5月といえば?特徴、風物詩、行事、季語、食材、花など一覧で紹介

  • URLをコピーしました!

風薫る5月、目にまぶしい新緑が広がり、心も晴れやかになる季節がやってきました。ゴールデンウィークや母の日といった行事をはじめ、こいのぼりや柏餅などの懐かしい風物詩、そして初鰹やアスパラガスといった旬の味覚まで、5月は暮らしの中にたくさんの喜びを運んでくれます。この記事では、「5月といえば」思い浮かぶ気候の特徴、行事、食べ物、花、そして手紙や俳句に使える季語まで、日本の美しい初夏の魅力を一覧でたっぷりとご紹介します。何気ない毎日がもっと楽しくなる、季節を味わうヒントがきっと見つかるはずです。

目次

1. 5月の気候と季節の特徴

長く厳しい冬が終わり、春の嵐が過ぎ去ると、1年で最も心地よい季節のひとつ、5月がやってきます。風はさわやかに頬をなで、木々の緑は日差しを浴びて輝き、どこかへ出かけたい気持ちにさせてくれる、そんな心躍る季節です。ここでは、そんな5月の気候や季節の特徴を詳しく見ていきましょう。

1.1 新緑がまぶしい初夏の訪れ

5月は、暦の上では「立夏」を迎え、夏が始まる季節です。冬の間に葉を落としていた木々が一斉に芽吹き、やわらかな若葉が日に日にその色を濃くしていく様子は、生命力に満ちあふれています。この時期のまぶしいほどの鮮やかな緑は「新緑」と呼ばれ、私たちの心を晴れやかにしてくれます。公園を散歩したり、少し遠出してハイキングを楽しんだりするのにぴったりの季節。木漏れ日の中を歩けば、心もからだもリフレッシュできるでしょう。

1.2 爽やかで過ごしやすい五月晴れ

5月の晴れた日のことを「五月晴れ(さつきばれ)」と呼びます。もともとは梅雨の晴れ間を指す言葉でしたが、今では5月の気持ちの良い晴天そのものを表す言葉として親しまれています。この時期は、真夏のような厳しい暑さはなく、空気もからっとしていて過ごしやすいのが特徴です。日中はぽかぽかと暖かく、朝晩は少しひんやりすることもありますが、その寒暖差もまた心地よく感じられます。

気象庁のデータによると、東京の5月の平均気温は過ごしやすい日が多いことがわかります。窓を開けて風を通したり、お洗濯物を外に干したりするのも気持ちが良いですね。

項目気温
平均気温19.8℃
最高気温の平均24.7℃
最低気温の平均15.4℃

出典:気象庁 過去の気象データ検索

1.3 注意したい紫外線と五月病

過ごしやすい5月ですが、少しだけ心に留めておきたいこともあります。そのひとつが「紫外線」です。5月はまだ真夏ではないと油断しがちですが、実は一年の中でも紫外線が非常に強い時期にあたります。日差しが心地よいからと無防備に過ごしていると、うっかり日焼けをしてしまうことも。お出かけの際は、帽子や日傘、日焼け止めなどでしっかりと対策を心がけましょう。

もうひとつ気をつけたいのが、いわゆる「五月病」です。これは、ゴールデンウィークの連休が明けた頃に、なんだか気分が落ち込んだり、やる気が出なかったり、体がだるく感じたりする心身の不調のこと。連休中の楽しい時間と、日常の生活とのギャップに心がついていけなくなることが原因のひとつと言われています。もし「少し疲れているな」と感じたら、無理をせず、自分のペースでゆっくりと日常に戻していくことが大切です。好きな香りのハーブティーを飲んだり、短い時間でも散歩に出かけたりして、心とからだを優しくいたわってあげましょう。

2. 5月といえばこの行事・イベント

5月は、大型連休や心温まる記念日があり、一年の中でも特にわくわくする季節ではないでしょうか。爽やかな風に誘われて、どこかへお出かけしたくなるような、素敵な行事やイベントがたくさん待っています。ここでは、5月を代表する行事やイベントをご紹介します。

2.1 ゴールデンウィーク(GW)

5月といえば、なんといっても「ゴールデンウィーク」ですね。4月末の「昭和の日」から始まり、5月上旬にかけて祝日が連なる大型連休です。新緑が美しいこの時期、旅行や帰省をしたり、普段はなかなかできない趣味に時間を使ったりと、思い思いの過ごし方で楽しまれる方も多いことでしょう。連休の計画を立てる時間もまた、楽しいひとときですよね。

ゴールデンウィーク期間中の主な祝日を、下の表にまとめてみました。

日付祝日名どのような日?
5月3日憲法記念日日本国憲法の施行を記念する日
5月4日みどりの日自然に親しみ、その恵みに感謝する日
5月5日こどもの日こどもの成長を祝い、幸福を願う日

2.1.1 憲法記念日(5月3日)

5月3日は、日本の大切な決まりごとである「日本国憲法」が使われ始めたことを記念する日です。少し難しく聞こえるかもしれませんが、私たちの暮らしの平和と基本が定められた、とても重要な日なんですよ。

2.1.2 みどりの日(5月4日)

目にまぶしいほどの若葉が美しいこの時期にぴったりの祝日ですね。「自然に親しむとともにその恩恵に感謝し、豊かな心をはぐくむ」ことを目的としています。近くの公園を散策したり、お庭で草花に触れたりして、のんびりと自然のありがたさを感じる一日を過ごすのも素敵です。

2.1.3 こどもの日(5月5日)

「こどもの人格を重んじ、こどもの幸福をはかるとともに、母に感謝する」日とされています。お子さんやお孫さんの健やかな成長を願うのはもちろんのこと、実は「お母さんに感謝する」という意味も込められている、心温まる日なのです。この日は「端午の節句」でもあり、男の子の成長を祝う風習が今も受け継がれています。

2.2 母の日(5月の第2日曜日)

5月のもう一つの大切な日が「母の日」です。毎年5月の第2日曜日に、日頃の感謝の気持ちをお母さんに伝えます。カーネーションを贈る習慣が有名ですが、その由来は20世紀初頭のアメリカにさかのぼります。ある女性が亡き母を偲んで、母が好きだった白いカーネーションを教会で配ったのが始まりだと言われています。

プレゼントやお花も嬉しいものですが、「いつもありがとう」という言葉や、一緒に過ごす時間こそが、何よりの贈り物かもしれませんね。ご自身へのささやかなご褒美を選ぶ日にするのも、また素敵な過ごし方です。

2.3 全国各地で開催される5月のお祭り

過ごしやすい気候の5月は、日本全国でお祭りが開催される季節でもあります。地域に根付いた伝統的なお祭りから、多くの人で賑わう大きなお祭りまで、その土地ならではの活気を肌で感じることができます。

  • 博多どんたく港まつり(福岡県):しゃもじを手に踊りながら街を練り歩く、陽気で賑やかなお祭りです。
  • 葵祭(京都府):平安時代の装束をまとった行列が練り歩く、京都三大祭りの一つ。まるで絵巻物のような雅な光景が広がります。
  • 三社祭(東京都):浅草神社の例大祭で、威勢のいい掛け声とともにお神輿が町を巡る、江戸の活気を感じさせる勇壮なお祭りです。

旅の計画に、こうしたお祭りを加えてみるのも楽しい思い出になりそうですね。

3. 5月を象徴する風物詩

5月になると、風に乗って気持ちよさそうに泳ぐこいのぼりの姿をあちこちで見かけるようになりますね。こうした5月ならではの風景は、私たちの心を和ませ、どこか懐かしい気持ちにさせてくれます。特に5月5日の「端午の節句」にまつわる風習は、今も大切に受け継がれている日本の美しい文化です。お子さんやお孫さんの健やかな成長を願いながら、季節の行事を楽しんでみてはいかがでしょうか。

3.1 こいのぼりと五月人形

青空に映えるこいのぼりや、お部屋に飾られた凛々しい五月人形は、端午の節句には欠かせないものです。どちらも男の子の誕生を祝い、健やかな成長を願う大切な役割を持っています。

こいのぼりは、江戸時代の武家が家の前にのぼりを立てたのが始まりと言われています。鯉が急な流れの滝を登りきって龍になるという中国の故事「登竜門」にちなんで、わが子にどんな困難にも負けず、立派に成長してほしいという親の願いが込められているのです。一番上の黒い真鯉(まごい)はお父さん、赤い緋鯉(ひごい)はお母さん、青などの子鯉(こごい)は子どもたちを表しています。最近では、女の子を表すピンクやオレンジ色のこいのぼりもあり、家族みんなの幸せを願う飾りとして親しまれていますね。

一方、五月人形は、子どもの身に降りかかる災いを引き受けてくれる「お守り」のような存在です。鎧(よろい)や兜(かぶと)を飾るのは、大切な体を守り、病気や事故から子どもを守ってほしいという願いの表れ。昔は大きくて立派な飾りも見られましたが、最近ではお部屋の雰囲気に合わせて飾れる、コンパクトでおしゃれなものもたくさん増えました。お孫さんへの贈り物としても喜ばれそうですね。

3.2 端午の節句に食べる柏餅とちまき

この時期になると、和菓子屋さんの店先に柏餅やちまきが並び、甘く優しい香りが漂います。どちらも端午の節句に食べられる縁起の良い和菓子ですが、その由来や特徴には違いがあるのをご存知でしたか?

柏餅を包んでいる柏の葉は、新しい芽が出るまで古い葉が落ちないという特徴があります。このことから、「家系が途絶えない」「子孫繁栄」の象徴とされ、縁起物として食べられるようになりました。もちもちとしたお餅の中には、こしあんや粒あん、少し珍しいみそあんなどが入っていて、どれにしようか迷うのも楽しみの一つですね。

ちまきは、古代中国の詩人・屈原(くつげん)の供養に由来するといわれる、歴史のある食べ物です。もち米などを笹の葉で包んで蒸したもので、笹の爽やかな香りが食欲をそそります。一般的に関東では柏餅、関西ではちまきが主流と言われていますが、今ではどちらも全国で楽しめるようになりました。

それぞれの違いを下の表にまとめてみました。

種類特徴主に食べられる地域
柏餅お餅を柏の葉で包んだ和菓子。子孫繁栄の縁起物とされます。関東地方が中心
ちまきもち米などを笹の葉などで包んで蒸したもの。中国の故事に由来します。関西地方が中心

3.3 菖蒲湯で無病息災を願う

5月5日の夜には、菖蒲(しょうぶ)の葉を浮かべた「菖蒲湯」に入るという古くからの習わしがあります。菖蒲の独特で爽やかな香りには、邪気を払い、病気や災いを遠ざける力があると信じられてきました。

また、「菖蒲」が武道を重んじる「尚武(しょうぶ)」と同じ音であることから、男の子が強くたくましく育つようにとの願いも込められています。この菖蒲湯、実は単なる言い伝えだけではありません。菖蒲の葉や根に含まれる精油成分には、血行を良くして体を温めたり、心身をリラックスさせたりする働きがあると言われています。腰痛や肩こりの緩和にも良いそうですよ。

菖蒲の葉は、この時期になるとスーパーや花屋さんで手軽に手に入ります。数本を束ねて湯船に浮かべるだけで、浴室いっぱいに清々しい香りが広がります。一年の健康を願いながら、季節の香りに包まれるお風呂で、ゆったりと疲れを癒してみてはいかがでしょうか。

4. 5月に見頃を迎える花

風が心地よい5月は、色とりどりの花が咲き誇り、私たちの心を和ませてくれる季節です。お散歩やお出かけが一段と楽しくなりますね。ここでは、5月を代表する美しい花々をご紹介します。

4.1 母の日に贈るカーネーション

5月のお花といえば、やはり母の日のカーネーションを思い浮かべる方が多いのではないでしょうか。フリルのような花びらが可愛らしく、感謝の気持ちを伝える贈り物として親しまれています。最近では赤やピンクだけでなく、オレンジ、黄色、紫、そして珍しい青色など、色の種類も豊富になりました。色によって花言葉が違うので、伝えたい気持ちに合わせて色を選ぶのも素敵ですね。

花言葉
母への愛、純粋で深い愛
ピンク感謝、温かい心、美しい仕草
純粋な愛、尊敬
オレンジ純粋な愛情、あなたを愛します
誇り、気品

鉢植えのカーネーションなら、お母様と一緒にガーデニングを楽しむきっかけにもなりそうです。日当たりと風通しの良い場所で育てると、長く美しい花を楽しめますよ。

4.2 藤棚が美しい藤(ふじ)

藤色の花が滝のように垂れ下がって咲く藤(ふじ)は、5月ならではの幻想的な風景を作り出します。公園やお寺の藤棚の下を歩けば、まるで紫色のシャワーが降り注ぐようで、その美しさに思わずため息がもれるほど。風に揺れるたびにふわりと漂う、甘く優しい香りも魅力の一つです。

栃木県の「あしかがフラワーパーク」や東京都の「亀戸天神社」など、全国には藤の名所がたくさんあります。ゴールデンウィークのお出かけ先に選んで、圧巻の藤棚を眺めてみるのはいかがでしょうか。

4.3 色鮮やかに咲き誇るつつじ

公園の生け垣や街路樹として、私たちの暮らしの身近な場所で咲いているつつじ。赤、白、ピンクといった鮮やかな色が目に飛び込んできて、初夏の日差しによく映えます。一斉に咲き誇る様子はとても華やかで、街を明るく彩ってくれますね。

丸く刈り込まれた形が愛らしく、育てやすいことから庭木としても人気があります。もしかしたら、あなたのお家のお庭でも、きれいな花を咲かせているかもしれません。東京都文京区の「根津神社」では、約100種3,000株のつつじが咲き誇る「つつじまつり」が有名で、多くの人で賑わいます。

4.4 バラやあやめも旬を迎える

5月は「花の女王」とも呼ばれるバラが、一年で最も美しく咲く季節です。うっとりするような豊かな香りと、気品あふれる花姿は、多くの人を魅了してやみません。この時期は「春バラ」と呼ばれ、花の色が鮮やかで、大きく見事な花を咲かせるのが特徴です。全国のローズガーデンでは見頃に合わせてイベントが開催されることも多いので、ぜひ足を運んでみてください。

また、すっとした立ち姿が美しい、あやめ、菖蒲(しょうぶ)、杜若(かきつばた)なども見頃を迎えます。どれも似ていますが、咲く場所や花びらの模様に違いがあります。違いを知っておくと、お花を鑑賞するのがもっと楽しくなりますよ。

種類咲く場所花びらの模様
あやめ(文目)乾いた土地花びらの根元に網目模様がある
はなしょうぶ(花菖蒲)湿った土地花びらの根元に黄色い模様がある
かきつばた(杜若)水の中花びらの根元に白い筋が一本入っている

凛とした佇まいは、和の風情を感じさせてくれます。雨上がりの庭園で、しっとりと咲く姿もまた格別です。

5. 5月が旬の美味しい食べ物

過ごしやすい気候の5月は、たくさんの食材が旬を迎える実りの季節でもあります。初夏の日差しをたっぷり浴びて育った野菜や果物、そして海の幸。生命力にあふれた旬の味覚は、私たちの食卓を豊かに彩り、心と体に元気を与えてくれます。この時期ならではの美味しさを、毎日の献立にぜひ取り入れてみませんか。

5.1 5月が旬の野菜

5月になると、みずみずしくて柔らかな初夏の野菜がたくさんお店に並び始めます。鮮やかな緑色が目にも楽しい野菜たちは、シンプルな調理法でも素材そのものの味を存分に楽しむことができるのが魅力です。

5.1.1 アスパラガスやそら豆

春から初夏にかけて旬を迎えるアスパラガスは、根本から穂先まで甘みがぎゅっと詰まっています。さっと塩ゆでにするだけで、シャキシャキとした食感と豊かな風味を味わえます。ベーコンを巻いて焼いたり、天ぷらにしたりするのも美味しいですよね。選ぶときは、穂先がキュッと締まっていて、切り口がみずみずしいものを選ぶのがポイントです。

そら豆も、この時期にぜひ味わいたい野菜のひとつ。さやから出したばかりの豆を塩ゆでにすると、ほくほくとした食感と独特の甘みが口いっぱいに広がります。旬の時期がとても短いので、見かけたらぜひ手にとってみてください。さやごと網で焼いて、熱々をいただくのも香ばしくて格別な味わいですよ。

5.1.2 新じゃがいもと新玉ねぎ

春に出回る「新じゃがいも」と「新玉ねぎ」も、5月に美味しさのピークを迎えます。新じゃがいもは皮がとても薄く、水分をたっぷり含んでいるのが特徴。たわしで軽くこするだけで、皮ごと調理できる手軽さも嬉しいですね。ふかしてバターを乗せるだけでも立派なごちそうになりますし、甘辛く煮っころがしにするのもおすすめです。

新玉ねぎは、辛みが少なく甘くてジューシー。薄くスライスして、鰹節とお醤油をかけるだけで、素材の美味しさを存分に楽しめます。水にさらさなくても美味しくいただけるので、栄養を逃す心配もありません。血液をサラサラにする効果も期待できると言われていますから、サラダなどで積極的に摂りたいですね。

野菜特徴とおすすめの食べ方
アスパラガス甘みとシャキシャキ感が魅力。塩ゆで、ベーコン巻き、炒め物などに。
そら豆ほくほくした食感と独特の風味。塩ゆで、さやごと焼く、豆ごはんなどに。
新じゃがいも皮が薄くみずみずしい。皮ごと調理するのがおすすめ。煮物、じゃがバターなどに。
新玉ねぎ辛みが少なく甘い。生でサラダにするのが一番。丸ごとスープも美味しい。
たけのこ春の味覚の代表格。若竹煮、たけのこご飯、天ぷらなど、香りを楽しむ料理に。
さやえんどう鮮やかな緑とパリッとした食感。卵とじ、お味噌汁の具、炒め物などに。

5.2 5月が旬の果物

初夏の日差しを浴びて、果物も甘みを増して美味しくなる季節です。食後のデザートや、午後のくつろぎの時間に、旬の果物を取り入れてみてはいかがでしょうか。爽やかな甘さが、心豊かなひとときを演出してくれます。

5.2.1 びわやメロン

上品な甘さとみずみずしい果汁が魅力のびわは、5月から6月にかけて旬を迎えます。傷みやすく、出回る期間も短いので、まさに初夏限定の特別な果物です。表面の産毛がしっかりと残っていて、色鮮やかなものを選ぶと良いでしょう。やさしい甘さは、そのままいただくのが一番です。

メロンも旬の時期を迎えます。とろけるような食感と芳醇な香りは、まさに果物の王様。少し贅沢な気分を味わいたいときにぴったりですね。食べ頃になると、お尻の部分を軽く押したときに少し弾力を感じ、甘い香りがしてきます。じっくり追熟させて、最高の状態で味わってみてください。

5.3 5月が旬の魚介類

山の幸だけでなく、海の幸も美味しいのが5月の魅力です。黒潮に乗ってやってくる魚や、産卵期を前に栄養を蓄えた貝類など、この時期ならではの味わいがたくさんあります。

5.3.1 初夏を告げる初鰹(はつがつお)

「目に青葉 山ほととぎす 初鰹」と詠まれたように、初鰹は江戸の昔から初夏の味覚として親しまれてきました。秋の脂がのった「戻り鰹」とは対照的に、さっぱりとしていて、赤身のフレッシュな味わいが特徴です。新玉ねぎやにんにく、みょうがなどの薬味をたっぷり添えて、たたきでいただくのが定番。爽やかな風味が、5月の気候にぴったりです。

5.3.2 しらすやあさり

春から初夏にかけて漁が盛んになるしらすも、旬の味覚です。釜揚げしたてのふわふわのしらすをご飯にたっぷり乗せた「しらす丼」は、シンプルながらもたまらない美味しさ。カルシウムも豊富なので、骨の健康が気になる私たち世代には嬉しい食材ですね。

あさりも、産卵を控えたこの時期に身がふっくらと肥えて、旨みが増します。お味噌汁や酒蒸しにすると、貝から染み出た美味しい出汁を余すことなく味わえます。炊き込みご飯にしたり、パスタと合わせたりするのも良いですね。潮干狩りのシーズンでもあるので、ご家族で楽しむのも素敵です。

魚介類特徴とおすすめの食べ方
鰹(かつお)初鰹はさっぱりとした赤身が特徴。たたき、刺身などで薬味と一緒に。
しらすふわふわの食感。しらす丼、パスタ、卵焼きなど、様々な料理に活躍。
あさり身がふっくらして旨みが強い。味噌汁、酒蒸し、炊き込みご飯(深川めし)などに。
アジこの時期から脂がのり始める。塩焼き、フライ、なめろうなど、調理法も豊富。
イサキ「麦わらイサキ」と呼ばれ、初夏が旬。上品な白身で、塩焼きや刺身が絶品。

6. 手紙や俳句で使いたい5月の季語

風が心地よく、木々の緑が目にまぶしい5月。この美しい季節の感動を、手紙や俳句で誰かに伝えてみたくなりませんか?季語をひとつ添えるだけで、文章にぐっと深みと季節感が生まれます。ここでは、暮らしのさまざまな場面で使える5月の季語を、わかりやすくご紹介します。時候の挨拶や趣味の句作りに、ぜひ役立ててくださいね。

6.1 季節を表す言葉(立夏・初夏)

まずは、5月の気候や季節そのものを表す言葉から見ていきましょう。暦の上では夏が始まるこの季節。爽やかな陽気や、生命力あふれる空気感を伝える季語がたくさんあります。

手紙の書き出しに使う「時候の挨拶」としても重宝しますよ。「風薫る季節となりましたが、いかがお過ごしでしょうか」のように使うと、とても素敵ですね。

季語読み方意味・情景
立夏りっか暦の上で夏が始まる日(5月5日頃)。夏の気配が感じられ始める頃。
初夏しょか夏の初めの頃。本格的な夏を迎える前の、清々しい季節感を表します。
風薫るかぜかおる若葉の上を吹き渡る風が、快い香りを運んでくるような初夏の様子。
五月晴れさつきばれ本来は梅雨の晴れ間を指しますが、現在では5月のよく晴れた爽やかな天気を指す言葉として親しまれています。
薄暑はくしょ夏に向かい、少し汗ばむくらいの暑さのこと。真夏とは違う、初夏ならではの季語です。

6.2 植物に関する言葉(若葉・新緑)

5月といえば、なんといっても植物のエネルギーを感じる季節です。芽吹いたばかりの葉が日に日に色を濃くしていく様子は、見ているだけで心が洗われるよう。目に映るみずみずしい緑や、色鮮やかに咲く花々を言葉にしてみましょう。

散歩の途中や庭先で見つけた小さな発見を、俳句に詠んでみるのも楽しいひとときですね。

季語読み方意味・情景
若葉わかば芽吹いたばかりの柔らかい葉。生命の始まりを感じさせる、いきいきとした言葉です。
新緑しんりょく雨上がりの後など、ひときわ鮮やかに見える若葉の緑のこと。
万緑ばんりょく見渡す限り一面が緑に覆われている景色。緑が深まってきた初夏の力強さを表します。
藤の花ふじのはな薄紫色の美しい花が、藤棚から垂れ下がって咲く様子。優雅で気品のある情景です。
牡丹ぼたん「百花の王」とも呼ばれる、大輪で華やかな花。堂々とした美しさを感じさせます。
花水木はなみずき白やピンクの可憐な花を咲かせる、街路樹としてもおなじみの木。

6.3 行事に関する言葉(鯉のぼり・母の日)

5月はゴールデンウィークや母の日など、家族にまつわる行事も多い月です。子どもたちの健やかな成長を願う気持ちや、お母さんへの感謝の心が込められた季語は、温かい気持ちを伝えてくれます。

また、昔ながらの田園風景を思い起こさせるような、どこか懐かしい季語もこの季節ならではのものです。

季語読み方意味・情景
鯉のぼりこいのぼり端午の節句に、男の子の成長を願って立てる鯉の形をしたのぼり。五月の空を雄大に泳ぐ姿が目に浮かびます。
五月人形ごがつにんぎょう兜や鎧をまとった武者人形。厄災から子どもを守ってほしいという願いが込められています。
母の日ははのひ日頃の感謝を母親に伝える日。カーネーションの花とともに、現代の暮らしに根付いた季語です。
八十八夜はちじゅうはちや立春から数えて88日目(5月2日頃)。この日に摘んだお茶は上等とされる、茶摘みの最盛期です。
田植たうえ水が張られた田んぼに、稲の苗を植えること。日本の原風景ともいえる大切な農作業です。

7. まとめ

風に揺れる若葉がまぶしく、心まで軽やかになる5月。この記事では、そんな初夏の訪れを感じさせてくれる行事や風物詩、旬の味覚などを幅広くご紹介しました。一口に「5月といえば」と言っても、人それぞれに思い浮かべる風景があるかもしれませんね。

ゴールデンウィークの賑わいや、感謝を伝える母の日。こいのぼりや菖蒲湯といった古くからの習わしは、季節の移ろいを改めて感じさせてくれます。日差しが日に日に強まる一方で、吹き抜ける風はまだ涼やかで、お出かけするのにも心地よい季節です。

色とりどりの花々が咲き誇り、食卓には初鰹やアスパラガスといった初夏ならではの恵みが並びます。自然の息吹を目や舌で味わう時間は、日々の暮らしにささやかな喜びと潤いをもたらしてくれることでしょう。

ご紹介した5月の魅力の中から、何か心惹かれるものは見つかりましたでしょうか。この記事が、あなたらしい素敵な5月を過ごすための小さなヒントになれば幸いです。どうぞ、きらめく季節の訪れを存分に楽しんでくださいね。

よかったらシェアしてね!
  • URLをコピーしました!
  • URLをコピーしました!

この記事を書いた人

ハレノヒ編集部は、「わたしらしく、身軽に暮らす」をテーマに、日々の暮らしを前向きに楽しむためのヒントをお届けしています。
美容や健康、趣味、暮らしの工夫など、50代以降の女性を中心に、誰もが自分らしく輝けるような情報をやさしい目線で発信しています。
ちょっと気になる話題や、ふと心に残る言葉も添えて、皆さまの毎日が少し晴れやかになりますように。

コメント

コメントする

CAPTCHA


目次