のままではえぐみが増すため、手に入れたらすぐに米ぬかと一緒に茹でてアク抜きをします。茹でたたけのこは、皮をむいて水に浸し、密閉容器に入れて冷蔵庫で保存します。お水は毎日取り替えてくださいね。
6.3.2 魚介類を新鮮なまま保存するコツ
魚介類は鮮度が命。すぐに使わない場合は、ひと手間かけてから保存しましょう。
- 魚(鰆・真鯛)
購入後、すぐに内臓やエラを取り除き、キッチンペーパーで水気を丁寧に拭き取ります。一切れずつラップでぴったりと包み、チルド室やパーシャル室で保存するのがおすすめです。冷凍する場合は、同様に処理してから冷凍用保存袋に入れて空気を抜きましょう。 - 貝類(はまぐり・あさり)
砂抜きをした後、水気をよく切ってから保存します。冷蔵保存する場合は、乾燥しないように濡れた新聞紙などで包み、ポリ袋に入れて野菜室へ。すぐに使わないなら、砂抜き後に水気を拭き取り、冷凍用保存袋に入れて冷凍すると、うま味も凝縮されて便利です。 - ホタルイカ・白魚
とても傷みやすいので、購入したその日のうちに調理するのが一番です。もし保存する場合は、さっと塩茹でにしてから冷まし、水気を切ってから密閉容器に入れ、冷蔵または冷凍保存しましょう。
7. まとめ
冬の寒さが和らぎ、春の足音が聞こえてくる3月。この季節ならではの食材は、私たちの食卓に彩りと生命力をもたらしてくれます。菜の花のほろ苦さ、春キャベツの甘み、そして旨みがのった鰆など、旬の恵みは格別の美味しさです。栄養をたっぷりと蓄えた旬の食材をいただくことは、心とからだを健やかに整えてくれます。ご紹介した選び方やレシピを参考に、ぜひ春の味覚をご家庭で楽しんでみませんか。季節の移ろいを味わうひとときが、あなたの毎日をより一層豊かなものにしてくれるはずです。
コメント