銀木犀とは?金木犀との違いや特徴、花言葉について解説

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秋の訪れとともに、どこからか漂う上品で優しい香り。その正体は銀木犀かもしれません。よく知られる金木犀との違いが気になっている方も多いのではないでしょうか。この記事では、銀木犀の基本情報から、金木犀との決定的な違いである花の色や香りの強さ、そして「初恋」といった素敵な花言葉、ご家庭での育て方の基本までを丁寧に解説します。奥ゆかしい銀木犀の魅力を知り、あなたの毎日にそっと彩りを添えてみませんか。

目次

1. 銀木犀とはどんな植物?

どこからともなく漂う甘い香りに、ふと秋の訪れを感じる…そんな素敵な体験をさせてくれるのが「銀木犀(ギンモクセイ)」です。オレンジ色の花を咲かせる金木犀(キンモクセイ)はよく知られていますが、銀木犀については「名前は聞いたことがあるけれど、どんな花かしら?」と思われる方もいらっしゃるかもしれませんね。ここでは、奥ゆかしい魅力を持つ銀木犀の基本について、ご紹介します。

1.1 秋の訪れを告げる常緑樹

銀木犀は、秋の始まりである9月から10月にかけて、白く可憐な花を咲かせるモクセイ科の常緑樹です。金木犀と同じ仲間で、その甘く優しい香りは秋の風物詩として古くから親しまれてきました。常緑樹なので一年を通して美しい緑の葉を保ち、庭のシンボルツリーや生垣としても人気があります。控えめながらも気品のある佇まいは、洋風・和風どちらのお庭にもしっくりと馴染んでくれるでしょう。その上品な香りに気づいたとき、本格的な秋の始まりを感じさせてくれます。

1.2 銀木犀の基本情報

銀木犀がどのような植物なのか、基本的な情報を一覧表にまとめてみました。金木犀は、実はこの銀木犀がもとになった変種なのですよ。

項目内容
和名銀木犀(ギンモクセイ)
学名Osmanthus fragrans
科・属名モクセイ科・モクセイ属
分類常緑小高木
原産地中国
開花時期9月~10月
花の色白、クリーム色
樹高3m~6m(庭木では2m~3mで管理することが多いです)

2. 銀木犀と金木犀の決定的な違い

秋の訪れを感じさせてくれる甘い香り。多くの方が「金木犀(キンモクセイ)」を思い浮かべるのではないでしょうか。でも、実はその影でひっそりと美しい花を咲かせる「銀木犀(ギンモクセイ)」という素敵な木があるのをご存知ですか?見た目も名前もよく似ている二つの木ですが、知れば知るほど面白い、はっきりとした違いがあるんですよ。ここでは、銀木犀と金木犀の決定的な違いを3つのポイントに分けて、わかりやすくご紹介しますね。

2.1 違い1 花の色

一番わかりやすい違いは、なんといっても花の色の違いです。道を歩いていてふと香りに気づき、見上げてみるとそこには鮮やかなオレンジ色の小さな花が…。これはおなじみの金木犀ですね。太陽の光を浴びて輝くような、温かみのあるオレンジ色が特徴です。

金木犀の写真
金木犀

一方、銀木犀の花は雪のように真っ白、あるいは少しクリーム色がかった優しい色合いをしています。その清楚で可憐な姿は、金木犀の華やかさとはまた違った趣があり、見る人の心を和ませてくれます。控えめながらも凛とした美しさが、銀木犀の大きな魅力と言えるでしょう。

2.2 違い2 香りの強さ

秋の香りの代名詞ともいえる金木犀は、遠くまで届くほど強く、甘く華やかな香りが特徴です。「どこからか香ってくるけれど、木の場所がわからない」なんて経験がある方も多いのではないでしょうか。その存在感のある香りは、香水や芳香剤の原料としても親しまれています。

それに対して銀木犀の香りは、そばに近づくとふわりと感じられる、上品で優しい香りです。金木犀ほど強くはありませんが、その奥ゆかしく繊細な香りは、心を落ち着かせてくれるような心地よさがあります。「強い香りは少し苦手だけれど、季節の香りを楽しみたい」という方には、銀木犀の香りがぴったりかもしれませんね。

2.3 違い3 開花時期

同じモクセイ科の仲間ですが、花を咲かせる時期にも少しだけ違いが見られます。一般的に、先に咲き始めるのは金木犀で、9月下旬から10月中旬頃に見頃を迎えます。秋の始まりを告げるように、オレンジ色の花が一斉に咲き誇ります。

そして、金木犀の香りが少し落ち着いてきた頃、バトンタッチをするかのように銀木犀が10月から11月頃にかけて開花します。秋が深まっていく中で静かに咲き始める白い花は、季節の移ろいをより一層感じさせてくれるでしょう。もちろん、その年の気候によって時期は多少前後しますので、秋の散歩がてら、両方の花を探してみるのも楽しいですね。

2.4 銀木犀と金木犀の見分け方一覧表

これまでご紹介した違いを、一覧表にまとめてみました。お庭に植える木を選ぶときや、お散歩の途中で見かけたときなど、見分ける際の参考にしてみてくださいね。

特徴銀木犀(ギンモクセイ)金木犀(キンモクセイ)
花の色白、クリーム色オレンジ色、橙色
香りの強さ控えめで上品強く、遠くまで香る
開花時期の目安10月~11月9月下旬~10月中旬
葉の特徴縁に細かいギザギザ(鋸歯)があることが多い縁がなめらかで、ギザギザはほとんどない

3. 銀木犀の持つ特徴

秋の澄んだ空気に、どこからともなく漂ってくる甘い香り。金木犀が有名ですが、銀木犀もまた、秋の訪れを感じさせてくれる素敵な樹木です。ここでは、金木犀とは一味違う、銀木犀ならではの奥ゆかしい魅力について、一つひとつ見ていきましょう。

3.1 控えめで上品な香り

銀木犀の最大の魅力は、その香りにあります。金木犀の華やかで遠くまで届く強い香りとは対照的に、銀木犀の香りはとても控えめで上品です。そばに近づいて、ようやく「ああ、いい香りがする」と気づくくらい、ふわりと優しく香ります。

その香りは、柑橘類やジャスミンを思わせるような、すっきりとしながらも甘さを感じる心地よいものです。香りが強すぎないため、お庭の窓際に植えても、お部屋にやさしく香りが届く程度。その奥ゆかしさが、かえって心を惹きつける魅力となっています。

3.2 小さく可憐な白い花

銀木犀は、秋になると葉の付け根に小さな白い花をたくさん咲かせます。一つひとつの花は直径5ミリほどと本当に小さく、まるで雪の結晶が集まったかのよう。その清楚で可憐な姿は、見る人の心を和ませてくれます

派手さはありませんが、近づいてじっくりと観察すると、4枚に分かれた花びらが十字形に開いている様子がとても愛らしいです。緑の葉とのコントラストも美しく、秋の柔らかな日差しを浴びて輝く姿は、まさに「銀」という名にふさわしい気品を感じさせます。

3.3 銀木犀の葉や樹形の特徴

銀木犀は、花や香りだけでなく、一年を通して楽しめる葉や樹形も魅力の一つです。丈夫で育てやすいため、庭木や生垣としても人気があります

銀木犀の葉や樹形には、以下のような特徴があります。

項目特徴
光沢のある濃い緑色で、少し厚みがあります。形は楕円形で、葉の縁にはギザギザとした鋸歯(きょし)が見られます。一年中葉を落とさない常緑樹なので、冬でもお庭を彩ってくれます。
樹形自然に育てると、こんもりと丸みを帯びた美しい形にまとまります。成長は比較的ゆっくりですが、枝を切っても新しい芽が出やすいため、剪定にも強いのが特徴です。そのため、好みの大きさに整えやすく、生垣にも向いています。

一年を通して美しい緑を保ち、秋には素敵な香りと花を届けてくれる銀木犀。その控えめながらも確かな存在感は、私たちの暮らしにそっと彩りを添えてくれることでしょう。

4. 銀木犀の素敵な花言葉

秋風にのってふわりと届く、上品で優しい香り。銀木犀には、その奥ゆかしい佇まいにぴったりの、心に響く素敵な花言葉がいくつも託されています。控えめながらも凛としたその姿は、まるで人生の機微を知る大人の女性のよう。ここでは、銀木犀が持つ美しい花言葉の世界を一緒に紐解いていきましょう。

4.1 花言葉「初恋」「高潔」「あなたの気を引く」

日本の銀木犀には、主に3つの花言葉があります。どれも、その香りと花の姿から生まれた、物語を感じさせる言葉たちです。

ひとつめは「初恋」。銀木犀の甘く、それでいてどこか切ない香りが、遠い日の淡い恋の記憶を呼び覚ますことから、この花言葉がつけられたと言われています。ふとした瞬間に香る銀木犀に、胸がキュッとなる方もいらっしゃるかもしれませんね。

ふたつめは「高潔」です。これは、純白の小さな花が汚れなく清らかに咲く姿に由来します。どんな時も気高く、清らかな心でありたいと願う気持ちに、そっと寄り添ってくれるような言葉です。

そして、少し意外に思われるかもしれないのが「あなたの気を引く」という花言葉。小さな花は目立たないけれど、その素晴らしい香りで「ここにいるよ」と教えてくれる。そんな控えめながらも確かな存在感が、この花言葉の由来となっています。奥ゆかしさの中に秘められた、人を惹きつける魅力を表現しているのですね。

4.2 西洋での花言葉

銀木犀はキンモクセイ属(Osmanthus)の植物で、西洋ではこの属の花全体に共通する花言葉がつけられています。代表的なものは「truth(真実)」や「faithfulness(誠実)」です。これは、銀木犀の偽りのない真っ直ぐな香りが、誠実さや真実の象徴とされたため。大切な人への変わらぬ想いを伝える贈り物としても、ぴったりの花言葉ではないでしょうか。

また、これらの花言葉に加えて、銀木犀は10月15日の誕生花としても知られています(日付には諸説あります)。秋生まれの大切な方へ、花言葉を添えて銀木犀の香りを贈るのも素敵ですね。

銀木犀が持つ、日本と西洋の素敵な花言葉を一覧にまとめてみました。

地域代表的な花言葉由来やイメージ
日本初恋、高潔、あなたの気を引く甘く切ない香り、清らかな白い花、香りで存在を知らせる姿から。
西洋truth(真実)、faithfulness(誠実)偽りのない真っ直ぐな香りが、真実や誠実さを象徴することから。

銀木犀の香りに包まれながら、その花言葉に思いを馳せてみるのも、秋の豊かな時間の過ごし方。あなたの心には、どの言葉が一番響きましたか?

5. 銀木犀の育て方の基本

ふわりと香る銀木犀を、ご自宅のお庭やベランダで育ててみませんか?銀木犀はとても丈夫で育てやすいので、ガーデニングが初めてという方にもおすすめの庭木です。ここでは、銀木犀を健やかに育てるための基本的なポイントを、わかりやすくご紹介しますね。

5.1 植え付けと栽培環境

銀木犀を新しくお庭に迎えるなら、気候が穏やかな春(3月~4月)か秋(9月~10月)が適しています。根がしっかりと張るまでの大切な時期なので、暑さや寒さが厳しい真夏や真冬は避けてあげましょう。庭植えでも鉢植えでも、どちらでも楽しむことができますよ。

5.1.1 日当たりと水やり

銀木犀は、お日様の光が大好きな植物です。日当たりの良い場所で育てると、花つきが良くなり、香りも豊かになります。ただ、とても丈夫なので、午前中だけ日が当たるような半日陰の場所でも元気に育ってくれます。夏の午後の強い西日が当たる場所は、葉が傷んでしまうことがあるので、もし可能なら避けてあげると良いでしょう。

水やりは、育てている環境に合わせて調整します。庭植えの場合は、一度根付いてしまえば、雨水だけで十分です。ただし、日照りが続いて土がカラカラに乾いているような夏場には、朝や夕方の涼しい時間帯にたっぷりとお水をあげてくださいね。鉢植えの場合は、土の表面が乾いたのを確認したら、鉢の底から水が流れ出るくらいたっぷりと与えるのが基本です。特に夏は水分の蒸発が早いので、水切れしないように気をつけてあげましょう。冬は成長が緩やかになるので、水やりの回数は控えめにします。

5.1.2 用土と肥料

銀木犀は、水はけの良い土を好みます。ご自身で土を配合するのは少し大変なので、市販されている花木用の培養土を使うのが手軽でおすすめです。もしご自身で作る場合は、「赤玉土(小粒)7:腐葉土3」くらいの割合で混ぜた土が良いでしょう。

肥料については、それほどたくさん必要ありません。年に2回、栄養を補ってあげるだけで十分です。1回目は冬の終わりの2月頃に、春からの成長に備えて「寒肥(かんごえ)」として油かすや鶏ふんなどの有機質肥料や緩効性化成肥料を。2回目は花が終わった後の9月~10月頃に、「お礼肥(おれいごえ)」として同じように肥料をあげると、翌年も元気に花を咲かせてくれますよ。

5.2 剪定の時期と方法

銀木犀の美しい樹形を保ち、風通しを良くしてあげるために、剪定は大切な作業です。剪定に最適な時期は、年に2回あります。1つ目は花が咲き終わった直後の10月~11月頃、2つ目は本格的に暖かくなる前の2月~3月頃です。特に、花後の剪定は、翌年の花つきに影響しにくいのでおすすめです。

注意したいのは、春から夏にかけての剪定です。この時期には翌年咲くための花の芽(花芽)が作られ始めているため、枝を切ると花芽まで切り落としてしまう可能性があります。夏場の強い剪定は避けるようにしましょう。

剪定の方法は、難しく考える必要はありません。伸びすぎて形を乱している枝や、内側に向かって伸びて混み合っている枝、枯れてしまった枝などを根元から切り取る「透かし剪定」が基本です。全体がすっきりとして、風と光が通り抜けるようになれば大丈夫。銀木犀は萌芽力が強いので、多少切りすぎてもまた元気に芽吹いてくれますから、安心してくださいね。

5.3 銀木犀につきやすい病気と害虫

とても丈夫な銀木犀ですが、時々かかってしまう病気や、虫がつくことがあります。でも、早めに見つけて対処すれば大丈夫。日頃から葉の様子などを少し気にかけて見てあげましょう。

特に注意したい病気や害虫と、その対策を簡単な表にまとめてみました。

種類症状と特徴見つけたらどうする?
褐斑病(かっぱんびょう)葉に茶色や灰色の斑点ができます。カビが原因の病気で、風通しが悪いと発生しやすくなります。症状が出ている葉を見つけたら、すぐに取り除いて処分しましょう。被害が広がるのを防ぎます。
カイガラムシ枝や葉に、白や茶色の小さな貝殻のようなものが付着します。植物の汁を吸って弱らせる原因になります。数が少ないうちは、古い歯ブラシなどでこすり落とすのが効果的です。たくさん発生してしまった場合は、専用の殺虫剤を使いましょう。
アブラムシ春先に、新芽や若い葉にびっしりとつくことがあります。とても小さな虫です。見つけたら、テープにくっつけて取ったり、牛乳を薄めたスプレーをかけたりする方法があります。数が多ければ薬剤を散布します。

これらの病気や害虫を防ぐために一番大切なのは、日当たりと風通しの良い環境を保ってあげることです。適切な剪定で枝が混み合うのを防ぐことが、何よりの予防になります。愛情をかけてお世話をすれば、銀木犀はきっと可憐な花と素敵な香りで応えてくれますよ。

6. まとめ

今回は、秋の空気にそっと寄り添うように咲く銀木犀の魅力について、金木犀との違いを交えながらご紹介しました。よく似た二つの樹木ですが、その決定的な違いは白い花の色、控えめで上品な香り、そして少し早い開花時期にあります。「初恋」や「高潔」といった花言葉も、その清楚な姿にぴったりですね。お庭に一本迎えて、季節の移ろいを香りと共に感じてみるのはいかがでしょうか。この記事が、あなたの暮らしに新たな彩りを添えるきっかけになれば幸いです。

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この記事を書いた人

ハレノヒ編集部は、「わたしらしく、身軽に暮らす」をテーマに、日々の暮らしを前向きに楽しむためのヒントをお届けしています。
美容や健康、趣味、暮らしの工夫など、50代以降の女性を中心に、誰もが自分らしく輝けるような情報をやさしい目線で発信しています。
ちょっと気になる話題や、ふと心に残る言葉も添えて、皆さまの毎日が少し晴れやかになりますように。

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