何かと気忙しい師走の季節、大切な方へのご挨拶に心を配りたいものですね。この記事では、ビジネスメールやお手紙、親しい方とのLINEまで、様々な場面で使える12月の挨拶を例文とともにご紹介します。年末の結びの言葉や、「良いお年を」はいつから？といった迷いがちな疑問も解決。あなたらしい温かな言葉で、素敵な一年を締めくくるお手伝いができますように。
1. 12月の挨拶で押さえておきたい時候の挨拶とキーワード
いよいよ一年最後の月、12月がやってまいりました。街はきらびやかなイルミネーションに彩られ、どこか心が浮き立つような、それでいて年末に向けて少し気ぜわしいような、特別な空気に包まれますね。そんな12月には、一年を締めくくる大切な月だからこそ、手紙やメールのやり取りにも季節感を添えたいものです。ここでは、挨拶に使える12月ならではの美しい言葉や、季節のキーワードをご紹介します。いつもの言葉に少し加えるだけで、ぐっと心が通う挨拶になりますよ。
1.1 12月を表す言葉 師走や初冬など
12月の挨拶には、昔から伝わる季節の言葉を取り入れると、ぐっと趣が深まります。代表的な「師走」をはじめ、季節の移ろいを感じさせる言葉がたくさんあります。相手や場面に合わせて使い分けてみてはいかがでしょうか。
| 言葉 | 読み方 | 意味とニュアンス |
|---|---|---|
| 師走 | しわす | 12月の和風月名として最も有名です。師（僧侶）が走り回るほど忙しい月というのが由来の一つとされ、年末の慌ただしさを表現するのにぴったりです。 |
| 初冬 | しょとう | 冬の始まりを表す言葉です。暦の上では立冬（11月上旬）から冬ですが、体感的に寒さが本格化する12月上旬の挨拶によく合います。「初冬の候」は改まった手紙で使えます。 |
| 晩冬 | ばんとう | 冬の終わり、1月下旬から2月上旬を指す言葉ですが、年末の押し迫った時期に「冬もいよいよ深まり」といったニュアンスで使うこともできます。 |
| 季冬 | きとう | 冬の終わり、陰暦12月のことを指します。少し改まった、知的な印象を与えたいときに使うと素敵です。 |
| 春待月 | はるまちづき | 寒い冬を越え、春を心待ちにする気持ちが込められた12月の美しい別名です。「厳しい寒さの折、春が待ち遠しく感じられます」のように添えると、温かい気持ちが伝わります。 |
1.2 12月の気候やイベントに関するキーワード
12月の情景が目に浮かぶようなキーワードを挨拶に織り込むと、より生き生きとした文章になります。寒さの中にも、クリスマスや新年への準備といった心温まるイベントが多いのが12月の特徴ですね。
| 分類 | キーワードの例 | 挨拶での使い方ヒント |
|---|---|---|
| 気候・自然 | 木枯らし・寒波・冬将軍・霜・氷・雪化粧・冬晴れ | 「木枯らしの吹く季節となりましたが、お変わりなくお過ごしでしょうか」「美しい冬晴れの空が広がる今日この頃」のように、気候の変化に触れると自然な書き出しになります。 |
| 暮らし・イベント | 大掃除・年越し準備・忘年会・クリスマス・イルミネーション・ポインセチア・シクラメン | 「街のイルミネーションに心躍る季節となりました」「何かとご多忙な日々をお過ごしのことと存じます」など、年末ならではの慌ただしさや華やかさを表現するのに役立ちます。 |
| 二十四節気 | 大雪（たいせつ）・冬至（とうじ） | 「大雪を過ぎ、いよいよ本格的な冬の到来ですね」「冬至を迎え、ゆず湯の香りに年の瀬を感じております」など、暦の節目を意識すると、より丁寧な印象になります。 ※二十四節気については国立天文台のページも参考になります。 |
これらの言葉をヒントに、ご自身の暮らしの中で感じたことを素直に言葉にしてみるのがおすすめです。「庭の山茶花が満開になりました」といった身近な話題も、心温まる素敵な挨拶になりますよ。
2. 【フォーマル】ビジネスで使える12月の挨拶 例文付き
お仕事でお世話になっている方へ送るメールやお手紙。12月は一年の締めくくりとして、これまでの感謝の気持ちと、来年への期待を伝える大切な時期ですね。何かと気ぜわしい毎日ですが、心のこもった一言を添えることで、お相手との関係もより温かなものになりますよ。ここでは、ビジネスシーンにふさわしい、丁寧で心の伝わる挨拶の例文を、時期ごとにご紹介します。
2.1 ビジネスメールや手紙の書き出しに使える12月の挨拶
時候の挨拶は、文章の冒頭で季節感を伝える大切な役割を持っています。少し改まった表現から、少し柔らかな表現まで、お相手との関係性に合わせて使い分けてみてくださいね。
2.1.1 12月上旬の挨拶例文
冬の始まりを感じる上旬は、寒さの訪れに触れる言葉がしっくりきます。本格的な忙しさに入る前に、相手を気遣う一言を添えてみてはいかがでしょうか。
| 表現のタイプ | 例文 |
|---|---|
| 改まった表現 | 初冬の候、貴社におかれましてはますますご清栄のこととお慶び申し上げます。 |
| 少し柔らかな表現 | めっきり寒くなりましたが、皆様お変わりなくお過ごしでしょうか。 |
| 少し柔らかな表現 | 街路樹の葉もすっかり落ち、本格的な冬の訪れを感じる頃となりました。皆様、いかがお過ごしですか。 |
2.1.2 12月中旬の挨拶例文
「師走」という言葉が似合う中旬は、年末に向けて忙しさが増してくる頃。お相手の多忙を気遣う言葉を入れると、より丁寧な印象になりますよ。
| 表現のタイプ | 例文 |
|---|---|
| 改まった表現 | 師走の候、貴社ますますご隆盛のこととお慶び申し上げます。 |
| 少し柔らかな表現 | 何かと気ぜわしい毎日が続きますが、〇〇様におかれましては、ますますご活躍のことと存じます。 |
| 少し柔らかな表現 | 寒さ厳しき折、皆様にはお変わりなくご活躍のこととお慶び申し上げます。 |
2.1.3 12月下旬（年末）の挨拶例文
年の瀬も迫る下旬は、一年間の感謝を伝えるのに最適な時期です。時候の挨拶に加えて、お世話になったことへのお礼を一言添えましょう。
| 表現のタイプ | 例文 |
|---|---|
| 改まった表現 | 歳末の候、ますますご清祥のこととお慶び申し上げます。平素は格別のご高配を賜り、厚く御礼申し上げます。 |
| 少し柔らかな表現 | 今年も残すところあとわずかとなりました。〇〇様には、本年も大変お世話になり、誠にありがとうございました。 |
| 少し柔らかな表現 | 寒気いよいよ厳しき折、ご多忙の日々をお過ごしのことと存じます。さて、本年も格別のご愛顧を賜り、心より感謝申し上げます。 |
2.2 ビジネスシーンで使える12月の結びの挨拶
文章の最後を締めくくる結びの言葉も、書き出しと同じくらい大切です。相手の健康や会社の繁栄を願う言葉で、晴れやかな気持ちで一年を終えられるような、素敵な締めくくりを心がけたいですね。
2.2.1 相手の健康や繁栄を願う結びの言葉
年末の忙しい時期だからこそ、相手の健康を気遣う言葉は心に響きます。また、ビジネスのお相手へは、今後の発展を願う言葉も添えると良いでしょう。
| 目的 | 例文 |
|---|---|
| 相手の健康を気遣う | 時節柄、どうぞご自愛のうえ、お過ごしくださいませ。 |
| 相手の健康を気遣う | 寒さ厳しき折、くれぐれもご無理なさらないでくださいね。 |
| 相手の繁栄を願う | 貴社のますますのご発展を心よりお祈り申し上げます。 |
| 相手の繁栄を願う | 皆様の今後のご健勝と、より一層のご活躍を心よりお祈りいたしております。 |
2.2.2 年末の挨拶と来年への繋ぎの言葉
12月の結びには、年末の挨拶が欠かせません。「良いお年を」という言葉に、来年に向けた一言を添えることで、これからも良好な関係を築いていきたいという気持ちが伝わります。
| 目的 | 例文 |
|---|---|
| 年末の挨拶 | どうぞ良いお年をお迎えくださいませ。 |
| 来年への繋ぎ | 来年も変わらぬご指導ご鞭撻のほど、よろしくお願い申し上げます。 |
| 年末の挨拶と来年への繋ぎ | 来年も相変わらぬご厚情を賜りますようお願い申し上げます。輝かしい新年を迎えられますことを、心よりお祈りしております。 |
| 年末の挨拶と来年への繋ぎ | 末筆ではございますが、皆様が健やかに新年を迎えられますようお祈り申し上げます。来年も、どうぞよろしくお願いいたします。 |
3. 【カジュアル】友人や親しい人への12月の挨拶 例文付き
気心の知れた友人や親しい方とのやりとりでは、堅苦しい時候の挨拶は必要ないかもしれません。それでも、季節を感じるひと言を添えるだけで、メッセージがぐっと温かく、心のこもったものになります。メールやLINEなど、普段のコミュニケーションに気軽に取り入れられる、12月ならではのカジュアルな挨拶をご紹介します。
3.1 メールやLINEで使える気軽な12月の挨拶
短い文章でも気持ちが伝わる、便利なメールやLINE。年の瀬の慌ただしい時期だからこそ、相手を思いやる言葉を添えて、心和むやりとりを楽しみたいものですね。
3.1.1 12月上旬から中旬に使えるカジュアルな書き出し
冬の訪れを感じる上旬から中旬にかけては、寒さや街の様子に触れると、季節感のある書き出しになります。
急に冬本番の寒さになりましたが、お変わりありませんか？
近所の公園の木々もすっかり葉を落として、本格的な冬の訪れを感じます。
〇〇さん、こんにちは。街のイルミネーションがきれいな季節になりましたね。
なんだか心が弾みますが、いかがお過ごしですか？
いよいよ師走に入り、何かと気ぜわしい毎日ですね。
風邪など引いていませんか？
3.1.2 クリスマスや年末に向けた書き出し
クリスマスが近づくと、街も心も華やぎます。年末の慌ただしさを気遣うひと言も、相手への優しさとして伝わります。
メリークリスマス！ 素敵な一日をお過ごしくださいね。
（クリスマスイブや当日に送る場合）
もうすぐクリスマスですね。何か計画は立てていますか？
我が家ではささやかなパーティーをしようかと話しています。
今年も残すところあとわずか。大掃除や新年の準備は進んでいますか？
私はなかなか進まず、少し焦っています。
3.2 プライベートで使える12月の結びの挨拶
メッセージの最後を締めくくる結びの言葉は、あなたの気持ちを伝える大切な部分です。相手の健康を気遣ったり、年末年始の幸せを願ったりする言葉で、温かく結びましょう。
3.2.1 相手を気遣うカジュアルな結びの言葉
年末の忙しさや厳しい寒さに触れて、相手の体調を気遣う言葉は、プライベートな間柄でこそ喜ばれます。状況に合わせて使い分けてみてください。
| こんなときに | 結びの言葉 例文 |
|---|---|
| 寒さが厳しくなってきたら | 寒さ厳しき折、どうぞ暖かくしてお過ごしくださいね。 |
| 相手が忙しそうなら | ご多忙の折とは存じますが、くれぐれも無理なさらないでくださいね。 |
| 風邪などが流行っていたら | 年末に向けて、どうかご自愛のうえお過ごしください。 |
| 次に会う約束があるなら | 〇日にお会いできるのを楽しみにしています。道中お気をつけて！ |
3.2.2 「良いお年を」を使った結びの例文
年末の挨拶としておなじみの「良いお年を」という言葉。その前にひと言添えるだけで、より心のこもったメッセージになります。年内に会うのが最後になりそうな時に使うのが一般的です。
今年もいろいろとお世話になりました。また来年も、元気にお会いできるのを楽しみにしています。どうぞ良いお年をお迎えください。
慌ただしい年末ですが、お体に気をつけて。少し早いですが、良いお年を！
来年も、〇〇さんにとって素敵な一年になりますように。良いお年をお迎えくださいね。
4. スピーチや朝礼で使える12月の挨拶
メールや手紙とは少し違って、大勢の前で話すスピーチや朝礼での挨拶は、少し緊張してしまうものですよね。けれど、ほんの少しポイントを押さえるだけで、聞いている人の心に響く、温かい挨拶になりますよ。ここでは、短くても気持ちが伝わる、12月のスピーチや朝礼で使える挨拶のコツと例文をご紹介します。
4.1 簡潔にまとめるスピーチのポイント
朝礼やスピーチでの挨拶は、長く話すことよりも、大切なことを簡潔に伝えるのが好まれます。特に忙しい師走の時期は、聞く人への配慮も大切にしたいもの。次の3つのポイントを意識するだけで、ぐっと素敵なスピーチになりますよ。
| ポイント | 内容とコツ |
|---|---|
| 1. 季節感のある言葉を選ぶ | 「師走」「冬将軍」「イルミネーション」など、12月らしい言葉を冒頭に入れると、ぐっと季節感が出ます。寒さの話だけでなく、街のきらめきや温かい食べ物の話など、少し心が温かくなるような話題に触れるのもおすすめです。 |
| 2. 一年を振り返り感謝を伝える | 年末は、一年を締めくくり、お互いの頑張りを認め合う良い機会です。「今年もお世話になりました」「皆様のおかげで…」といった感謝や労いの言葉を添えることで、場の空気が和やかになります。 |
| 3. 明るく前向きな言葉で締める | 挨拶の最後は、未来につながる明るい言葉で締めくくりましょう。「元気に年末を乗り切りましょう」「来年も良い年にしましょう」など、ポジティブな一言が、聞いている人の一日を明るくしてくれます。 |
4.2 朝礼で使える一言挨拶の例文
毎日の朝礼で使える、短くても心のこもった一言挨拶の例文を、時期ごとにご紹介します。ご自身の言葉を少し加えるだけで、オリジナルの素敵な挨拶になりますよ。
4.2.1 12月上旬
おはようございます。
いよいよ師走に入り、カレンダーも残すところあと一枚となりました。何かと気ぜわしくなりますが、まずは体調を第一に、元気に今月も乗り切ってまいりましょう。本日もよろしくお願いいたします。
おはようございます。
朝晩の冷え込みに、本格的な冬の訪れを感じる頃となりました。温かい飲み物でほっと一息つきながら、今日も一日頑張りましょう。皆様、風邪など召されませんよう、暖かくしてお過ごしくださいね。
4.2.2 12月中旬
おはようございます。
街のあちこちで綺麗なイルミネーションが輝く季節となりましたね。年末に向けて忙しさも増してきますが、焦らず一つひとつ丁寧に進めていきましょう。本日もよろしくお願いいたします。
おはようございます。
今年も残すところ半月となりました。大掃除や新年の準備など、皆様もお忙しいことと思います。仕事もプライベートも、気持ちよく締めくくれるよう、協力し合って頑張りましょう。
4.2.3 12月下旬（年末）
おはようございます。
本日が仕事納めとなります。一年間、本当にお疲れ様でした。皆様の多大なるご協力のおかげで、無事にこの日を迎えられましたこと、心より感謝申し上げます。どうぞ、良いお年をお迎えください。
おはようございます。
いよいよ年の瀬も迫り、泣いても笑っても今年もあとわずかですね。今年一年の頑張りを胸に、晴れやかな気持ちで新年を迎えられるよう、最後の一日を大切に過ごしましょう。一年間、ありがとうございました。
5. 12月の挨拶を書く・話す際の注意点
一年の締めくくりとなる12月は、他の月とは少し違う特別な月。だからこそ、挨拶の言葉選びにも少しだけ心を配りたいものですね。年末年始を気持ちよく迎えるために、知っておくと安心な言葉選びのポイントをいくつかご紹介します。大切な方との心温まるやりとりの、ささやかなお手伝いができれば嬉しいです。
5.1 年末の挨拶で「良いお年を」はいつから使える？
年末になると、あちらこちらで耳にする「良いお年を」という挨拶。便利な言葉ですが、「いつから使っていいのかしら？」と迷った経験はありませんか。「良いお年を」は、その年に会うのが最後になる、という場面で使うのが基本です。そのため、使うタイミングは相手との関係性や、次に会う予定があるかどうかで変わってきます。
一般的には、お正月の準備を始める「正月事始め」とされる12月13日を過ぎたあたりから使われ始めます。12月も半ばを過ぎれば、いつ使っても不自然ではないでしょう。ただ、大切なのは「年内にもう会わない」というお互いの認識です。例えば、12月20日に会った方と、クリスマス会などで25日にまた会う約束があるのなら、「良いお年を」はまだ少し早いかもしれませんね。その場合は、別れ際に「またクリスマスに」と伝えるのが自然です。
口頭での挨拶と、メールやお手紙での挨拶の使い分けを下の表にまとめてみました。ひとつの目安として、参考にしてみてくださいね。
| 時期 | 「良いお年を」の使い方とポイント |
|---|---|
| 12月上旬 | まだ使うには少し早い時期です。ただし、年内に会う予定が全くないことがはっきりしている相手であれば、使っても差し支えありません。 |
| 12月中旬以降 | ごく自然に使える時期です。特に、仕事納めや年内最後の集まりなど、その機会が年内最後だとわかっている場面で使うのが最も適切です。メールの場合は、年内最後のやりとりになるメールの結びに添えると良いでしょう。 |
| 12月下旬（年末） | 最も使われる時期です。ただし、大晦日の夜など、年明けまで残りわずかな時間になった場合は「良いお年を」よりも「来年もよろしくお願いいたします」の方がしっくりくることもあります。 |
「良いお年を」は、相手の幸せな新年を願うあたたかい言葉。タイミングを少しだけ意識して、心を込めて伝えられると素敵ですね。
5.2 相手の状況に配慮した言葉選び
年末は、誰もが晴れやかな気持ちでいるとは限りません。相手の状況にそっと寄り添うひと言を添えることで、より深く、あたたかな心が伝わります。ここでは、特に配慮したい3つのポイントをご紹介します。
5.2.1 喪中の相手への配慮
ご家族を亡くされた方にとって、年末年始は寂しさや悲しみが深まる時期かもしれません。そのような方への挨拶では、お祝い事を連想させる言葉は避けるのがマナーです。
「良いお年を」や「新年おめでとうございます」といった言葉は使わないようにしましょう。代わりに、相手の心に寄り添うような、穏やかな言葉を選ぶと良いでしょう。
＜言い換えの言葉の例＞
- 「どうぞ穏やかな新年をお迎えください。」
- 「来年も変わらぬお付き合いをよろしくお願いいたします。」
- 「寒い日が続きますので、どうぞご自愛ください。」
もし相手から喪中はがきなどで「年末年始のご挨拶は控えさせていただきます」というお知らせを受け取ったら、こちらからも年賀状は送らず、寒中見舞いなどで年始のご挨拶をするのが一般的です。
5.2.2 宗教や信条の違いを尊重する
12月といえばクリスマスを思い浮かべる方も多いですが、すべての方がクリスマスをお祝いするわけではありません。特定の宗教を信仰していない方や、他の宗教を大切にされている方もいらっしゃいます。
そのため、お相手のことがよくわからない場合は、「メリークリスマス！」という言葉を安易に使うのは避けた方が無難かもしれません。代わりに、誰もが心地よく受け取れるような、季節を楽しむ言葉を選ぶのがおすすめです。
＜言い換えの言葉の例＞
- 「楽しい冬休みをお過ごしください。」
- 「素敵な年末をお迎えくださいね。」
- 「きらびやかな街並みが美しい季節になりましたね。」
ささやかな心遣いが、お互いの文化や考えを尊重する気持ちの表れになります。
5.2.3 縁起の良くない「忌み言葉」は避ける
新しい年を気持ちよく迎えるための挨拶では、縁起が良くないとされる「忌み言葉」を避けるという昔ながらの習わしがあります。特にビジネスシーンや目上の方への手紙では、少しだけ意識すると、より丁寧な印象を与えられます。
例えば、「終わる」「切れる」「失う」「倒れる」「破れる」といった言葉は、事業の終わりや関係が切れることを連想させるため、避けた方が良いとされています。「忙しい」という字も「心を亡くす」と書くため、気になる方は「ご多用」や「お変わりなくお過ごしでしょうか」といった言葉に置き換えると良いでしょう。
プライベートな親しい間柄ではそれほど気にする必要はありませんが、「今年もこれで終わりですね」を「いよいよ年の瀬ですね」と言い換えるなど、美しい日本語の表現を楽しみながら、言葉を選んでみるのも素敵ですね。
6. まとめ
気ぜわしい師走の季節、心温まるひと言は、人と人との繋がりをより一層深めてくれますね。ビジネスシーンでは礼儀を尽くした丁寧な言葉選びを、親しい間柄では相手を気遣う優しい言葉を添えることで、気持ちが伝わります。年末の挨拶は少し早めから準備し、相手の状況を思いやりながら言葉を紡いでみましょう。この記事でご紹介した例文が、あなたらしい素敵な挨拶で一年を締めくくる、ささやかなヒントになれば幸いです。
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