8月の時候の挨拶や結びは?カジュアル、フォーマルそれぞれ紹介

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8月のご挨拶、いざ書こうとするとどんな言葉を選べば良いか迷うことはございませんか。この記事では、そんなお悩みを解決するため、ビジネスシーンでの改まった表現から、親しい方への気軽なメッセージまで、8月ならではの時候の挨拶や結びの言葉を、上旬・中旬・下旬の時期ごとに豊富な例文でご紹介します。暑中見舞いや残暑見舞いのマナー、相手を気遣う一言も分かりますので、心のこもった挨拶選びにお役立てください。

目次

1. 8月の挨拶 基本的な知識とマナー

8月は、太陽が燦燦と輝き、生命力あふれる夏真っ盛りの季節ですね。お祭りや花火大会、お盆の帰省など、心躍る行事も多いことでしょう。一方で、厳しい暑さが続くため、体調を気遣う言葉を添えた挨拶は、相手への思いやりを伝える大切な機会となります。この章では、8月の挨拶にまつわる基本的な知識やマナーを、分かりやすくご紹介いたします。季節感を大切にした言葉選びで、心通うコミュニケーションを育んでいきましょう。

1.1 8月の季節感と時候の挨拶 上旬中旬下旬のポイント

8月と一口に言っても、上旬、中旬、下旬では少しずつ季節の表情が移り変わります。暦の上では秋の始まりである「立秋」を迎える月でもあり、その変化を時候の挨拶に込めることで、より細やかな心遣いが伝わります。それぞれの時期に合わせたポイントを押さえて、季節感あふれる挨拶を心がけましょう。

時期季節感と暦時候の挨拶のポイント
8月上旬
(1日~10日頃)
一年で最も暑さが厳しい時期。「大暑」の期間が続き、立秋(8月7日頃)を迎えますが、まだまだ猛暑が続きます。「大暑の候」「猛暑の候」といった言葉が使えます。立秋を過ぎていれば「立秋の候」も使えますが、実際の暑さに合わせて「暑さ厳しき折」など、体感を優先した表現を選ぶと良いでしょう。相手の健康を気遣う言葉を添えることが大切です。
8月中旬
(11日~20日頃)
お盆の時期と重なります。依然として厳しい暑さが続きますが、朝夕にほんの少しだけ風の涼しさを感じる日も出てくるかもしれません。立秋を過ぎているため、「残暑の候」が一般的です。「秋暑の候」という言葉も使えます。お盆の話題に触れる場合は、相手の状況や心情に配慮した言葉選びを心がけましょう。
8月下旬
(21日~31日頃)
処暑(8月23日頃)を過ぎると、暑さの中にも秋の気配が感じられるようになります。朝晩の気温が少し下がり、過ごしやすくなる日も。「残暑の候」に加え、「晩夏の候」「処暑の候」などが使えます。過ぎゆく夏を惜しみつつ、近づく秋への期待を込めた表現も素敵ですね。「虫の音が聞こえ始めました」など、季節の小さな変化に触れるのも良いでしょう。

時候の挨拶は、相手への敬意と季節感を伝えるものです。難しく考えすぎず、その時々の気候やご自身の感じたことを素直に表現するのも、心が伝わる素敵な方法ですよ。

1.2 暑中見舞いと残暑見舞い 8月の挨拶における使い分け

夏の挨拶状としておなじみの「暑中見舞い」と「残暑見舞い」。どちらも夏の暑い時期に相手の健康を気遣い、こちらの近況を伝えるものですが、送る時期によって使い分けが必要です。特に8月は、その切り替わりのタイミングがあるため、しっかりと確認しておきましょう。

暑中見舞いは、夏の土用(立秋前の約18日間)を過ぎてから、つまり梅雨明け後から立秋(8月7日頃)の前までに出すのが一般的です。一年で最も暑い時期に、相手の健康を気遣う気持ちを込めて送ります。

一方、残暑見舞いは、立秋(8月7日頃)を過ぎてから8月末頃までに出します。暦の上では秋になってもまだ暑さが残る時期に送る挨拶状です。遅くとも処暑の頃(8月23日頃)まで、または8月中に届くようにするのが目安とされています。

つまり、8月の挨拶状で最も大切なポイントは、「立秋」を境に暑中見舞いから残暑見舞いへと切り替わるということです。立秋の日付は年によって多少前後することがありますが、おおむね8月7日頃と覚えておくと良いでしょう。

もし、暑中見舞いを出すタイミングを逃してしまった場合でも、立秋を過ぎていれば残暑見舞いとして出すことができますので、ご安心くださいね。大切なのは、相手を思う気持ちを伝えることです。

これらの時期については、日本郵便のウェブサイトでも情報が提供されていますので、参考にされるとより安心です。
暑中見舞い・残暑見舞いについて – 日本郵便

種類送る時期の目安書き出しの言葉ポイント
暑中見舞い梅雨明け後 ~ 立秋(8月7日頃)の前まで「暑中お見舞い申し上げます」一年で最も暑い時期に、相手の無事を祈り、健康を気遣う。
残暑見舞い立秋(8月7日頃)以降 ~ 8月末頃まで「残暑お見舞い申し上げます」暦の上では秋になっても続く暑さの中、相手の健康を気遣う。

夏の挨拶状は、日頃なかなか会えない方へも、季節の便りとともに温かい気持ちを届けることができる素敵な習慣です。時期やマナーを守りつつ、あなたらしい言葉で綴ってみてはいかがでしょうか。

2. ビジネスで使える8月のフォーマルな挨拶

ビジネスシーンでは、季節感を大切にした挨拶が一層の信頼関係を築くきっかけとなります。特に8月は、暑さの厳しい時期から少しずつ秋の気配を感じ始める変化のある月。その時々に合わせた言葉を選ぶことで、相手への細やかな心遣いが伝わります。ここでは、取引先や目上の方へ送る、改まった場面での8月の挨拶について、具体的な例文を交えながらご紹介いたします。

2.1 8月上旬の改まった挨拶 手紙やメールの例文

8月上旬は、暦の上では「大暑」の時期にあたり、一年で最も暑さが厳しい頃ですわね。ビジネス文書では、この暑さを気遣う言葉とともに、日頃の感謝の気持ちを伝えることが大切です。手紙ではより丁寧な時候の挨拶を、メールでは簡潔ながらも礼を尽くした表現を心がけましょう。

手紙やメールで使用できる時候の挨拶の例(8月上旬)

  • 盛夏の候、貴社におかれましてはますますご清栄のこととお慶び申し上げます。
  • 大暑の候、皆様には一段とご健勝のことと拝察いたします。
  • 猛暑のみぎり、貴社ますますご発展のこととお慶び申し上げます。

【例文:手紙】

拝啓

盛夏の候、貴社におかれましてはますますご隆盛のこと、心よりお慶び申し上げます。平素は格別のご高配を賜り、厚く御礼申し上げます。

さて、(ここに具体的な用件を記述します)

酷暑が続いておりますので、皆様くれぐれもご自愛くださいませ。まずは書中をもちましてご挨拶申し上げます。

敬具

【例文:メール】

件名:【株式会社〇〇】〇〇(用件名)について

株式会社△△
〇〇様

いつも大変お世話になっております。株式会社〇〇の□□です。

大暑の候、貴社におかれましてはますますご清栄のこととお慶び申し上げます

(ここに具体的な用件を記述します)

暑さ厳しき折から、皆様のご健勝を心よりお祈り申し上げます。
今後ともどうぞよろしくお願いいたします。

株式会社〇〇
□□

2.2 8月中旬の改まった挨拶 お盆時期の配慮と例文

8月中旬には、暦の上で「立秋」を迎えます。この日を過ぎると、暑中見舞いではなく「残暑見舞い」となるのが一般的ですわ。また、お盆休みを取る企業も多いため、相手の状況に配慮した言葉遣いが求められます。休暇中の方への連絡は控え、休暇明けに改めて挨拶をするなどの心遣いも大切です。

手紙やメールで使用できる時候の挨拶の例(8月中旬・立秋以降)

  • 立秋の候、なお厳しい暑さが続いておりますが、皆様いかがお過ごしでしょうか。
  • 残暑の候、貴社におかれましては益々ご隆昌のこととお慶び申し上げます。
  • 暦の上では秋となりましたが、変わらぬ暑さに辟易しております。〇〇様におかれましては、ご壮健にお過ごしのことと存じます。

【例文:メール お盆休み前に送る場合】

件名:夏季休業のお知らせとご挨拶【株式会社〇〇】

株式会社△△
〇〇様

いつも格別のお引き立てを賜り、誠にありがとうございます。株式会社〇〇の□□です。

立秋とは名ばかりの暑い日が続いておりますが、〇〇様におかれましては益々ご清祥のこととお慶び申し上げます

誠に勝手ながら、弊社では下記期間を夏季休業とさせていただきます。
(夏季休業期間:〇月〇日~〇月〇日)

休業期間中はご不便をおかけいたしますが、何卒ご了承くださいますようお願い申し上げます。
時節柄、皆様のご健勝を心よりお祈り申し上げます。良い休暇をお過ごしくださいませ。

株式会社〇〇
□□

【例文:メール お盆休み明けに送る場合】

件名:夏季休業明けのご挨拶【株式会社〇〇】

株式会社△△
〇〇様

いつも大変お世話になっております。株式会社〇〇の□□です。

残暑の候、貴社におかれましては変わらずご発展のこととお慶び申し上げます。 本日〇月〇日より通常業務を再開いたしました。休業中はご迷惑をおかけいたしましたが、今後とも変わらぬご愛顧を賜りますようお願い申し上げます。

お盆休みはいかがお過ごしでしたでしょうか。まだ暑い日が続きますので、くれぐれもご無理なさらないでくださいませ

取り急ぎ、営業再開のご挨拶とさせていただきます。

株式会社〇〇
□□

2.3 8月下旬の改まった挨拶 残暑や晩夏の表現と例文

8月下旬になると、厳しい暑さの中にも、ふとした瞬間に秋の気配を感じることが増えてきますね。「処暑」を過ぎる頃には、朝夕の風に涼しさを感じる日もあるかもしれません。挨拶には、過ぎゆく夏を惜しみつつ、近づく秋に触れる言葉を添えると、季節感がより豊かに表現できます。

手紙やメールで使用できる時候の挨拶の例(8月下旬)

  • 残暑厳しき折から、皆様にはますますご清祥のこととお慶び申し上げます。
  • 晩夏の候、貴社におかれましてはなお一層ご隆盛のことと存じます。
  • 処暑の候、朝夕は幾分過ごしやすくなりましたが、日中の暑さはまだ続いております。

【例文:手紙】

拝啓

晩夏の候、貴社におかれましてはますますご清栄のこととお慶び申し上げます。平素は格別のご尽力を賜り、深く感謝申し上げます。

さて、(ここに具体的な用件を記述します)

夏の疲れが出やすい頃ですので、くれぐれもご無理なさらないでください。今後とも変わらぬご指導ご鞭撻のほど、よろしくお願い申し上げます。

敬具

【例文:メール】

件名:【株式会社〇〇】〇〇(用件名)のご提案

株式会社△△
〇〇様

いつもお世話になっております。株式会社〇〇の□□でございます。

処暑の候、朝夕には涼風も感じられるようになりましたが、〇〇様におかれましてはご健勝にお過ごしのことと存じます

(ここに具体的な用件を記述します)

季節の変わり目ですので、どうぞご自愛くださいませ
引き続き、何卒よろしくお願い申し上げます。

株式会社〇〇
□□

2.4 フォーマルな8月の挨拶に添える結びの言葉

ビジネス文書の結びには、相手のさらなる発展や健康を祈る言葉、そして今後の変わらぬお付き合いをお願いする言葉などを添えるのが一般的ですわ。8月ならではの季節感を加えることで、より丁寧で心のこもった印象になります。手紙やメールの最後に、状況に合わせてお使いくださいませ。

時期結びの言葉の例
8月全般酷暑のみぎり、皆様のご健勝と貴社の一層のご発展を心よりお祈り申し上げます
8月全般暑さ厳しき折から、くれぐれもご無理なさらないでください。今後ともご指導ご鞭撻のほど、よろしくお願い申し上げます。
立秋以降残暑なお厳しい毎日ですが、皆様のご健康を心よりお祈りいたしております
8月下旬行く夏を惜しみつつ、貴社の秋からのさらなるご活躍を祈念いたします
8月下旬季節の変わり目、どうぞお健やかにお過ごしください。引き続きご厚誼を賜りますようお願い申し上げます。

これらの例文はあくまで一例ですわ。お相手との関係性や状況に応じて、言葉を選び、心を込めたメッセージを作成なさってくださいね。

3. 親しい人へ送る8月のカジュアルな挨拶

気心の知れた友人や家族、親しい同僚などへ送る8月の挨拶は、堅苦しいルールに縛られず、あなたの言葉で季節の便りを伝えるのが一番です。ここでは、そんなカジュアルな場面で使える、心温まる挨拶のヒントと例文をご紹介します。相手の顔を思い浮かべながら、あなたらしい言葉を選んでみてくださいね。

3.1 8月上旬の親しみやすい挨拶の例文

8月上旬は、梅雨も明け(地域によりますが)、本格的な夏の到来を感じる頃。暑さも厳しくなりますので、相手の体調を気遣う一言を添えるのがポイントです。夏休みやお出かけの話題に触れるのも良いでしょう。

例文1:

「毎日、とろけるような暑さが続いていますが、お元気ですか。夏バテなどしていませんか?
こちらは蝉の声が一層賑やかになり、本格的な夏が来たと感じています。
くれぐれも無理せず、涼しくして過ごしてくださいね
また近いうちに、冷たいものでも飲みながらおしゃべりしましょう。」

例文2:

「いよいよ夏本番! 楽しい夏休みを過ごしていますか?
どこかへお出かけの予定はありますか? もしおすすめの場所があったら教えてくださいね。
暑さに負けず、楽しい夏の思い出をたくさん作ってください。」

例文3:

「こんにちは! 毎日暑いけれど、変わりなく過ごしていますか?
私は先日、近所の夏祭りに行ってきました。久しぶりのお祭りで、なんだかワクワクしましたよ。
あなたも素敵な夏の日々を送れますように。くれぐれも熱中症には気をつけてね。」

3.2 8月中旬の親しみやすい挨拶 お盆の話題も交えて

8月中旬といえば、お盆の時期ですね。帰省する方、ご自宅でゆっくり過ごす方など様々でしょう。相手の状況を思いやりながら、お盆の話題に触れてみるのも良いですね。立秋(8月7日頃)を過ぎると暦の上では秋ですが、まだまだ残暑が厳しい時期です。

例文1:

「お盆休みはどのように過ごされますか?
もしご実家へ帰省されるなら、道中お気をつけて。ご家族とゆっくりとした時間を楽しんでくださいね
私は家でのんびり過ごす予定です。またお休み明けにでも、お話聞かせてください。」

例文2:

「暦の上では秋とはいえ、まだまだ厳しい暑さが続いていますね。お変わりありませんか?
お盆はご先祖様をお迎えし、静かに過ごされる頃でしょうか。
少しでも心安らぐ時間となりますように。どうぞご無理なさらないでくださいね。」

例文3:

「こんにちは。お盆休み、いかがお過ごしですか?
今年は特に暑いので、移動なども大変かと思いますが、体調に気をつけて、有意義な時間をお過ごしください
また落ち着いたら、美味しいものでも食べに行きましょう。」

3.3 8月下旬の親しみやすい挨拶 夏の終わりを感じさせる言葉

8月も下旬になると、朝晩にほんの少しだけ涼しい風を感じたり、虫の声に変化があったりと、夏の終わりに近づいている気配を感じられるかもしれません。過ぎゆく夏を惜しむ気持ちや、季節の移り変わりを話題にするのも素敵です。

例文1:

「朝夕は心なしか過ごしやすくなってきたように感じますが、いかがお過ごしですか。
あれほど猛威を振るった暑さも、少しずつ和らいでいくのでしょうか。
夏の疲れが出やすい頃ですので、どうぞご自愛くださいね。」

例文2:

「賑やかだった蝉の声も落ち着き、ツクツクボウシの声が聞こえるようになりましたね。
夏の終わりは少し寂しい気もしますが、この夏はどんな思い出ができましたか?
また近いうちに、夏の思い出話でも聞かせてください。」

例文3:

「あっという間に8月も終わりに近づいてきましたね。
日中はまだ暑いですが、空の色や雲の形に、どことなく秋の気配を感じるようになりました。
季節の変わり目、体調を崩さないように気をつけてお過ごしください。」

3.4 カジュアルな8月の挨拶に使える結びの言葉

親しい間柄での手紙やメッセージの結びは、相手を気遣う温かい言葉で締めくくりたいものです。かしこまった表現は避け、あなたの気持ちが伝わるような言葉を選びましょう。いくつか例を挙げますので、参考にしてみてください。

シーン結びの言葉の例
暑さを気遣うまだまだ暑い日が続きますので、どうぞお体大切にお過ごしください。暑さに負けず、元気でいてくださいね。くれぐれもご無理なさらないでくださいね。
夏の楽しみを願う楽しい夏の思い出がたくさんできますように。残りの夏も、健やかにお過ごしくださいね。素敵な夏になりますように。
再会を願うまた近いうちにお会いできるのを楽しみにしています。涼しくなったら、また一緒にお出かけしましょう。お話できる日を心待ちにしています。
相手の健康を祈るくれぐれもご自愛ください。健やかな毎日でありますように。お元気で、この夏を乗り切ってくださいね。

これらの例文はあくまで一例です。相手との関係性や状況に合わせて、言葉を選んでみてくださいね。何よりも、あなたの真心が伝わることが大切です。

4. 8月の挨拶を彩る時候の言葉と季語

8月にお手紙やメールをお送りする際、時候の言葉や季語を添えることで、ぐっと季節感が増し、お相手の心に響くご挨拶になりますね。厳しい暑さが続く日々だからこそ、言葉選びに心を配り、涼やかさや相手を気遣う気持ちを伝えたいものです。ここでは、8月の挨拶を豊かに彩る時候の言葉や季語について、詳しくご紹介いたします。

4.1 8月の挨拶で使える時候の言葉一覧

時候の言葉は、手紙やメールの冒頭に用いることで、季節感を伝える役割があります。8月は、夏の盛りから秋の気配を感じ始める時期まで、細やかな季節の移ろいがありますので、時期に合わせた言葉を選ぶと良いでしょう。代表的なものをいくつかご紹介しますね。

時候の言葉読み方使う時期の目安ニュアンス・意味
盛夏の候せいかのこう8月上旬~立秋頃まで夏真っ盛り、暑さが最も厳しい頃を指します。エネルギッシュな夏のイメージですね。
大暑の候たいしょのこう7月下旬~8月上旬(立秋前まで)二十四節気の「大暑」の頃。一年で最も暑い時期を表す言葉です。
立秋の候りっしゅうのこう立秋(8月7日頃)以降暦の上では秋が始まる頃。実際の暑さとのギャップも時候の挨拶で触れるポイントです。
残暑の候ざんしょのこう立秋以降~8月末頃立秋を過ぎてもなお続く厳しい暑さを表す言葉で、8月中旬以降によく使われます。
晩夏の候ばんかのこう8月中旬~下旬夏の終わりを感じさせる頃。少しずつ秋の気配が漂い始める時期に合います。
向秋の候こうしゅうのこう8月下旬秋に向かっていることを感じさせる頃。過ぎゆく夏を惜しみつつ、初秋の訪れを待つ心情が表れます。
早涼の候そうりょうのこう8月下旬秋の涼しさをいち早く感じ始めた頃に使います。朝夕の風に涼やかさを感じた時などに。
新涼の候しんりょうのこう8月下旬新たな涼しさを感じる頃で、秋の気配がよりはっきりとしてきた時期に適しています。

これらの言葉に続けて、「皆様いかがお過ごしでしょうか」や「ますますご清祥のこととお慶び申し上げます」といった言葉をつなげて使うのが一般的です。お相手や状況に合わせて、しっくりくる言葉を選んでみてくださいね。

4.2 二十四節気と8月の挨拶 立秋処暑の表現

日本の季節の移ろいを細やかに示す二十四節気(にじゅうしせっき)。8月には「立秋(りっしゅう)」と「処暑(しょしょ)」という大切な節目があります。これらの言葉を挨拶に取り入れると、より深みのある季節感が伝わりますよ。

立秋(りっしゅう)は、例年8月7日頃にあたります。暦の上ではこの日から秋とされますが、実際には一年で最も暑さが厳しい時期と重なることが多いですね。そのため、挨拶では「暦の上では秋とは申しながら、厳しい暑さが続いておりますが」のように、暦と実際の気候の違いに触れつつ、相手の健康を気遣う言葉を添えるのが一般的です。「立秋とは名ばかりの暑さに閉口しております」といった表現も使われます。

処暑(しょしょ)は、例年8月23日頃です。「処」という字には「止まる」「落ち着く」という意味があり、暑さがようやく峠を越え、和らぎ始める頃とされています。朝夕には涼しい風が感じられたり、虫の音が聞こえ始めたりと、秋の気配が少しずつ濃くなってくる時期です。挨拶では、「処暑を過ぎ、朝夕はいくぶん過ごしやすくなってまいりました」「処暑の候、虫の音に秋の気配を感じるこの頃」といった表現で、季節の移り変わりを伝えると素敵ですね。

二十四節気についてさらに詳しくお知りになりたい方は、国立天文台の解説ページも参考になさってください。
参考:国立天文台 暦計算室「二十四節気とは」

4.3 8月の挨拶に取り入れたい夏の季語

季語は、俳句などで使われる季節を表す言葉ですが、手紙やメールの挨拶文にさりげなく取り入れると、情景が目に浮かぶような、美しい響きを添えることができます。8月にぴったりの夏の季語をいくつかご紹介しましょう。

季語読み方季節・情景挨拶文での活かし方(例)
向日葵ひまわり夏の太陽に向かって咲く、生命力あふれる花。見ているだけで元気をもらえそうですね。庭先の向日葵が太陽に向かって元気に咲いております
蝉時雨せみしぐれ多くの蝉が一斉に鳴く声。夏の盛りの象徴であり、暑さを一層感じさせますが、生命力にも満ちています。蝉時雨が賑やかな毎日ですが、お変わりございませんか
風鈴ふうりん軒先で涼やかな音を立てる夏の風物詩。その音色に、ふと暑さを忘れるような心地よさがあります。窓辺に揺れる風鈴の音に、ひとときの涼を感じております
夕立ゆうだち夏の午後に降るにわか雨。激しく降った後は、空気がひんやりとし、虹が見えることも。先日は見事な夕立があり、暑さも少し和らいだように感じます
花火はなび夜空を彩る夏の風物詩。華やかさと、一瞬で消えゆく儚さが夏の情趣を感じさせます。夜空を彩る花火に夏の思い出を重ねております
朝顔あさがお早朝に咲く涼しげな花。夏の清涼感を運び、子供の頃の夏休みを思い出す方もいらっしゃるかもしれません。色鮮やかな朝顔が、毎朝涼を届けてくれています
入道雲にゅうどうぐも夏空に湧き上がる雄大な雲。もくもくと成長する様子は、夏のエネルギーを感じさせます。空には大きな入道雲が湧き立ち、夏真っ盛りですね
西瓜すいか夏の代表的な果物。みずみずしい甘さは、暑い日の何よりのご馳走ですね。冷たい西瓜の美味しい季節、いかがお過ごしでしょうか

これらの季語を挨拶文に一言添えるだけで、手紙やメールが生き生きとしたものになり、お相手にも季節の情景が伝わりやすくなります。難しく考えずに、ご自身が感じたままの夏の風景や風情を言葉にしてみてはいかがでしょうか。きっと、あなたの温かいお気持ちが伝わるはずです。

5. 8月の挨拶で気を付けたいポイント

夏の盛りである8月は、日差しも強く、暑さで体調を崩しやすい時期でもありますね。だからこそ、挨拶の言葉には、相手の健康を気遣うひと言を添える心配りが大切になります。また、暑さに関する表現も、受け取る相手によっては不快に感じさせてしまうこともあるため、言葉選びには少し注意が必要です。ここでは、8月の挨拶で心がけたいポイントを具体的にご紹介します。読んでくださるあなたの毎日が、少しでも晴れやかになるようなヒントになれば嬉しいです。

5.1 相手の健康を気遣う一言を添える8月の挨拶

厳しい暑さが続く8月には、相手の体調を思いやる言葉を添えることで、あなたの温かい気持ちがより深く伝わります。時候の挨拶に続けて、以下のようなひと言を加えてみてはいかがでしょうか。ほんの少しの言葉が、相手の心を和ませるかもしれません。

  • 「連日の猛暑ですが、くれぐれもご自愛くださいませ。」
  • 「暑さ厳しき折から、お変わりなくお過ごしでしょうか。夏バテなどなさいませんよう、お身体を大切にお過ごしください。」
  • 「何かと気ぜわしい時期かと存じますが、どうぞお健やかにお過ごしになられますようお祈り申し上げます。」
  • 「暑さもこれからが本番と申します。十分な休息をお取りになり、この夏を乗り切ってくださいね。」
  • 「お盆休みはゆっくりお過ごしになれましたでしょうか。夏の疲れが出やすい頃ですので、どうぞご無理なさらないでくださいませ。」

特にご高齢の方や、療養中の方へお手紙やメールを送る際には、より一層、相手の健康状態に配慮した言葉を選ぶことが大切です。形式的な挨拶だけでなく、心からの気遣いが伝わるような、あなたらしい言葉で綴ってみましょう。相手を思う気持ちが、きっと優しい風のように届くはずです。

5.2 8月の挨拶で避けたい表現と言い換え

良かれと思って使った言葉が、意図せず相手に不快感を与えてしまうこともあります。特に暑さに関する話題は、受け取り方が人それぞれですので、少し立ち止まって考えてみることが大切です。ここでは、8月の挨拶で気をつけたい表現と、その言い換え例をいくつかご紹介します。言葉の選び方ひとつで、相手との関係がより心地よいものになりますように。

避けたい表現の例その理由言い換え・配慮のポイント
「毎日暑くてたまりませんね」「この暑さはいつまで続くのでしょうか」といったネガティブな表現の多用暑さに対する愚痴や不満と受け取られ、相手をうんざりさせてしまう可能性があります。また、相手が夏を楽しんでいる場合、共感を得られないこともあります。「厳しい暑さが続いておりますが、いかがお過ごしでしょうか」のように、相手の状況を尋ねる形にするか、「暑さの折から、くれぐれもご無理なさらないでください」と気遣いの言葉に繋げるなど、前向きなニュアンスを心がけましょう。
「クーラーなしでは生きられません」といった極端な表現大げさに感じられたり、生活環境の違いから共感しにくい場合があります。また、節電を心がけている方には配慮に欠ける印象を与えるかもしれません。「涼しい時間帯を選んでお過ごしください」「適度に休息を取りながら、この暑さを乗り切りたいものですね」など、穏やかで共感を呼びやすい表現を心がけましょう。
お盆を過ぎてからの「暑中お見舞い申し上げます」暦の上では、立秋(8月7日頃)を過ぎたら「暑中見舞い」ではなく「残暑見舞い」とするのが一般的です。時期外れの挨拶は、相手に失礼な印象を与えかねません。二十四節気については、気象庁の解説も参考になります。立秋以降は「残暑お見舞い申し上げます」としましょう。暦の上では秋になりますので、その点を意識することが大切です。
相手の状況を考慮しない一方的な近況報告暑さで体調を崩していたり、忙しく過ごしている相手に、自分の楽しい話題ばかりを一方的に伝えると、配慮に欠ける印象を与えてしまうことがあります。まずは相手の健康や状況を気遣う言葉を述べ、その後に自分の近況を簡潔に伝えるようにしましょう。相手が返事をしやすいような、穏やかな内容を心がけることも大切ですね。
「秋の気配が待ち遠しいですね」と8月上旬や中旬に書くことまだ夏の真っ盛りの時期に秋を待ち望む表現は、季節感を無視しているように感じられることがあります。また、夏が好きな方にとっては少し寂しい気持ちにさせてしまうかもしれません。晩夏(8月下旬)に入ってから、「朝夕はいくぶん過ごしやすくなりましたね」や「虫の音に秋の気配を感じる頃となりました」といった、実際の季節の移ろいに合わせた表現を用いるのが自然です。

これらのポイントは、あくまで一般的な目安です。何よりも大切なのは、送る相手との関係性やその時の状況をよく考え、心からの思いやりを持って言葉を選ぶことです。暑い夏だからこそ、清涼感のある言葉や、心に潤いを与えるような温かいコミュニケーションを心がけたいものですね。そうすることで、あなたの気持ちがきっと相手に届き、より良い関係を築くことができるでしょう。

6. まとめ

8月は、夏の盛りから秋の気配へと移ろう、季節の変化を感じやすい月です。お盆の帰省や残暑見舞いなど、大切な方へ挨拶を交わす機会も多いことでしょう。この記事では、上旬・中旬・下旬それぞれの時期に合わせた時候の挨拶や、ビジネスシーンでのフォーマルな表現、親しい間柄でのカジュアルな言い回しを例文とともにご紹介しました。相手の健康を気遣う一言を添え、心遣いの伝わる素敵な8月の挨拶で、より良い人間関係を育んでくださいね。

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この記事を書いた人

ハレノヒ編集部は、「わたしらしく、身軽に暮らす」をテーマに、日々の暮らしを前向きに楽しむためのヒントをお届けしています。
美容や健康、趣味、暮らしの工夫など、50代以降の女性を中心に、誰もが自分らしく輝けるような情報をやさしい目線で発信しています。
ちょっと気になる話題や、ふと心に残る言葉も添えて、皆さまの毎日が少し晴れやかになりますように。

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