お彼岸とは?2025年はいつ?意味や過ごし方を解説

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「お彼岸」と聞くと、お墓参りを思い浮かべるけれど、詳しい意味やいつなのか、何をすれば良いのか、ふと疑問に思うことはありませんか。この記事では、お彼岸の由来や仏教との関わり、2025年の具体的な日程、お墓参りの手順やお供え物、さらには「ぼたもち」と「おはぎ」の違いまで、丁寧に解説します。ご先祖様を敬い、感謝を伝える大切なお彼岸。その意味と過ごし方を知り、心穏やかな準備を始めましょう。

目次

1. お彼岸とは そもそもどんな日?

「お彼岸」という言葉、私たち日本人にとってはとても馴染み深いものですよね。春と秋、年に二度訪れるこの期間は、お墓参りに行ったり、ぼたもちやおはぎをいただいたりする、どこか懐かしく、そして大切な時間として心に刻まれているのではないでしょうか。でも、あらためて「お彼岸って、そもそもどんな日なの?」と聞かれると、意外と詳しくは知らないかもしれませんね。この章では、お彼岸の基本的な意味や由来について、一緒に見ていきましょう。

1.1 お彼岸の基本的な意味を解説

お彼岸の「彼岸(ひがん)」とは、仏教の言葉で、私たちが生きる迷いや煩悩に満ちた世界「此岸(しがん)」に対して、悟りの境地である「向こう岸」を指します。ご先祖様がいらっしゃる極楽浄土も彼岸にあると考えられています。つまり、お彼岸とは、この此岸から彼岸へと到達するための仏道修行の期間であり、また、ご先祖様がいらっしゃる彼岸を偲び、感謝の気持ちを伝える期間でもあるのです。

春分の日と秋分の日は、太陽が真東から昇り真西に沈むため、彼岸と此岸が最も通じやすい日と考えられてきました。この中日を中心とした前後3日間、合計7日間がお彼岸の期間とされています。この期間は、ご先祖様への感謝の気持ちを伝え、供養を行う大切な時とされ、私たち自身も仏様の教えに触れ、心を清める良い機会とされています。

1.2 お彼岸の由来と仏教との深いつながり

お彼岸は、実はインドや中国から伝わった仏教にはない、日本独自の仏教行事だと言われています。日本の豊かな自然観や、古来からのご先祖様を大切にする心と仏教が結びついて生まれた、私たち日本人にとって特別な文化なのです。

その歴史は古く、平安時代には貴族の間で彼岸会(ひがんえ)という法要が営まれるようになり、江戸時代には庶民の間にも広く定着したとされています。この背景には、仏教の教えが深く関わっています。

仏教では、彼岸に至るために実践すべき6つの徳目「六波羅蜜(ろくはらみつ)」が説かれています。この期間に「六波羅蜜(ろくはらみつ)」と呼ばれる6つの徳目を実践することで、私たちも悟りの境地である彼岸に近づけると考えられてきました。お彼岸は、ご先祖様を供養するだけでなく、私たち自身が仏道修行に励み、より良い生き方を目指すための大切な期間でもあるのですね。

六波羅蜜とは、具体的には以下の6つの行いを指します。

六波羅蜜読み方意味
布施(ふせ)ふせ見返りを求めず、他者のために施しをすること(親切)
持戒(じかい)じかい戒律を守り、自らを律すること(言行一致)
忍辱(にんにく)にんにく苦難や侮辱に耐え忍び、心を動かさないこと(忍耐)
精進(しょうじん)しょうじん仏道修行に一心に励むこと(努力)
禅定(ぜんじょう)ぜんじょう心を静め、精神を統一すること(心の安定)
智慧(ちえ)ちえ物事の真理を見極める力を養うこと(正しい判断力)

お彼岸の期間に、これらの行いを意識して過ごすことで、ご先祖様への供養とともに、自分自身の心も豊かにすることができるでしょう。お彼岸が、単なる行事ではなく、私たちの生き方を見つめ直す良い機会となることを願っています。

2. 2025年のお彼岸はいつからいつまで?

「お彼岸」と聞くと、お墓参りを思い浮かべる方も多いのではないでしょうか。日本の大切な年中行事のひとつであるお彼岸ですが、その期間は毎年少しずつ変わります。ここでは、2025年(令和7年)の春と秋のお彼岸の期間と、その期間がどのように決まるのかについて、わかりやすくご説明しますね。

2.1 2025年 春のお彼岸の期間

まずは、2025年の春のお彼岸がいつからいつまでなのか見ていきましょう。春のお彼岸は、「春分の日」を中日(ちゅうにち・なかび)として、その前後3日間を合わせた合計7日間となります。

2025年の「春分の日」は、3月20日(木曜日)です。 したがいまして、2025年の春のお彼岸の期間は以下のようになります。

項目日付曜日
彼岸入り3月17日月曜日
中日(春分の日)3月20日木曜日
彼岸明け3月23日日曜日

つまり、2025年の春のお彼岸は、3月17日(月)から3月23日(日)までの7日間となります。穏やかな春の陽気の中、ご先祖様へ感謝の気持ちを伝えたいものですね。

2.2 2025年 秋のお彼岸の期間

次に、2025年の秋のお彼岸の期間についてご案内します。秋のお彼岸も春と同様に、「秋分の日」を中日として、その前後3日間を合わせた合計7日間です。

2025年の「秋分の日」は、9月23日(火曜日・国民の祝日)です。 この日を中心に、2025年の秋のお彼岸の期間は以下の通りです。

項目日付曜日
彼岸入り9月20日土曜日
中日(秋分の日)9月23日火曜日
彼岸明け9月26日金曜日

ですから、2025年の秋のお彼岸は、9月20日(土)から9月26日(金)までの7日間となります。過ごしやすい気候の秋、心静かにお彼岸の行事を行いたいですね。

2.3 お彼岸の期間の決まり方 春分の日と秋分の日との関係

お彼岸の期間が「春分の日」と「秋分の日」を中心にして決められるのには、ちゃんとした理由があるのですよ。これらの日は、太陽が真東から昇り、真西に沈むとされ、昼と夜の長さがほぼ同じになる特別な日です。

仏教では、私たちが生きるこの世界を「此岸(しがん)」、悩みや迷いのない悟りの世界、つまりご先祖様がいらっしゃる極楽浄土を「彼岸(ひがん)」と呼びます。「彼岸」は西の方角にあると考えられているため、太陽が真西に沈む春分の日と秋分の日は、此岸と彼岸が最も通じやすくなる日と信じられてきました。このため、この時期にご先祖様への供養を行う習慣が根付いたと言われています。

ちなみに、「春分の日」と「秋分の日」は、国立天文台が作成する「暦要項(れきようこう)」に基づいて、前年の2月1日に閣議で決定され、官報で発表されます。ご興味のある方は、国立天文台のウェブサイトで確認してみるのも良いかもしれませんね。自然の営みと私たちの信仰が結びついた、日本ならではの奥ゆかしい習慣と言えるでしょう。

3. お彼岸には何をするの?代表的な過ごし方を紹介

お彼岸の時期は、春と秋の過ごしやすい季節。ご先祖様への感謝の気持ちを伝え、自分自身を見つめ直す良い機会ですね。ここでは、お彼岸の代表的な過ごし方をご紹介します。毎日の忙しさを少し忘れて、心静かな時間を過ごしてみませんか。

3.1 お彼岸の定番 お墓参りの準備と手順

お彼岸といえば、やはりお墓参りを思い浮かべる方が多いのではないでしょうか。ご先祖様が眠るお墓をきれいにし、感謝の気持ちを伝える大切な行事です。ここでは、お墓参りの準備と手順を丁寧にご説明しますね。

3.1.1 お墓の掃除の仕方とポイント

お墓参りでは、まずお墓とその周りをきれいに掃除しましょう。ご先祖様もきっと喜んでくださいますよ。

  • 墓石の掃除:まず、墓石全体に水をかけ、濡らしたスポンジや柔らかい布で優しく汚れを落とします。硬いタワシや金属製のブラシは墓石を傷つけることがあるので避けましょう。文字が彫られている部分は、歯ブラシなどを使うと細かい汚れもきれいにできます。最後に乾いた布で水分を拭き取ると、水垢防止になります。
  • 墓石の周りの掃除:墓石だけでなく、お墓の敷地内の雑草を抜いたり、落ち葉を拾ったりしてきれいにしましょう。植木がある場合は、伸びすぎた枝を少し整えるのも良いですね。
  • 花立てや香炉の掃除:花立てや香炉もきれいに洗いましょう。古いお花や燃え残ったお線香は取り除きます。
  • 掃除道具:持っていくと便利なものは、スポンジ、雑巾(数枚)、歯ブラシ、軍手、ゴミ袋、小さなバケツ、手桶と柄杓(お寺や霊園に備え付けられていることもあります)などです。

心を込めてお掃除することで、ご先祖様への供養の気持ちがより深まることでしょう。

3.1.2 お彼岸のお供え物 何を準備する?

お墓をきれいにしたら、次はお供え物をします。ご先祖様への感謝の気持ちを表すものですから、心を込めて選びたいですね。代表的なお供え物には次のようなものがあります。

お供え物の種類内容・ポイント
お花(仏花)菊やリンドウ、カーネーションなどが一般的です。トゲのある花や香りの強すぎる花は避けるのがマナーとされています。故人が好きだったお花をお供えするのも良いでしょう。左右対称になるように一対で供えるのが基本です。
お線香・ろうそくお線香は心を清め、仏様やご先祖様と繋がるためのものと言われています。ろうそくは仏様の知恵を象徴するとも。火の取り扱いには十分注意しましょう。
食べ物・飲み物故人が生前好きだった食べ物や飲み物をお供えすると喜ばれるでしょう。季節の果物やお菓子(ぼたもち・おはぎなど)も定番です。お供えした食べ物は、お参りが終わったら持ち帰るのが基本です。カラスなどに荒らされないように注意しましょう。
きれいな水をお供えします。

お供え物は、ご先祖様への感謝の気持ちを表すものです。高価なものである必要はありません。心を込めて準備することが何よりも大切ですよ。

3.2 仏壇のお手入れと仏具の確認も忘れずに

お墓参りだけでなく、ご自宅にある仏壇や仏具のお手入れも、お彼岸にしておきたいことの一つです。日頃の感謝を込めて、いつもより丁寧にお掃除をしましょう

まず、仏壇の扉を開け、ご本尊様やご先祖様に一礼します。その後、毛先の柔らかいハタキや筆などで仏壇内部や仏具の埃を優しく払います。金箔が施されている部分はデリケートなので、直接手で触れたり、強くこすったりしないように注意が必要です。仏具も一つひとつ取り出し、柔らかい布で拭いてきれいにしましょう。お線香の灰が溜まっていたらきれいにし、花立ての水も新しくします。お掃除が終わったら、新しいお花やお供え物を飾り、お線香をあげて手を合わせましょう。ご先祖様もきっと清々しい気持ちで彼岸の期間を過ごされることでしょう。

3.3 お彼岸に食べるもの ぼたもちとおはぎの違いとは

お彼岸の代表的な食べ物といえば、「ぼたもち」と「おはぎ」ですね。どちらももち米とうるち米を混ぜて炊き、軽くついて丸めたものにあんこをまとわせた和菓子ですが、実は季節によって呼び名や特徴が少し違うのをご存知でしたか?

一般的に、春のお彼岸に食べるものを「ぼたもち」、秋のお彼岸に食べるものを「おはぎ」と呼びます。これは、それぞれの季節に咲く花に由来していると言われています。

ぼたもち(牡丹餅)おはぎ(御萩)
季節春のお彼岸秋のお彼岸
名前の由来春に咲く牡丹(ぼたん)の花にちなんで秋に咲く萩(はぎ)の花にちなんで
あんここしあんが多いと言われます。これは、春まで保存された小豆は皮が硬くなるため、皮を取り除いたこしあんが使われたという説があります。つぶあんが多いと言われます。秋に収穫される新しい小豆は皮も柔らかいため、そのまま使ったつぶあんが使われたという説があります。
牡丹の花のように、大きめで丸い形が多いとされます。萩の花のように、やや小ぶりで俵型が多いとされます。

ただし、こうした区別は最近では地域や家庭によってさまざまで、一年を通してどちらの名前で呼んだり、あんこの種類も多様になったりしています。きなこやごまをまぶしたものも美味しいですよね。大切なのは、ご先祖様へのお供え物として、そして家族でいただくものとして、心を込めて準備することですね。手作りするのも楽しいですし、和菓子屋さんで季節の味を求めるのも良いでしょう。

3.4 彼岸会(ひがんえ)とは?参加してみよう

お彼岸の時期には、多くのお寺で「彼岸会(ひがんえ)」という法要が営まれます。これは、ご先祖様の供養はもちろんのこと、私たちが仏様の教えに触れ、悟りの境地である「彼岸」に至るための修行を行う期間という意味合いもあります。

彼岸会では、住職による読経や法話が行われることが一般的です。法話では、仏教の教えやご先祖様を敬うことの大切さなど、心に響くお話を聞くことができるでしょう。普段なかなかお寺に足を運ぶ機会がないという方も、お彼岸の時期にはぜひ彼岸会に参加してみてはいかがでしょうか。特別な準備は必要なく、誰でも参加できるお寺が多いですよ。事前に菩提寺(ぼだいじ:先祖代々のお墓があるお寺)や近所のお寺に問い合わせてみると良いでしょう。静かな時間の中で、自分自身と向き合う良い機会になるかもしれませんね。

4. お彼岸にやってはいけないことや注意しておきたいこと

お彼岸はご先祖様を敬い、感謝の気持ちを伝える大切な期間です。この時期にふさわしくない行いや、注意しておきたいマナーについて、一緒に確認していきましょう。心穏やかに過ごすためのヒントになれば幸いです。

4.1 お彼岸のお供え物で避けるべきもの

ご先祖様へのお供え物は、感謝の気持ちを表す大切なもの。しかし、中には避けた方が良いとされる品物もあります。一般的な例をいくつかご紹介しますね。

避けるべきお供え物理由
肉や魚などの生もの(なまもの)仏教では殺生を禁じているため、生臭物は避けるのが一般的です。
香りの強すぎるもの他のお墓参りの方への配慮や、お墓の環境を考えて控えめにしましょう。例えば、香りの強い香水や、匂いのきつい食べ物などです。
五辛(ごしん)ネギ、ニラ、ニンニク、ラッキョウ、アサツキ(またはタマネギ、ショウガなど諸説あります)といった香りの強い野菜は、仏教の修行の妨げになるとされ、避ける風習があります。
トゲのある花バラなどトゲのあるお花は、攻撃的な印象を与えたり、トゲが刺さることを連想させたりするため、避ける方が無難とされています。もしお供えする場合は、トゲを取るなどの配慮をすると良いでしょう。
日持ちしないものお供え物は基本的にお参りが終わったら持ち帰りますが、すぐに傷んでしまうものは避けた方が良いでしょう。特に夏場などは注意が必要です。

地域や宗派、ご家庭の考え方によって異なる場合もありますので、迷ったときはご家族や親戚の方に相談してみるのも良いですね。

4.2 お墓参りの際のマナーと注意点

お墓参りはご先祖様との大切な対話の時間です。気持ちよくお参りするために、いくつか心に留めておきたいマナーがあります。

4.2.1 服装について

お彼岸のお墓参りに厳格な決まりはありませんが、派手な色や露出の多い服装は避け、落ち着いた色合いの清潔感のある服装を心がけましょう。故人を偲ぶ場にふさわしい、控えめな装いが望ましいですね。また、毛皮や革製品など、殺生を連想させるものは避けるのが一般的です。

4.2.2 持ち物について

お墓参りには、数珠、お線香、ろうそく、お花、お供え物、そしてお墓をきれいにするための掃除道具(ぞうきん、たわし、バケツ、ゴミ袋など)を準備しましょう。手桶やひしゃくは霊園に備え付けられていることが多いですが、事前に確認しておくと安心です。

4.2.3 お墓での振る舞い

お墓はご先祖様が眠る神聖な場所です。以下の点に注意して、敬意を払った行動を心がけましょう。

  • 他の家のお墓にむやみに立ち入ったり、ジロジロと見たりしないようにしましょう。通路を歩く際も、他のお墓を踏まないように気をつけてくださいね。
  • お墓の敷地内で大声で騒いだり、走り回ったりするのは控えましょう。静かに故人を偲ぶことが大切です。
  • お供え物をその場でいただくのは、地域や習慣によって考え方が異なりますが、基本的には持ち帰るのがマナーとされています。特に、お酒を墓石にかけたり、食べ物を置きっぱなしにしたりすると、墓石を傷めたり、カラスや虫が集まったりする原因になることがあります。
  • お線香やろうそくの火は、お参りが終わったら必ず消しましょう。火事の原因にならないよう、火の元には十分注意してください。
  • お花やお供え物で出たゴミ、掃除で出たゴミは、必ず持ち帰りましょう。霊園によってはゴミ箱が設置されている場合もありますが、基本的には持ち帰るのがマナーです。
  • 「ついで参り」といって、他の用事のついでにお墓参りをすることは、避けるべきという考え方もあります。しかし、大切なのはご先祖様への感謝の気持ちです。心を込めてお参りできるのであれば、あまり形式にとらわれすぎる必要はないかもしれません。

4.2.4 ペットとのお墓参りについて

ペットを連れてお墓参りに行きたいと考える方もいらっしゃるでしょう。しかし、霊園や寺院によってはペットの立ち入りを禁止している場合があります。事前に管理事務所などに確認し、ルールを守るようにしましょう。もし許可されていても、他の方の迷惑にならないよう、リードを短く持つ、排泄物の処理をきちんとするなど、十分な配慮が必要です。

4.3 お彼岸期間中の過ごし方で気をつけたいこと

お彼岸の期間は、ご先祖様を供養し、自分自身を見つめ直す静かな時を過ごしたいものです。日常生活の中で少し気をつけておきたいことをご紹介します。

4.3.1 お祝い事や派手な行事について

お彼岸の期間中に、結婚式や新築祝いといったお祝い事を執り行うのは避けた方が良いという考え方があります。これは、お彼岸がご先祖様の供養を優先する期間であるためです。ただし、絶対にダメというわけではなく、地域やご家庭の考え方によって異なります。もしお彼岸の時期にお祝い事を予定している場合は、ご家族や親戚とよく相談し、周囲への配慮を忘れないようにしましょう。

4.3.2 騒がしい娯楽や遊興について

お彼岸は、仏教の修行である「六波羅蜜(ろくはらみつ)」を実践する期間でもあります。そのため、派手な宴会や騒がしい場所への出入りは控え、静かに過ごすことが望ましいとされています。ご先祖様に思いを馳せ、穏やかな気持ちで過ごしたいですね。

4.3.3 殺生を避ける

仏教では生き物の命を奪うこと(殺生)を戒めています。お彼岸の期間中は、できる範囲で殺生を避けるように心がけると良いでしょう。例えば、釣りや狩猟などを控えるといったことです。日々の食事についても、意識してみるのも良いかもしれません。

4.3.4 争いごとを避ける

お彼岸は、心を清らかにし、ご先祖様と向き合う大切な時です。人との争いごとや悪口、不平不満などを口にすることは避け、穏やかな心で過ごすよう努めましょう。感謝の気持ちを持ち、和やかな雰囲気で過ごしたいものですね。

これらの注意点は、あくまで一般的なものです。大切なのは、ご先祖様を敬う心と、周囲への思いやりです。ご自身の状況に合わせて、心を込めてお彼岸をお過ごしくださいね。

5. お彼岸に関するよくある質問

お彼岸について、皆さまからよく寄せられるご質問にお答えします。日頃から気になっていたことや、いざという時の疑問も、ここでスッキリ解決できるかもしれませんね。

5.1 お彼岸の時期にお墓参りに行けない場合はどうすればいい?

お彼岸にはお墓参りに行くのが習わしとされていますが、ご事情があってどうしてもお墓参りに行けない場合もあるかと存じます。そのような時は、無理をなさらず、ご自宅でできる供養を心を込めて行うことが大切ですよ。

例えば、ご自宅に仏壇がある場合は、いつもより丁寧にお掃除をして、お花やお供え物をお供えし、お線香をあげて手を合わせましょう。ご先祖様への感謝の気持ちを伝えることが何よりも重要です。

また、お墓のある方角に向かって静かに手を合わせるだけでも、ご先祖様にはその想いが届くと言われています。もし、後日お時間が取れるようでしたら、お彼岸の期間にこだわらず、ご都合の良い時にお墓参りをされるのも一つの方法です。

お寺によっては、代理でお墓の掃除やお供えをしてくださるところや、彼岸会(ひがんえ)の法要に参加できない方のために個別の供養を受け付けている場合もありますので、菩提寺にご相談なさってみるのも良いでしょう。その際は、お布施の準備なども確認しておくと安心ですね。

大切なのは、ご先祖様を敬い、感謝する気持ちです。形式にとらわれすぎず、ご自身のできる範囲で心を込めた供養をなさってくださいね。

5.2 お彼岸の時期に引っ越しをしても大丈夫?

お彼岸の時期に引っ越しをしても良いのか、気になる方もいらっしゃるかもしれませんね。結論から申し上げますと、仏教の教えにおいて、お彼岸の時期に引っ越しをしてはいけないという決まりは特にありません。

お彼岸はご先祖様を供養し、自身を見つめ直す大切な期間ではありますが、引っ越しのような生活上の移動を禁じるものではないのです。春や秋のお彼岸の時期は、気候も穏やかで過ごしやすいため、むしろ新しい生活を始めるのには良い季節とも言えますね。

ただ、地域やご家庭の習慣によっては、お彼岸の時期の大きな移動や変化を好まない考え方があるかもしれません。ご家族や親しい方とよく話し合って、皆さまが気持ちよく新生活をスタートできる方法を選ぶのが一番です。

もし気になるようでしたら、お彼岸のお墓参りや仏壇へのお参りを済ませてから引っ越しをされたり、引っ越し後に落ち着いてから改めてご先祖様にご挨拶に伺ったりするなど、柔軟に考えてみてはいかがでしょうか。大切なのは、ご先祖様への敬意を忘れず、感謝の気持ちを持って日々を過ごすことですね。

5.3 お彼岸とお盆は何が違うの?

お彼岸もお盆も、ご先祖様に関わる大切な行事ですが、その意味合いや時期には違いがあります。どちらも日本の暮らしに深く根付いた風習ですので、違いを知っておくと、より心を込めてお迎えできるかもしれませんね。主な違いを下の表にまとめてみました。

項目お彼岸お盆
時期春分の日・秋分の日を中日とした前後3日間、計7日間主に8月13日から16日(地域により7月の場合もあります)
意味・目的彼岸(悟りの世界)に至るための仏道修行の期間。ご先祖様に感謝し、自らの行いを省みる。ご先祖様の霊を自宅にお迎えし、供養する期間。
対象此岸(この世)から彼岸(あの世)に思いを馳せ、ご先祖様や自然に感謝する。ご先祖様の霊をお迎えする。
代表的な行事・風習お墓参り、仏壇の掃除、お供え(ぼたもち・おはぎ)、彼岸会(ひがんえ)への参加。迎え火・送り火、盆提灯、お墓参り、盆踊り、精霊馬・精霊牛、お供え。

簡単にお伝えしますと、お彼岸は私たちがご先祖様のいる彼岸(あの世)に思いを馳せ、感謝を伝える期間であるのに対し、お盆はご先祖様の霊が私たちのいる此岸(この世)へ帰ってこられるのをお迎えし、おもてなしする期間という違いがあります。

お彼岸は春と秋の年2回あり、自然に感謝し、仏様の教えに触れる良い機会でもあります。一方、お盆は年に一度、夏にご先祖様と過ごす特別な時間ですね。どちらも、ご先祖様を大切に思う日本の美しい文化です。それぞれの意味を理解して、大切に過ごしていきたいものですね。

6. まとめ

お彼岸とは、ご先祖様への感謝の気持ちを伝え、自分自身を見つめ直す大切な期間です。春分の日と秋分の日を中日とした前後3日間、2025年もお墓参りや仏壇のお手入れ、そして「ぼたもち」や「おはぎ」をいただくなど、日本の美しい習慣を大切にしたいものですね。お供え物やマナーには注意しつつ、心静かにご先祖様とのつながりを感じるひとときを過ごしてみてはいかがでしょうか。この記事が、お彼岸を有意義に過ごすための一助となれば幸いです。

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この記事を書いた人

ハレノヒ編集部は、「わたしらしく、身軽に暮らす」をテーマに、日々の暮らしを前向きに楽しむためのヒントをお届けしています。
美容や健康、趣味、暮らしの工夫など、50代以降の女性を中心に、誰もが自分らしく輝けるような情報をやさしい目線で発信しています。
ちょっと気になる話題や、ふと心に残る言葉も添えて、皆さまの毎日が少し晴れやかになりますように。

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