壁紙(クロス)汚れ落とし完全ガイド│黒ずみ・油汚れ・落書き・ヤニの正しい掃除方法

いつの間にかついてしまった壁紙の汚れ、見て見ぬふりをしていませんか。この記事では、気になる黒ずみや油汚れ、クレヨンなどの落書きまで、汚れの種類や壁紙の素材に合わせた優しい落とし方を詳しくご紹介します。ご自宅に合ったお手入れ方法を知ることで、諦めていた壁もスッキリきれいになり、お部屋も心も晴れやかになるはず。大切な住まいを心地よく保つためのヒントをお届けします。

目次

1. 壁紙の汚れ落としを始める前に確認すること

お部屋の壁紙、ふと見るといつの間にか黒ずんでいたり、シミがついていたり…なんてこと、ありますよね。きれいにしたいけれど、どうやって掃除したらいいのか迷う方も多いのではないでしょうか。壁紙はデリケートな素材もあるため、間違った方法で掃除してしまうと、かえって汚れが広がったり、壁紙自体を傷めてしまうことも。そうならないために、まずは掃除を始める前にいくつか確認しておきたい大切なポイントがあります。これからご紹介する4つのステップをしっかり押さえて、大切なご自宅の壁紙を、やさしく、そしてきれいにしていきましょう。

1.1 壁紙(クロス)の種類を確認する

壁紙の汚れ落としで最も大切なのが、ご自宅の壁紙の種類を知ることです。壁紙には様々な素材があり、それぞれ水拭きができるか、どんな洗剤が使えるかなどが異なります。もし素材に合わない方法で掃除してしまうと、シミになったり、毛羽立ったり、最悪の場合は剥がれてしまう可能性も。まずは、壁紙の種類をしっかり確認しましょう。

日本の住宅で最も多く使われているのは「ビニールクロス」ですが、他にも紙や布でできたもの、珪藻土や漆喰などの塗り壁もあります。簡単な見分け方を下の表にまとめましたので、参考にしてみてくださいね。

壁紙の種類主な特徴簡単な見分け方
ビニールクロス水や汚れに強く、お手入れしやすい。デザインが豊富。表面がツルツルしている。水を少量つけても弾く。
紙クロス紙ならではの温かみのある風合い。音を吸収しやすい。表面がマットな質感。水を少量つけると染み込む。
布クロス(織物クロス)高級感があり、丈夫で破れにくい。通気性が良い。布の織り目が見える。水を少量つけると染み込む。
珪藻土・漆喰など(塗り壁)自然素材ならではの質感。調湿効果がある。表面がザラザラ、または土や砂のような質感。水を吸い込む。

もしご自身で見分けるのが難しい場合は、住宅を建てた際の資料を確認したり、管理会社や大家さんに問い合わせてみるのも良いでしょう。

1.2 壁紙についた汚れの種類を特定する

壁紙の種類がわかったら、次はどんな汚れがついているのかを特定しましょう。汚れの種類によって、効果的な落とし方や使うべき洗剤が異なります。「とりあえず洗剤で拭いてみよう」と始めてしまうと、汚れが落ちないばかりか、かえって汚れを広げてしまうこともあります。

壁紙につきやすい主な汚れとその特徴をまとめました。お部屋のどの場所の、どんな汚れなのかを確認してみてください。

汚れの種類主な原因つきやすい場所見た目の特徴
手垢・ホコリ人がよく触る、ホコリが溜まりやすいスイッチ周り、ドアノブ周り、家具の裏、部屋の隅黒っぽい、または茶色っぽい汚れ
油汚れ調理中の油はねキッチン周りベタベタした黄ばみ、茶色い汚れ
落書きクレヨン、ボールペン、水性ペンなど子ども部屋、リビングなど線状、面状のインクや色の跡
タバコのヤニタバコの煙喫煙する部屋全体壁全体が黄ばんでいる、茶色っぽくなっている
カビ湿気、結露窓際、北側の部屋、押し入れの中、家具の裏黒い点々、または広範囲の黒ずみ
飲食物のシミコーヒー、お茶、ジュース、調味料などダイニング、キッチン周りこぼしたものの色がついたシミ

汚れの種類が特定できれば、それに合った効果的な掃除方法を選ぶことができますね。

1.3 壁紙の汚れ落としに必要な道具を準備する

壁紙の種類と汚れの種類がわかったら、いよいよお掃除…の前に、必要な道具を揃えましょう。事前に道具を準備しておくことで、作業がスムーズに進み、中断することなく効率的に汚れを落とすことができます。

基本的な道具としては、以下のようなものがあると便利です。

  • 雑巾やマイクロファイバークロス:水拭き用と乾拭き用に、最低でも2枚は用意しましょう。壁紙を傷つけにくい、柔らかい素材のものがおすすめです。
  • スポンジ:洗剤をつけて汚れをこする際に使います。こちらも壁紙を傷つけないよう、柔らかいタイプを選びましょう。メラミンスポンジは汚れ落ちが良いですが、壁紙の種類によっては表面を削ってしまう可能性があるので注意が必要です。
  • バケツ:洗剤を薄めたり、雑巾をすすいだりするのに使います。
  • ゴム手袋:洗剤を使う際に、手荒れを防ぐために着用しましょう。
  • 洗剤:汚れの種類や壁紙の素材に合わせて選びます。まずは中性洗剤から試すのが基本です。
  • (必要に応じて)マスク、保護メガネ:洗剤の成分やホコリを吸い込んだり、目に入ったりするのを防ぎます。
  • (必要に応じて)養生テープや新聞紙:洗剤が床や家具にかからないように保護するために使います。

これらの道具は、ホームセンターや100円ショップなどで手軽に揃えることができます。掃除を始める前に、一度チェックしてみてくださいね。(参考:東京ガス「壁紙(クロス)の汚れを落とす方法|原因別の掃除方法や注意点をご紹介」

1.4 目立たない場所で試してから壁紙全体の汚れ落としを行う

さあ、いよいよ壁紙の汚れ落とし!と意気込む前に、必ず守っていただきたいのが「試し拭き」です。どんなに壁紙や汚れに適した洗剤や方法を選んだつもりでも、実際に試してみないと、予期せぬ変色や素材の傷みが起こる可能性はゼロではありません。

家具の裏やコンセントプレートで隠れる部分など、普段目につかない場所を選んで、まずは少しだけ試してみましょう。洗剤をつけた布やスポンジで軽く拭き、その後水拭き、乾拭きをします。すぐに変化がなくても、少し時間を置いて(できれば数時間から半日ほど)様子を見て、変色や毛羽立ち、剥がれなどが起きていないかを確認してください。

このひと手間をかけることで、「良かれと思って掃除したら、かえって壁紙が大変なことになってしまった…」という悲しい事態を防ぐことができます。大切なご自宅の壁紙を守るためにも、本格的な掃除の前の「試し拭き」は、必ず行うようにしましょう。

2. 【汚れの種類別】壁紙の汚れ落とし方法

壁紙についた汚れは、その原因によって落とし方が異なります。汚れの種類を見極めて、それぞれに合った方法で丁寧にお手入れしましょう。ここでは、代表的な汚れの種類別に、具体的なお掃除方法をご紹介しますね。

2.1 手垢やホコリによる黒ずみの壁紙汚れ落とし

照明のスイッチ周りや、よく手をつく場所は、手垢で黒ずんでしまいがちですね。また、家具の裏や部屋の隅にはホコリがたまり、それが黒ずみの原因になることも。軽い汚れのうちなら、比較的簡単に落とせますよ。

軽い手垢やホコリ汚れには、まず水拭きを試してみましょう。 固く絞ったきれいな雑巾やマイクロファイバークロスで、壁紙の目に沿って優しく拭いてみてください。強くこすると壁紙を傷めることがあるので、力を入れすぎないのがポイントです。

水拭きで落ちない場合は、薄めた中性洗剤を使います。食器用洗剤などの中性洗剤を水で薄め、雑巾に含ませて固く絞ってから拭いてみましょう。洗剤を使ったあとは、必ずきれいな水で絞った雑巾で洗剤成分を拭き取り、最後に乾いた布で水分を拭き取ってくださいね。

もう少ししっかり落としたい場合は、セスキ炭酸ソーダや重曹が役立ちます。水100mlに対し、セスキ炭酸ソーダまたは重曹を小さじ1杯程度溶かしてスプレーボトルに入れ、汚れに直接吹きかけるか、布に含ませて拭きます。こちらも、最後は水拭きと乾拭きで仕上げるのを忘れないようにしましょう。

2.2 キッチンの油汚れの壁紙汚れ落とし

キッチン周りの壁紙は、調理中の油がはねてベタベタしたり、黄ばんだりしやすい場所です。油汚れは酸性なので、アルカリ性の性質を持つ洗剤を使うと効果的に落とせます。

軽い油汚れには、セスキ炭酸ソーダや重曹がおすすめです。 水100mlに小さじ1杯程度のセスキ炭酸ソーダまたは重曹を溶かしたものをスプレーし、少し時間をおいてから(5分程度)、固く絞った雑巾で拭き取ります。汚れが浮き上がって落としやすくなりますよ。しつこい油汚れには、セスキ炭酸ソーダ(または重曹)をペースト状にして汚れに塗り、しばらく置いてから拭き取る「パック」方法も試してみてください。

油汚れは時間が経つと落ちにくくなるので、気づいたら早めにお掃除するのがきれいに保つコツです。お料理の後にさっと拭くだけでも違いますよ。

こちらも、洗剤を使った後は水拭きと乾拭きでしっかり仕上げてくださいね。

2.3 子どもの落書き(クレヨン・ボールペン・水性ペン)の壁紙汚れ落とし

小さなお子さんがいるご家庭では、壁紙への落書きにお悩みの方もいらっしゃるかもしれませんね。落書きに使われた筆記用具の種類によって、落とし方が変わってきます。

2.3.1 クレヨンの落書きの壁紙汚れ落とし

クレヨンは油分を含んでいるため、水拭きだけではなかなか落ちません。油汚れに強い性質を利用して落としていきましょう。

まず試したいのが、歯磨き粉やクリームクレンザーを使う方法です。乾いた布や歯ブラシに少量つけて、円を描くように優しくこすってみてください。クレンザーには研磨剤が含まれているので、壁紙の素材によっては傷がつく可能性もあります。必ず目立たない場所で試してから、力を入れずにそっとこするのが大切です。

また、消しゴムでこすってみるのも一つの方法です。軽いクレヨン汚れなら、これで落ちることもあります。

それでも落ちない場合は、壁紙用のクレヨン落とし専用クリーナーを試してみるのも良いでしょう。

2.3.2 ボールペンの壁紙汚れ落とし

ボールペンのインクは油性のものが多く、壁紙に染み込んでしまうと落としにくい汚れの一つです。インクの種類によって落とし方が異なりますが、油性インクの場合はアルコール成分が有効な場合があります。

消毒用エタノールや、マニキュアを落とす除光液(アセトンを含まないタイプを選ぶと壁紙へのダメージを抑えられます)を綿棒や布に少量含ませ、インクの部分をトントンと軽く叩くようにして汚れを移し取ります。強くこするとインクが広がったり、壁紙が変色したりする恐れがあるので、慎重に行いましょう。 この方法も、必ず目立たない場所で試してからにしてくださいね。

水性ボールペンの場合は、水拭きや薄めた中性洗剤で落ちることもあります。

どうしても落ちない場合は、ボールペン汚れ専用のクリーナーやシミ抜き剤を検討しましょう。

2.3.3 水性ペンの壁紙汚れ落とし

水性ペンでの落書きは、油性のものに比べると比較的落としやすい汚れです。壁紙にインクが染み込んでしまう前に、できるだけ早く対処するのがポイントです。

まずは、固く絞った雑巾で水拭きを試してみてください。これで落ちない場合は、薄めた中性洗剤をつけた布で優しく拭いてみましょう。洗剤を使った後は、水拭きと乾拭きで仕上げるのを忘れずに。

ただし、水性ペンでも時間が経つと落ちにくくなることがあります。また、壁紙の種類によっては水拭き自体が適さない場合もあるので、事前に確認してくださいね。

2.4 タバコのヤニ汚れの壁紙汚れ落とし

お部屋でタバコを吸う方がいると、壁紙がヤニで黄ばんでしまうことがありますね。ヤニ汚れはアルカリ性の洗剤で落とすのが効果的です。

セスキ炭酸ソーダや重曹を使ったお掃除がおすすめです。 水100mlあたり小さじ1杯程度のセスキ炭酸ソーダまたは重曹を溶かしたスプレー液を作り、ヤニ汚れが気になる部分に吹きかけます。少し時間をおいて汚れを浮かせたら、固く絞った雑巾で拭き取ります。汚れがひどい場合は、この作業を何度か繰り返してみてください。

市販されている壁紙用のヤニ取り専用クリーナーも強力な洗浄力があります。製品の説明書をよく読んで、換気をしながら使用しましょう。

ヤニ汚れは部屋全体に広がっていることが多いので、お掃除も大掛かりになりがちです。汚れがひどい場合や広範囲に及ぶ場合は、プロのハウスクリーニングに依頼することも検討してみると良いかもしれません。

2.5 カビによる黒ずみの壁紙汚れ落とし

湿気が多い場所や結露しやすい窓際は、壁紙に黒い点々としたカビが発生してしまうことがあります。カビは見た目が悪いだけでなく、健康にも影響を与える可能性があるので、見つけたら早めに対処したいですね。

軽いカビであれば、消毒用エタノールを使って除菌・除去を試みましょう。 スプレーボトルに入れた消毒用エタノールをカビの部分に吹きかけるか、布に含ませて優しく拭き取ります。エタノールは揮発性が高いので、水拭きの必要はありませんが、必ず換気をしながら作業してください。

頑固なカビには、壁紙用のカビ取り剤を使う方法もあります。ただし、カビ取り剤は漂白成分が含まれていることが多く、壁紙の色柄によっては色落ちしてしまう可能性があります。また、塩素系のカビ取り剤は刺激が強く、酸性のものと混ざると有毒ガスが発生する危険があるため、取り扱いには十分注意が必要です。使用する際は、製品の注意書きをよく読み、目立たない場所で試してから、換気を徹底してゴム手袋やマスクを着用して作業しましょう。

カビは根が深い場合があり、表面だけきれいにしても再発することがあります。根本的な解決のためには、湿気対策も重要です。

2.6 飲み物や食べ物のシミの壁紙汚れ落とし

うっかりコーヒーやお醤油をこぼしてしまったり、食べ物が飛んでしまったりして、壁紙にシミができてしまうこともありますね。シミ汚れは、ついてすぐに対処するのが一番です。

まずは、乾いた布やティッシュペーパーで、こすらずに押さえるようにして水分や汚れを吸い取ります。その後、固く絞ったきれいな雑巾で、シミの外側から中心に向かってトントンと軽く叩くようにして汚れを移し取ります。

水だけで落ちない場合は、薄めた中性洗剤をつけた布で同様に叩いてみましょう。洗剤を使った後は、水拭きと乾拭きで仕上げます。

時間が経ってしまったシミや、色の濃い飲み物(コーヒー、紅茶、ワインなど)のシミには、酸素系漂白剤を試す方法もあります。 粉末の酸素系漂白剤をお湯(40~50℃くらい)で溶かし、布に少量つけてシミの部分を軽く叩きます。ただし、漂白剤は壁紙の色柄を落としてしまう可能性があるので、必ず目立たない場所で試してから、慎重に行ってください。 また、塩素系漂白剤は壁紙を傷める可能性が高いので避けた方が無難です。

シミの種類や壁紙の素材によっては、完全に落とすのが難しい場合もあります。無理にこすって壁紙を傷めないように注意しましょう。

3. 壁紙の素材別 汚れ落としの注意点

お部屋の壁紙、素材によってお手入れの方法が少しずつ違うのをご存知でしたか?せっかくきれいにしようと思ったのに、素材に合わない方法で傷めてしまっては大変です。ここでは、代表的な壁紙の素材ごとに、汚れ落としをする際の注意点をまとめました。ご自宅の壁紙の種類を確認してから、お手入れを始めてくださいね。

3.1 ビニールクロスの壁紙汚れ落とし注意点

日本の住宅で最も多く使われているのがビニールクロスです。表面が塩化ビニール樹脂でできているため、比較的丈夫で、水拭きや洗剤を使ったお掃除がしやすいのが嬉しい特徴です。だからといって、ゴシゴシ力を入れてこするのは禁物ですよ。表面が傷ついたり、テカリが出てしまったりすることがあります。

特に、凹凸のあるエンボス加工の壁紙は、溝の部分に汚れが残りやすいので、歯ブラシなどを活用して優しくかき出すようにしましょう。洗剤を使う場合は、まず中性洗剤を薄めたものから試してみてくださいね。アルカリ性の強い洗剤や、シンナーなどの溶剤は、変色や変質を引き起こす可能性があるので避けましょう。塩素系漂白剤も、黄ばみの原因になることがあるため、使用は慎重に。お掃除の基本は、目立たない場所で試してから全体に使うことです。これは、どんな素材の壁紙でも共通の、大切なポイントですよ。

お手入れ方法可否注意点
水拭き固く絞った雑巾で。強くこすらない。
中性洗剤薄めて使用し、洗剤残りがないよう水拭き・乾拭きする。
アルカリ性洗剤(セスキ炭酸ソーダ・重曹など)変色・変質の可能性あり。目立たない場所で要確認。
メラミンスポンジ表面を削るため、ツヤがなくなったり傷がついたりする可能性あり。ごく軽い力で試す。
塩素系漂白剤変色(黄ばみ)のリスクが高い。
消しゴム軽い汚れには有効。強くこすると壁紙が傷むことも。

3.2 紙クロス・布クロスの壁紙汚れ落とし注意点

紙クロスや布クロス(織物壁紙)は、ビニールクロスにはない独特の風合いや高級感が魅力ですね。ただ、水に弱いというデリケートな性質を持っています。そのため、基本的に水拭きは避けるのが賢明です。水分がシミになったり、壁紙が波打ったりする原因になってしまいます。

普段のお手入れは、はたきや掃除機でホコリを優しく取り除く程度にしましょう。汚れがついてしまった場合は、消しゴムで軽くこすってみるのが最初のステップです。それでも落ちない汚れには、固く絞ったきれいな布で、叩くようにして汚れを移し取る「叩き拭き」を試してみてください。このときも、水分を使いすぎないように十分注意が必要です。洗剤を使うのは、シミになるリスクが高いため、あまりおすすめできません。もし試す場合は、目立たない場所で十分に確認してから、自己責任で行うようにしましょう。

お手入れ方法可否注意点
水拭きシミ、波打ち、毛羽立ちの原因になる。
叩き拭き(固く絞った布)ごく軽い汚れに限定。水分量に注意し、強くこすらない。
洗剤全般シミになるリスクが非常に高い。
メラミンスポンジ表面を傷つけ、毛羽立ちの原因になる。
消しゴム軽い汚れに有効。強くこすりすぎない。色付き消しゴムは避ける。
はたき・掃除機(ブラシ)ホコリ取りの基本。優しく行う。

3.3 珪藻土・漆喰など塗り壁の汚れ落とし注意点

珪藻土(けいそうど)や漆喰(しっくい)といった塗り壁は、自然素材ならではの調湿効果や消臭効果が魅力で、近年人気が高まっていますね。これらの素材も、紙や布クロスと同様に水分を吸収しやすい性質を持っています。そのため、水拭きはシミや変色の原因になるので避けましょう。

軽い手垢などの汚れは、きれいな消しゴムで優しくこすると落ちることがあります。それでも落ちない場合や、少し範囲が広い汚れには、目の細かいサンドペーパー(紙やすり)で表面を薄く削り取るという方法があります。ただし、削りすぎるとその部分だけ色が変わって見えたり、凹んでしまったりするので、様子を見ながら慎重に行ってくださいね。強くこびりついた汚れや、広範囲の汚れは、無理に自分で落とそうとせず、施工業者や専門のクリーニング業者に相談するのが安心です。洗剤や漂白剤の使用は、素材を傷めたり変色させたりする可能性が高いので、基本的に避けましょう。

カビが生えてしまった場合は、消毒用エタノールを布に含ませて叩くように拭き取る方法もありますが、こちらも目立たない場所で試してからにしましょう。湿気がこもりやすい場所なので、日頃から換気を心がけることが、汚れやカビの予防につながりますよ。

お手入れ方法可否注意点
水拭きシミ、変色の原因になる。
洗剤全般シミ、変質、変色の原因になる。
メラミンスポンジ表面を削りすぎてしまう可能性あり。
消しゴム軽い汚れに有効。優しくこする。
サンドペーパー(#400程度)表面を薄く削る。削りすぎに注意。
はたき・掃除機(ブラシ)ホコリ取りの基本。優しく行う。
消毒用エタノール(カビの場合)目立たない場所で試し、叩くように拭く。換気を行う。

ご自宅の壁紙に合ったお手入れ方法で、気持ちの良い空間を保ってくださいね。

4. 壁紙の汚れ落としにおすすめの洗剤・グッズ

壁紙の汚れを落とすには、汚れの種類や壁紙の素材に合った洗剤やグッズを選ぶことが大切です。ここでは、ご家庭で手軽に使えるものから専用のクリーナーまで、おすすめのアイテムとその使い方をご紹介しますね。

4.1 中性洗剤を使った壁紙汚れ落とし

ご家庭にある食器用洗剤などの中性洗剤は、壁紙の汚れ落としにも活躍します。特に、ビニールクロスについた手垢や軽い油汚れ、ホコリっぽい黒ずみなどに効果的です。

使い方は簡単。まず、水で薄めた中性洗剤を布やスポンジに含ませ、固く絞ります。そして、汚れた部分をやさしく拭き取ります。洗剤を使ったあとは、必ずきれいな水で絞った布で水拭きし、最後に乾いた布で水分をしっかり拭き取るようにしましょう。洗剤成分が残っていると、変色や新たな汚れの原因になることがありますので注意が必要です。

ただし、水拭きができない紙クロスや布クロスには使えません。事前に壁紙の取扱説明書を確認するか、目立たない場所で試してからお使いくださいね。

参考:花王株式会社 | かんたんマイペット (用途に壁、家具などが含まれます)

4.2 セスキ炭酸ソーダ・重曹を使った壁紙汚れ落とし

油汚れや手垢など、酸性の汚れに強いのがアルカリ性のセスキ炭酸ソーダや重曹です。キッチンの油はねや、スイッチ周りの黒ずんだ手垢、軽いタバコのヤニ汚れなどに試してみる価値がありますよ。

使い方は、水100mlに対してセスキ炭酸ソーダまたは重曹を小さじ1杯程度溶かし、スプレーボトルに入れます。汚れに直接吹きかけるか、布にスプレーして汚れを拭き取ります。その後は、水拭きと乾拭きで仕上げることを忘れずに。

セスキ炭酸ソーダは重曹よりもアルカリ性が強いため、より頑固な油汚れに効果が期待できますが、その分、壁紙への影響も大きくなる可能性があります。どちらを使う場合も、まずは目立たない場所で変色などが起きないか必ず確認してください。特に、色の濃い壁紙やデリケートな素材の壁紙には注意が必要です。

参考:レック株式会社 | ナチュラルクリーニング

参考:シャボン玉石けん株式会社 | 重曹の使い方

4.3 メラミンスポンジを使った壁紙汚れ落とし

水だけで汚れを落とせるメラミンスポンジは、手軽さが魅力です。軽い黒ずみや、表面についたクレヨンの落書きなどに使うことができます。

水を含ませて軽く絞り、汚れた部分をやさしくこすります。洗剤を使わないので、後片付けも簡単です。

ただし、メラミンスポンジは研磨作用によって汚れを削り落とす仕組みです。そのため、強くこすりすぎると壁紙の表面を傷つけたり、ツヤがなくなったり、柄が消えてしまったりすることがあります。特に、凹凸のある壁紙やデリケートな素材には向きません。必ず目立たない場所で試してから、ごく軽い力で使うようにしてくださいね。ビニールクロス以外の壁紙には使用を避けましょう。

参考:レック株式会社 | 激落ちくん (使用上の注意をご確認ください)

4.4 壁紙用洗剤・クリーナーを使った壁紙汚れ落とし

市販されている壁紙専用の洗剤やクリーナーは、壁紙の汚れ落としに特化して開発されているため、効果が期待できます。手垢、油汚れ、ヤニ、落書きなど、特定の汚れに強いタイプや、幅広い汚れに対応できる万能タイプなど、様々な種類があります。

スプレータイプやシートタイプなど形状も色々です。製品に記載されている使用方法や注意点をよく読んでから使いましょう。特に、使用できる壁紙の種類(ビニールクロス専用など)が限定されている場合があるので、ご自宅の壁紙に合ったものを選んでくださいね。

例えば、以下のような製品があります。

  • リンレイ「壁紙クリーナー&コート」:汚れ落としと汚れ防止効果が期待できるタイプ。
  • アサヒペン「かべ紙などの洗剤」:泡タイプで液だれしにくく、ビニールかべ紙の汚れ落としに。

参考:株式会社リンレイ | 壁紙クリーナー&コート

参考:株式会社アサヒペン | かべ紙などの洗剤 ハンドスプレー

4.5 消しゴムを使った壁紙汚れ落とし

意外かもしれませんが、文房具の消しゴムも壁紙の汚れ落としに使えることがあります。鉛筆の落書きや、ごく軽い黒ずみ汚れなら、消しゴムでこすることで落とせる場合があります。

強くこすると壁紙を傷めたり、かえって汚れを広げてしまう可能性があるので、やさしく、軽い力で試してみてください。砂消しゴムのように研磨力の強いものは壁紙を傷つけるので避け、普通のプラスチック消しゴムを使いましょう。こちらもビニールクロス向きの方法です。

これらの洗剤やグッズを、汚れの種類や壁紙の素材に合わせて上手に使い分けてみてくださいね。どの方法を試す場合でも、まずは目立たない場所で試すことをお忘れなく。

5. どうしても落ちない壁紙の汚れはどうする?

ご自身でいろいろ試してみても、どうしても壁紙の汚れが落ちない…。そんな時もありますよね。長年蓄積された頑固な汚れや、壁紙の素材と汚れの相性が悪く、きれいに落とせないことも。そんな時は、無理にこすって壁紙を傷めてしまう前に、次の2つの方法を検討してみてはいかがでしょうか。

5.1 プロのハウスクリーニング業者に壁紙の汚れ落としを依頼する

まず考えられるのが、お掃除のプロ、ハウスクリーニング業者さんにお願いする方法です。プロは、壁紙の種類や汚れの原因を見極め、専用の洗剤や機材を使って効果的にクリーニングしてくれます。自分では難しい高所の掃除や、カビのような専門的な知識が必要な汚れにも対応してもらえるのが心強いですね。

特に、次のような場合はプロへの依頼を検討する良いタイミングかもしれません。

  • 広範囲にわたる汚れや、天井など手の届きにくい場所の汚れ
  • カビによる黒ずみなど、健康への影響も気になる汚れ
  • 油汚れやヤニ汚れがひどく、市販の洗剤では太刀打ちできない場合
  • 賃貸物件の退去時など、原状回復が必要な場合

費用は、汚れの状態や範囲、壁紙の材質、依頼する業者さんによって異なりますが、目安としては、壁紙クリーニング単体で依頼する場合、1平方メートルあたり数百円から、または部屋単位で数万円程度からが一般的なようです。正確な料金は、複数の業者さんから見積もりを取って比較検討することをおすすめします。

信頼できる業者さんを選ぶためには、実績や口コミ、料金体系の明確さ、万が一のための損害賠償保険への加入状況などを確認すると安心です。最近では、オンラインで簡単に複数の業者を比較検討できるサービスもありますので、活用してみるのも良いでしょう。

参考情報として、ハウスクリーニング業者比較サイトの情報もご覧になってみてください。
壁紙(クロス)クリーニングの料金相場はいくら?|くらしのマーケット

5.2 壁紙の張り替えを検討する

クリーニングでも汚れが落ちない場合や、汚れだけでなく壁紙自体の色あせや傷みが気になる場合は、思い切って壁紙を張り替えるという選択肢もあります。壁紙を新しくすれば、お部屋の雰囲気も一新され、まるで新築のような清々しい気持ちになれますよ。

張り替えを検討するタイミングとしては、以下のようなケースが考えられます。

  • クリーニングでは落としきれないシミや黄ばみが広範囲にある
  • 壁紙が破れていたり、剥がれてきたりしている
  • 壁紙の耐用年数(一般的に10年程度と言われています)が近づいている、または過ぎている
  • お部屋のイメージチェンジをしたい

壁紙の張り替え費用は、選ぶ壁紙の種類(グレード)や部屋の広さ、下地の状態によって大きく変わります。一般的なビニールクロスの場合、材料費と工事費込みで1平方メートルあたり1,000円~2,000円程度が相場とされています。例えば、6畳間の壁と天井を張り替える場合、5万円~10万円程度が目安となることが多いようです。こちらも、複数のリフォーム会社や内装業者さんに見積もりを依頼し、比較検討することが大切です。

最近では、DIYで壁紙を張り替える方もいらっしゃいますが、広い面積をきれいに仕上げるのは意外と難しく、時間も手間もかかります。特に、古い壁紙を剥がす作業や下地処理は、仕上がりに大きく影響するため、自信がない場合や、より美しい仕上がりを求める場合は、プロに依頼するのがおすすめです。

壁紙張り替えの費用相場について、リフォーム情報サイトで詳しく解説されていますので、参考にしてみてください。
【事例別】壁紙・クロス張り替え費用はいくら?10畳・8畳・6畳の相場や、トイレ・リビング・天井など場所別の値段を紹介|リショップナビ

どちらの方法を選ぶかは、汚れの状態、ご予算、そしてお部屋をどのようにしたいかによって変わってきます。それぞれのメリット・デメリットを比較してみましょう。

項目プロのハウスクリーニング壁紙の張り替え
主な目的既存の壁紙の汚れを落とす壁紙を新しくする
メリット張り替えより安価な場合が多い部分的な対応も可能比較的短時間で済む手間がかからない新品同様のきれいさになる部屋の印象を大きく変えられる汚れや傷みも根本的に解決調湿・消臭など機能性壁紙を選べる
デメリット完全に落ちない汚れもある壁紙自体の劣化(色あせ・傷)は改善しない素材によっては対応できない場合があるクリーニングより費用が高い家具の移動など準備が必要工事期間が必要(通常1~2日程度)
おすすめなのは…汚れが比較的軽度・部分的で、費用を抑えたい方汚れがひどい、壁紙が劣化している、部屋の雰囲気を変えたい方

ご自身の状況に合わせて、最適な方法を選んで、気持ちの良いお部屋を取り戻してくださいね。

6. 壁紙の汚れを予防する方法

毎日過ごすお部屋の壁紙は、知らず知らずのうちに汚れてしまうものです。でも、ちょっとした工夫で汚れをぐっと防ぐことができるんですよ。きれいな壁紙を長持ちさせるための、今日からできる簡単な予防法をご紹介します。

6.1 こまめに換気して壁紙の汚れを防ぐ

お部屋の空気を入れ替える「換気」は、壁紙をきれいに保つための基本中の基本です。窓を開けて新鮮な空気を取り込むことで、湿気やホコリ、生活の中で発生するさまざまなニオイなどを外に排出できます。特に湿気はカビの大きな原因になりますし、ホコリが溜まれば黒ずみにつながります。キッチンからの油煙やタバコのヤニなども、換気によって壁紙への付着を減らすことができるんですよ。

換気の方法は、対角線上にある二か所の窓を5分から10分程度開けるのが効果的とされています。空気の通り道ができるので、効率よくお部屋全体の空気を入れ替えられます。窓が一つしかない場合は、換気扇を回しながら窓を開けると良いでしょう。料理中や入浴後など、特に湿気やニオイが発生しやすいタイミングでは、意識して換気扇をしっかり回す習慣をつけたいですね。

最近の住宅は気密性が高いため、意識しないと空気がこもりがちです。少なくとも1日に1〜2回、定期的な換気を心がけることで、カビや嫌なニオイの発生を防ぎ、壁紙だけでなくお部屋全体の快適さも保てます。詳しくは、住宅設備メーカー LIXILの上手な換気の方法なども参考にしてみてください。

6.2 壁紙の汚れ防止シートやコーティング剤を活用する

汚れやすい場所にあらかじめ対策をしておくのも、賢い方法です。市販の「壁紙汚れ防止シート」や「壁紙用コーティング剤」を活用してみましょう。

汚れ防止シートは、透明なタイプが多く、貼っても目立ちにくいのが嬉しいポイントです。キッチンのコンロ周りや、スイッチプレートの周り、ゴミ箱の近く、ペットが体をこすりつけやすい腰壁のあたりなど、特に汚れが気になる場所にピンポイントで貼るのがおすすめです。汚れたらシートを貼り替えるだけなので、お手入れも簡単になります。デザイン性の高い柄付きのシートを選べば、お部屋のアクセントにもなりますよ。株式会社ニトムズの壁の汚れ防止シートのような製品が市販されています。

壁紙用コーティング剤は、スプレータイプなどが手軽です。壁紙の表面に目に見えない保護膜を作り、汚れをつきにくく、また落としやすくする効果が期待できます。広範囲に施工したい場合や、シートを貼るのが難しい凹凸のある壁紙にも使いやすいでしょう。ただし、製品によって効果の持続期間や使用できる壁紙の素材が異なりますので、説明書をよく読んでから使用してくださいね。

これらのアイテムを上手に利用して、日々の掃除の手間を少しでも減らしましょう。

6.3 壁紙が汚れたらすぐに拭き取る習慣をつける

どんなに気をつけていても、うっかり壁紙を汚してしまうことはありますよね。そんな時、一番大切なのは「すぐに拭き取る」ことです。汚れは時間が経てば経つほど、壁紙の内部に染み込んだり、固まって落ちにくくなったりしてしまいます。

例えば、飲み物をこぼしてしまったり、食べ物が飛んでしまったりしたら、まずは乾いたきれいな布やティッシュで、こすらずに、たたくようにして水分や汚れを吸い取りましょう。その後、水で濡らして固く絞った布で、汚れの周囲から中心に向かって、優しくトントンと叩くように拭き取ります。強くこすると汚れが広がったり、壁紙を傷めたりする原因になるので注意が必要です。

水拭きだけで落ちない場合は、薄めた中性洗剤を使ってみるのも良いですが、必ず目立たない場所で試してからにしましょう。壁紙メーカーのサンゲツも、壁紙(クロス)のお手入れ方法として、早めの対処と正しい拭き方を推奨しています。

「汚れたらすぐ拭く」という簡単な習慣が、きれいな壁紙を長く保つ秘訣です。汚れが小さいうちに対処すれば、大掛かりな掃除や張り替えの手間を省くことにもつながりますよ。

7. まとめ

お部屋の印象を左右する壁紙の汚れ。諦めてしまう前に、まずは壁紙の素材と汚れの種類を確認してみましょう。手垢や油汚れ、クレヨンなどの落書きも、原因に合った洗剤や道具を選び、正しい手順でお手入れすれば、ご自身で落とせる場合が多くあります。大切なのは、いきなり全体を擦るのではなく、目立たない場所で試してから優しく作業すること。どうしても難しい場合はプロの力も借りられますが、日頃からこまめな換気や汚れ防止策を心がけることで、きれいな壁を長く保つことができます。この記事を参考に、気持ちの良いお部屋で、あなたらしい毎日をお過ごしくださいね。

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ハレノヒ編集部は、「わたしらしく、身軽に暮らす」をテーマに、日々の暮らしを前向きに楽しむためのヒントをお届けしています。
美容や健康、趣味、暮らしの工夫など、50代以降の女性を中心に、誰もが自分らしく輝けるような情報をやさしい目線で発信しています。
ちょっと気になる話題や、ふと心に残る言葉も添えて、皆さまの毎日が少し晴れやかになりますように。

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