12月といえば?特徴、風物詩、行事、季語、食材、花など一覧で紹介

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一年を締めくくる12月、何かと気ぜわしい「師走」の季節がやってきました。この記事では、そんな12月を心豊かに過ごすための様々な情報を一覧でご紹介します。クリスマスや大晦日といった行事、旬の味覚、美しい花々、手紙に使える時候の挨拶まで、「12月といえば」思い浮かぶ代表的な風物詩を網羅しました。忙しい毎日だからこそ季節を慈しみ、新しい年を迎える準備を楽しみませんか。

目次

1. 12月はどんな月?師走の由来と気候の特徴

一年を締めくくる12月。カレンダーも最後の一枚となり、新しい年を迎える準備に心が弾む季節ですね。街はきらびやかな装飾に彩られ、どこか慌ただしいながらも、特別な期待感に満ちた空気が流れます。そんな12月が「師走(しわす)」と呼ばれる理由や、この時期ならではの気候について、少し詳しく見ていきましょう。忙しい毎日ですが、季節の移ろいに目を向けると、新たな発見があるかもしれませんよ。

1.1 師走(しわす)と呼ばれる理由

12月の和風月名である「師走」。その由来にはいくつかの説がありますが、最もよく知られているのは、普段は落ち着いている師(僧侶)でさえ、年末は仏事で東西を走り回るほど忙しくなるという説です。お歳暮の準備や大掃除、新年の支度など、何かと気忙しいこの時期の様子が目に浮かぶようですね。

その他にも、年が果てる月という意味の「年果つ(としはつ)」が変化したという説や、四季の終わりを意味する「四極(しはつ)」から来たという説など、さまざまな由来が語り継がれています。どの説が真実であれ、「師走」という言葉には、一年の終わりを惜しみながらも、人々がせわしなく活動する様子が込められているようです。

1.2 12月の気候と服装のポイント

12月になると、いよいよ本格的な冬がやってきます。「冬将軍」という言葉を耳にする機会も増え、全国的に気温がぐっと下がり、厳しい寒さを感じる日が多くなります。日本海側では雪の便りが届き始め、山間部では根雪になることも。一方で、太平洋側では空気が乾燥し、晴天が続く日が多いのが特徴です。

この時期を快適に過ごすためには、アウターはもちろん、重ね着や小物使いで上手に体温調節をすることが大切です。外出の際は、その日の気温や天気に合わせた服装を心がけましょう。

アイテムポイント
アウターウールのコートやダウンジャケットなど、風を通しにくく保温性の高いものが活躍します。特に冷え込む日は、ロング丈を選ぶと腰回りまで暖かく過ごせます。
トップス・インナーカシミヤやウールのセーター、フリースのトップスなどがおすすめです。室内では暖房で汗ばむこともあるため、保温性と吸湿性に優れた機能性インナーを一枚着ておくと安心です。
ボトムスコーデュロイやウール素材のパンツ、裏起毛のスカートなどが重宝します。風が強い日には、厚手のタイツやレギンスを合わせると、足元の冷えを防げます。
小物マフラーやストール、手袋、ニット帽は、冬のおしゃれを楽しみながら防寒できる優秀なアイテム。「首」「手首」「足首」の3つの首を温めると、体感温度がぐっと上がりますよ。

空気が乾燥する季節なので、お肌や喉の保湿ケアも忘れずに行い、元気に年末を乗り切りたいですね。

2. 12月といえば思い浮かぶ代表的な行事

慌ただしい師走の中にも、心を温めてくれるような特別な行事がたくさんあるのが12月です。一年の締めくくりとして、また新しい年を迎える準備として、古くから大切にされてきた行事や、家族で楽しめるイベントが目白押し。ここでは、12月を象徴する代表的な行事をご紹介します。それぞれの行事に込められた意味を知ると、年末のひとときがより一層味わい深いものになりますよ。

2.1 クリスマス

12月25日のクリスマスは、イエス・キリストの降誕を祝うキリスト教の記念日ですが、日本では宗教的な意味合いだけでなく、家族や大切な人と心温まる時間を過ごす特別な一日として広く親しまれていますね。クリスマスイブの夜から、街はきらびやかなイルミネーションと楽しそうな人々の笑顔で溢れます。

ご家庭では、クリスマスツリーを飾り、プレゼントを交換したり、ごちそうを囲んだりするのも楽しみのひとつ。お子さんやお孫さんと一緒にケーキを焼いたり、チキンを料理したりするのも素敵な思い出になりそうです。大切な人と過ごす静かな夜も、大勢で賑やかに過ごすパーティーも、どちらも素敵なクリスマスの過ごし方ですね。

2.2 大晦日

12月31日の大晦日(おおみそか)は、一年最後の日。新しい年の神様である「年神様(としがみさま)」をお迎えするために、準備を整える大切な日とされています。この日に向けて大掃除を済ませ、お正月の準備をするのが日本の伝統的な習慣です。

夜になると、お寺では人間の持つ108の煩悩を祓うために「除夜の鐘」が鳴り響き、厳かな雰囲気の中で一年を締めくくります。家族で温かい年越しそばを食べながら、テレビの「紅白歌合戦」を観て一年を振り返るのも、おなじみの過ごし方ではないでしょうか。一年を無事に過ごせたことへの感謝と、新しい年への希望を胸に抱く大切な日です。

2.3 冬至

冬至(とうじ)は、二十四節気の一つで、北半球において一年で最も昼の時間が短く、夜が長くなる日です。例年12月22日ごろにあたりますが、正確な日付は年によって異なります。詳しい日付は、国立天文台暦計算室のウェブサイトでご確認いただけます。

この日を境に再び日が長くなっていくことから、冬至は「太陽が生まれ変わる日」とも考えられ、古くから様々な風習が伝えられてきました。代表的なものが、かぼちゃを食べて栄養をつけ、ゆず湯で体を温めて無病息災を願うという習慣です。冬至にかぼちゃ(南瓜=なんきん)のように「ん」のつくものを食べると「運」が呼び込めるとも言われています。香りの良いゆず湯にゆっくり浸かって、体の芯から温まるのは、冬のささやかな幸せですね。

2.4 お歳暮

お歳暮は、年の暮れに、お世話になった方々へ感謝の気持ちを込めて贈り物をする日本の美しい習慣です。もともとは、年の暮れに先祖の霊をまつるためのお供え物を、分家から本家へ、また嫁いだ娘から実家へ届けたのが始まりとされています。

現在では、一年の感謝の気持ちを形にして伝える、日本の美しい習慣として定着しています。何を贈ろうかと相手の顔を思い浮かべながら品物を選ぶ時間は、贈る側にとっても楽しいひととき。贈る時期は地域によって少し異なりますので、目安として覚えておくと安心です。

地域時期
関東地方12月初旬~12月31日(近年は11月下旬から贈る方も増えています)
関西地方12月13日~12月31日
その他の地域一般的に12月10日ごろ~12月20日ごろが多いようです

もし時期を逃してしまった場合は、年明けの松の内(元日~1月7日ごろ)までに「お年賀」として、それ以降は「寒中見舞い」として贈ると良いでしょう。

3. 12月といえばこれ 年末ならではの風物詩と習慣

12月はクリスマスや大晦日といった大きな行事だけでなく、この時期ならではの心温まる風物詩や、新しい年を迎えるための習慣がたくさんあります。街のきらめきや一年の締めくくりの集いなど、師走の慌ただしさの中にも季節の趣を感じられる、そんな年末の風景をいくつかご紹介しますね。

3.1 街を彩るイルミネーション

冬の澄み切った空気に、色とりどりの光がまたたくイルミネーション。12月になると、街のあちらこちらが美しい光で飾られ、歩いているだけで心が躍りますね。商業施設や公園、駅前などが幻想的な光に包まれ、クリスマスの雰囲気を一層盛り上げてくれます。最近では、青や白を基調とした洗練されたものから、温かみのあるゴールドの光まで、さまざまなイルミネーションが見られるようになりました。温かい飲み物を片手に、きらめく光の中をゆっくりと散策するのも、冬ならではの素敵な時間の過ごし方です。

3.2 一年の締めくくり 忘年会

「忘年会」は、その年の苦労を忘れるために開かれる宴のこと。職場の仲間や親しい友人たちと集まり、一年の労をねぎらいながら語り合う時間は、年末の大切なひとときですね。近年では、大人数での宴会だけでなく、気の置けない仲間とこぢんまりと楽しむ食事会や、お昼の時間を利用したランチ忘年会など、その形もさまざまに変化しています。大切なのは、今年一年を無事に過ごせたことへの感謝と、共に過ごした人たちとの絆を確かめ合う心なのかもしれません。

3.3 新年を迎える準備 大掃除

年末が近づくと、気ぜわしくも清々しい気持ちにさせてくれるのが「大掃除」です。もともとは、新しい年の神様である「年神様」を気持ちよくお迎えするために、家中の煤(すす)や汚れを払い清める「煤払い(すすはらい)」という神事でした。単なるお掃除ではなく、一年分の感謝を込めて家を清め、新しい年を晴れやかに迎えるための大切な準備と考えると、少しだけやる気が湧いてきませんか。一度にすべてを終わらせようとせず、計画を立てて少しずつ進めるのが、無理なく終えるコツですよ。

3.4 年末の風物詩 流行語大賞と今年の漢字

テレビや新聞で「新語・流行語大賞」や「今年の漢字」が発表されると、「ああ、今年ももう終わりなのだな」と実感する方も多いのではないでしょうか。一年を振り返り、世の中の出来事を象徴する言葉や一文字に思いを馳せる、すっかりおなじみとなった年末の風物詩です。

自分にとっての「今年の漢字」を考えてみるのも、一年を静かに振り返る良い機会になりますね。

名称概要
ユーキャン新語・流行語大賞その年に生まれた言葉の中から、広く話題になったものや世相を軽妙に表現した言葉を選ぶ賞です。毎年12月1日に年間大賞とトップテンが発表されます。
(参考:ユーキャン新語・流行語大賞
今年の漢字その年の世相を漢字一字で表現するもので、京都市の清水寺で発表されることで知られています。国民の応募によって選ばれ、毎年12月12日の「漢字の日」前後に発表されます。
(参考:日本漢字能力検定協会

3.5 第九の演奏会

年末になると、ベートーヴェンの交響曲第九番、通称「第九」の演奏会が全国各地で開かれます。特に、第4楽章の「歓喜の歌」の合唱は、高らかで希望に満ちており、多くの人の心を打ちます。日本で年末に第九が演奏されるようになったのは、オーケストラの年末の収入源として定着したなど諸説ありますが、今ではすっかり年末の風物詩となりました。荘厳なメロディに包まれながら一年を振り返り、新しい年への希望に胸をふくらませる…そんな年の瀬もまた格別です。

4. 12月の旬を味わう 食べ物や食材一覧

寒さが深まる12月は、こっくりとした味わいの食材が旬を迎える、食いしん坊にはたまらない季節です。旬のものは栄養価が高く、なにより風味が豊か。体を芯から温めてくれる冬のごちそうを、日々の食卓に気軽に取り入れてみませんか。ここでは、12月にぜひ味わっていただきたい旬の食材や料理をご紹介します。

4.1 12月が旬の野菜

冬の厳しい寒さに耐えることで、野菜は甘みや旨みをぎゅっと蓄えます。鍋物や煮込み料理にぴったりの、この時期ならではの野菜の美味しさを存分にお楽しみください。

野菜の名前特徴やおすすめの食べ方
白菜鍋やスープ、漬物など万能。霜にあたるとさらに甘みが増します。
大根煮物やおでん、みずみずしい大根おろしに。葉も栄養豊富です。
ほうれん草鉄分やビタミンが豊富。おひたしやバターソテー、グラタンにも。
長ねぎ体を温める効果が期待できます。薬味はもちろん、焼くと甘みが引き立ちます。
かぶやさしい甘みと柔らかな食感。ポトフやシチュー、浅漬けがおすすめです。

4.1.1 白菜

冬の食卓に欠かせない白菜は、12月に最もおいしくなる野菜の代表格です。鍋物に入れると、くたくたに煮込まれてだしをたっぷり吸い込み、とろけるような食感と甘みがたまりません。部位によって使い分けるのもおすすめです。外側の葉は炒め物や煮物に、内側の柔らかい葉はサラダや浅漬けにすると、それぞれの美味しさを活かせますよ。

4.1.2 大根

みずみずしくて甘みのある冬大根は、まさに旬の味。おでんやぶり大根のようにじっくり煮込むと、味が染みて格別のおいしさです。部位によって辛みが違うため、葉に近い上の部分は甘いのでサラダや大根おろしに、下の部分は辛みが強いので漬物や薬味にと使い分けるのが上手に使いこなすコツです。栄養豊富な葉の部分も、捨てずにじゃこと炒めてふりかけにすれば、ご飯が進む一品になります。

4.1.3 ほうれん草

「冬のほうれん草は甘い」とよく言われますが、それは寒さで凍らないように糖分を蓄えるため。夏のものに比べてビタミンCの含有量も増えるといわれ、栄養価の面でも冬に食べたい緑黄色野菜です。さっと茹でておひたしや和え物にするのはもちろん、ベーコンと一緒に炒めたり、キッシュやグラタンの具材にしたりと、和洋中どんな料理にも活躍してくれます。

4.2 12月が旬の果物

こたつで温まりながら味わう冬の果物は、格別な時間をもたらしてくれます。ビタミンが豊富な旬の果物で、乾燥しがちな季節を元気に乗り切りましょう。

果物の名前特徴やおすすめの食べ方
みかんビタミンCが豊富で手軽に食べられる冬の定番フルーツ。
りんご「ふじ」をはじめ多くの品種が旬。生食でも加熱してもおいしいです。
ゆず爽やかな香りが魅力。果汁を絞ったり、皮を薬味にしたりして楽しみます。

4.2.1 みかん

冬の果物といえば、やはりみかん。箱で買うご家庭も多いのではないでしょうか。手で簡単に皮がむけて手軽に食べられるのが嬉しいですね。ビタミンCが豊富で、風邪の予防や美肌効果が期待できるといわれています。薄皮や白い筋には食物繊維やポリフェノールの一種であるヘスペリジンが含まれているので、一緒に食べるのがおすすめです。

4.2.2 りんご

「1日1個のりんごは医者を遠ざける」ということわざがあるほど、栄養価の高いりんご。12月は貯蔵性が高い「ふじ」などが旬を迎え、蜜がたっぷりと入った甘いりんごが楽しめます。シャキシャキとした食感を生かして生でいただくのはもちろん、アップルパイや焼きりんごのように加熱すると、甘みと香りが一層引き立ちます。

4.2.3 ゆず

料理に上品な香りを添えてくれるゆずも、12月が旬。冬至にゆず湯に入る習慣でもおなじみですね。その強い香りは、お吸い物や和え物に皮を少し加えるだけで、お料理をぐっと格上げしてくれます。果汁を絞ってポン酢やドレッシングを手作りするのも素敵です。丸ごと使ってゆずジャムやゆず茶にすれば、長くその香りを楽しむことができますよ。

4.3 12月が旬の魚介類

冷たい海で身が引き締まり、脂がのった魚介類が美味しいのも12月の楽しみです。年末年始のごちそうにぴったりの、豪華な海の幸を味わいましょう。(参考:農林水産省 食材丸ごと活用図鑑

魚介類の名称特徴やおすすめの食べ方
ぶり「寒ぶり」と呼ばれ脂がのる。照り焼き、塩焼き、ぶり大根、刺身に。
カニズワイガニやタラバガニが旬。年末のごちそうの主役。
牡蠣「海のミルク」と呼ばれるほど栄養満点。カキフライや鍋、炊き込みご飯に。

4.3.1 ぶり

冬の魚の王様ともいえるのが、ぶりです。特に日本海の厳しい寒さの中で育った「寒ぶり」は、丸々と太って脂がのり、とろけるような旨みが特徴。刺身や寿司でその濃厚な味わいを楽しむのはもちろん、照り焼きや塩焼き、冬野菜と一緒に煮込む「ぶり大根」も絶品です。成長するにつれて名前が変わる出世魚なので、縁起物としてお祝いの席で食べられることもあります。

4.3.2 カニ

年末が近づくと、市場や食料品店にカニが並び始め、年の瀬を感じさせます。ズワイガニやタラバガニ、毛ガニなど、種類によって味わいや食感もさまざま。シンプルに茹でたり蒸したりして、カニ本来の繊細な甘みを味わうのが一番の贅沢かもしれません。カニ鍋や焼きガニ、カニクリームコロッケなど、少し手間をかけた料理も特別な日の食卓を華やかに彩ってくれます。

4.3.3 牡蠣

「海のミルク」と称されるほど栄養豊富な牡蠣も、冬に旬を迎えます。ぷりぷりとした食感と、口の中に広がるクリーミーで濃厚な旨みは、一度食べたらやみつきになるおいしさ。香ばしい衣との相性が抜群なカキフライや、旨みが溶け出しただしがたまらない牡蠣鍋、土手鍋などが定番です。新鮮な生牡蠣にレモンをきゅっと絞っていただくのも、冬ならではの楽しみですね。

4.4 12月といえば食べたい料理や飲み物

旬の食材を使った、この季節ならではの料理は心も体も温めてくれます。家族や友人と食卓を囲みながら、一年の出来事を語り合うのも素敵な時間です。

4.4.1 鍋料理やおでん

寒い夜には、湯気の立つ温かい鍋料理やおでんが恋しくなります。旬の白菜や長ねぎ、きのこ、そしてぶりや牡蠣などをたっぷり入れて作る寄せ鍋は、食材の旨みが溶け合った優しい味わい。大根やこんにゃく、卵などにじっくりとだしが染み込んだおでんも、体を芯から温めてくれます。みんなで一つの鍋を囲めば、自然と会話も弾み、心までぽかぽかしてきますね。

4.4.2 クリスマスケーキとチキン

12月の一大イベント、クリスマスに欠かせないのがケーキとチキンです。デコレーションされた華やかなクリスマスケーキは、見ているだけで心が躍ります。こんがりと焼き上げられたローストチキンも、クリスマスの食卓を豪華に演出してくれる主役。最近では、有名店やコンビニエンスストアでも手軽に本格的な味わいのものが手に入るようになりました。

4.4.3 年越しそば

一年の締めくくりである大晦日に食べる年越しそば。細く長いそばに「長寿」の願いを込めたり、「一年の厄災を断ち切る」という願掛けをしたりと、様々な意味が込められています。海老の天ぷらをのせたり、京都のにしんそばのように地域の特色があるものを味わったりするのも良いですね。除夜の鐘を聞きながらそばをすする時間は、新しい年を迎えるための大切なひとときです。

5. 12月の自然と季節を感じる言葉

慌ただしく過ぎていく師走ですが、ふと周りを見渡せば、冬ならではの自然の美しさや、季節の移ろいを感じさせる言葉に出会えます。寒さの中に凛と咲く花や、手紙に添える時候の挨拶は、私たちの心にそっと温もりを届けてくれるでしょう。ここでは、12月の季節感を豊かにしてくれる花々や言葉をご紹介します。

5.1 12月に咲く美しい花

冬の澄んだ空気の中で、色鮮やかに咲く花々は格別な美しさを持っています。お部屋に飾ったり、庭先で見つけたり、日々の暮らしに彩りを添えてくれる12月の花を見ていきましょう。

5.1.1 ポインセチア

クリスマスシーズンになると、お花屋さんの店先を華やかに彩るポインセチア。「クリスマスの花」としてすっかりおなじみですね。燃えるような赤と深い緑のコントラストが美しく、一鉢あるだけでお部屋がぱっと明るくなります。実は、鮮やかな赤い部分は花びらではなく「苞(ほう)」と呼ばれる葉で、中心にある黄色い小さな粒が本当の花なんですよ。花言葉は「祝福する」「聖なる願い」など、クリスマスの雰囲気にぴったりです。

5.1.2 シクラメン

冬の鉢花の代表格ともいえるシクラメン。少しうつむき加減に咲く姿が可憐で、古くから多くの人に愛されてきました。「冬の女王」とも呼ばれ、赤やピンク、白、紫など色の種類も豊富です。窓辺に置いたシクラメンが、冬の柔らかな日差しを浴びて咲いている姿は、まるで絵画のよう。花言葉の「はにかみ」「内気」も、その愛らしい花の姿からつけられたのかもしれませんね。

5.1.3 冬咲きの水仙

寒さが厳しい中で、すっと背筋を伸ばして清らかな花を咲かせる日本水仙(ニホンズイセン)。その凛とした佇まいと、あたりに漂う甘く爽やかな香りは、冬の訪れを告げてくれます。お正月の生け花としてもよく用いられ、新しい年を迎える清々しい気持ちにさせてくれる花です。雪の中でも花を咲かせることから「雪中花(せっちゅうか)」という美しい別名も持っています。

5.2 12月を表す時候の挨拶や季語

季節の言葉は、日本の美しい文化のひとつです。手紙や俳句に季節感を添えることで、相手を気遣う気持ちや、その時々の情景がより深く伝わります。年末の慌ただしい時期だからこそ、心豊かな言葉を選んでみませんか。

5.2.1 時候の挨拶の例

12月にお手紙やはがき、メールを送る際に使える時候の挨拶です。送る相手や時期に合わせて使い分けてみてくださいね。

時期改まった表現(漢語調)親しい方向けの表現(口語調)
12月上旬初冬の候、寒冷の候めっきり寒くなりましたが、お変わりございませんか。
12月中旬師走の候、寒気の折本格的な冬の到来を迎え、何かと気ぜわしい毎日です。
12月下旬歳末の候、歳晩の候年の瀬も押し迫り、ご多忙のことと存じます。

5.2.2 俳句で使う12月の季語

季語は、わずか五・七・五の十七音で季節の情景を鮮やかに描き出す魔法の言葉です。12月には、一年の終わりを感じさせる季語がたくさんあります。

季語読み方意味・情景
冬至とうじ一年で最も昼が短く、夜が長くなる日。柚子湯やかぼちゃを食べる習慣を思い起こさせます。
クリスマスくりすます街のイルミネーションや家族で囲む食卓など、華やかで心温まる冬の一日を表します。
大晦日おおみそか一年の最後の日。除夜の鐘を聞きながら、静かに新年を待つ厳かな雰囲気が漂います。
数え日かぞえび新年まであと何日、と指折り数えること。年末の焦燥感や期待感が込められた言葉です。
寒椿かんつばき冬の寂しい庭に、ぽっと明かりが灯るように咲く赤い花。生命力の強さを感じさせます。
枯葉かれは舞い落ち、地面を覆う枯葉。冬の寂しさや、もののあはれを象徴する季語です。

6. 12月にある記念日やイベント

師走の慌ただしさの中にも、私たちの日常を彩る記念日や心躍るイベントが隠されています。クリスマスや大晦日といった大きな行事以外にも、知っていると少し毎日が楽しくなるような日があるのをご存知でしたか?ここでは、12月ならではの記念日や、年末の活気を感じるイベントをご紹介します。カレンダーを眺めながら、自分だけの楽しみを見つけてみるのも素敵ですね。

6.1 12月の主な記念日一覧

何気なく過ごしている一日も、実は誰かにとって特別な記念日かもしれません。ここでは、話の種にもなる12月の主な記念日を一覧にまとめました。暮らしに役立つものから、歴史を感じるものまで様々で、見ているだけでも楽しいですよ。

日付記念日簡単な説明
12月1日映画の日1896年に日本で初めて映画が一般公開されたことを記念した日。多くの映画館で割引サービスが行われます。
12月13日正月事始め・煤払い(すすはらい)の日新年を迎える準備を始める日とされています。この日から大掃除を少しずつ始めると、年末に慌てずに済みそうですね。
12月23日東京タワー完成の日1958年のこの日、東京タワーの完工式が行われました。今も東京のシンボルとして親しまれています。
12月25日クリスマスイエス・キリストの降誕を祝う日。日本では家族や大切な人と過ごす特別な一日として定着しています。
12月28日頃仕事納め・官公庁御用納め多くの企業や官公庁で、その年の最後の業務日となる日です。一年間の勤労を互いにねぎらいます。
12月31日大晦日(おおみそか)一年の最後の日。新しい年を迎えるための準備を整え、静かに、あるいは賑やかに過ごす大切な一日です。

6.2 冬休みや年末商戦など12月のイベント

12月は、街全体が華やぎ、活気に満ちあふれる季節です。子どもたちの冬休みが始まり、家族で過ごす時間が増えるのもこの時期ならでは。お孫さんと一緒にお出かけの計画を立てるのも楽しいひとときですね。

また、デパートや商店街では年末商戦が本格化します。一年頑張った自分へのご褒美や、大切な人への贈りものを選ぶ楽しい時期でもあります。お歳暮の手配や、お正月に向けた食材の買い出しで街が賑わう様子は、まさに師走の風物詩。最近では、少し早めに福袋の予約が始まるお店も増えてきました。

そして、多くの方にとって嬉しいボーナスシーズンでもあります。少し贅沢なレストランでのお食事や、欲しかったものを手に入れる良い機会かもしれません。こうした様々なイベントが重なり合って、12月特有の、慌ただしくもどこか心浮き立つような雰囲気が作られていくのです。

7. まとめ

師走の名の通り、何かと気ぜわしい12月。ですが、クリスマスや大晦日といった行事だけでなく、旬の味覚や美しい冬の花など、暮らしを豊かにする楽しみがたくさん詰まった月でもあります。温かい鍋料理を囲んだり、街のイルミネーションに心ときめかせたり。慌ただしい日々の中にも、季節を感じる瞬間を大切にすることで、心穏やかに一年を締めくくることができるでしょう。あなたらしい素敵な12月を過ごす、ささやかなヒントになれば幸いです。

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この記事を書いた人

ハレノヒ編集部は、「わたしらしく、身軽に暮らす」をテーマに、日々の暮らしを前向きに楽しむためのヒントをお届けしています。
美容や健康、趣味、暮らしの工夫など、50代以降の女性を中心に、誰もが自分らしく輝けるような情報をやさしい目線で発信しています。
ちょっと気になる話題や、ふと心に残る言葉も添えて、皆さまの毎日が少し晴れやかになりますように。

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