日差しがやわらかく、心地よい風が吹く5月。生命力に満ちた旬の食材が、私たちの心と体にやさしく寄り添ってくれる季節ですね。この記事では、そんな5月の食卓を豊かに彩る、旬の野菜、魚、果物を一覧にして詳しくご紹介します。春の名残を感じるたけのこや春キャベツから、初夏の訪れを告げるカツオやびわまで、たくさんの美味しい恵みが待っています。旬の味覚を日々の暮らしに取り入れて、季節の移ろいを楽しみながら、健やかな毎日を過ごすヒントを見つけてみませんか。
1. 5月に旬を迎える食材の特徴
風が心地よく、日差しもやわらかに降り注ぐ5月。木々の緑はいっそう深まり、生命の息吹にあふれる季節ですね。この時期の食卓は、春の名残と初夏の訪れを一度に感じられる、彩り豊かな食材でいっぱいになります。旬のものは、味が濃くて香りも豊かなだけでなく、栄養もたっぷり。季節の変わり目でちょっぴり疲れが出やすい私たちのからだを、内側からやさしく元気にしてくれる力を持っています。

ここでは、そんな5月の旬の食材が持つ魅力的な特徴を、3つのポイントに分けてご紹介します。旬を知ることで、毎日のお買いものや料理がもっと楽しくなりますよ。
1.1 春の名残と初夏の訪れを感じる味わい
5月は、冬の寒さを乗り越えて芽吹いた春野菜の旬の終わりと、太陽の光を浴びて力強く育つ夏野菜の出始めが重なる、特別な時期です。そのため、春のやさしい味わいと、初夏の力強さの両方を楽しめる、まさに食の宝箱のような季節と言えるでしょう。例えば、アスパラガスやそら豆のみずみずしさ、春キャベツのやわらかさは春ならではのごちそう。一方で、太平洋を北上してくる初鰹(はつがつお)のように、きゅっと身が引き締まり、さっぱりとした旨味を持つ初夏の魚も登場し始めます。この時期にしか味わえない、繊細さと力強さが同居する美味しさを、ぜひ満喫してくださいね。
1.2 栄養価が高く、体調を整えるのにぴったり
「旬のものを食べると健康によい」と昔から言われるように、旬の食材は栄養価が最も高まる時期。特に5月の食材は、ビタミンやミネラル、食物繊維などを豊富に含み、季節の変わり目の体調管理にうってつけです。なんだか体が重たい、すっきりしない…と感じるときこそ、旬の恵みを食卓に取り入れてみませんか。おいしいだけでなく、私たちの心とからだを優しく整えてくれます。
| 栄養素の例 | 期待できる働き | 多く含まれる食材の例 |
|---|---|---|
| ビタミンC | お肌の調子を整えたり、気分の落ち込みを防いだりするのを助けます。 | 新じゃがいも、グリーンピース、春キャベツ、さくらんぼ |
| アスパラギン酸 | 疲れを感じにくくしたり、スタミナを補ったりするのを助けます。 | アスパラガス |
| カリウム | からだの余分な塩分や水分を排出し、すっきりさせるのを助けます。 | そら豆、たけのこ、メロン |
| DHA・EPA | 血液をサラサラにしたり、記憶力をサポートしたりするのを助けます。 | 鰹(カツオ)、鯵(アジ) |
1.3 旬の食材を選ぶ楽しみとコツ
旬の食材は、スーパーマーケットや八百屋さんの店先でも、ひときわ生き生きとして見えます。せっかくなら、一番おいしいものを選びたいですよね。難しく考える必要はありません。野菜なら、色が鮮やかでハリとツヤがあるもの。魚なら、目が澄んでいて身に弾力があるもの。そんなふうに、五感を使って「おいしいサイン」を見つけるのも、旬の食材選びの醍醐味です。手に取って、その重みや香りを感じながら、じっくりとお気に入りを選んでみてください。きっと、お料理への期待も膨らむはずです。
2. 5月が旬の野菜一覧
5月になると、八百屋さんやスーパーの店先には、みずみずしくて生命力あふれる野菜たちがずらりと並びます。春の終わりと初夏の始まりが交差するこの時期は、旬の野菜の種類も豊富。食卓に一皿加えるだけで、季節の香りと彩りを運んできてくれますよ。ここでは、5月にぜひ味わっていただきたい、とっておきの野菜たちをご紹介します。
2.1 春から初夏へ移ろう季節の野菜
冬の寒さを乗り越え、太陽の光をたっぷり浴びて育った野菜は、どれも栄養満点。柔らかくて甘みが強いのが特徴です。旬の短いものも多いので、見かけたらぜひ手に取ってみてくださいね。
2.1.1 アスパラガス
春から初夏にかけて旬を迎えるアスパラガスは、シャキッとした歯ごたえと、じゅわっと広がる甘みがたまりません。穂先から根元まで、部分ごとに異なる食感と味わいを楽しめるのも魅力の一つです。疲労回復に役立つとされる「アスパラギン酸」という栄養素の名前の由来にもなっているんですよ。

| 選び方のポイント | おすすめの食べ方 |
|---|---|
| 穂先がキュッと締まっていて、切り口がみずみずしく、全体的に緑色が濃く鮮やかなものを選びましょう。 | さっと塩茹でしてマヨネーズを添えるだけでもごちそうです。ベーコンを巻いて焼いたり、天ぷらにしたりするのも良いですね。 |
2.1.2 そら豆
さやをむくと、ふわふわの白い綿に包まれた愛らしい豆が顔を出すそら豆。旬の時期はとても短く、まさに初夏だけの特別な味覚です。ほくほくとした食感と豊かな風味は、採れたてならではの美味しさ。ビールのおつまみにもぴったりです。

| 選び方のポイント | おすすめの食べ方 |
|---|---|
| さやにハリとツヤがあり、緑色が鮮やかなもの。持った時にずっしりと重みを感じるものがおすすめです。 | 一番のおすすめは、風味を存分に味わえるシンプルな塩ゆで。豆ごはんにしたり、ポタージュにしたりするのも美味しいですよ。 |
2.1.3 新じゃがいも
春に出回る「新じゃがいも」は、皮がとても薄く、みずみずしいのが特徴です。秋に収穫されるじゃがいもと違って貯蔵されないため、水分を多く含んでいます。皮ごと調理できるので、栄養をまるごといただけるのが嬉しいですね。皮の近くに栄養がたっぷり含まれているんですよ。

| 選び方のポイント | おすすめの食べ方 |
|---|---|
| 表面がなめらかでハリがあり、傷やシワがないもの。芽が出ていないかしっかり確認しましょう。 | 皮ごと蒸したり茹でたりして、バターをのせるだけで絶品です。甘辛く煮っころがしにしたり、素揚げにしたりするのもおすすめです。 |
2.1.4 新玉ねぎ
この時期だけの特別な玉ねぎ、「新玉ねぎ」。白くてつややかで、普通の玉ねぎよりも水分が多く、辛みが少なくて甘みが強いのが自慢です。熱を加えると、とろりとした食感と甘みがさらに引き立ちます。

| 選び方のポイント | おすすめの食べ方 |
|---|---|
| ずっしりと重みがあり、表面が乾燥してツヤがあるもの。首と根元が固く締まっているものが良いでしょう。 | 薄くスライスして、鰹節とポン酢をかけるだけで立派な一品に。水にさらしすぎると栄養が逃げてしまうので、さっとで大丈夫です。 |
2.1.5 グリーンピース
豆ごはんの色鮮やかな緑色でおなじみのグリーンピース。冷凍のものとは一味も二味も違う、さや付きの生のグリーンピースならではの甘みと香りをぜひ味わってみてください。ぷちっとした食感と、口の中に広がる優しい甘さは、春の訪れを感じさせてくれます。
| 選び方のポイント | おすすめの食べ方 |
|---|---|
| さやがふっくらとしていて、きれいな緑色のもの。さやにシワがなく、ハリがあるものが新鮮な証拠です。 | やはり王道は豆ごはん。お米と一緒に炊き込むと、春の香りが食卓いっぱいに広がります。卵とじやスープの具にもぴったりです。 |
2.1.6 春キャベツ
「春玉」とも呼ばれる春キャベツは、葉の巻きがふんわりとゆるく、みずみずしくて柔らかいのが特徴です。葉が柔らかいので、生で食べるのにぴったり。冬のキャベツとはまた違った、軽やかな甘みを楽しむことができます。
| 選び方のポイント | おすすめの食べ方 |
|---|---|
| 葉にツヤとハリがあり、緑色が鮮やかなものを選びましょう。持った時に、見た目より軽いものが葉が柔らかく美味しいですよ。 | 手でちぎってシンプルなサラダにするのが一番です。さっと火を通す回鍋肉や、スープに入れると、甘みが引き立って美味しくいただけます。 |
2.1.7 たけのこ
春の味覚の代表格、たけのこ。5月になると名残りの時期に入りますが、まだまだ美味しくいただけます。独特の香りとシャキシャキとした歯ごたえは、煮物にしても、ごはんにしても、春の息吹を感じさせてくれます。食物繊維が豊富で、お腹の調子を整える手助けをしてくれるのも嬉しいポイントです。
| 選び方のポイント | おすすめの食べ方 |
|---|---|
| ずんぐりとした形で、皮にツヤがあり、穂先が黄色がかっているものが良品です。切り口が白く、みずみずしいものを選びましょう。 | 鰹だしで煮る「若竹煮」や、定番の「たけのこご飯」は外せませんね。薄切りにして天ぷらにするのも、香りが引き立って格別です。 |
3. 5月が旬の魚介類一覧
風が心地よく、日差しもだんだんと力強くなる5月。この時期の海は、たくさんの命を育み、私たちの食卓においしい贈り物を届けてくれます。初夏に向けて脂がのりはじめ、旨味を増した魚介類は、まさに今だけの特別なごちそうです。ここでは、5月にぜひ味わっていただきたい、旬の魚介類をご紹介しますね。
3.1 旨味が増す初夏の魚
春から初夏へとうつろう季節。海の中では、魚たちが活発に動き出し、栄養をたっぷりと蓄えます。さっぱりとした味わいの中に、しっかりとした旨味を感じられるのがこの時期の魚の特徴です。食卓にのせるだけで、季節の訪れを感じさせてくれますよ。
3.1.1 鰹(カツオ)
5月の魚といえば、やはり「初鰹(はつがつお)」を思い浮かべる方が多いのではないでしょうか。黒潮にのって北上してくるこの時期のカツオは、脂肪が少なく、さっぱりとしていて身が引き締まっているのが特徴です。鮮やかな赤身には、生命力があふれています。

新鮮なカツオが手に入ったら、ぜひ味わいたいのが「たたき」。皮目を香ばしく炙り、新玉ねぎやニンニク、みょうがなどの薬味をたっぷり添えていただくと、口の中に爽やかな香りが広がります。鉄分やビタミンB群が豊富で、疲れを感じやすい季節の変わり目の栄養補給にもぴったりですよ。
| 旬の時期 | 主な栄養素 | おすすめの食べ方 |
|---|---|---|
| 4月~6月(初鰹) | DHA、EPA、鉄分、ビタミンB12 | たたき、刺身、手こね寿司 |
3.1.2 鯵(アジ)
「味が良いからアジ」という名前の由来があるほど、古くから日本人に愛されてきた魚です。5月頃から夏にかけて旬を迎え、ほどよく脂がのって旨味が増してきます。くせのない味わいで、どんな料理にも合わせやすいのが嬉しいですね。

新鮮なアジは、お刺身や「なめろう」にすると、そのおいしさを存分に楽しめます。もちろん、定番の塩焼きやアジフライも格別です。骨や歯を丈夫にするカルシウムとその吸収を助けるビタミンDが豊富なので、骨の健康が気になる世代には特におすすめしたい食材です。
| 旬の時期 | 主な栄養素 | おすすめの食べ方 |
|---|---|---|
| 5月~8月 | カルシウム、ビタミンD、DHA、EPA | 塩焼き、フライ、なめろう、南蛮漬け |
3.1.3 鰆(サワラ)
「魚」へんに「春」と書くことからもわかるように、春を代表する魚のひとつです。瀬戸内海周辺では春が旬とされ、この時期のサワラは産卵のために沿岸に近づいてきます。上品でやわらかな白身は、ふっくらとしていて、やさしい味わいが魅力です。
淡白な味わいなので、西京焼きや塩焼き、照り焼きなど、少し味をしっかりつける料理によく合います。また、ムニエルやフライなど洋風の調理法とも相性が良いので、献立の幅が広がりますね。良質なたんぱく質が豊富で消化も良いため、胃腸に負担をかけにくいのも嬉しいポイントです。
| 旬の時期 | 主な栄養素 | おすすめの食べ方 |
|---|---|---|
| 3月~5月(春の旬) | たんぱく質、ビタミンD、カリウム | 西京焼き、塩焼き、ムニエル、照り焼き |
3.1.4 しらす
春と秋に旬を迎えるしらす。特に春にとれる「春しらす」は、水分が多くてやわらかく、みずみずしい味わいが楽しめます。釜揚げにしたばかりのふわふわのしらすは、この時期ならではのお楽しみですね。
あたたかいご飯にたっぷりのせて「しらす丼」にするのはもちろん、パスタや和え物、卵焼きの具にしたりと、手軽に使えるのが魅力です。骨ごと丸ごと食べられるので、カルシウムを手軽にたくさん摂ることができます。毎日の食卓に、ぜひ取り入れてみてください。
| 旬の時期 | 主な栄養素 | おすすめの食べ方 |
|---|---|---|
| 3月~5月(春しらす) | カルシウム、ビタミンD、たんぱく質 | しらす丼、パスタ、和え物、卵焼き |
3.1.5 きす
透き通るような美しい白身から「海の貴婦人」とも呼ばれるきす。5月頃から旬が始まり、初夏から夏にかけて最もおいしい時期を迎えます。脂肪が少なく、上品で繊細な甘みのある味わいが特徴です。
きすといえば、やはり天ぷらが一番人気。揚げたてのサクッとした衣と、中のふっくらとした身の組み合わせは絶品です。そのほか、シンプルな塩焼きやお吸い物の椀種にしても、きす本来のやさしい味わいを堪能できます。高たんぱくで低脂肪なので、とてもヘルシーな魚といえるでしょう。
| 旬の時期 | 主な栄養素 | おすすめの食べ方 |
|---|---|---|
| 5月~8月 | たんぱく質、カリウム、ビタミンB12 | 天ぷら、塩焼き、お吸い物、昆布締め |
4. 5月が旬の果物一覧
日差しがだんだんと力強くなり、初夏の訪れを感じる5月。この時期の果物は、みずみずしさと爽やかな甘さが魅力です。おやつの時間や食後のデザートに、季節の恵みをたっぷりと味わってみませんか?ここでは、見ているだけでも心が弾む、5月が旬の美味しい果物たちをご紹介します。
4.1 爽やかな甘みが楽しめる果実
春から夏へと移ろうこの季節には、びわやさくらんぼといった、短い期間しか味わえない貴重な果物が登場します。ご家庭で楽しむのはもちろん、大切な方への贈り物としても喜ばれますよ。
4.1.1 びわ
ほんのりオレンジ色をした、ころんと可愛らしい姿のびわ。上品な甘さとほのかな酸味、そしてなめらかな口当たりが特徴で、初夏を感じさせてくれる果物のひとつです。皮をむいてそのままいただくのが一番ですが、古くから咳止めや喉の痛みを和らげる効果があるともいわれ、体にやさしい果物としても親しまれてきました。
びわには、体内でビタミンAに変換されるβ-カロテンが豊富に含まれています。ビタミンAは、皮膚や粘膜の健康を保つ働きが期待できるため、季節の変わり目の体調管理にも役立ちそうですね。
| 項目 | ポイント |
|---|---|
| 美味しいびわの選び方 | 皮にハリがあり、きれいなオレンジ色をしているものを選びましょう。表面の産毛(うぶげ)がしっかりと残っているのも新鮮な証拠です。 |
| 正しい保存方法 | 乾燥に弱いので、風通しの良い涼しい場所で常温保存が基本です。食べる2〜3時間前に冷蔵庫で冷やすと、より一層美味しくいただけます。 |
4.1.2 さくらんぼ
「初夏のルビー」とも呼ばれるさくらんぼは、つやつやと輝く赤い実が愛らしい果物です。口に含むと、甘酸っぱい果汁がじゅわっと広がり、幸せな気持ちになりますよね。代表的な品種「佐藤錦」をはじめ、様々な品種が5月頃から旬を迎えます。
さくらんぼには、体の余分な塩分を排出するのを助けるカリウムや、貧血予防に役立つ鉄分が含まれています。また、鮮やかな赤色の素であるアントシアニンは、ポリフェノールの一種で、目の健康維持にも良いとされています。
| 項目 | ポイント |
|---|---|
| 美味しいさくらんぼの選び方 | 実全体にツヤとハリがあり、色が鮮やかなものを選びましょう。軸がきれいな緑色をしているものが新鮮です。 |
| 正しい保存方法 | とてもデリケートな果物なので、冷蔵庫の野菜室で保存します。乾燥を防ぐため、キッチンペーパーを敷いた容器に入れるのがおすすめです。洗うのは食べる直前にしましょう。 |
4.1.3 メロン
芳醇な香りと、とろけるような甘さが魅力のメロンは、まさに果物の王様。少し特別な日のデザートや、おもてなしにもぴったりです。5月は、茨城県産などを中心に、美味しいメロンが出回り始めます。
メロンは、リラックス効果が期待される成分「GABA(ギャバ)」を含んでいるのが特徴です。また、カリウムも豊富なので、むくみが気になる方にも嬉しい果物ですね。農林水産省のウェブサイトでも、メロンをはじめとする旬の食材が紹介されており、その人気の高さがうかがえます。
メロンは追熟が必要な果物で、食べごろの見極め方が美味しさの鍵です。ツルが付いているものはツルが枯れてきたり、メロンのお尻の部分をそっと押してみて、少し弾力を感じたら食べごろのサインですよ。
| 項目 | ポイント |
|---|---|
| 美味しいメロンの選び方 | 網目のあるメロンは、模様が均一でくっきりしているものを選びましょう。手に持った時にずっしりと重みを感じるものが、果汁がたっぷりの証拠です。 |
| 正しい保存・追熟方法 | 購入後は、風通しの良い常温の場所で追熟させます。食べごろになったら、食べる2〜3時間前に冷蔵庫で冷やすと、甘い香りが引き立ちます。 |
5. 5月に楽しみたい山菜やその他の食材
みずみずしい野菜や旨味ののった魚介類も魅力的ですが、5月は野山の恵みである「山菜」も旬を迎えます。独特の香りとほろ苦さは、まさに大人の楽しみ。春から初夏へと移りゆく季節の息吹を、食卓で感じてみませんか?
5.1 ふき
シャキシャキとした歯ごたえと、爽やかな香りが特徴の「ふき」。煮物や炒め物など、さまざまなお料理で楽しめます。食物繊維やカリウムなど、からだに嬉しい栄養も含まれているんですよ。春の短い期間しか味わえない、特別なごちそうです。
5.1.1 おいしい「ふき」の選び方
スーパーなどでふきを選ぶときには、いくつかのポイントがあります。新鮮でおいしいふきを見つけて、春の味覚を存分に楽しみましょう。
| チェックポイント | 詳細 |
|---|---|
| 葉の色 | 葉がついている場合、みずみずしく鮮やかな緑色のものを選びましょう。 |
| 茎の状態 | 太すぎず、まっすぐとしなやかに伸びているものが柔らかく、筋が少ない良品です。 |
| 切り口 | 切り口が変色しておらず、みずみずしいものが新鮮な証拠です。穴が空いていないかも確認しましょう。 |
5.1.2 ふきの下処理とアク抜き
ふきをおいしくいただくためには、下処理として「アク抜き」が欠かせません。まず、まな板の上で塩をふってゴロゴロと転がす「板ずり」をします。こうすることで、表面の産毛が取れ、色鮮やかに仕上がります。その後、たっぷりのお湯で茹でてから冷水にとり、丁寧に皮をむいていきましょう。少し手間はかかりますが、このひと手間がふき特有のえぐみを和らげ、春の味をぐっと引き立ててくれますよ。
5.1.3 ふきを使ったおすすめ料理
下処理を済ませたふきは、だしを効かせた優しい味わいの煮物にぴったりです。油揚げや鶏肉と一緒に炊き合わせると、旨味が染み込んで絶品です。また、甘辛く煮詰めた「きゃらぶき」は、ごはんのお供に最高の一品。作り置きしておけば、毎日の食卓が豊かになりますね。
5.2 わらび
独特のぬめりと歯ざわりが楽しい「わらび」も、5月に旬を迎える代表的な山菜です。おひたしや和え物、炊き込みご飯など、素朴ながらも奥深い味わいが楽しめます。
ただし、わらびには天然の毒性成分が含まれているため、必ずアク抜きをしてから調理してくださいね。正しい下処理をすれば、安全においしくいただけますのでご安心ください。
5.2.1 おいしい「わらび」の選び方
わらびは鮮度が命。おいしいわらびを見分けるコツを知っておくと、より一層春の味覚を楽しめます。
| チェックポイント | 詳細 |
|---|---|
| 穂先の状態 | 穂先がまだ固く丸まっていて、しっかり巻いているものが若くて柔らかい証拠です。 |
| 茎の状態 | 緑色が鮮やかで、太く短いものがおすすめです。表面に白い産毛が多くついているほど新鮮です。 |
5.2.2 わらびの下処理とアク抜き
わらびのアク抜きは、重曹を使うのが一般的です。大きめの容器にわらびを入れ、全体に重曹を振りかけたら、わらびが浸るくらいの熱湯を注ぎます。そのまま一晩おき、水の色が濃い緑色になったら、きれいな水で数回洗い流せば完了です。この丁寧な下処理も、季節を味わう豊かな時間になりますね。
5.2.3 わらびを使ったおすすめ料理
アク抜きしたわらびは、なんといってもシンプルなおひたしがおすすめです。だし醤油とかつお節をかけるだけで、わらび本来の風味を堪能できます。また、たたいた梅肉と和えたり、油揚げと一緒に煮物にしたりするのも良いですね。細かく刻んで炊き込みご飯にすれば、春の香りが食卓いっぱいに広がります。
6. まとめ
5月に旬を迎える野菜や魚、果物をご紹介してまいりましたが、いかがでしたでしょうか。春から初夏へと移ろうこの季節は、生命力にあふれた彩り豊かな食材が市場に並び、私たちの食卓をにぎやかにしてくれます。
旬の食材は、最も栄養価が高く、風味も格別です。自然の理にかなったその時期にいただくからこそ、私たちはその恵みを最大限に享受でき、心とからだの健やかさにつながります。みずみずしいアスパラガスや甘いそら豆、旨味ののった初鰹など、この時季ならではの味わいは、日々の暮らしにささやかな喜びをもたらしてくれますね。
スーパーマーケットや直売所で旬の食材を見かけたら、ぜひ手に取ってみてください。季節の恵みをいただく豊かな時間が、あなたの毎日にやさしい彩りを添えてくれることでしょう。



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