2025年「白露」はいつ？意味や由来、風習について解説

「白露（はくろ）」という言葉の響きに、ふと秋の気配を感じる方もいらっしゃるでしょうか。この記事では、「2025年の白露はいつ？」という疑問にお答えし、日付と期間をご紹介します。ちなみに2025年の白露は9月7日頃から。さらに、白露が持つ意味やその由来、この時期ならではの気候や伝統的な風習、旬の味覚に至るまで、暮らしに役立つ情報をわかりやすく解説。秋の訪れを心豊かに楽しむヒントをお届けします。

1. 2025年の白露はいつ？具体的な日付と期間

暦の上では秋の気配が深まる頃、「白露（はくろ）」という美しい名前の季節がやってまいりますね。この季節の変わり目は、日々の暮らしにも新たな彩りをもたらしてくれます。

この章では、2025年の白露がいつから始まり、いつまで続くのか、その日付と期間についてご案内いたします。秋の訪れを告げる白露の時期を知って、季節の移ろいをより深く感じてみませんか。

1.1 2025年の白露はいつから始まる？

さて、早速ですが、2025年の「白露」は9月7日（日曜日）から始まります。

白露は、私たちの生活にも馴染み深い「二十四節気（にじゅうしせっき）」の一つです。二十四節気とは、太陽の動きをもとに1年を24等分し、それぞれに季節を表す名前を付けたもので、古くから日本の暮らしの中で大切にされてきました。テレビの天気予報やカレンダーなどで、この言葉を耳にする機会も多いことでしょう。

二十四節気の日付は毎年少しずつ変動することがございますが、これは白露の場合、太陽が黄道上で特定の位置（黄経165度）に達する日をもって始まりとするためです。天文学的な計算に基づいて決められるため、年によって1日程度前後することがあるのですね。2025年は、その大切な日が9月7日にあたります。

1.2 白露の期間はいつまで続くの？

白露の期間は、次の二十四節気である「秋分（しゅうぶん）」が始まる前日までとされています。秋分は、昼と夜の長さがほぼ同じになる、秋の大きな節目の一つですね。

2025年の秋分は9月23日（火曜日）ですので、白露の期間はその前日である9月22日（月曜日）までとなります。

つまり、2025年の白露の期間は、9月7日（日曜日）から9月22日（月曜日）までの約15日間ということになります。この約2週間の間に、朝夕の涼しさが増し、自然界にも少しずつ秋の色が濃くなっていくのを感じられることでしょう。

2025年の白露の期間を分かりやすくまとめると、以下の表のようになります。

項目	日付	曜日
2025年 白露（はくろ）の始まり	9月7日	日曜日
2025年 白露の終わり（秋分の前日）	9月22日	月曜日
白露の期間：2025年9月7日（日曜日）～9月22日（月曜日）

より詳しい暦の情報や、他の二十四節気についてお知りになりたい場合は、国立天文台の令和7年（2025年）暦要項も参考になります。ご興味のある方は、一度ご覧になってみてはいかがでしょうか。季節の巡りを知ることは、日々の暮らしを豊かにする素敵なきっかけになるかもしれませんね。

2. 白露とは 意味と由来をわかりやすく解説

「白露（はくろ）」という言葉、耳にしたことはおありでしょうか。日本の美しい四季の移ろいを私たちにそっと教えてくれる、大切な言葉の一つなのですよ。この章では、白露がどのような意味を持ち、どのような由来があるのかを、ご一緒にゆっくりと見てまいりましょう。

2.1 白露が持つ意味とは

「白露」とは、その漢字が示す通り、「白い露（つゆ）」のことを指します。秋が深まるにつれて、夜の間に大気がすっと冷え込み、草花や木の葉に降りた露が、朝の光を浴びて白くきらきらと輝いて見える様子を表しているのです。なんとも詩的で美しい情景が目に浮かびますね。

この白く見える露は、夏の終わりを告げ、本格的な秋の訪れを感じさせてくれる自然からのサイン。日中はまだ残暑を感じる日もあるかもしれませんが、朝晩の空気はひんやりと澄み渡り、確実に秋の気配が深まっていく時期であることを、白露は私たちに教えてくれているのです。

2.2 白露の由来 二十四節気との関連

白露は、「二十四節気（にじゅうしせっき）」という、一年を24の季節に分けて、その移り変わりを示した伝統的な暦の一つです。この二十四節気は、太陽の天球上の通り道である黄道を24等分し、それぞれの点に季節を表す名前を付けたもので、古くから農作業の目安や日々の暮らしの指針として大切にされてきました。

白露は、この二十四節気の中で15番目の節気にあたります。夏の暑さがようやく峠を越える「処暑（しょしょ）」の次に訪れ、昼と夜の長さがほぼ同じになる「秋分（しゅうぶん）」へと続く、秋の深まりを感じる大切な節目です。

二十四節気における白露の位置づけは、以下のようになっています。

前の節気	現在の節気	次の節気
処暑（しょしょ）	白露（はくろ）	秋分（しゅうぶん）

この「白露」という名前は、秋の気がいよいよ深まり、野の草花に降りる露が白く見える頃という意味合いから名付けられたと言われています。中国の古い書物にも、「陰気ようやく重なりて、露にごりて白色となれば也」（秋の陰の気がだんだんと強まってきて、露が冷えて白く見えるようになる）といった記述が見られ、昔の人々が自然の変化を細やかに感じ取っていたことがうかがえますね。

二十四節気は、私たちの暮らしに季節のリズムを教えてくれる古人の知恵。より詳しくお知りになりたい方は、国立天文台の暦Wiki「二十四節気とは」も参考になさってみてくださいね。

3. 白露の時期の気候 いつ頃の季節感？

暦の上では秋の訪れを告げる「白露（はくろ）」。この言葉を聞くと、なんだか涼やかな風が吹いてくるような気がしませんか。暑かった夏がようやく終わりを告げ、過ごしやすい季節へと移り変わる、そんな時期の気候や季節感について、ここでは詳しくお伝えしますね。

3.1 白露を迎える頃の日本の気候

白露は、例年9月7日頃から始まります。ちょうど夏の疲れが出てくる頃ですが、朝晩にはひんやりとした空気が心地よく感じられるようになり、秋の気配が少しずつ深まっていくのを感じられるでしょう。とはいえ、日中はまだまだ「残暑」という言葉がぴったりの暑さが続くこともありますので、油断は禁物です。

この時期の日本の気候には、いくつかの特徴があります。

• 日中の暑さと朝晩の涼しさの共存：昼間は太陽が照りつけて汗ばむ陽気になることもありますが、日が暮れるとぐっと気温が下がり、羽織るものが一枚欲しくなることも。一日のうちの気温差が大きくなるため、体調を崩さないように気をつけてお過ごしくださいね。
• 秋雨前線の影響：9月は「秋霖（しゅうりん）」や「秋の長雨」とも呼ばれる、秋雨前線が日本列島に停滞しやすい時期にあたります。そのため、しとしとと雨が降り続く日があったり、時には局地的に強い雨が降ったりすることもあります。お出かけの際は、天気予報をよく確認されると安心です。
• 台風シーズンへの警戒：夏から秋にかけては、台風が発生しやすく、日本に接近・上陸する可能性も高まる季節です。白露の時期も例外ではありませんので、台風情報には常に注意を払い、早めの対策を心がけましょう。
• 湿度の変化と空気の乾燥：夏のむしむしとした湿度の高い空気から、次第に湿度が下がり、空気がカラッとしてくるのを感じられるようになります。過ごしやすくなる一方で、空気が乾燥してくると、お肌や喉の乾燥も気になり始めます。保湿ケアなども意識したいところですね。

もちろん、日本は南北に長いですから、地域によって気候の進み具合には差があります。例えば、北海道や東北地方では、白露の頃にはもう秋本番といった趣で、紅葉の便りが聞かれ始めることもあります。一方で、関東から西の地域では、まだまだ夏の名残を感じる暑さが続くことも珍しくありません。お住まいの地域の気候に合わせて、少しずつ秋の準備を始めてみてはいかがでしょうか。

3.2 白露の時期に見られる自然の変化

白露の頃になると、私たちの身の回りの自然も、ゆっくりと秋の装いへと変わっていきます。日々の暮らしの中で、ふとした瞬間に秋の訪れを感じられる、そんな素敵な変化がたくさん見つかりますよ。

3.2.1 草花や木々の様子

白露という名前の由来にもなった、草花や木の葉に朝露が宿る様子は、この時期ならではの美しい光景です。夜の間に放射冷却で冷えた空気が、朝方になると水滴となって現れるのですね。キラキラと光る朝露は、まるで自然が作り出した宝石のようです。

その他にも、こんな植物の変化が見られます。

• ススキの穂：秋の七草のひとつでもあるススキが、銀色や黄金色のふわふわとした穂を風に揺らし始めます。夕焼け空を背景にしたススキ野原は、なんとも言えない風情があり、心が和みますね。
• 稲穂のこうべ：田んぼでは、稲穂が黄金色に実り、重そうに頭を垂れる姿が見られるようになります。「実るほど頭を垂れる稲穂かな」という言葉を思い出しますね。収穫の秋が間近に迫っていることを感じさせます。
• 秋の草花たち：お彼岸の頃に咲くことからその名がついた彼岸花（ヒガンバナ）が、田んぼの畦道や土手を鮮やかな赤色に染め始めます。また、可憐なコスモスが秋風にそよぐ姿も、この時期ならではの風景です。

3.2.2 空や大気の移ろい

ふと空を見上げてみてください。夏の間、空を覆っていたもくもくとした入道雲は姿を消し、空が高く、そして青く澄み渡って見えるようになります。「天高く馬肥ゆる秋」という言葉があるように、空気が澄み切って、どこまでも空が続いているように感じられるでしょう。

また、うろこ雲やいわし雲、さば雲といった、秋特有の美しい筋状の雲が空に浮かぶようになります。これらの雲は、上空の空気が乾燥していて、安定した晴天が続くサインとも言われています。空のキャンバスに描かれる季節の絵画を楽しんでみてください。

3.2.3 虫たちの音色

夏の賑やかな蝉の声に代わって、夜になるとコオロギや鈴虫（スズムシ）、クツワムシといった秋の虫たちが、美しい音色を奏で始めます。「リーンリーン」「チンチロリン」といった涼やかな虫の音は、秋の夜長にしっとりとした趣を添えてくれますね。耳を澄ませて、季節の移り変わりを感じてみるのも素敵です。

このように、白露の時期は、厳しい暑さが和らぎ、自然界が豊かに彩られる美しい季節の始まりです。日々の小さな変化に目を向けて、五感で秋の訪れを感じながら、ゆったりとした時間を過ごしてみてはいかがでしょうか。

4. 白露にまつわる日本の風習や食べ物

朝夕に涼しい風が吹き始め、草花に白い露が宿る「白露（はくろ）」の季節。本格的な秋の訪れを感じるこの時期には、どのような風習があり、どんな美味しいものが旬を迎えるのでしょうか。ここでは、白露の時期ならではの楽しみ方をご紹介します。日々の暮らしに季節の彩りを取り入れて、心豊かな毎日を過ごしませんか。

4.1 白露の頃に行われる伝統的な風習

白露の時期に特化したお祭りや行事は多くありませんが、この頃は秋の訪れを祝う様々な風習や、自然の美しさを愛でる習慣が見られます。古来より人々が大切にしてきた、季節の節目を感じる行事をご紹介します。

4.1.1 お月見（中秋の名月）

白露の期間は、一年で最も月が美しいとされる「中秋の名月（十五夜）」と重なることが多いです。旧暦の8月15日にお月見をする風習は古くからあり、ススキや月見団子、里芋などをお供えして、美しい月を眺めながら秋の収穫に感謝します。澄んだ夜空に浮かぶ満月は、心を穏やかにしてくれますね。

4.1.2 重陽の節句（菊の節句）

9月9日は「重陽の節句（ちょうようのせっく）」です。菊の花が咲き誇る時期であることから「菊の節句」とも呼ばれ、菊酒を飲んだり、菊の花を飾ったりして不老長寿や無病息災を願う風習があります。白露の時期と重なることも多く、秋の深まりを感じさせてくれる雅やかな行事です。

4.1.3 秋の草花を愛でる

「白露」という名前の通り、この時期は草の葉に降りた露が白く光って見える美しい季節です。朝の光にきらめく露は、まるで宝石のよう。お散歩の途中などで、足元の小さな自然の変化に目を向けるのも、この時期ならではの楽しみ方です。萩（はぎ）や桔梗（ききょう）、女郎花（おみなえし）といった秋の七草も見頃を迎え、可憐な花々が秋の風情を添えてくれます。

4.2 白露の時期に味わいたい旬の食べ物

白露の頃は、「実りの秋」を代表する美味しい食材がたくさん旬を迎えます。夏の疲れを癒し、冬に備えるためにも、栄養満点の旬の味覚を楽しみましょう。ここでは、特におすすめの食材をいくつかご紹介します。

4.2.1 秋の味覚：果物

みずみずしい果物が豊富な季節です。食後のデザートやおやつにいかがでしょうか。

果物	特徴	楽しみ方
梨（なし）	シャリシャリとした食感と、さっぱりとした甘み、豊富な果汁が特徴です。幸水や豊水といった品種が旬を迎えます。	そのまま食べるのはもちろん、コンポートやジャムにするのもおすすめです。
ぶどう	巨峰やシャインマスカットなど、様々な品種が楽しめるのが魅力です。ポリフェノールも豊富です。	皮ごと食べられる品種も増え、手軽に味わえます。ゼリーやタルトにも。
いちじく	独特の甘みとプチプチとした食感が楽しめます。食物繊維も豊富です。	生で食べるほか、ジャムやドライフルーツ、サラダのアクセントにも。
柿（かき）	早生の品種が出始めます。ビタミンCが豊富で、風邪予防にも良いとされています。	熟し具合によって異なる食感や甘さを楽しめます。白和えなどのお料理にも。

4.2.2 秋の味覚：野菜

秋野菜は、ほっくりとした食感や滋味深い味わいのものが多く、体を温めてくれる効果も期待できます。

野菜	特徴	楽しみ方
さつまいも	優しい甘みと食物繊維が豊富な、秋の味覚の代表格です。	焼き芋、天ぷら、大学芋、スイートポテトなど、調理法も多彩です。
里芋（さといも）	ねっとりとした食感と独特の風味が特徴です。煮っころがしなど、日本の家庭料理には欠かせません。	煮物、汁物、田楽など。皮をむく際は手がかゆくなることがあるので注意しましょう。
きのこ類	松茸、しめじ、舞茸、エリンギなど、香り高く、旨味成分が豊富なきのこが旬を迎えます。低カロリーで食物繊維もたっぷりです。	炊き込みご飯、お吸い物、炒め物、鍋物など、様々な料理で活躍します。

4.2.3 秋の味覚：魚介類

脂がのって美味しくなる魚が多いのもこの時期の特徴です。

魚介類	特徴	楽しみ方
秋刀魚（さんま）	秋の味覚の代名詞ともいえる魚。脂がのって栄養価も高まります。DHAやEPAも豊富です。	塩焼きが定番ですが、蒲焼きや煮付け、刺身（新鮮なもの）も美味しいです。
鮭（さけ）	「秋鮭」として知られ、産卵のために川に戻ってくる時期で、身が締まり脂ののりも良いです。	塩焼き、ムニエル、ちゃんちゃん焼き、石狩鍋など、和洋問わず楽しめます。
鯖（さば）	「秋鯖は嫁に食わすな」ということわざがあるほど、秋の鯖は脂がのって美味しいとされています。	塩焼き、味噌煮、しめ鯖、竜田揚げなど。

4.2.4 秋の味覚：その他

ごはんが進む、秋ならではの味覚も楽しみましょう。

• 新米：収穫されたばかりの新米は、ツヤツヤとした炊き上がりと豊かな風味が格別です。シンプルに塩むすびにしたり、旬のおかずと一緒に味わったりと、食卓の主役になります。
• 栗（くり）：ほくほくとした食感と上品な甘さが魅力です。栗ご飯や甘露煮、モンブランなど、秋を感じる料理やお菓子に欠かせません。
• 銀杏（ぎんなん）：独特の香りとほろ苦さ、もっちりとした食感が特徴です。茶碗蒸しに入れたり、炒って塩を振って食べたりするのがおすすめです。食べ過ぎには注意しましょう。

これらの食材を使ったお料理で、食卓から秋の訪れを感じてみてはいかがでしょうか。旬のものは栄養価も高く、体にも優しいと言われています。白露の時期の豊かな恵みを、ぜひ味わってみてくださいね。

5. 白露の時期の過ごし方 おすすめの楽しみ方

朝夕に涼しい風が吹きはじめ、本格的な秋の訪れを感じる白露のころ。夏の疲れを癒やし、心豊かに過ごすためのヒントをお届けします。ご自身のペースで、心地よい秋の始まりを楽しんでみませんか。

5.1 秋の訪れを感じる白露の過ごし方

白露の時期は、日中の暑さが和らぎ、過ごしやすい日が増えてきます。そんな季節の変化を五感で感じながら、ゆったりとした時間を過ごすのはいかがでしょうか。心と体をいたわる、おすすめの過ごし方をご紹介します。

5.1.1 1. 爽やかな秋風を感じる散策

暑さが一段落する白露の時期は、散策にぴったりの季節です。近所の公園や並木道をゆっくりと歩けば、キンモクセイの香りや虫の音など、秋の気配をそこかしこに感じられるでしょう。草の葉に光る白露を探してみるのも、この時期ならではの楽しみ方です。無理のない範囲で、心地よい汗をかくのも気持ちが良いですね。

5.1.2 2. 秋の夜長に読書や趣味を楽しむ

「灯火親しむべし」と言われるように、秋の夜長は読書にも最適な時間です。読みたかった本をゆっくりと味わったり、大切な方へ手紙を書いたりするのも素敵ですね。また、手芸や絵画など、集中して取り組める趣味を始めるのにも良い機会かもしれません。静かな夜に、ご自分のための豊かな時間を過ごしましょう。

5.1.3 3. 季節の変わり目の体調管理

夏の疲れが出やすい白露の時期は、体調管理も大切です。温かい飲み物や食事を摂り、体を冷やさないように心がけましょう。ゆっくりとお風呂に浸かってリラックスするのもおすすめです。質の高い睡眠を意識して、健やかな毎日を送りましょう。

5.2 白露の時期に楽しみたいこと

白露の時期には、この季節ならではの楽しみがたくさんあります。自然の恵みを感じたり、文化に触れたり、自分らしい時間を満喫するためのアイデアをご紹介します。

楽しみたいこと	おすすめポイント
お月見の準備	白露の時期は、中秋の名月（十五夜）が近づく頃でもあります。お団子やススキを用意して、美しい月を愛でる準備をするのも楽しいひとときです。晴れた夜には、月光浴を楽しむのも心が落ち着きます。
秋の味覚を味わう	梨やぶどう、さつまいも、きのこ類など、秋の味覚が旬を迎えます。旬の食材を使ったお料理を楽しんだり、果物狩りにお出かけになったりするのも良いでしょう。食卓から秋を感じるのも、豊かな暮らしの工夫ですね。
芸術の秋に触れる	美術館や博物館へ足を運んだり、音楽会にお出かけになったりするのもおすすめです。涼しくなり、お出かけしやすくなるこの時期は、心豊かな文化活動に触れる絶好の機会です。最近では、オンラインで楽しめる展覧会やコンサートも増えています。
衣替えや模様替え	本格的な秋に向けて、少しずつ衣替えを始めるのも良いでしょう。お部屋のインテリアに秋らしい色合いを取り入れたり、クッションカバーやテーブルクロスなどのファブリックを替えたりするだけでも、気分が新たになり、季節の移ろいを楽しめます。

これらの過ごし方はあくまで一例です。大切なのは、ご自身が心地よいと感じる方法で、この美しい季節を楽しむこと。白露の時期を、健やかで心豊かなものにしてくださいね。

6. 白露に関連する言葉や俳句

白露の季節は、その清らかで美しい情景から、古来より多くの歌人や俳人に愛され、数々の言葉や作品に詠み込まれてきました。ここでは、白露にまつわる言葉や、心に響く俳句、和歌をご紹介します。季節の移ろいを感じながら、言葉の奥深さに触れてみませんか。

6.1 白露を用いた言葉やことわざ

「白露（しらつゆ）」という言葉自体が、秋の澄んだ空気の中で草葉に宿る白い露を表し、そのはかなくも美しい様子から、様々な表現に使われています。ここでは、白露に関連する言葉をいくつか見ていきましょう。

言葉	意味・解説
露の命（つゆのいのち）	露が消えやすいことから、はかない命、短い命のたとえとして使われます。「露の身（つゆのみ）」「露の世（つゆのよ）」なども同様の意味合いを持ちます。人の一生のはかなさを、朝日に消えゆく露に重ね合わせた表現です。
露と消える（つゆときえる）	はかなく消えてなくなることのたとえです。特に、人の死や物事の終焉を指して使われることがあります。白露の持つ、美しくも消えやすい性質がよく表れています。
玉露（たまつゆ）	玉のように美しい露のことを指します。草葉に宿る露そのものを美しく表現する言葉で、そのきらめきが目に浮かぶようですね。秋の風情を感じさせる美しい言葉の一つです。

これらの言葉は、白露の持つ繊細な美しさや、消えやすい性質を捉え、人生や自然の摂理に重ね合わせて使われてきたのですね。

6.2 白露を詠んだ俳句や和歌

白露の情景は、多くの歌人や俳人の心を捉え、数々の名句・名歌が生まれています。ここでは、その一部をご紹介し、詠まれた情景や作者の想いに触れてみましょう。

6.2.1 心に染みる白露の俳句

俳句は、短い言葉の中に季節の情景や感情を凝縮させた日本の伝統的な詩形です。白露を詠んだ俳句には、秋の深まりや生命のはかなさ、自然の美しさが巧みに表現されています。

作者	俳句	解説
松尾芭蕉（まつおばしょう）	白露もこぼさぬ萩のうねり哉（しらつゆも こぼさぬ はぎの うねりかな）	萩の枝がしなやかにうねりながらも、その上に置かれた白露を一つもこぼさない様子を詠んでいます。繊細な自然のバランスと、そこに宿る生命の輝きを感じさせる一句です。秋の野の静かな情景が目に浮かびますね。
与謝蕪村（よさぶそん）	白露や茨の刺にひとつづつ（しらつゆや いばらの とげに ひとつづつ）	茨（いばら）の鋭い棘（とげ）の先端一つ一つに、白い露が宿っている情景を細やかに捉えています。朝の光を受けてきらめく露の美しさと、その小さないのちの輝きが印象的です。
小林一茶（こばやしいっさ）	露の世は露の世ながらさりながら（つゆのよは つゆのよながら さりながら）	この世は露のようにはかないものだと知りつつも、それでもやはり執着を捨てきれない人間の心情を詠んだ句です。一茶自身の波乱に満ちた人生や、生きとし生けるものへの優しい眼差しが感じられます。

6.2.2 情景豊かな白露の和歌

和歌においても、白露は秋の風情を象徴する題材として好んで詠まれてきました。自然の美しさや人の心の機微が、三十一文字（みそひともじ）の中に豊かに表現されています。

作者	和歌（読み）	出典	解説
よみ人知らず	白露に風の吹きしく秋の野はつらぬきとめぬ玉ぞ散りける（しらつゆに かぜのふきしく あきののは つらぬきとめぬ たまぞちりける）	古今和歌集	秋の野で、白露が風に吹かれて散っていく様子を、糸で貫き通していない真珠の玉が散らばる様にたとえています。露のはかなさと美しさを詠んだ、情景豊かな一首です。いにしえの人々が感じた秋の風情が伝わってきます。
紀友則（きのとものり）	白露の 色はひとつを いかにして 秋の木の葉を ちぢに染むらむ（しらつゆの いろはひとつを いかにして あきのこのはを ちぢにそむらん） ※「いかにして」は「いかでかく」の異伝もあり、「ちぢに染むらむ」は「ちぢにそむるらん」の異伝もあります。	古今和歌集	白露の色は透明で一つなのに、どうして秋の木の葉を様々に美しい色に染め上げるのだろうか、という歌意です。紅葉の不思議さ、美しさを白露と関連付けて詠んでおり、自然の神秘に対する驚きと感動が伝わってきます。
藤原定家（ふじわらのていか/さだいえ）	秋の野に置く白露は玉なれや貫かぬまでも袖ぞぬれける（あきののに おくしらつゆは たまなれや つらぬかぬまでも そでぞぬれける）	拾遺愚草	秋の野におりた白露はまるで美しい玉のようだ、その玉を糸で貫こうとしなくても（集めようとしなくても）、露に触れて袖が濡れてしまうほどだ、という意。白露の美しさと、それによって濡れる袖という情景から、恋心や涙、あるいは深い感動を暗示させることもある、情感豊かな歌です。

これらの言葉や俳句、和歌に触れることで、白露の季節が持つ独特の風情や、昔の人々が自然に寄せた想いを感じ取ることができるのではないでしょうか。秋の夜長に、こうした古典文学に親しんでみるのも素敵な過ごし方ですね。日々の暮らしの中で、ふと目にする草葉の露にも、新たな発見があるかもしれません。

7. まとめ

2025年の「白露」は、9月7日頃に訪れます。この記事では、白露がいつからいつまでなのか、その意味や由来、さらにはこの時期の気候や楽しみたい風習、旬の味覚について詳しく解説してまいりました。朝露が草花を濡らし、秋の気配が深まる白露の時期。この記事が、皆様にとって日本の美しい四季の移ろいをより深く感じ、心豊かな日々を過ごすための一助となれば幸いです。白露の知識は、きっと日々の暮らしに彩りを添えてくれることでしょう。