【カビ・カルキ徹底除去!】加湿器の掃除完全ガイド|クエン酸・重曹で簡単キレイ

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空気が乾燥する季節、加湿器は、私たちの暮らしに欠かせない存在ですね。でも、ふと気づくとフィルターに白い塊がついていたり、タンクの底にぬめりを感じたり…。「このまま使って大丈夫かしら」と、少し心配になることはありませんか。実はその汚れ、放っておくとカビや雑菌が繁殖し、お部屋にまき散らされて健康に影響を及ぼすこともあるのです。この記事では、そんな加湿器のお悩みをすっきり解決する方法を、一つひとつ丁寧にご紹介します。ご家庭にあるクエン酸や重聡を使って、気になるカルキ汚れやぬめりを根こそぎ落とす、簡単で効果的なお掃除術をまとめました。毎日できる簡単なお手入れから、月に一度の念入りな掃除、お使いの加湿器のタイプに合わせた注意点まで、これさえ読めば加湿器掃除のすべてが分かります。今年こそ加湿器をすみずみまでキレイにして、清潔なうるおいに満ちた、健やかな毎日を過ごしませんか。

目次

1. 加湿器の掃除はなぜ必要?カビや雑菌が健康に与える影響

乾燥が気になる季節、お部屋の空気を潤してくれる加湿器は、私たちの暮らしに欠かせないアイテムですよね。喉やお肌の乾燥を防ぎ、風邪の予防にも役立つ心強い味方です。しかし、そのお手入れを少し怠ってしまうと、実は健康を脅かす原因にもなりかねないことをご存知でしたか?

「水を入れているだけなのに、どうして汚れるの?」と不思議に思うかもしれません。ここでは、なぜ加湿器の掃除が大切なのか、その理由と、汚れた加湿器が私たちの体に与える影響について、詳しく見ていきましょう。

1.1 加湿器はカビや雑菌の温床になりやすい?

加湿器の内部は、カビや雑菌にとって、まるで快適なリゾート地のような環境が整っています。その理由は、菌が繁殖するために必要な「3つの条件」が揃いやすいからです。

  1. 水分:加湿器には常に水が入っており、菌が生きるために不可欠な水分が豊富にあります。
  2. 温度:お部屋の快適な温度は、雑菌にとっても活動しやすい温度です。
  3. 栄養:空気中に漂うホコリや、水道水に含まれるミネラル分が固まった水垢(カルキ)が、菌の栄養源となります。

これらの条件が揃うことで、タンクの水の中やフィルター、吹出口などで目に見えない雑菌がどんどん増殖し、ぬめりやピンク色の汚れ、黒いポツポツとしたカビが発生してしまうのです。

1.2 汚れた加湿器が引き起こす健康被害とは

最も怖いのは、加湿器の内部で増殖したカビや雑菌が、水蒸気(ミスト)と一緒に空気中にばらまかれてしまうことです。私たちは、潤いのあるきれいな空気を吸い込んでいるつもりが、実は目に見えない汚染物質を体内に取り込んでいるかもしれません。これが、思わぬ健康被害を引き起こす原因となるのです。

1.2.1 咳や発熱の原因?「加湿器病」

「加湿器病」という言葉を聞いたことはありますか?これは正式には「過敏性肺炎(かびんせいはいえん)」と呼ばれるアレルギー性の肺疾患です。汚れた加湿器から放出されたカビの胞子などを繰り返し吸い込むことで、肺がアレルギー反応を起こし、咳や発熱、悪寒、全身の倦怠感といった、まるで風邪のような症状が現れます。

原因となっている加湿器の使用をやめると症状が改善することが多いのですが、気づかずに使い続けると症状が慢性化し、肺の機能が低下してしまうこともあるため注意が必要です。

1.2.2 命に関わることも「レジオネラ症」

特に注意したいのが「レジオネラ属菌」による感染症です。この菌は自然界の土や水の中に広く生息しており、加湿器のタンク内などで増殖することがあります。レジオネラ属菌を含んだミストを吸い込むと、「レジオネラ症」を発症する危険性があります。

症状は高熱や咳、頭痛、筋肉痛などで、重症化すると肺炎を引き起こし、命に関わることもあります。特に、ご高齢の方や、基礎疾患をお持ちで免疫力が低下している方は重症化しやすいため、細心の注意が求められます。(参考:厚生労働省「レジオネラ症について」

これらの健康被害のリスクは、小さなお子様や赤ちゃん、大切なペットがいるご家庭では、さらに気になるところですよね。

病名原因主な症状
加湿器病(過敏性肺炎)カビや雑菌などに対するアレルギー反応咳、発熱、悪寒、息切れ、倦怠感など
レジオネラ症レジオネラ属菌の感染高熱、咳、頭痛、筋肉痛、呼吸困難など(重症化すると肺炎に)

でも、どうぞご安心ください。こうしたリスクは、定期的な正しいお手入れをすることで、しっかりと防ぐことができます。家族みんなが健やかに、そして心地よく冬を過ごすために、加湿器を清潔に保つ習慣を身につけていきましょう。次の章からは、具体的なお掃除の方法を詳しくご紹介しますね。

2. 加湿器の掃除頻度の目安 毎日・週一・月一でやるべきこと

心地よい潤いを届けてくれる加湿器ですが、お手入れを忘れるとカビや雑菌の温床になってしまうことも。そう聞くと少し面倒に感じられるかもしれませんが、ご安心ください。毎日、週に一度、月に一度と、こまめなお手入れを習慣にすれば、大変な大掃除は必要なくなります。ここでは、あなたの暮らしのペースに合わせて無理なく続けられる、上手な掃除の頻度と内容をご紹介しますね。

頻度主な掃除内容目的
毎日タンクの水の交換、本体の拭き掃除雑菌の繁殖防止
週に1回フィルターやトレイの水洗い、吸気口のホコリ取りぬめりや軽度の汚れの除去
月に1回クエン酸や重曹を使ったつけおき洗いカルキ汚れやカビの徹底除去

2.1 毎日やるべき簡単な掃除

毎日の習慣にしたいのは、ほんのひと手間でできる簡単なお手入れです。これを続けるだけで、加湿器の清潔さが格段に変わってきますよ。

一番大切なのは、タンクの水を毎日交換することです。継ぎ足しはせず、一度すべての水を捨ててから、新しい水道水を入れましょう。水道水には消毒のための塩素が含まれており、これが雑菌の繁殖を抑える助けになります。お水を取り替えるついでに、タンクの内側を少量の水で振り洗いすると、さらに清潔を保てます。

また、加湿器の本体についたホコリを、乾いたやわらかい布でさっと拭き取るのも忘れずに行いましょう。わずか1〜2分で終わるこの習慣が、気持ちの良い空気と、加湿器の長持ちにつながります。

2.2 週に1回行いたい掃除

週末など、少し時間に余裕があるときには、もう少しだけ丁寧にお手入れをしてあげましょう。週に一度のお手入れで、ぬめりや汚れが定着するのを防ぎます。

まずは、加湿器の電源プラグをコンセントから抜いてくださいね。タンクやフィルター、トレイなど、取り外せるパーツをすべて取り外し、やわらかいスポンジやブラシを使って水洗いします。洗剤を使う場合は、食器用の中性洗剤を薄めて使い、洗剤成分が残らないよう、念入りにすすぐのがポイントです。

また、室内のホコリを吸い込む「吸気口」のフィルターも確認しましょう。ここにホコリが溜まっていると、加湿効率が落ちたり、いやなニオイの原因になったりします。掃除機で吸い取るか、ブラシで優しくホコリを取り除いてあげてください。

2.3 月に1回の念入りな掃除

月に一度は、普段のお手入れでは落としきれない頑固な汚れをリセットする「スペシャルケア」の日。特に、水に含まれるミネラル分が固まった白いカリカリとした「カルキ汚れ」や、ピンク色のぬめりなどは、このタイミングでしっかり落としましょう。

この念入り掃除で活躍するのが、「クエン酸」や「重曹」といった、環境にも体にもやさしい洗浄剤です。カルキ汚れにはクエン酸を、ぬめりや皮脂汚れには重曹をと、汚れの種類によって使い分けるのがコツ。詳しい使い方は次の章で丁寧にご紹介しますが、月に一度、これらの洗浄剤を使ってフィルターやタンクをつけおき洗いすることで、見違えるほどきれいになりますよ。

定期的なお手入れで、加湿器をいつも清潔に保ち、冬の暮らしに心地よいうるおいをプラスしてくださいね。

3. 加湿器掃除の基本 準備するものと全体の流れ

加湿器のお掃除と聞くと、なんだか少し面倒に感じてしまうかもしれませんね。でも、ご安心ください。基本的な手順とちょっとしたコツさえ覚えてしまえば、驚くほど簡単なんですよ。まずは、お掃除を始める前に必要なものを揃えて、全体の流れを頭に入れておきましょう。準備が整えば、心にも余裕が生まれて、スムーズに進められますからね。

3.1 掃除の前に準備する道具リスト

特別に高価な洗剤を用意する必要はありません。ご家庭にあるものや、ドラッグストアなどで手軽に手に入るものばかりです。お肌を守るためのゴム手袋も忘れずにご用意くださいね。

道具主な用途・ポイント
クエン酸水アカや白い塊(カルキ)を溶かして落とすのに役立ちます。食品にも使われる成分なので安心ですね。
重曹または酸素系漂白剤ぬめりや黒カビ、嫌なニオイを取るのに効果的です。タンクの内部など、手の届きにくい場所の掃除に重宝します。
柔らかい布やスポンジ本体や各パーツを優しく洗うために使います。加湿器を傷つけないよう、硬いタワシは避けましょう。
使い古しの歯ブラシや綿棒フィルターの網目や、細かい溝、吹き出し口など、スポンジでは届かない部分の汚れをかき出すのに便利です。
ゴム手袋洗剤を使ったり、長時間水に触れたりする際の、手荒れを防ぎます。大切な手を守るために、ぜひ着用してください。
バケツや洗面器フィルターやトレイなどの部品をつけおき洗いする際に使います。加湿器のパーツが入る大きさのものを用意しましょう。

3.2 加湿器掃除の基本的な5ステップ

さあ、道具が揃ったら、いよいよお掃除開始です。全体の流れは、大きく分けて5つのステップ。この手順を覚えておけば、どんなタイプの加湿器でも応用できますよ。一つひとつの作業はとてもシンプルですから、焦らずゆっくり進めていきましょう。

  1. 電源を抜き、水を捨てる
    安全のため、まず最初に必ず電源プラグをコンセントから抜いてください。それから、タンクや本体に残っている水をすべて捨てます。これはお掃除の基本中の基本ですね。
  2. パーツを分解する
    取扱説明書を見ながら、タンク、フィルター、トレイなど、取り外せるパーツをすべて外します。無理に力を加えると破損の原因になりますので、慎重に、優しく扱ってくださいね。
  3. 汚れの種類に合わせてつけおきする
    外したパーツの汚れ具合を確認しましょう。白いカリカリとしたカルキ汚れにはクエン酸を、ピンク色のぬめりや黒い点々(カビ)には重曹や酸素系漂白剤を使います。バケツなどにそれぞれの洗剤を溶かしたぬるま湯とパーツを入れ、しばらく時間を置くことで、こびりついた汚れがゆるんで落としやすくなります。(詳しい使い分けは次の章でお話ししますね)
  4. 細かい部分を洗い、しっかりすすぐ
    つけおきで汚れが浮き上がってきたら、スポンジや歯ブラシで優しくこすり洗いをします。洗い終わったら、洗剤成分が残らないように、流水で丁寧にすすぎましょう。すすぎ残しは、新たな汚れやニオイの原因になることがあります。
  5. 完全に乾かしてから組み立てる
    お掃除の最後の、そしてとても大切な仕上げです。洗ったパーツを清潔なタオルの上に並べ、風通しの良い場所で完全に乾かします。水分が少しでも残っていると、そこからまたカビや雑菌が繁殖してしまいます。急いでいるときも、しっかりと乾かすことを心がけてください。完全に乾いたことを確認したら、元通りに組み立ててお掃除完了です。お疲れ様でした!

4. 【汚れの種類別】加湿器の掃除方法 クエン酸と重曹の正しい使い分け

加湿器のお掃除と聞くと少し面倒に感じるかもしれませんが、実は汚れの種類に合わせた洗剤を使えば、驚くほど簡単につるんとキレイになるんですよ。主役は、環境にもやさしい「クエン酸」と「重曹」。この二つを上手に使い分けるのが、賢いお掃除の第一歩です。酸性のクエン酸はアルカリ性の汚れに、アルカリ性の重曹は酸性の汚れに効果的という、理科の実験のような性質を思い出してみてくださいね。どちらの汚れか見分けるコツも合わせて、詳しくご紹介します。

汚れの種類汚れの性質効果的な洗剤主な発生場所
カルキ(白い塊・水垢)アルカリ性クエン酸(酸性)フィルター、トレイ、給水口周辺
ぬめり・ピンク汚れ酸性重曹(アルカリ性)タンク内部、水の溜まる場所
黒カビ酸性重曹、酸素系漂白剤(アルカリ性)フィルター、吹出口、タンク内部

4.1 白い塊カルキ汚れにはクエン酸を使った掃除

加湿器のフィルターや水の受け皿(トレイ)に、いつの間にか付いているガリガリとした白い塊。これは水道水に含まれるカルシウムやマグネシウムなどのミネラル分が固まった「カルキ汚れ」です。アルカリ性の性質を持つこの頑固な汚れには、酸性のクエン酸が力を発揮します。クエン酸がカルキを中和して、柔らかく溶かしてくれるんですよ。

4.1.1 クエン酸水の作り方とつけおき時間

まずは、お掃除の基本となるクエン酸水を作りましょう。作り方はとっても簡単です。

【クエン酸水の基本の分量】
ぬるま湯(40℃程度)1リットルに対して、クエン酸を大さじ1杯(約15g)が目安です。ぬるま湯を使うことでクエン酸が溶けやすくなり、汚れ落ちの効果も高まります。

作ったクエン酸水に、カルキ汚れが気になるフィルターやトレイなどの部品を浸します。つけおき時間の目安は1時間から2時間ほど。汚れがひどい場合でも、長時間つけすぎると部品を傷めてしまう可能性があるので、最大でも3時間程度にしてくださいね。様子を見ながら、汚れがふやけてきたらOKのサインです。

4.1.2 フィルターやトレイの掃除手順

  1. つけおきする
    バケツや洗面器にクエン酸水を張り、フィルターやトレイなど取り外せる部品をすべて沈めます。部品全体がしっかりと浸かるように、水の量を調整してください。
  2. 優しくこすり洗いする
    つけおき時間が終わったら、部品を取り出します。柔らかくなったカルキ汚れを、使い古しの歯ブラシや柔らかいスポンジで優しくこすり落としましょう。フィルターはデリケートなので、ゴシゴシ力を入れず、なでるように洗うのがポイントです。
  3. 流水でしっかりすすぐ
    クエン酸や汚れが残らないように、流水で丁寧にすすぎます。すすぎが不十分だと、加湿器の運転時に酸っぱいニオイがしてしまうことがあるので、念入りに行いましょう。
  4. 完全に乾かす
    清潔なタオルで水気を拭き取り、風通しの良い場所で完全に乾かします。湿ったままだと新たなカビの原因になるので、焦らずしっかりと乾かしてくださいね。

4.2 ぬめりやカビには重曹や酸素系漂白剤を使った掃除

給水タンクの中や水の溜まる部分を触ったときの「ぬるっ」とした感触。これは水中の雑菌が繁殖してできた「ぬめり」で、ピンク色の汚れも同じ仲間です。これらの汚れは酸性の性質を持っているため、アルカリ性の重曹を使うとすっきり落とせます。また、黒カビが発生してしまった場合は、より洗浄力の高い酸素系漂白剤(「オキシクリーン」などが有名ですね)を使うのがおすすめです。

ここで一つ、とても大切な注意点があります。カビ取りには、絶対に塩素系の漂白剤(「キッチンハイター」など)は使わないでください。部品の劣化や変色を招くだけでなく、万が一酸性の洗剤と混ざると有毒なガスが発生する危険があります。お掃除には、必ず「酸素系」の漂白剤を選びましょう。

4.2.1 重曹ペーストの作り方と使い方

細かい部分やこびりついた汚れには、重曹ペーストが便利です。重曹と水を「3:1」の割合で混ぜ合わせ、少し硬めのペースト状にします。これを歯ブラシなどにつけて、汚れが気になる部分に直接塗り、優しく磨くだけ。研磨作用で汚れを削ぎ落としてくれますよ。

4.2.2 タンク内部の掃除方法

加湿器の心臓部ともいえる給水タンクは、特に清潔に保ちたい場所ですね。以下の手順で、ぬめりや雑菌をきれいにしましょう。

  1. 重曹(または酸素系漂白剤)を入れる
    タンクにぬるま湯を4分の1ほど入れ、重曹(または酸素系漂白剤)を大さじ1杯程度溶かします。
  2. 振って洗う
    タンクのフタをしっかりと閉め、シャカシャカと上下によく振ります。中の水が全体に行き渡るように、1分ほど振り洗いをしましょう。
  3. 細かい部分を洗う
    フタを開け、柄の長いスポンジやボトルブラシを使って、内側の隅やフタの溝などを優しくこすります。細かい部分のぬめりも見逃さないようにしましょう。
  4. よくすすいで乾かす
    中の水を捨て、きれいな水で3〜4回、洗剤のぬめり感がなくなるまでしっかりとすすぎます。その後、逆さにするなどして、風通しの良い場所で完全に乾かしたらお掃除完了です。

5. 【タイプ別】加湿器の掃除方法と注意すべきポイント

ひとくちに加湿器といっても、お部屋を潤す仕組みによっていくつかの種類に分かれます。そして、その仕組みが違うと、汚れやすい場所やお手入れで気をつけたいポイントも少しずつ変わってくるんですよ。ご自宅の加湿器はどのタイプか、確認しながら読み進めてみてくださいね。

ここでは、代表的な4つのタイプ別に、お掃除のコツと注意点をご紹介します。

5.1 超音波式加湿器の掃除

超音波式は、水を細かく振動させて霧のようなミストを発生させるタイプです。熱を使わないので電気代が比較的お安く、デザインがおしゃれなものも多いのが魅力ですね。ただ、加熱による殺菌効果がないため、こまめなお手入れが最も大切なタイプともいえます。

掃除すべき主な場所掃除のポイントと注意点
振動子(超音波振動板)ミストを発生させる心臓部です。ここにカルキ(白い水垢)が付くと、ミストが出にくくなる原因に。綿棒や付属のブラシで、傷つけないよう優しくこすり落としましょう。硬いものでガリガリこするのは絶対に避けてくださいね。
水タンク・本体トレイ雑菌やカビが繁殖しやすい場所です。タンクの水は毎日交換し、その際にタンク内を少量の水で振り洗いする習慣をつけると、ぬめりを防げます。トレイ部分も、週に一度はスポンジなどで洗いましょう。

超音波式は、水道水に含まれるミネラル分までミストとして放出するため、お部屋の家具や床が白くなってしまうことがあります。これを防ぐためにも、タンクやトレイのカルキ汚れは定期的にしっかり落とすことが大切です。

5.2 スチーム式加湿器の掃除

ヒーターで水を沸騰させ、その蒸気(スチーム)でお部屋を加湿するのがスチーム式です。やかんでお湯を沸かすのと同じ原理ですね。一度煮沸するため、雑菌が放出されにくく衛生的なのが最大の長所見mark>です。その反面、水道水のミネラル分が固まった「カルキ」が、ポットの内側のように白くガチガチにこびりつきやすいのが特徴です。

掃除すべき主な場所掃除のポイントと注意点
加熱部分・本体内部カルキ汚れが最もつきやすい場所です。前の章でご紹介したクエン酸を使ったつけおき洗浄が、驚くほど効果を発揮しますよ。月に1回はクエン酸で内部をきれいにしましょう。
蒸気の吹出口ここにもカルキが付着することがあります。クエン酸水に浸した布で拭き取ったり、細かい部分はブラシを使ったりしてきれいにしましょう。

スチーム式のお手入れで最も気をつけたいのが「やけど」です。掃除の際は必ず電源プラグを抜き、本体が十分に冷めてから行ってください。特にクエン酸洗浄の直後は内部が高温になっていることがあるので、時間を置いてから作業を始めるようにしましょう。

5.3 気化式加湿器の掃除

水を含んだフィルターにファンで風を当て、水分を気化させて加湿するタイプです。熱を使わないので安全性が高く、消費電力も少ないのが嬉しいポイント。ただし、フィルターが常に湿っているため、フィルターのカビや雑菌の繁殖、そしてカルキによる目詰まりに注意が必要です。

掃除すべき主な場所掃除のポイントと注意点
加湿フィルター気化式の「かなめ」となる部分です。白いカルキ汚れが目立つならクエン酸水で、嫌なニオイやぬめりが気になるなら重曹や酸素系漂白剤でつけおき洗いをしましょう。ゴシゴシこするとフィルターが傷むので、優しく押し洗いするのがコツです。
給水トレイフィルターを浸しておく水の受け皿です。ぬめりやカビが発生しやすいので、週に一度は忘れずに洗いましょう。フィルターを掃除するタイミングで一緒に行うと効率的ですね。
本体の吸気口・ファン室内のホコリを吸い込むため、意外と汚れています。掃除機でホコリを吸い取ったり、乾いた布で拭いたりして、きれいな空気が通るようにしてあげましょう。

加湿フィルターは消耗品です。お手入れをしても汚れやニオイが取れなくなってきたら、取扱説明書に従って新しいものに交換しましょう。交換の目安は1シーズンから数年に一度と、製品によって様々です。

5.4 ハイブリッド式加湿器の掃除

ハイブリッド式は、2つの方式を組み合わせた、いわば「いいとこ取り」のタイプです。主に「気化式+ヒーター」と「超音波式+ヒーター」の2種類があります。ご自宅のものがどちらのタイプかによって、お手入れのポイントが変わってきます。

まずはご自宅の加湿器がどちらの組み合わせか、説明書で確認してみましょう。基本的な掃除方法は、それぞれの方式に準じます。

ハイブリッド式の種類掃除のポイント
気化式 + 温風ヒーター基本的には「気化式」と同じお手入れです。加湿フィルターと給水トレイを中心に、カルキやぬめりをしっかり落としましょう。温風を当てるため、気化式よりもカルキが固まりやすい傾向があります。
超音波式 + 加熱ヒーターこちらは「超音波式」のお手入れが基本です。ミストを発生させる振動子と、水タンクのこまめな洗浄が大切になります。水を温めるヒーター部分にはカルキが付きやすいので、スチーム式と同様にクエン酸でのお手入れも効果的です。

ハイブリッド式は構造が少し複雑なものもありますが、臆することはありません。基本は「水をためる場所」と「加湿する仕組みの中心部」をきれいにすること。この2点を押さえておけば、清潔なうるおいを保てますよ。

6. これだけは守って 加湿器の掃除でやってはいけないNG行動

お部屋を快適な湿度に保ってくれる加湿器。せっかくお手入れするなら、正しい方法で長く大切に使いたいものですよね。良かれと思ってやったことが、実は加湿器の故障や思わぬ事故につながってしまうことも。ここでは、加湿器をお掃除する際に、ついやってしまいがちな「NG行動」をまとめました。大切な加湿器を守るために、ぜひ一度目を通してみてくださいね。

6.1 使ってはいけない洗剤や道具

加湿器の部品は、繊細なプラスチックなどでできていることがほとんどです。使う洗剤や道具を間違えると、部品を傷つけたり、変質させてしまったりする原因になります。特に注意したいものを表にまとめました。

使ってはいけないものやってはいけない理由
塩素系漂白剤・カビ取り剤酸性のもの(クエン酸など)と混ざると有毒ガスが発生する危険があります。また、部品の劣化や破損を早める原因にもなります。
台所用中性洗剤以外の洗剤(アルカリ性・酸性洗剤)プラスチック部品の変色や変形、ひび割れなどを引き起こす可能性があります。
アルコール、シンナー、ベンジン、除光液など本体や部品の表面を溶かしたり、変質させたりする恐れがあります。火災の原因にもなりかねません。
研磨剤入りのクレンザー、硬いスポンジ、金属たわし部品の表面に細かい傷がつき、その傷にカビや雑菌が繁殖しやすくなってしまいます。

6.2 お手入れ中の危険な行動

お掃除の最中にも、気をつけたいポイントがいくつかあります。ご自身の安全と、加湿器の故障を防ぐために、以下の行動は絶対に避けてくださいね。

6.2.1 電源プラグをコンセントに差したまま掃除する

感電やショートによる火災の危険があり、大変危険です。お掃除を始める前には、必ず電源プラグがコンセントから抜かれていることを確認する習慣をつけましょう。

6.2.2 本体の機械部分を水で丸洗いする

加湿器の本体内部には、電気系統の重要な部品が集まっています。本体に直接水をかけたり、水に浸したりすると、内部に水が入り込み、故障や漏電の深刻な原因となります。本体の汚れは、固く絞った布で優しく拭き取るようにしてください。

6.2.3 部品に熱湯をかける

殺菌したいからと、フィルターやタンクなどの部品に熱湯をかけるのはやめましょう。ほとんどの部品は熱に弱いため、変形して元に戻らなくなったり、ひび割れが起きたりすることがあります。お手入れには、ぬるま湯か水を使うのが基本です。

6.3 加湿器の寿命を縮める使い方と掃除後の注意点

お掃除そのものではありませんが、普段の使い方やお手入れの仕上げ方が、加湿器の寿命に関わってくることもあります。清潔に保つためにも、ぜひ覚えておいてください。

6.3.1 水道水以外の水を使う

ミネラルウォーターや浄水器の水、アルカリイオン水などは、塩素が含まれていないため、かえって雑菌が繁殖しやすくなります。雑菌やカビの繁殖を防ぐためにも、必ず塩素消毒されている水道水を使用してください。故障の原因にもつながります。

6.3.2 指定されていないアロマオイルなどをタンクに入れる

アロマ対応機種以外で、タンクの水に直接アロマオイルなどを入れると、オイルの成分がプラスチックを溶かしたり、フィルターを詰まらせたりしてしまいます。故障の原因になるだけでなく、保証の対象外となることも。香りを楽しみたい場合は、必ずアロマ対応の加湿器か、専用のディフューザーを使いましょう。

6.3.3 掃除後、濡れたまま組み立ててしまう

せっかくきれいに洗っても、部品に水分が残ったまま組み立ててしまうと、そこからまたカビや雑菌が繁殖してしまいます。お手入れの最後には、清潔な乾いた布で水気をしっかりと拭き取るか、完全に乾くまで自然乾燥させることが大切です。このひと手間が、次のお掃除をぐっと楽にしてくれますよ。

7. 普段からできる 加湿器を清潔に保ち掃除を楽にする予防策

毎回の加湿器掃除は、正直なところ少し骨が折れる作業ですよね。でも、普段のちょっとした心がけで、あの面倒なカビやカルキ汚れはぐっと付きにくくなるんです。ここでは、お掃除の手間を軽くして、毎日気持ちよく加湿器を使うための簡単な予防策をご紹介します。暮らしの知恵として、ぜひ取り入れてみてくださいね。

7.1 毎日のお手入れは「水の交換」が基本

一番シンプルで、そして最も効果的なのが「毎日、タンクの水を交換すること」です。水道水といえども、時間が経つと雑菌が繁殖しやすくなります。加湿器は、そのタンクの水をミストにしてお部屋に放出するもの。だからこそ、タンクの中はいつも新鮮なお水で満たしてあげたいですね。

使い終わったらタンクに残った水を捨て、次に使うときに新しい水道水を入れる。たったこれだけの一手間が、ぬめりや嫌なニオイの発生を防ぐ大きな一歩になります。タンクを空にする際に、さっと水でゆすいであげるとさらに効果的ですよ。

7.2 使う水は「水道水」がベストな理由

「お肌にも体にも良いお水を」と考えて、ミネラルウォーターや浄水器の水を使いたくなるかもしれませんが、実は加湿器にとっては逆効果になることがあります。ほとんどの加湿器では、雑菌の繁殖を抑える塩素が含まれた「水道水」の使用が推奨されています。

ミネラルウォーターや浄水は、この塩素が除去されているため、かえって雑菌が繁殖しやすくなるのです。また、ミネラルウォーターに含まれるミネラル分が、白いカリカリとしたカルキ汚れの原因になることもあります。

特別な理由がない限り、加湿器には毎日新しい水道水を使う、と覚えておきましょう。

水の種類メリットデメリット
水道水塩素が含まれており、雑菌が繁殖しにくい。カルキ(ミネラル分)が付着しやすい。
浄水器の水カルキが付着しにくい場合がある。塩素が除去されているため、雑菌が繁殖しやすい。
ミネラルウォーター塩素が含まれず雑菌が繁殖しやすい。ミネラル分が多く、カルキ汚れやカビの原因になりやすい。

7.3 加湿器の置き場所にも一工夫を

加湿器をどこに置くかによっても、清潔さの保ちやすさや加湿の効率が変わってきます。カビや結露を防ぐためにも、置き場所を見直してみませんか?

  • 壁際や窓際は避ける
    壁や窓の近くは、湿気で結露しやすく、カビの温床になってしまうことがあります。壁紙のシミを防ぐためにも、少し離して置きましょう。
  • 床に直接置かない
    床の近くは冷たい空気がたまりやすく、加湿された空気がうまく循環しません。また、床のホコリを舞い上げてしまう原因にも。テーブルや棚の上など、床から30cm以上の高さがある安定した場所に置くのがおすすめです。
  • エアコンの風が当たる場所も効果的
    お部屋の空気が循環する場所に置くと、潤った空気が効率よく部屋中に広がります。特にエアコンの吸込口の近くに置くと、エアコンの風に乗って部屋全体を快適な湿度に保ちやすくなります。

7.4 長期間使わないときは「乾燥」させてから保管

加湿の季節が終わり、しばらく使わなくなる時も大切なポイントがあります。それは、しまう前に「しっかりお手入れをして、完全に乾燥させる」ことです。

タンクやフィルターに水分が残ったまま保管してしまうと、見えない場所でカビや雑菌が繁殖してしまいます。次のシーズンに使い始めた途端、カビの胞子をお部屋中にまき散らすことにもなりかねません。

お手入れ方法はこれまでにご紹介した通りです。各パーツをきれいに掃除した後、水気を丁寧に拭き取り、風通しの良い場所でからからに乾かしてから、ホコリがかからないように箱や袋に入れて保管しましょう。この一手間が、来年も気持ちよく加湿器を使い始めるための秘訣です。

8. まとめ

今回は、加湿器をいつも清潔に保つための、正しいお掃除方法を詳しくご紹介しました。少し手間に感じるかもしれませんが、きれいな空気はすこやかな毎日につながる大切な要素です。

加湿器のお手入れを怠ると、タンク内でカビや雑菌が繁殖し、知らないうちにお部屋中に広めてしまうことになりかねません。そうなる前に、汚れの種類に合わせたお掃除を習慣にしてみませんか。水アカである白いカルキ汚れには「クエン酸」を、ぬめりやカビには「重曹」をと使い分けることで、驚くほど簡単に見違えるようになりますよ。

毎日のお水の交換といった簡単なことから、月に一度の念入りなお手入れまで。ご自身の暮らしのペースに合わせて無理なく続けることが、心地よい空間を保つ一番の近道です。正しいお掃除で、冬の暮らしにやさしいうるおいと、きれいな空気を。この記事が、あなたのすこやかな毎日をそっと後押しできれば幸いです。

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この記事を書いた人

ハレノヒ編集部は、「わたしらしく、身軽に暮らす」をテーマに、日々の暮らしを前向きに楽しむためのヒントをお届けしています。
美容や健康、趣味、暮らしの工夫など、50代以降の女性を中心に、誰もが自分らしく輝けるような情報をやさしい目線で発信しています。
ちょっと気になる話題や、ふと心に残る言葉も添えて、皆さまの毎日が少し晴れやかになりますように。

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