かぼす、ゆず、すだちの違いは?見分け方や味の違い、使い分け

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食卓に爽やかな香りを届けてくれる、かぼす、ゆず、すだち。どれも似ているようで、実はそれぞれに個性豊かな魅力があるのをご存知かしら。この記事では、見た目の見分け方から、味わいや香りの繊細な違い、栄養、そしてお料理がもっと楽しくなる使い分けのヒントまで、丁寧にご案内します。それぞれの個性を知って、日々の食卓をより豊かに彩ってみませんか。

目次

1. はじめに かぼす ゆず すだちの魅力と違い

秋の味覚が楽しみな季節になると、食卓に彩りを添えてくれるのが、かぼす、ゆず、すだちといった日本の香酸柑橘(こうさんかんきつ)たちですね。爽やかな香りとキュッとした酸味が、お料理の風味をぐっと引き立ててくれます。でも、「どれも似ているようで、いざ使おうとすると、どれを選んだらいいのかしら?」と迷ってしまうことはありませんか?

スーパーの店頭で見かけても、その違いや使い分けがよくわからず、いつも同じものを選んでしまったり、あるいは購入をためらってしまったり…。そんな経験をお持ちの方もいらっしゃるかもしれませんね。

この記事では、そんなかぼす、ゆず、すだちのそれぞれの魅力と、知っているようで意外と知らない「違い」について、わかりやすくご紹介していきます。見た目の見分け方から、味わいや香りの特徴、栄養価、そして毎日の食卓で役立つおすすめの使い分けまで、詳しく解説いたします。それぞれの個性を知って上手に使い分けることで、お料理の幅がぐっと広がり、毎日の食卓がより豊かになりますよ。さあ、あなたにぴったりの柑橘を見つけて、日々の暮らしに取り入れてみませんか?

2. かぼす ゆず すだちとは どんな柑橘類?

かぼす、ゆず、すだちは、どれも日本の食卓に彩りと風味を添えてくれる香酸柑橘(こうさんかんきつ)です。見た目が似ているため、時折どれがどれだか分からなくなってしまうこともありますよね。でも、ご安心ください。それぞれに個性豊かな特徴があり、知れば知るほどその魅力に気づかされるはずです。この章では、まずこれら3つの柑橘類がどのようなものなのか、基本的な情報からご紹介いたしましょう。

2.1 かぼすの基本情報 主な産地と旬

かぼすは、ミカン科ミカン属の常緑低木で、香酸柑橘類の一種です。大分県が全国生産量の9割以上を占める、まさに大分を代表する特産品として知られています。その歴史は古く、江戸時代に大分の臼杵市で栽植されたのが始まりとも言われています。独特の爽やかな香りと、やさしくまろやかな酸味が特徴で、焼き魚や鍋物、お酒の風味付けなど、幅広い料理に活用され、素材の味を引き立ててくれます。

項目内容
主な産地大分県(全国生産量の約98% 農林水産省 特産果樹生産動態等調査 令和3年産
旬の時期8月下旬~10月頃(露地栽培もの)
通年(ハウス栽培ものもあるため、比較的入手しやすいです)
分類ミカン科ミカン属
学名Citrus sphaerocarpa

かぼすの名前の由来にはいくつかの説がありますが、一説には、蚊をいぶすのに使われた「蚊いぶし」が転じたとも、また、皮を乾燥させて刻みタバコの代用にしたことから「刻み皮(かわ)」が「かぼす」になったとも言われています。なんとも面白い由来ですね。

2.2 ゆずの基本情報 主な産地と旬

ゆずは、ミカン科ミカン属の常緑小高木で、古くから日本で親しまれている代表的な香酸柑橘です。その華やかで気品のある強い香りが最大の特徴で、料理の風味付けはもちろん、ゆず湯やアロマテラピー、化粧品など、その用途は多岐にわたります。酸味もしっかりとあり、果汁だけでなく皮も香り高く重宝されます。

項目内容
主な産地高知県(全国生産量の約5割)、徳島県、愛媛県など(特に高知県は日本一のゆず産地です 農林水産省 特産果樹生産動態等調査 令和3年産
旬の時期11月~12月頃(一般的に「黄ゆず」として出回る完熟期)
7月~8月頃(「青ゆず」として、主に薬味用に若採りされます)
分類ミカン科ミカン属
学名Citrus junos

ゆずは、中国が原産とされ、日本には奈良時代から飛鳥時代にかけて渡来したと言われています。日本の気候風土によく合い、古くから薬用としても利用されてきました。冬至にゆず湯に入る習慣は、江戸時代から始まったと言われ、血行を促進し体を温め、風邪を予防する効果が期待されています。寒い季節には、ゆずの香りに包まれると心がほっと安らぎますね。

2.3 すだちの基本情報 主な産地と旬

すだちは、ミカン科ミカン属の常緑低木または小高木で、こちらも日本原産の香酸柑橘類の一種です。徳島県が全国生産量のほぼ全て(約98%)を占める、まさに徳島の顔ともいえる特産品です。その清々しい香りと、キレのあるシャープな酸味が特徴で、特に焼き魚や松茸料理、うどんやそばの薬味として、料理の味をきゅっと引き締める名脇役として活躍します。果汁が豊富で、搾って使うのが一般的です。

項目内容
主な産地徳島県(全国生産量の約98% 農林水産省 特産果樹生産動態等調査 令和3年産
旬の時期8月中旬~10月上旬頃(主に緑色の未熟果の状態で収穫されます)
分類ミカン科ミカン属
学名Citrus sudachi

すだちの名前は、果汁を食酢として使っていたことに由来し、「酢橘(すたちばな)」が「すだち」に変化したと言われています。万葉集にも詠まれるほど古くから日本人に親しまれており、その上品な香りは食欲をそそるだけでなく、気分をリフレッシュさせてくれる効果もあるとされています。小ぶりながらも、その存在感は大きいですね。

3. 見た目でわかる かぼす ゆず すだちの違いと見分け方

食卓を爽やかに彩る、かぼす、ゆず、すだち。どれも緑色でコロンとした形が可愛らしい柑橘ですが、いざ使おうとすると「あれ、これはどっちだったかしら?」と迷ってしまうことはありませんか。ここでは、それぞれの見た目の特徴を詳しくご紹介します。これを知れば、もう間違うことはありませんよ。

3.1 大きさで比較 かぼす ゆず すだち

まず一番わかりやすいのが、それぞれの大きさの違いです。手に取ってみると、その差は意外と大きいものですよ。

種類一般的な大きさの目安重さの目安特徴
かぼすテニスボールくらいの大きさ(直径6~8cm程度)100g~150g程度ゆずとすだちの中間くらいのサイズ感です。手に持つとずっしりとした重みを感じることが多いでしょう。
ゆずソフトボールくらいの大きさ、またはそれ以上(直径7~10cm程度)100g~130g程度(時には200gを超えるものも)3つの中では最も大きいものが多く、存在感があります。ただし、品種や栽培状況によっては小ぶりなものもあります。
すだちピンポン玉くらいの大きさ(直径3~4cm程度)25g~40g程度3つの中で最も小ぶりで、可愛らしいサイズです。お料理にちょこんと添えるのにぴったりですね。

売り場で見比べてみると、大きさの違いは一目瞭然です。まずはこの大きさで見当をつけてみましょう。

3.2 形と色で比較 かぼす ゆず すだち

大きさの次は、形と色に注目してみましょう。それぞれに個性的な特徴があるんですよ。

種類色(主に流通している未熟果)表面の質感
かぼすほぼ球形。おしりの部分(果頂部)が少しへこんでいることが多いです。濃い緑色。熟すと黄色みがかってきます。比較的なめらかで、ツヤがあります
ゆず球形からやや扁平な形。表面がゴツゴツ、デコボコしているのが最大の特徴です。緑色(青ゆずとして流通)。完熟すると鮮やかな黄色になります。凹凸が多く、油胞(油を含んだ小さな袋)がはっきり見え、ざらついた手触りです。
すだちほぼ球形。小さくてコロンとした形が特徴です。濃い緑色。かぼすよりも緑色が濃い傾向があります。比較的なめらかですが、かぼすに比べるとややマットな質感で、きめ細かい印象です。

特にゆずは、その特徴的なデコボコした皮で見分けやすいですね。かぼすとすだちは形が似ていますが、すだちの方がより小さく、緑色が濃いことが多いようです。かぼすのおしりの部分のわずかなくぼみも、見分ける際の小さなヒントになりますよ。

3.3 皮の厚さと種で見分ける かぼす ゆず すだち

最後に、皮の厚さや切ったときに見える種にも違いがあります。お料理で使う際には、この違いも知っておくと便利です。

種類皮の厚さ種の数・大きさ
かぼす比較的薄めです。果汁を絞りやすいでしょう。種はやや多めですが、ゆずほど大きくはありません。
ゆず皮は厚く、特に白いワタの部分が多いです。この皮が独特の香りのもとにもなります。種は大きくて、数も多い傾向にあります。
すだち皮は薄いです。果汁を絞りやすく、皮ごとすりおろして使うこともあります。比較的種は少なめか、あっても小さいものが多いです。

実際に手に取って、軽く押してみると皮の感触が少しずつ違うのがわかるかもしれません。ゆずは皮が厚くしっかりしているのに対し、すだちは皮が薄くデリケートな印象です。かぼすはその中間くらいですね。これらの見た目の違いを覚えておけば、もう迷うことなく、それぞれの柑橘を上手に使い分けられるようになりますよ。

4. 味わいと香りの違い かぼす ゆず すだちを徹底比較

かぼす、ゆず、すだちは、どれも日本の食卓に彩りと風味を添えてくれる素晴らしい香酸柑橘ですが、その味わいや香りにはそれぞれ個性がありますのよ。ここでは、それぞれの特徴をじっくりとご紹介し、その違いを比べてみましょう。これを読めば、あなたも香酸柑橘通になれるかもしれませんね。

4.1 かぼすの味と香りの特徴

かぼすは、大分県が主な産地として知られていますね。その味わいは、酸味が比較的穏やかで、ほのかな甘みを感じさせるのが特徴です。角が取れたような、まろやかな酸っぱさなので、酸っぱいものが少し苦手という方にも受け入れやすいかもしれません。そして、鼻を近づけると、ふんわりと上品で、どこか優しい香りが漂います。ゆずやすだちほど香りが強く主張するわけではありませんが、その奥ゆかしさが、お料理の素材本来の味をそっと引き立ててくれるのですよ。

絞った果汁はたっぷりとしていて、クセが少ないため、焼き魚やお鍋物はもちろん、お料理の隠し味やドリンクなど、幅広く活躍してくれます。繊細な和食の風味を損なうことなく、爽やかさをプラスしたいときには、かぼすがぴったりと言えるでしょう。

4.2 ゆずの味と香りの特徴

ゆずと聞くと、冬至のゆず湯を思い浮かべる方も多いのではないでしょうか。高知県や徳島県などが主な産地ですね。ゆずの魅力は、なんといってもその華やかで存在感のある強い香りです。皮を少し削いだだけでも、あたり一面に爽やかな香りが広がり、なんとも心地よい気分にさせてくれますわ。この香りは、他の柑橘にはないゆず特有のもので、多くの人に愛されています。

味わいについては、しっかりとした酸味とともに、ほんのりとした苦味と独特の風味があるのが特徴です。この苦味が、ゆずの味わいに深みを与え、複雑で豊かな風味を生み出していますの。果汁だけでなく、香り高い皮も薬味や風味付けに重宝され、お吸い物や和え物、お菓子作りなど、その用途は本当に多彩です。料理にアクセントを加え、風味豊かに仕上げたいときには、ゆずが本領を発揮します。

4.3 すだちの味と香りの特徴

すだちは、徳島県が全国生産量のほとんどを占める、まさに徳島の顔とも言える柑橘です。小ぶりな見た目とは裏腹に、その風味は非常に個性的。味わいは、キリッとしたシャープで強い酸味が際立っています。舌の上でピリッとするような、鮮烈な酸っぱさが特徴で、少量でも料理全体の味を引き締めてくれますのよ。

香りは、清涼感あふれる爽快な香りで、どこか青々とした若々しさを感じさせます。この香りが、食欲を刺激し、特に焼き魚や松茸料理などの風味を引き立てるのに最適です。薬味として、お刺身や冷奴、うどんやそばに少し添えるだけで、いつものお料理が格段に風味豊かになります。料理にキレと爽やかさを加え、後味をすっきりとさせたいときには、すだちがおすすめですわ。

4.4 酸味と香りのバランス かぼす ゆず すだちの違い

これまで、かぼす、ゆず、すだちそれぞれの味と香りの特徴を見てきましたが、ここで改めてその違いを表で整理してみましょう。それぞれの個性を知ることで、お料理や気分に合わせて上手に使い分けられるようになりますよ。

特徴かぼすゆずすだち
酸味の強さ穏やか
(まろやかで優しい酸味)
やや強い
(しっかりとした酸味)
非常に強い
(シャープでキレのある酸味)
香りの強さやや穏やか
(上品で控えめな香り)
非常に強い
(華やかで特徴的な芳香)
強い
(爽やかで清涼感のある香り)
香りの質すっきり、優しい芳醇、個性的、華やかフレッシュ、青々しい、爽快
味わいの印象酸味と香りのバランスが良く、素材の味を引き立てる名脇役。どんな料理にも合わせやすい優等生です。香り高さが際立ち、料理に豊かな風味とアクセントを加える主役級の存在感。香りを楽しみたい時に。キレのある酸味と爽やかな香りで、料理をすっきりと引き締める個性派。少量で効果を発揮します。

このように、三者三様の魅力がありますの。かぼすの優しい酸味と香り、ゆずの華やかな芳香と風味、そしてすだちのシャープな酸味と爽快な香り。それぞれの個性を理解して使い分けることで、毎日のお料理がもっと楽しく、味わい深くなることでしょう。ぜひ、いろいろ試して、お好みの使い方を見つけてみてくださいね。

5. 栄養価の違い かぼす ゆず すだちの健康効果

かぼす、ゆず、すだちは、それぞれ私たちの体にうれしい栄養をぎゅっと含んでいます。爽やかな酸味や香りだけでなく、健康や美容に役立つ成分がたっぷり。ここでは、それぞれの柑橘が持つ特徴的な栄養素と、それによって期待できる体への素晴らしい効果について、詳しく見ていきましょう。毎日の食卓に上手に取り入れて、元気な日々を送りませんか?

5.1 かぼすに含まれる主な栄養素と期待できる効果

大分県を代表する香酸柑橘のかぼすは、クエン酸の含有量が特に豊富なことで知られています。このクエン酸は、私たちの元気をサポートしてくれる頼もしい成分です。

かぼすの主な栄養素期待できる主な効果
クエン酸疲労を感じたときの回復を助けたり、食欲がないときに食欲を増進させる効果が期待できます。また、ミネラルの吸収を高める働きもあると言われています。
ビタミンCお肌の調子を整えるコラーゲンの生成を助けたり、日焼けによるシミ対策にも役立つ抗酸化作用があります。また、風邪の予防など免疫力をサポートする働きも期待されます。
カリウム体内の余分なナトリウム(塩分)を排出するのを助け、高血圧の予防やむくみ対策にもつながります。
リモネン皮に含まれる香り成分で、リラックス効果や血行促進効果が期待できると言われています。

かぼすを上手に使うことで、これらの栄養素を手軽に摂ることができますね。

5.2 ゆずに含まれる主な栄養素と期待できる効果

冬の風物詩としてもおなじみのゆずは、その素晴らしい香りに加えて、栄養価の高さも魅力です。特にビタミンCの含有量は柑橘類の中でもトップクラスを誇ります。

ゆずの主な栄養素期待できる主な効果
ビタミンC非常に豊富に含まれており、強力な抗酸化作用によって、若々しさを保つお手伝いや、免疫機能を高めて風邪をひきにくい体づくりをサポートします。ストレスを感じやすい現代人にとっても大切な栄養素です。
ヘスペリジン(ビタミンPの一種)主に皮や袋、白いすじの部分に多く含まれるポリフェノールの一種です。毛細血管を強くし、血流を改善する効果が期待され、冷え性の緩和や生活習慣病の予防にも役立つと言われています。
ペクチン水溶性の食物繊維で、腸内環境を整えて便通を良くしたり、食後の血糖値の急激な上昇を穏やかにする効果が期待できます。
クエン酸・リンゴ酸疲労物質の分解を促し、疲れにくくする効果や、新陳代謝を活発にする働きが期待できます。
リモネン皮に多く含まれる香り成分で、心身をリラックスさせる効果や、交感神経を活性化させて血行を促進する効果が知られています。

ゆずは、実も皮も丸ごと活用することで、これらの栄養を余すところなく取り入れることができます。

5.3 すだちに含まれる主な栄養素と期待できる効果

徳島県が主な産地であるすだちは、小ぶりながらも風味豊かで、栄養面でも注目すべき点が多くあります。独特の爽やかな香りと酸味が特徴です。

すだちの主な栄養素期待できる主な効果
クエン酸かぼす同様、豊富に含まれており、疲労回復効果や、カルシウムなどのミネラルの吸収を助ける働きがあります。食欲増進にもつながります。
ビタミンC抗酸化作用があり、お肌の健康維持や免疫力のサポートに役立ちます。コラーゲンの生成にも関わっています。
スダチチン(ポリフェノールの一種)すだちの皮に特に多く含まれる特有の成分です。近年の研究により、脂肪の代謝を促進する効果や、血糖値の上昇を抑える可能性が示唆されており、生活習慣病予防への期待が高まっています。
エリオシトリン(ポリフェノールの一種)レモンなどにも含まれる成分で、強い抗酸化作用を持ち、生活習慣病の予防やアンチエイジング効果が期待されています。
カリウム体内のナトリウムバランスを整え、高血圧予防やむくみ改善に寄与します。

すだちは、その小さな体にたくさんの健康パワーを秘めているのですね。特に皮に含まれる成分に注目が集まっています。

このように、かぼす、ゆず、すだちはそれぞれに特徴的な栄養素を含んでおり、私たちの健康維持に役立つ効果が期待できます。風味の違いだけでなく、栄養面での違いも理解して、日々の食事に彩りと元気を取り入れてみてはいかがでしょうか。

6. 料理での使い分け かぼす ゆず すだちの活用法とレシピ

かぼす、ゆず、すだちは、それぞれ個性豊かな香りと酸味を持っています。その違いを理解すれば、いつものお料理がぐっと本格的な味わいに変わりますよ。ここでは、それぞれの柑橘を上手に使い分けるコツと、毎日の食卓に取り入れやすい活用法をご紹介します。ちょっとした工夫で、食生活がより豊かになりますように。

6.1 かぼすの使い分け おすすめ料理

かぼすは、穏やかな酸味と独特の芳香が特徴で、料理の風味を豊かにしてくれます。大分県が主な産地として知られていますね。

6.1.1 焼き魚や鍋物にかぼすを添えて

焼き魚にギュッと絞れば、魚特有の臭みを和らげ、さっぱりとした風味を加えてくれます。特にサンマやアジなど、脂ののった魚との相性は抜群です。また、鶏肉のソテーや豚肉のしゃぶしゃぶなど、お肉料理に添えても、後味をすっきりとさせ、食欲を増進させてくれますよ。冬の定番である鍋物には、ポン酢の代わりに、あるいはポン酢に加えて使うと、いつものお鍋がぐっと上品で深みのある味わいに変わります。水炊きや湯豆腐など、シンプルな料理ほど、かぼすの良さが引き立ちます。

6.1.2 かぼすを使ったドリンクとデザート

かぼすの爽やかな酸味と香りは、ドリンクやデザートにも最適です。炭酸水で割ってかぼすスカッシュにしたり、蜂蜜を加えて温かいかぼすドリンクにしたりするのもおすすめです。焼酎やジンと合わせてカクテルにすれば、大人な味わいのリフレッシュドリンクが楽しめます。また、ゼリーやシャーベット、マドレーヌなどの焼き菓子に果汁や皮のすりおろしを加えれば、食後にぴったりの爽やかなデザートが手軽に作れますよ。

6.2 ゆずの使い分け おすすめ料理

ゆずは、華やかで気品のある強い香りが何よりの魅力。料理に上品なアクセントを加えてくれます。高知県や徳島県などが主な産地です。

6.2.1 料理の香り付けに最適なゆず

ゆずの皮は、料理の香り付けに大活躍します。お吸い物や茶碗蒸し、お雑煮などに、皮の黄色い部分だけを薄く削って(松葉ゆずや花ゆずなど切り方を工夫しても素敵ですね)添えるだけで、お料理全体に芳醇な香りが広がり、ぐっと格調高い一品に仕上がります。果汁は、和え物や酢の物、ドレッシングなどに使うと、爽やかな酸味と香りが素材の味を引き立て、食欲をそそります。また、ゆずの皮と果汁、唐辛子で作るゆず胡椒は、鍋物や焼き鳥、お刺身などの薬味として、ピリッとした辛味と爽やかな香りが楽しめて重宝しますね。

6.2.2 ゆず湯や手作りジャムの楽しみ方

冬至の日にゆず湯に入るのは、古くから伝わる日本の素敵な習慣です。ゆずを丸ごと、あるいは輪切りにして湯船に浮かべれば、浴室いっぱいに広がる香りでリラックスでき、体も芯から温まります。血行促進や風邪予防にも良いと言われていますよ。また、ゆずがたくさん手に入ったら、手作りのゆずジャム(マーマレード)に挑戦するのもおすすめです。パンに塗ったり、ヨーグルトに添えたりするだけでなく、お湯で割ってゆず茶にしたり、お菓子作りの材料にしたりと、様々なアレンジで長く楽しむことができます。

6.3 すだちの使い分け おすすめ料理

すだちは、キリッとした清涼感あふれる酸味と、上品な香りが特徴です。徳島県が全国生産量のほとんどを占める特産品として有名ですね。その風味は、料理の味をきゅっと引き締めてくれます。

6.3.1 刺身や豆腐料理にすだちを絞って

すだちの爽快な酸味は、淡白な味わいの食材と非常に相性が良いです。お刺身(特に白身魚やイカ、タコなど)に数滴絞れば、素材の繊細な旨味を引き立て、生臭みを抑え、さっぱりといただけます。冷奴や湯豆腐といったシンプルな豆腐料理に添えれば、いつもの一品が料亭でいただくような洗練された味わいに変わりますよ。焼き魚、特に秋の味覚であるサンマの塩焼きには、すだちを添えるのが定番ですね。脂ののったサンマにすだちの酸味が加わることで、後味爽やかにいただけます。

6.3.2 うどんやそばの薬味としてのすだち

すだちは、うどんやそば、そうめんなどの麺類の薬味としても大活躍します。温かいかけうどんやかけそばにキュッと絞りかければ、だしの風味とすだちの爽やかな香り、酸味が見事に調和し、食欲をそそります。冷たいざるそばやぶっかけうどんに、薄くスライスしたすだちを添えるだけでも、見た目にも涼やかで、風味が一層引き立ちます。キノコ料理や松茸料理とも相性が良く、秋の味覚を堪能する際にはぜひ試していただきたい組み合わせです。

かぼす、ゆず、すだち、それぞれの個性を活かした使い方を知ることで、お料理の幅がぐっと広がります。ぜひ、日々の食卓に取り入れて、その豊かな風味を楽しんでみてくださいね。農林水産省のウェブサイトでも、これらの香酸柑橘について紹介されていますので、参考にされてみてはいかがでしょうか。(農林水産省「aff(あふ)」2010年10月号 特集1 香酸(こうさん)かんきつ(2))

7. かぼす ゆず すだちの旬の時期と選び方 保存方法

爽やかな香りと酸味が魅力のかぼす、ゆず、すだち。それぞれに旬の時期があり、美味しいものを選ぶコツや、上手に保存する方法を知っておくと、より長くその風味を楽しむことができますわ。ここでは、それぞれの旬や選び方、保存の秘訣をご紹介いたします。

7.1 かぼす ゆず すだちの旬はいつ?

かぼす、ゆず、すだちは、それぞれ収穫される時期が少しずつ異なりますの。一般的に青果として店頭に並ぶ時期と、樹上で黄色く熟してから収穫されるものがありますわね。それぞれの代表的な旬の時期をみていきましょう。

柑橘類主な旬の時期(青果)特徴
かぼす8月下旬~10月頃大分県が主な産地です。露地栽培のものはこの時期に最も多く出回ります。爽やかな酸味と豊かな香りが特徴です。ハウス栽培のものは年間を通して手に入りやすくなっていますわ。
ゆず11月~12月頃(黄ゆず)
7月~9月頃(青ゆず)
高知県や徳島県などが主な産地です。一般的に「ゆず」として冬の料理やお風呂に使われるのは、黄色く熟した「黄ゆず」で、香りが高く、甘みも感じられます。夏から秋にかけて出回る「青ゆず」は、黄ゆずよりも酸味が強く、キリッとした香りが楽しめますの。
すだち8月~10月頃徳島県が全国生産量のほとんどを占めています。小ぶりながらも清々しい香りと強い酸味が特徴で、料理の風味を引き立てます。こちらもハウス栽培により、ほぼ一年中見かけることができますわ。

このように、種類や栽培方法によって旬の時期には幅がありますけれど、やはり露地物が出回る時期が、それぞれの風味を最も豊かに感じられる季節と言えるでしょう。

7.2 美味しいかぼす ゆず すだちの選び方のコツ

せっかくなら、新鮮で美味しいものを選びたいですわね。かぼす、ゆず、すだちを選ぶ際には、いくつか共通するポイントと、それぞれ特有のポイントがありますの。

7.2.1 共通の選び方

  • 皮にハリとツヤがあるもの:新鮮な証拠です。しなびているものは避けましょう。
  • 色が鮮やかなもの:かぼすやすだちは濃い緑色のもの、黄ゆずは鮮やかな黄色のものを選びましょう。色ムラが少なく、均一なものが良いですわ。
  • 手に持ったときに重みを感じるもの:果汁がたっぷり含まれているサインです。同じ大きさなら、ずっしりと重い方を選びましょう。
  • 香りが良いもの:特にゆずやすだちは香りが命。軽く表面をこすってみて、良い香りがするものを選びましょう。
  • ヘタの部分が枯れていないもの:ヘタが緑色でみずみずしいものが新鮮です。茶色く乾燥しているものは収穫から時間が経っている可能性がありますわ。

7.2.2 種類別の選び方のポイント

かぼす 表面がなめらかで、傷やシミが少ないものを選びましょう。大きすぎず、テニスボールくらいのサイズが一般的ですわ。 ゆず 皮の表面がゴツゴツしているのが特徴です。皮が硬すぎず、適度な弾力があるものが良いでしょう。黄ゆずの場合、香りが特に強いものを選んでくださいませ。 すだち ゴルフボールくらいの小ぶりなサイズが一般的です。小さくても果汁が豊富で、皮が薄く、ツヤがあるものが良品です。皮にハリがあり、硬く締まっているものを選びましょう。

これらのポイントを参考に、美味しい一品を見つけてくださいね。

7.3 かぼす ゆず すだちを長持ちさせる保存テクニック

手に入れたかぼす、ゆず、すだちは、上手に保存することで美味しさを長持ちさせることができますわ。それぞれの柑橘に適した保存方法をご紹介します。

7.3.1 常温保存

かぼす、ゆず、すだちは、風通しの良い冷暗所であれば、数日から1週間程度は常温で保存できます。ただし、室温が高い夏場や、乾燥しやすい場所では早めに使い切るか、冷蔵保存に切り替えるのがおすすめですわ。

7.3.2 冷蔵保存

より長持ちさせたい場合は、冷蔵保存が適しています。 乾燥を防ぐことが最も大切ですわ。ひとつずつキッチンペーパーや新聞紙で包み、ポリ袋や保存容器に入れて野菜室で保存しましょう。この方法で、かぼすやすだちは2週間~1ヶ月程度、ゆずは1ヶ月以上日持ちすることがあります。状態を見ながら、なるべく早めに使い切るように心がけてくださいね。

7.3.3 冷凍保存

さらに長期間保存したい場合には、冷凍保存が便利です。様々な方法がありますのよ。

  • 丸ごと冷凍:よく洗って水気を拭き取り、ラップで包んでから冷凍用保存袋に入れて冷凍します。使うときは、凍ったままおろし金ですりおろしたり、半解凍でカットしたりできますわ。
  • スライスして冷凍:使いやすい厚さにスライスし、重ならないようにラップで包むか、冷凍用保存袋に平らに入れて冷凍します。料理の香りづけや飲み物にすぐに使えて便利です。
  • 果汁を冷凍:果汁を絞り、製氷皿で凍らせてキューブ状にしておくと、少量ずつ使えてとても便利です。凍ったら冷凍用保存袋に移し替えて保存しましょう。お料理や飲み物に手軽に加えられます。
  • 皮を冷凍:ゆずの皮などは、白いワタの部分を取り除き、細かく刻んだり、千切りにしたりしてから少量ずつラップに包み、冷凍用保存袋に入れて冷凍します。薬味や香りづけに重宝しますわ。

冷凍保存の場合、2~3ヶ月程度は風味を保ったまま保存できます。解凍せずにそのまま使える場合が多いので、上手に活用して、旬の香りを長く楽しんでくださいませ。

8. まとめ かぼす ゆず すだちの違いを知って使い分けを楽しもう

かぼす、ゆず、すだち。見た目は似ていても、それぞれに個性豊かな魅力があることをお分かりいただけたでしょうか。大きさや形、そして何よりも大切な香りや酸味の違いを知れば、お料理への使い分けがぐっと楽しくなりますね。それぞれの持ち味を活かして、いつもの食卓に爽やかな彩りを添えてみませんか。この小さな違いを知ることが、毎日の暮らしに新しい発見と豊かな風味をもたらしてくれるはずです。あなたらしい使い方で、日々の食卓を豊かに彩ってみてくださいね。

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この記事を書いた人

ハレノヒ編集部は、「わたしらしく、身軽に暮らす」をテーマに、日々の暮らしを前向きに楽しむためのヒントをお届けしています。
美容や健康、趣味、暮らしの工夫など、50代以降の女性を中心に、誰もが自分らしく輝けるような情報をやさしい目線で発信しています。
ちょっと気になる話題や、ふと心に残る言葉も添えて、皆さまの毎日が少し晴れやかになりますように。

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