ふと見上げた空に浮かぶ雲。その名前や、明日の天気を教えてくれるサインが分かったら、毎日の景色がもっと楽しくなりそうですね。実は雲の種類は、空のどの高さにできるかと形で決まる10種類が基本です。この記事では、すじ雲やひつじ雲など、雲の種類ごとの特徴や見分け方を分かりやすく解説します。空を見上げる時間が、暮らしを彩る素敵なひとときに変わりますよ。
1. 雲の種類は10種類が基本!高さと形で分類される
ふと空を見上げたとき、さまざまな形の雲が浮かんでいることに気づきますよね。毎日違う表情を見せてくれる空の景色は、私たちの心に安らぎや驚きを与えてくれます。そんな雲の種類や名前を知ると、いつもの空がもっと面白く、味わい深いものに感じられるようになりますよ。
実は、空に浮かぶ雲は、国際的な基準によって基本的に10種類に分けられています。この分け方を知るだけで、今日の天気がどう変わっていくのか、少しだけ予測できるようになるかもしれません。この章では、雲を見分けるための基本となる「高さ」と「形」の分類について、わかりやすくご紹介しますね。

1.1 雲の分類の基本「十種雲形(じっしゅうんけい)」とは
雲の種類の基本となるのが「十種雲形(じっしゅうんけい)」と呼ばれる10種類の分類方法です。これは、世界気象機関(WMO)という国際的な機関が定めたもので、世界中の空で共通の「ものさし」として使われています。日本でも、気象庁がこの分類に基づいて雲を観測し、日々の天気を伝えてくれているのですよ。
この10種類の雲は、それぞれに「巻雲(けんうん)」や「積雲(せきうん)」といった美しい名前がついています。これから、この10種類の雲を一つひとつ見ていきますが、その前に、分類の大きな手がかりとなる「形」と「高さ」について知っておきましょう。これさえ押さえておけば、雲の正体にぐっと近づけます。
より詳しい情報は、気象庁のウェブサイトでも確認できます。
気象庁 | 雲の種類
1.2 雲の形は2種類「層状の雲」と「対流性の雲」
十種雲形は、まず雲の見た目の「形」によって、大きく2つのグループに分けることができます。「層状(そうじょう)の雲」と「対流性(たいりゅうせい)の雲」です。それぞれの特徴を知ると、空の様子から天気の変化を感じ取れるようになります。
- 層状(そうじょう)の雲
空にベールをかけたように、うすくシート状に広がるのが特徴です。空気がゆっくりと上昇するときにできるため、穏やかな印象を与えます。この雲が空を覆っているときは、天気の大きな崩れは少ないですが、しとしとと長く続く雨が降ることもあります。 - 対流性(たいりゅうせい)の雲
わたあめのようにモコモコと立体的で、縦方向に成長していくのが特徴です。強い上昇気流によって生まれるため、力強いエネルギーを感じさせます。夏の入道雲などが代表的で、天気の急な変化のサイン。にわか雨や雷をもたらすことがあります。
このように、雲が「のっぺり広がっているか」「モコモコと盛り上がっているか」に注目するだけで、空の状態を読み解くヒントになるのです。
1.3 雲ができる高さによる3つの分類
もうひとつの大切な分類の軸が、雲がどのくらいの「高さ」にできるか、ということです。雲はできる空の高さによって「上層雲」「中層雲」「下層雲」の3つのファミリーに分けられます。それぞれ、含まれる雲の種類も決まっています。
以下の表で、それぞれのファミリーがどのくらいの高さにあって、どんな雲が含まれるのかを見てみましょう。なお、積雲と積乱雲は縦に大きく成長するため、特定の高さのファミリーには属さず、特別な雲として扱われます。
分類 | 高さの目安(日本付近) | 含まれる雲の種類 | 特徴 |
---|---|---|---|
上層雲(じょうそううん) | 約5km~13km | 巻雲、巻積雲、巻層雲 | 氷の粒でできた、うすくて白い雲 |
中層雲(ちゅうそううん) | 約2km~7km | 高積雲、高層雲、乱層雲 | 氷の粒と水の粒が混在する雲 |
下層雲(かそううん) | 地上付近~約2km | 層積雲、層雲 | おもに水の粒でできた、低い空の雲 |
この「十種雲形」「形」「高さ」という3つの視点を持つことが、空に浮かぶ雲の種類を見分けるための第一歩。次の章からは、いよいよ10種類の雲たちを、高さの順に詳しくご紹介していきますね。
2. 高い空にできる雲の種類【上層雲】
ふと空を見上げたとき、ずいぶん高いところに浮かんでいるように見える雲がありますね。これらは「上層雲(じょうそううん)」と呼ばれ、空の表情を豊かにしてくれる美しい雲たちです。地上から約5,000mから13,000mという、飛行機が飛ぶような高さに現れます。
この高さの空気はとても冷たいため、上層雲は水の粒ではなく、主に氷の結晶(氷晶)でできています。氷の結晶でできているからこそ、太陽の光を受けて絹のように白く輝き、ベールのように薄く見えるのですよ。上層雲は「巻」という漢字がつくものが多く、空に描かれた芸術作品のような姿を見せてくれます。
2.1 巻雲(けんうん) すじ雲とも呼ばれる晴れのサイン

青空に筆でさっと線を引いたような、繊維状の美しい雲が「巻雲(けんうん)」です。鳥の羽やほうきの跡にも見えることから、「すじ雲」という愛称で親しまれています。空気が澄んでいる日に見られることが多く、その繊細な姿は見る人の心をなごませてくれます。
巻雲は、天気が安定している晴れの日に現れることが多いため、この雲を見つけたら、しばらくは穏やかなお天気が続くと考えてよいでしょう。お散歩の途中で見つけたら、空を見上げてその優美な形をゆっくりと楽しんでみてくださいね。
項目 | 特徴 |
---|---|
別名 | すじ雲、はね雲 |
形 | 繊維状、羽毛状、かぎ状 |
天気 | 基本的には晴れ。量が増えたり形が崩れると天候変化の兆し。 |
2.2 巻積雲(けんせきうん) うろこ雲やいわし雲の正体
小さな雲のかたまりが空一面に広がり、まるで魚のうろこのように見えるのが「巻積雲(けんせきうん)」です。その見た目から「うろこ雲」や「いわし雲」、「さば雲」といった、とても身近な名前で呼ばれています。特に秋の空によく見られ、巻積雲が夕日に染まる様子は息をのむほどの美しさです。
この雲は、上空の空気が不安定になっているときに見られます。昔から「うろこ雲が出たら、天気は下り坂」と言われるように、巻積雲が現れた翌日あたりは雨が降ることが多いとされています。美しい空模様の変化を楽しみつつ、お洗濯の計画などに役立ててみるのも良いかもしれません。

項目 | 特徴 |
---|---|
別名 | うろこ雲、いわし雲、さば雲 |
形 | 小さなかたまりの集まり、波紋状 |
天気 | 天気が崩れる前兆。数日以内に雨が降ることが多い。 |
2.3 巻層雲(けんそううん) 太陽や月に暈をかける薄い雲
空全体をすっぽりと覆う、薄いベールのような雲が「巻層雲(けんそううん)」です。とても薄いので、雲があることに気づかないこともありますが、この雲を通して太陽や月を見ると、ぼんやりとすりガラスの向こうにあるように見えます。
巻層雲がもたらす最も美しい現象が「暈(かさ)」です。これは、太陽や月の周りに、虹色の光の輪が現れる現象で、「日暈(ひがさ)」や「月暈(つきがさ)」と呼ばれます。雲の中の氷の結晶が光を屈折させることで起こる、自然の魔法のような光景です。この暈が見られると、巻積雲と同じように天気が崩れるサインと言われています。「太陽や月が暈をかぶると雨」という言い伝えは、この雲の特徴からきているのですね。
より詳しい雲の種類については、気象庁のウェブサイトでも確認できます。

項目 | 特徴 |
---|---|
別名 | うす雲 |
形 | 空を覆う薄い膜状 |
天気 | 天気が崩れる前兆。暈(かさ)が見られると雨が近いことが多い。 |
3. 中くらいの空にできる雲の種類【中層雲】
続いては、地上から少し見上げた、空の中くらいの高さに浮かぶ「中層雲」をご紹介しますね。この高さの雲は、お天気の変化を教えてくれることが多いんですよ。空を見上げる楽しみが、また一つ増えるかもしれません。
3.1 高積雲(こうせきうん) ひつじ雲と呼ばれるまだらな雲
秋の空によく見られる、小さな雲のかたまりがたくさん集まった雲。その姿がまるで羊の群れのようだということから「ひつじ雲」という愛らしい名前で親しまれています。巻積雲(うろこ雲)と似ていますが、見分け方は意外と簡単です。
空に手を伸ばして、人差し指を一本立ててみてください。雲のかたまりが指に隠れるくらい小さければ「うろこ雲」、指からはみ出るくらい大きければ「ひつじ雲」と覚えておくと、見分けるのが楽しくなりますよ。
ひつじ雲が見られるときは晴れや曇りのことが多いですが、この雲が空いっぱいに広がってくると、お天気がゆっくりと下り坂に向かうサインともいわれています。

項目 | 特徴 |
---|---|
別名 | ひつじ雲、まだら雲 |
高さ | 約2km~7km |
形 | 小さなかたまりが集まったまだら状や波状の雲。 |
天気 | この雲自体は雨を降らせないが、天気が崩れる前兆のことがある。 |
3.2 高層雲(こうそううん) 空全体を覆うおぼろ雲
空全体をベールのように、うっすらと覆ってしまうのが「高層雲」です。「おぼろ雲」とも呼ばれ、その名の通り、まるで空がすりガラスになったかのように見えます。
この雲の特徴は、雲を通して太陽や月の位置がぼんやりとわかること。巻層雲(うす雲)のようにくっきりとした「暈(かさ)」は現れません。空全体がなんとなく明るいけれど、どんよりとしている…そんな日は高層雲が広がっているのかもしれません。
高層雲がだんだんと厚みを増してくると、天気がゆっくりと下り坂に向かっているサイン。やがて雨や雪を降らせる「乱層雲」に変わっていくことも多いんですよ。

項目 | 特徴 |
---|---|
別名 | おぼろ雲 |
高さ | 約2km~7km |
形 | 灰色で、空全体を覆う一様なシート状の雲。 |
天気 | 天気が崩れる前兆。この雲が厚くなると雨や雪が降りやすくなる。 |
3.3 乱層雲(らんそううん) 雨や雪を降らせる暗い雲
「乱層雲」は、そのものずばり「雨雲(あまぐも)」や「雪雲(ゆきぐも)」とも呼ばれる、お天気を崩す代表的な雲です。空全体を暗い灰色の雲が厚く覆い、太陽の光を完全に遮ってしまいます。
この雲が現れると、比較的穏やかな雨や雪が、長い時間にわたってしとしとと降り続くのが特徴です。夏の夕立をもたらす積乱雲(入道雲)のように、急に激しい雨が降るのとは少し様子が違います。
輪郭がはっきりせず、どんよりと空に広がっているため、他の雲との見分けはつきやすいかもしれません。この雲が見えたら、傘の準備をしておくと安心ですね。
項目 | 特徴 |
---|---|
別名 | 雨雲(あまぐも)、雪雲(ゆきぐも) |
高さ | 地上付近~約7km |
形 | 暗い灰色で厚く、輪郭がぼやけた一様な雲。 |
天気 | 穏やかな雨や雪を長時間降らせる。 |
より詳しい雲の情報については、気象庁のウェブサイトも参考になりますので、ぜひご覧になってみてくださいね。
4. 低い空にできる雲の種類【下層雲】
私たちの暮らしに一番身近な、低い空に浮かぶ雲たちをご紹介します。地上から2kmくらいまでの高さにできる雲で、見上げる空の表情を豊かにしてくれますよ。
4.1 層積雲(そうせきうん) くもり空の主役 うね状の雲
「今日はどんよりとした曇り空ね」という日、空を見上げると広がっているのが、この層積雲(そうせきうん)です。大きな塊や、畑のうねのような模様が特徴で、「うね雲」や「くもり雲」とも呼ばれています。くもり空の日に最もよく見かける、私たちにとって一番馴染み深い雲かもしれませんね。
色は白から灰色で、雲の底は少し暗く見えます。ただ、雲と雲の間に隙間があって、そこから青空がのぞくことも。層積雲が空に広がっていても、すぐに雨が降ってくることは少ないですが、雲が厚みを増してくると、しとしとと小雨や雪が降ることもあります。

4.2 層雲(そううん) 地表に最も近い霧状の雲
層雲(そううん)は、空の最も低い位置にできる、まるで霧のような雲です。「きり雲」という別名の通り、輪郭がはっきりせず、空全体を灰色一色で覆ってしまうこともあります。山登りをしているときにかかる霧も、この層雲の一種なんですよ。
面白いことに、地面に接していれば「霧」、少しでも地面から離れて浮いていれば「層雲」と呼ばれ、気象学的には区別されています。
この雲がかかっているときは、霧雨や霧雪が降ることがあります。特に、よく晴れた日の朝、放射冷却で冷えた地面の近くに発生しやすく、太陽が昇って暖かくなると、すーっと消えていくことも多いです。朝もやの中から青空が広がっていく様子は、一日の始まりを感じさせてくれる清々しい光景ですね。

5. 縦方向に大きく広がる雲の種類
これまでご紹介した雲は空の高さで分類されていましたが、中には低いところから高いところまで、縦に大きく成長する雲もあります。空を見上げたときに、もくもくとダイナミックに形を変える雲たちが、この仲間です。晴れた日ののどかな雲から、急な雨を降らせる雲まで、私たちの暮らしに身近な二つの雲をご紹介しますね。
5.1 積雲(せきうん) 綿雲とも呼ばれる晴れた日の雲
青い空にぽっかりと浮かぶ、まるで綿菓子のような雲。これが「積雲」です。「綿雲(わたぐも)」という愛称で親しまれ、見ているだけで心がなごみますよね。雲の輪郭がはっきりとしていて、底の部分は平らなのが特徴です。積雲が空に浮かんでいるときは、基本的に良いお天気。お散歩やお洗濯にもぴったりの一日になりそうです。ただ、夏場など大気の状態が不安定なときには、この積雲がもくもくと上に成長して、次の「積乱雲」に変わることもあるんですよ。

別名 | 形の特徴 | 天気 |
---|---|---|
綿雲(わたぐも) | 輪郭がはっきりしている。底が平らで、上部はドーム状にもこもことしている。 | 晴れ。天気が崩れる心配は少ない。 |
5.2 積乱雲(せきらんうん) 夏の入道雲で雷や大雨をもたらす
夏の空に、山や巨大な塔のようにそびえ立つ雲を見かけたことはありませんか?それが「積乱雲」です。別名「入道雲(にゅうどうぐも)」や「雷雲(かみなりぐも)」とも呼ばれ、夏の風物詩の一つでもあります。しかし、その雄大な見た目とは裏腹に、急な大雨や雷、ひょう、時には竜巻などの激しい現象をもたらす、とても危険な雲です。雲の底が暗くなり、ゴロゴロと音が聞こえてきたら、積乱雲が近づいているサイン。すぐに丈夫な建物の中に避難するようにしましょう。安全な場所から空を眺めるようにしてくださいね。
積乱雲が発達のピークを迎えると、雲のてっぺんが平たく広がって、金属を打つ作業台「かなとこ」のような形になることがあります。これを「かなとこ雲」と呼び、雲がこれ以上は上に成長できない高さまで達したことを示しています。

別名 | 形の特徴 | 天気・注意点 |
---|---|---|
入道雲(にゅうどうぐも)、雷雲(かみなりぐも) | 山や塔のように巨大に盛り上がる。雲の底は暗い。上部が平たく広がった「かなとこ雲」になることも。 | 雷、大雨、ひょう、突風、竜巻など。激しい天候に注意が必要。 |
6. まだある!知っておきたい珍しい雲の種類とその特徴
空を見上げていると、これまでご紹介した10種類の雲のどれにも当てはまらないような、不思議な形の雲に出会うことがありますよね。それらは「変種」や「部分的に特徴のある雲」として、さらに細かく分類される特別な雲かもしれません。ここでは、そんな出会えたら少し嬉しくなるような、珍しい雲たちをご紹介します。
6.1 レンズ雲
まるで空に浮かぶUFOや、凸レンズのような形をした不思議な雲、それが「レンズ雲」です。山を越える湿った空気が、風下側で波打つことで生まれます。見た目がとてもユニークで、空にぽっかりと一つだけ浮かんでいることも多く、写真愛好家にも人気の被写体なのですよ。
特に、富士山のてっぺんに現れるレンズ雲は「かさ雲」とも呼ばれ、昔から天気の変化を知る目安とされてきました。旅先で山の近くを通るときは、ぜひ空を見上げて探してみてはいかがでしょうか。
特徴 | 見られる場所 | 天気との関連 |
---|---|---|
UFOやレンズのような滑らかな形 | 山の風下側の上空 | 天気が崩れる前兆といわれることも |
6.2 彩雲(さいうん)
「彩雲」は、太陽の近くにある雲が、まるでシャボン玉のように緑や赤、紫色など虹色に輝いて見える現象です。なんとも美しく、見ているだけで幸せな気持ちになりますね。これは、雲の中にある水滴や氷の粒の大きさがそろっているときに、太陽の光が回り込んで干渉し、色を分けて見えるために起こります。
昔から「彩雲」は良いことが起こる前触れ、「吉兆(きっちょう)」のしるしともいわれ、見た人は幸運が訪れるとされています。巻積雲や高積雲など、比較的薄い雲に見られることが多いので、空が少し白っぽく見えたら、太陽の周りをそっと観察してみてくださいね。
特徴 | 見られる雲 | 天気との関連 |
---|---|---|
雲の縁が虹色に淡く輝く | 巻積雲、高積雲、巻雲など | 幸運のサインとされることが多い |
6.3 乳房雲(ちぶさぐも)
その名の通り、空からたくさんのこぶが垂れ下がっているように見える、少し不気味な印象の雲です。多くは、激しい雷雨をもたらす積乱雲の底の部分に現れます。雲の中から下降気流が起こっている場所で、冷たい空気が下がりながら雲をこぶ状に変化させることで生まれます。
この雲が見られたら、近くで激しい気象現象が起きているサインかもしれません。美しい夕焼け空に現れることもありますが、天気の急変には注意が必要な雲といえるでしょう。より詳しい気象情報については、気象庁のウェブサイトなども参考にしてくださいね。
特徴 | 見られる雲 | 天気との関連 |
---|---|---|
こぶ状の雲が垂れ下がっている | 積乱雲や高積雲の底 | 嵐など天気の急変に注意が必要 |
6.4 かさ雲
「かさ雲」は、独立した山の頂上付近に、まるで帽子をかぶせたように現れる雲です。先ほどご紹介したレンズ雲の一種で、山のてっぺんにできるものを特にこう呼びます。湿った空気が山の斜面を駆け上がるときに冷やされて雲となり、山を通り過ぎるとまた消えてしまうため、山頂にだけとどまっているように見えるのです。
「富士山が笠をかぶれば雨」ということわざがあるように、天気が下り坂になるサインとして知られています。低気圧や前線が近づいて、上空の湿度が高くなっている証拠なのですね。もし旅先でかさ雲を見かけたら、傘の準備をしておくと安心かもしれません。
特徴 | 見られる場所 | 天気との関連 |
---|---|---|
山の頂上に帽子のようにかかる | 富士山など独立した山の頂上 | 天気が下り坂になるサイン |
7. まとめ
この記事では、基本となる10種類の雲について、高さや形による見分け方をご紹介しました。雲は「十種雲形」という分類が基本で、空のどの高さに、どんな形で浮かんでいるかを知ることで、その種類を見分けられるのですね。うろこ雲やひつじ雲など、親しみのある雲の正体がわかると、ふと空を見上げる時間がもっと楽しくなりそうです。雲の様子からお天気の変化を感じ取り、日々の暮らしにささやかな彩りを添えてみませんか。
コメント