新しい年を迎えるお正月の準備の中でも、毎年悩みの種になりがちなのが「お年玉」。かわいい孫や甥・姪の喜ぶ顔は見たいけれど、「いくら包むのが一般的なのかしら?」「失礼のないようにしたいけれど、マナーがよくわからない…」と、迷ってしまう方も多いのではないでしょうか。この記事では、そんなお悩みを解消できるよう、未就学児から大学生までの年齢別、そして渡す相手との関係性に応じたお年玉の相場を分かりやすく一覧でご紹介します。さらに、知っておくと安心な新札の準備やお札のきれいな折り方、ポチ袋の書き方といった基本マナーから、気になる疑問までを網羅した完全ガイドです。相場はあくまでひとつの目安。大切なのは、お子さんの成長と新しい一年を祝うあたたかい気持ちです。この記事を参考に、自信を持って晴れやかな気持ちでお年玉を準備しましょう。
1. お年玉の相場一覧 年齢別の金額を紹介
新しい年の始まりは、子どもたちの笑顔が輝くお正月。でも、毎年少しだけ頭を悩ませるのが「お年玉」ではないでしょうか。「今年はいったいいくら包めば良いのかしら?」そんな優しい悩みに寄り添えるよう、年齢ごとの相場をわかりやすくまとめてみました。親戚間でのお付き合いの参考に、ぜひお役立てくださいね。
年齢ごとの相場を一覧表にまとめました。あくまで目安ですので、ご家庭の方針や親戚間のルールに合わせて調整してくださいね。
| 年齢 | 金額の目安 |
|---|---|
| 未就学児(0歳〜6歳) | 〜1,000円 |
| 小学校低学年(1〜3年生) | 1,000円〜3,000円 |
| 小学校高学年(4〜6年生) | 3,000円〜5,000円 |
| 中学生 | 5,000円〜10,000円 |
| 高校生 | 5,000円〜10,000円 |
| 大学生・専門学生 | 10,000円 |

1.1 未就学児(0歳〜6歳)へのお年玉相場
まだお金の価値がよくわからない小さなお子さんには、500円から1,000円くらいが一般的なようです。 0歳から2歳くらいまでは「あげない」という選択や、お金の代わりにかわいい靴下やおもちゃ、絵本などをプレゼントするのも素敵なアイデアですね。 ポチ袋からピカピカの500円玉が出てくるだけで、子どもにとっては大きな喜びになるでしょう。
1.2 小学生へのお年玉相場
小学生になると、自分でお金を管理する練習も始まります。成長に合わせて少しずつ金額を上げていくのが良いかもしれませんね。
1.2.1 小学校低学年(1〜3年生)の金額
小学校に上がると、1,000円から3,000円くらいが相場になります。 お金に興味を持ち始める頃なので、1,000円札を一枚、きれいに入れてあげると喜ばれるでしょう。自分でお菓子を買ったり、好きなおもちゃを選んだり、小さなお買い物体験をさせてあげるのも良い経験になりますね。
1.2.2 小学校高学年(4〜6年生)の金額
高学年になると、ぐっとお兄さんお姉さんらしくなり、欲しいものも具体的になってきます。相場は3,000円から5,000円ほど。 「学年×1,000円」を目安にしているご家庭もあるようです。 少し高価なゲームソフトや本など、計画を立てて使う楽しさを覚える時期かもしれません。
1.3 中学生へのお年玉相場
中学生になると、友人との付き合いや趣味など、お金の使い道がぐっと広がりますね。相場は5,000円から10,000円で、特に5,000円を渡す方が多いようです。 行動範囲も広がるため、少し多めに渡してあげたいという気持ちの表れかもしれません。
1.4 高校生へのお年玉相場
高校生も中学生と同じく、5,000円から10,000円が相場です。 ただ、10,000円を渡す割合が中学生より増える傾向にあります。 アルバイトを始める子も出てくる年齢ですが、「学生のうちは渡す」というご家庭が多いようです。ファッションや交際費など、本人の判断で自由に使えるお金が増えるのは嬉しいものですよね。
1.5 大学生・専門学生へのお年玉相場
大学生や専門学生には、10,000円が一般的な相場となっています。 もう大人として扱われる年齢ですが、学生である間は応援したいという気持ちから渡す方が多いようです。一方で、「高校卒業まで」と決めて、この年齢からは渡さないというご家庭も増えてきます。 親戚間で事前に話し合っておくと安心ですね。
2. 渡す相手で変わるお年玉の相場 甥・姪・孫への適切な金額は
お正月の楽しみの一つ、お年玉。年齢別の相場も気になりますが、実は「誰にあげるか」という関係性によっても、適切な金額は変わってくるものです。毎年悩みの種になりがちですが、かわいい子どもたちの喜ぶ顔を思い浮かべながら準備するのも、また楽しい時間ですよね。ここでは、渡す相手との関係性に注目して、それぞれの相場をみていきましょう。

2.1 自分の子どもへ渡す場合の金額
ご自身の子どもへのお年玉は、各ご家庭の方針で決めるのが一番です。一般的な相場はあくまで参考程度にとどめ、お小遣いの有無や、他の親戚からもらう金額とのバランスを考えて決めてあげるとよいでしょう。ある調査では、自分の子どもと親戚の子どもへ渡す金額は同じにするという方が多数派でした。 子ども同士で金額の差が生まれないように、という心遣いからかもしれませんね。
2.2 孫へ渡す場合の金額
目に入れても痛くないほどかわいいお孫さんへは、ついつい奮発したくなるのがおじいちゃん、おばあちゃんの心かもしれませんね。実際、甥や姪など他の親戚の子どもと比べて、お孫さんへのお年玉は少し多めになる傾向があるようです。 とはいえ、あまり高額にしすぎると、かえってお孫さんのご両親に気を遣わせてしまう可能性もあります。 下の表を目安に、ご自身の経済状況なども考慮しながら、愛情の伝わる金額を決めてあげてください。
| 年齢 | 金額の目安 |
|---|---|
| 未就学児(0歳~6歳) | 1,000円~5,000円 |
| 小学生 | 3,000円~5,000円 |
| 中学生 | 5,000円~10,000円 |
| 高校生 | 10,000円 |
| 大学生・専門学生 | 10,000円以上 |
2.3 甥や姪へ渡す場合の金額
甥っ子さんや姪っ子さんへのお年玉で最も大切なのは、親戚間のバランスです。一番安心なのは、事前にご兄弟姉妹(甥・姪の親御さん)と相談して金額を決めておくことです。 「今年は〇〇円くらいにしようと思うんだけど、どうかな?」と一声かけるだけで、お互いに気持ちよくお正月を迎えられます。もし相談が難しい場合は、前述した年齢別の相場を参考にするとよいでしょう。
2.4 親戚の子どもへ渡す場合の金額
甥や姪よりも少し遠い関係の親戚の子どもへのお年玉は、お付き合いの深さによって金額を調整するのが一般的です。お正月に顔を合わせる程度の関係であれば、甥や姪への金額よりも少し控えめにしてもよいでしょう。ここでも大切なのは、他の親戚と足並みをそろえること。 誰か一人が突出して多く(または少なく)ならないよう、事前に話し合っておくと、後々の親戚付き合いも円満に進みます。
2.5 友人の子どもへ渡す場合の金額
親しいご友人の子どもに会う機会もあるかもしれませんね。友人のお子さんへのお年玉は、必ず渡さなければならないものではありません。渡す場合は、相手に気を遣わせないよう、1,000円~3,000円程度の少額にしたり、現金ではなく図書カードやお菓子などの品物にしたりするのも素敵な心遣いです。 毎年恒例になりそうな場合は、「お互い様だから、お年玉はなしにしよう」と友人同士でルールを決めておくのも、スマートな大人の選択です。
3. 恥をかかないために知っておきたいお年玉の基本マナー
お年玉は、新しい年を迎えた子どもたちにとって大きな楽しみのひとつ。渡す私たちも、その笑顔を見るのは嬉しいものですよね。せっかく心を込めて渡すのですから、ちょっとしたマナーを知っておくと、よりスマートで素敵な贈り物になります。ここでは、大人のたしなみとして知っておきたいお年玉の基本的なマナーをご紹介します。
3.1 お札は新札を用意するのが礼儀

お年玉には、できるだけ新札(一度も使われていないきれいなお札)を用意するのが望ましいとされています。 これは、新しい年の門出を清らかな気持ちでお祝いするという意味が込められているからです。 前もって準備することで、相手を大切に思う気持ちも伝わりますよ。
新札は、銀行の窓口や両替機で手に入れることができます。 年末は混み合うことが多いので、早めに準備しておくと安心ですね。もし新札が用意できなかった場合は、折り目や汚れのない「ピン札」でも問題ありません。 それも難しい場合は、手持ちの中で一番きれいなお札を選び、「新札じゃなくてごめんなさいね」と一言添える心遣いを見せると丁寧です。
3.2 ポチ袋の選び方と表書きの書き方
お年玉を裸で渡すのはマナー違反です。 必ず「ポチ袋」に入れましょう。最近は、渡す相手の年齢や好みに合わせて選べるよう、かわいらしいキャラクターものから、少し落ち着いた和風のデザインまで、様々な種類のポチ袋があります。選ぶ時間も楽しいひとときですね。

3.2.1 ポチ袋表面の宛名の書き方
ポチ袋の表面には、渡す相手の名前を書きます。 一般的には、袋の左上に「〇〇ちゃんへ」「〇〇くんへ」と書きますが、デザインによっては書くスペースが中央や右側に設けられていることもあります。 小学生くらいまでは「ちゃん」や「くん」を付け、中学生以上になったら「さん」付けにするなど、年齢に合わせて変えるのも良いでしょう。名前が書いてあると、「自分のために用意してくれた」という特別感が伝わり、子どもたちも喜びます。
3.2.2 ポチ袋裏面の自分の名前の書き方
ポチ袋の裏面の左下には、渡した人が誰だか分かるように、自分の名前を書きます。 これは、子どもに代わって親御さんが管理する際に、誰からいただいたお年玉か把握しやすくするための大切な配慮です。 フルネームで書くのが丁寧ですが、親しい間柄であれば名字だけでも構いません。
3.3 きれいなお札の折り方 三つ折りが基本
ポチ袋にお札を入れる際は、きれいに折ってから入れるのがマナーです。一般的には「三つ折り」が基本とされています。 折り目が強くつきすぎないよう、やさしく折るのがポイントです。

3.3.1 お札の肖像画を内側にする折り方
お札を折るときは、肖像画が描かれている面を内側にして折るのが正しい折り方です。
- お札の肖像画がある面を上にして広げます。
- お札の左側3分の1を、肖像画の上にかぶせるように内側へ折ります。
- 次に、右側をその上にかぶせるように折ります
また、四つ折りは「死」を連想するためお祝い事でには避けたほうが良いとされています
3.3.2 お札の向きにも気を配ろう
三つ折りにしたお札をポチ袋に入れるときにも、少しだけ向きに気を配りましょう。折ったお札を、折りたたんだ輪の部分が上(ポチ袋の封が開く側)になるように入れます。 そして、お札の表側がポチ袋の表側に来るように入れるのが丁寧な入れ方です。 受け取った相手が開けやすいように、という心遣いの表れです。
3.4 縁起が悪いとされるNGな金額
お祝い事であるお年玉では、縁起の悪い「忌み数」を避けるのが伝統的なマナーです。 特に「死」を連想させる「4」や、「苦」を連想させる「9」がつく金額は避けた方が無難でしょう。 最近ではあまり気にしない方も増えていますが、知っておくと安心です。
| 避けたほうが良い金額の例 | 一般的な金額の例 |
|---|---|
| 400円、4,000円 | 3,000円、5,000円 |
| 900円、9,000円 | 1,000円、10,000円 |
親戚間で金額について話し合っておくと、子どもたちの間で不公平感が生まれるのを防ぐことにも繋がります。
4. これってどうする?お年玉に関するQ&A
お年玉の準備をしていると、「そういえば、これってどうするのが正解なのかしら?」と、ふと疑問に思うことがありませんか。ここでは、そんなお年玉にまつわる素朴な疑問にお答えします。いざという時に慌てないよう、一緒に確認していきましょう。
4.1 お年玉は何歳から何歳まであげるもの?
お年玉をいつから始めて、いつまで渡すのか、はっきりとした決まりがないからこそ悩んでしまいますよね。 一般的には、「学生の間」や「就職するまで」が一つの目安とされています。
「何歳から」という決まりも特にありませんが、物心がつき始める2〜3歳頃から始めるご家庭が多いようです。もちろん、0歳の赤ちゃんに「はじめまして」の気持ちを込めて渡すのも素敵ですね。
やめるタイミングで最も多いのは、高校や大学を卒業して社会人になった時です。 自分で収入を得るようになったら一人前、という考え方ですね。ご家庭によっては「成人するまで」と決めている場合もありますが、成人しても学生であることも多いので、親戚間でルールを合わせておくと、後々のトラブルを防ぐことができますよ。
4.2 自分が喪中の場合お年玉は渡していい?
ご自身が喪中の場合、新年のお祝い事は控えるのがマナーです。そのため、お年玉も「お祝い」と捉えると渡すべきではない、ということになります。 しかし、子どもたちにとってお年玉は大切なお正月の楽しみ。そんな気持ちを思うと、何か別の形で渡してあげたいですよね。
そんな時は、「お年玉」という名目を避け、「おこづかい」や「書籍代」などとして渡すのが思いやりのある方法です。 その際のポイントを下にまとめました。
| 項目 | 配慮したい点 |
|---|---|
| 渡すときの名目 | 「お年玉」ではなく「おこづかい」「書籍代」「文具代」などとします。 |
| ポチ袋 | 鶴や亀、その年の干支など、お正月らしい華やかなデザインは避け、無地のものやシンプルな絵柄の袋を選びましょう。 |
| かける言葉 | 「あけましておめでとう」というお祝いの言葉は使わずに、「今年も元気でいてね」「好きなものを買ってね」など、相手を思う言葉を添えて渡しましょう。 |
| 渡す時期 | 松の内(1月7日頃まで)が明けてから渡すなど、時期を少しずらすのも一つの心遣いです。 |
大切なのは、故人を偲ぶ気持ちと、子どもを喜ばせたいという気持ち、その両方に心を配ること。こうした工夫で、どちらの心も大切にすることができますね。
4.3 キャッシュレスでお年玉を送るのはあり?
最近では、PayPayなどのスマートフォンアプリを使ってお年玉を送る「キャッシュレスお年玉」も増えてきました。 遠くに住んでいてなかなか会えないお孫さんや親戚の子どもにも、スマートフォン一つで手軽に送れるのは大きな魅力です。 新札を用意するために銀行の長い列に並ぶ必要もありません。
一方で、手渡しならではの温かみが薄れてしまうと感じる方や、スマートフォンの操作に不慣れな方もいらっしゃいます。 また、子どもたちにとっても、ポチ袋の重みを感じながら感謝の気持ちを伝える機会が失われるのは少し寂しいかもしれません。
キャッシュレスお年玉はとても便利ですが、相手との関係性や状況に合わせて使い分けるのが賢い選択と言えるでしょう。 例えば、普段なかなか会えない相手にはキャッシュレスで、お正月に顔を合わせる子どもたちには心を込めて手渡しするなど、状況に応じて使い分けてみてはいかがでしょうか。PayPayなど一部のアプリでは、メッセージを添えたり、お年玉らしいデザインの「ポチ袋」を選んで送れたりする機能もあるので、活用してみるのも楽しいかもしれません。
5. まとめ
新しい年の始まりに、子どもたちの健やかな成長を願って渡すお年玉。毎年準備するものとはいえ、金額の相場やマナーなど、気になることも多いのではないでしょうか。
この記事では、お子さんの年齢や、お孫さん、甥御さん・姪御さんといったご関係に合わせたお年玉の相場を詳しくご紹介しました。また、新札の用意やポチ袋の書き方、きれいなお札の折り方といった、心を込めて贈るための基本マナーについても解説しています。こうした決まりごとは、お祝いのお気持ちをより丁寧に伝えるための知恵ともいえますね。
相場はあくまでひとつの目安であり、最も大切なのは、新しい一年を迎えたお子さんを思うあたたかいお気持ちです。ご紹介した相場やマナーを参考に、自信を持って準備することで、心穏やかに新年を迎えられることでしょう。
この記事が、あなたの心弾む新年の準備に、そっと寄り添うものであれば幸いです。


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