【秋のお月見】十三夜とは?2025年はいつ?読み方や意味と由来、過ごし方

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澄んだ秋の夜空に輝く「十三夜」をご存じですか?この記事を読めば、2025年の十三夜はいつなのかはもちろん、その読み方や十五夜との違い、美しい由来まですっきりと分かります。十三夜は、十五夜の月とあわせて見ることで縁起が良いとされる、日本ならではの風習です。栗や豆をお供えする意味や、暮らしを彩る素敵な過ごし方もご紹介。古からの習わしに親しみ、心豊かな秋のひとときを過ごしましょう。

目次

1. 十三夜とは 日本独自の美しいお月見文化

秋の夜長、ふと空を見上げると美しい月が輝いていることがありますね。日本では古くから月を愛でる文化が根づいていますが、特に「お月見」といえば「十五夜(中秋の名月)」を思い浮かべる方が多いのではないでしょうか。ですが、実はもうひとつ、大切にされてきたお月見があるのをご存知ですか。それが「十三夜(じゅうさんや)」です。

十三夜は、十五夜の約1か月後に行われるお月見で、日本で生まれた独自の風習といわれています。十五夜の月とあわせて、二度の月を楽しむ。そんな奥ゆかしい日本の美意識が感じられる、素敵なならわしです。この章では、そんな十三夜の基本的な知識について、やさしく紐解いていきましょう。

1.1 2025年の十三夜は11月2日(日曜日)

まず気になるのは、「次の十三夜はいつ?」ということですよね。十三夜は旧暦の9月13日に行われるため、現在の新暦では毎年日付が変わります。

2025年の十三夜は、11月2日の日曜日です。週末にあたるので、ご家族とゆっくり過ごしたり、静かにご自身の時間を楽しんだり、思い思いのお月見を計画するのも素敵ですね。秋も深まり、空気が澄んで月が一層美しく見える頃。ぜひカレンダーに印をつけて、楽しみに待ってみてはいかがでしょうか。

1.2 十三夜の読み方と基本的な意味

「十三夜」は、そのまま「じゅうさんや」と読みます。十五夜(じゅうごや)と響きが似ているので、覚えやすいですね。

十三夜には、いくつかの意味が込められています。ひとつは「旧暦9月13日の夜」そのものを指し、もうひとつは「その夜に見える月」のこと。そして、「その夜にお月見をする風習」全体を指す言葉でもあります。十五夜に次いで美しい月とされ、平安時代から貴族たちの間で親しまれてきたといわれています。十五夜の後に行われることから「後の月(のちのつき)」と呼ばれることもあります。

十三夜の基本を、下の表に簡潔にまとめました。

項目内容
読み方じゅうさんや
日付旧暦の9月13日(新暦では毎年変動します)
意味旧暦9月13日の夜、またはその夜に見える月のこと。この日に行うお月見の風習も指します。
別名後の月(のちのつき)、栗名月(くりめいげつ)、豆名月(まめめいげつ)

より詳しい暦の情報については、国立天文台の暦Wikiなども参考になりますので、ご覧になってみてくださいね。

2. 十三夜の由来と歴史 平安時代から続く風習

中秋の名月として親しまれる十五夜は、中国から伝わった文化ですが、十三夜は日本で生まれた、私たちになじみ深い独自の風習です。その歴史は古く、平安時代にまでさかのぼります。美しい月を眺める時間は、忙しい毎日の中に、ほっと一息つける豊かなひとときをもたらしてくれますね。ここでは、十三夜がどのようにして始まり、受け継がれてきたのか、その歴史を紐解いていきましょう。

2.1 十三夜はいつ始まった?その起源を解説

十三夜のお月見が始まったのは、平安時代中期のこと。一説には、醍醐(だいご)天皇が、延喜19年(西暦919年)の9月13日に月見の宴を開いたのが起源とされています。また、その前の宇多(うだ)天皇の時代に始まったという説も残っています。

当時、宮中の貴族たちの間では、すでに中国・唐から伝わった十五夜のお月見が風流な催しとして定着していました。その中で、満月とはまた違う趣のある十三夜の月を愛でるという、日本ならではの感性が育まれていったのです。宮中で始まったこの優雅な風習は、やがて武家社会や庶民の間にも広まり、今日まで大切に受け継がれています。

2.2 なぜ十三夜にお月見をするの?

では、なぜ日本では十五夜だけでなく、十三夜にもお月見をするようになったのでしょうか。そこには、日本人の持つ独特の美意識と、暮らしに根差した感謝の心が関係しています。

ひとつめの理由は、満月(十五夜)に次いで美しい月とされていたからです。完璧な円を描く満月もさることながら、完全ではないものにこそ趣や風情を感じる、という感性は日本人ならでは。少しだけ欠けた十三夜の月に、昔の人々は奥ゆかしい美しさを見出し、その儚げな光を静かに楽しんだのでしょう。

もうひとつの理由は、秋の収穫に感謝する収穫祭としての意味合いです。十三夜の時期は、ちょうど栗や豆(枝豆)がおいしく実る季節。そのため、神様からの恵みである採れたての作物をお供えし、その年の収穫を感謝する行事として、人々の暮らしの中に定着していきました。このことから、十三夜は「栗名月」や「豆名月」とも呼ばれるようになったのです。美しい月を愛でる風流な心と、自然への感謝の気持ちが合わさって、十三夜のお月見は日本独自の文化として豊かに育まれてきました。

3. 十五夜(中秋の名月)との違い 「片見月」は縁起が悪い?

秋のお月見と聞くと、多くの方が「十五夜(じゅうごや)」を思い浮かべるかもしれませんね。ですが、古くから日本で大切にされてきたもうひとつのお月見が「十三夜(じゅうさんや)」です。このふたつのお月見には、それぞれに違った魅力があります。そして、十五夜と十三夜のどちらか片方しかお月見をしないことを「片見月(かたみづき)」と呼び、縁起が良くないとされてきました。ここでは、十五夜との違いや、片見月にまつわる風習について、やさしく紐解いていきましょう。

3.1 十五夜と十三夜の月の形の違い

十五夜と十三夜は、お月見をする旧暦の日付が違うため、見える月の形も異なります。十五夜の月は「中秋の名月」として親しまれていますが、暦のずれから必ずしも満月とは限らないことをご存知でしたか? 一方、十三夜の月は、満月の少し手前の、いちばん美しいとされる形といわれています。

それぞれの違いを、下の表で比べてみましょう。

十五夜十三夜
日付(旧暦)8月15日9月13日
月の形満月、または満月に近い月満月の少し手前(八分月)
由来中国から伝わった風習日本で始まった独自の風習
別名中秋の名月、芋名月後の月、栗名月、豆名月

十五夜が中国伝来の風習であるのに対し、十三夜は日本で生まれた独自の文化です。完璧な満月だけでなく、少し欠けた月に趣を見出す、日本人ならではの繊細な感性が十三夜の風習に表れているのかもしれませんね。

3.2 二夜の月を愛でる日本ならではの風習

昔から、十五夜の月を眺めたら、同じ場所で十三夜の月も愛でるのが良いとされてきました。どちらか一方しか見ないことを「片見月(かたみづき)」または「片月見(かたつきみ)」と呼び、縁起が悪い、災いが訪れるといった言い伝えがあります。

これは迷信のひとつではありますが、昔の人がそれだけふたつの月をセットで大切に考えていた証拠ともいえます。十五夜と十三夜、両方の月を愛でることを「二夜の月(ふたよのつき)」と呼び、とても風流なこととされていました。

なぜこのような風習が生まれたのか、はっきりとした理由は定かではありません。一説には、十五夜だけでなく、秋の収穫祭として生まれた日本独自の十三夜も大切にしてほしい、という願いが込められていたともいわれています。

美しい月を一度ならず二度も楽しむ機会があるなんて、とても素敵なことだと思いませんか。澄んだ秋の夜空を見上げ、ふたつの美しい月を愛でる。そんな昔ながらの風習に、心豊かな暮らしのヒントが隠されているような気がします。

4. 十三夜の別名「栗名月」「豆名月」について

澄んだ秋の夜空に浮かぶ十三夜の月。この月には、とても風情のある別名があるのをご存知でしょうか。それは、ちょうどその時期に旬を迎える収穫物にちなんだ「栗名月(くりめいげつ)」や「豆名月(まめめいげつ)」という呼び名です。これらの名前には、作物の収穫を祝い、自然の恵みに感謝する日本人のあたたかな心が込められています。ここでは、それぞれの名前の由来と、季節の味覚についてご紹介しますね。

4.1 栗名月と呼ばれる理由と旬の収穫物

十三夜がおこなわれる旧暦の9月13日は、ちょうど栗がおいしく実る季節です。そのため、旬を迎えた栗を月に供えて収穫に感謝したことから「栗名月」と呼ばれるようになりました。お供えした後の栗は、家族で栗ごはんや焼き栗にしていただくのも、この時期ならではの楽しみ方。香ばしい栗の香りと共に月を眺めれば、より一層豊かな気持ちになれそうですね。

4.2 豆名月と呼ばれる理由と旬の収穫物

十三夜は「豆名月」とも呼ばれます。これは、栗と同じく、この時期に枝豆や大豆の収穫期を迎えることに由来します。そのため、採れたての豆をお供えして豊作を祝う風習が生まれました。お月見をしながら、塩ゆでしたばかりの温かい枝豆をいただくのも乙なもの。大地の恵みを感じながら、美しい月を愛でる時間は、心満たされるひとときとなるでしょう。

「栗名月」と「豆名月」、どちらの呼び名も、実りの秋を象徴する美しい言葉ですね。それぞれの由来を下の表にまとめましたので、参考にしてみてください。

別名由来となった収穫物お供え・楽しみ方の例
栗名月(くりめいげつ)収穫した栗をお供えする、栗ごはん、栗きんとん、渋皮煮など
豆名月(まめめいげつ)枝豆・大豆収穫した枝豆をお供えする、塩ゆでした枝豆、豆餅など

どちらか一方をお供えする決まりはなく、地域やご家庭によってもさまざまです。その年に豊作だったものや、お好きなものをお供えして、秋の収穫を感謝しながらお月見を楽しんでみてはいかがでしょうか。

5. 十三夜の過ごし方 風情あるお月見の楽しみ方

澄み渡る秋の夜空に、美しい月が浮かぶ十三夜。忙しい日常から少し離れて、心穏やかなお月見の時間を過ごしてみませんか?昔ながらの風習を大切にしながら、今の暮らしに合わせた楽しみ方を取り入れることで、十三夜はもっと特別な一日になります。ここでは、風情あふれる十三夜の楽しみ方をご紹介します。準備から当日の過ごし方まで、あなたらしいお月見のヒントを見つけてくださいね。

5.1 十三夜のお供え物とその意味

お月見といえば、お供え物が欠かせません。一つひとつに意味が込められたお供え物を準備する時間も、お月見の楽しみのひとつです。月に収穫の感謝を伝え、これからの豊作や健康を願う気持ちを込めて、丁寧に飾り付けてみましょう。

5.1.1 月見団子の数や並べ方

十三夜にお供えする月見団子は、「十三夜」にちなんで15個ではなく13個、または簡略化して3個とされています。お団子を並べる器には、三方(さんぽう)や、白い紙を敷いたお皿を使います。神様への感謝を表すため、お団子はピラミッドのように積み上げてお供えするのが伝統的な方法です。

団子の数並べ方
1段目(一番下)9個3個×3列の正方形に並べます。
2段目(一番上)4個1段目の団子の間に、2個×2列で乗せます。

お団子を高く積むことで、月とのつながりが深まるともいわれています。心を込めて、きれいに積み上げてみてくださいね。

5.1.2 栗や豆(枝豆)をお供えする理由

十三夜が「栗名月(くりめいげつ)」や「豆名月(まめめいげつ)」と呼ばれるように、この時期に旬を迎える栗や豆類は代表的なお供え物です。これらは、秋の実りに感謝し、その年の収穫物を月にお供えするという意味が込められています。

お供えする際は、栗は殻のついたまま、豆は枝豆のようにさやに入った状態でお供えするのが一般的です。採れたての旬の恵みを月に見てもらうことで、来年の豊作も祈願します。

5.1.3 ススキや秋の草花を飾る

お月見にススキを飾るのには、いくつかの理由があります。一つは、ススキの穂が稲穂に似ていることから、豊作を願う縁起物とされたため。もう一つは、ススキの鋭い切り口が魔除けの力を持つと信じられ、災いや病気から家を守ってくれると考えられたからです。

ススキだけでなく、桔梗(ききょう)や女郎花(おみなえし)、萩(はぎ)といった「秋の七草」を一緒に飾ると、より一層、季節の風情が深まります。お庭や散歩道で見つけた草花をさりげなく活けて、お月見の空間を彩ってみてはいかがでしょうか。

5.2 十三夜に食べたい行事食や料理

お供えしたものは、お月見が終わった後にいただくのが習わしです。月の力が宿ったお供え物を食べることで、健康や幸福を得られるとされています。また、「栗名月」「豆名月」にちなんだお料理を食卓に並べるのも、この日ならではの楽しみ方です。

  • 栗ごはん:秋の味覚の王様、栗をたっぷり使った炊き込みご飯。ほっくりとした栗の甘みが口いっぱいに広がります。
  • 栗きんとん:おせち料理でもおなじみですが、旬の栗で作るきんとんは格別の美味しさです。
  • 豆ごはん・枝豆:十三夜には「豆名月」にちなんで、枝豆や大豆を使ったお料理もぴったり。塩ゆでした枝豆は、手軽でお酒のお供にもなります。
  • けんちん汁:里芋やきのこ、根菜など、秋野菜をふんだんに使った温かい汁物は、少し肌寒くなるこの季節の夜に体を温めてくれます。

旬の恵みをいただくことは、季節の移ろいを感じ、自然への感謝の気持ちを深める素敵な時間。ご家族の好みに合わせて、秋の味覚を楽しんでくださいね。

5.3 家族で楽しむ十三夜のアイデア

十三夜の夜は、ただ月を眺めるだけでなく、少し工夫を凝らすことで、より心に残るひとときになります。ご家族や大切な人と、あるいは一人で静かに、思い思いの時間を過ごしましょう。

  • 縁側やベランダで月光浴:温かいお茶や少しのお酒を用意して、縁側やベランダに椅子を出し、月の光を浴びながらゆったりと過ごすのはいかがでしょう。秋の夜風と虫の音が、心地よいBGMになります。
  • お団子を一緒に作る:お子さんやお孫さんと一緒に月見団子を作るのも楽しい時間です。豆腐を混ぜて作る白玉団子は、冷めても柔らかく手軽でおすすめです。形が少し不揃いでも、手作りの味は格別です。
  • 月に関する和歌や物語に親しむ:『竹取物語』やかぐや姫のお話、月にまつわる和歌や俳句などを声に出して読んでみるのも素敵です。美しい言葉が、お月見の夜をより一層趣深いものにしてくれます。
  • 部屋の明かりを消してみる:思い切って室内の電気を消し、ろうそくや間接照明の柔らかな光だけで過ごしてみましょう。月の明るさが際立ち、静かで幻想的な雰囲気に包まれます。

大切なのは、空を見上げ、季節を感じ、穏やかな心で過ごすこと。あなたらしい素敵な十三夜をお過ごしください。

6. 2025年以降の十三夜はいつ?

秋の夜長に美しい月を愛でる十三夜。2025年は11月2日の日曜日ですが、「来年や再来年はいつになるのかしら?」と気になりますよね。十三夜は、旧暦の9月13日の夜の月のことを指すため、私たちが普段使っているカレンダー(新暦)では毎年日付が変わります。

あらかじめ日程を知っておけば、ご家族やご友人との予定も立てやすく、お月見の計画もより一層楽しみになりますね。ここに、2025年から2030年までの十三夜の日付をまとめましたので、ぜひ手帳やカレンダーに書き込んでみてください。

日付曜日
2025年11月2日日曜日
2026年10月22日木曜日
2027年10月11日月曜日
2028年10月29日日曜日
2029年10月18日木曜日
2030年11月6日水曜日

このように見てみると、週末にあたる年もあれば、平日の夜になる年もあります。毎年違う表情を見せる十三夜の月を、その年ならではの楽しみ方で迎えてみてはいかがでしょうか。空気が澄みわたる秋の夜、美しい月を見上げながら、ゆったりとした時間を過ごすのも素敵なひとときです。

7. まとめ

日本に古くから伝わる美しいお月見の風習「十三夜」。十五夜の月とあわせて鑑賞することで、より一層その趣を深く感じられます。片方の月しか見ない「片見月」は縁起が良くないとされるため、ぜひ二夜の月を楽しみたいものですね。秋の収穫に感謝する意味合いから「栗名月」「豆名月」とも呼ばれ、旬の味覚をお供えします。2025年の十三夜は11月2日。澄んだ秋の夜空を見上げ、心豊かなひとときを過ごしてみてはいかがでしょうか。

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この記事を書いた人

ハレノヒ編集部は、「わたしらしく、身軽に暮らす」をテーマに、日々の暮らしを前向きに楽しむためのヒントをお届けしています。
美容や健康、趣味、暮らしの工夫など、50代以降の女性を中心に、誰もが自分らしく輝けるような情報をやさしい目線で発信しています。
ちょっと気になる話題や、ふと心に残る言葉も添えて、皆さまの毎日が少し晴れやかになりますように。

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