「7月といえば」と聞いて、皆さまはどんな情景を思い描かれるでしょうか。この記事では、梅雨明けとともに本格的な夏を迎える7月の気候や伝統行事、各地で催される賑やかな夏祭り、そして旬の味覚や美しい花々まで、7月に関する情報を幅広くお届けします。読むことで7月の魅力が深くわかり、日々の暮らしを豊かにするヒントが見つかるはずです。日本の夏の始まりを、心ゆくまで楽しむ準備を始めませんか。

1. 7月といえばどんな月?日本の夏の始まり
7月と聞くと、なんだか心が躍りませんか? 長かった梅雨が明け、本格的な夏が始まるこの季節は、太陽の光が一層まぶしく感じられますね。子どもたちの元気な声が響き渡り、どこか開放的な気分にさせてくれる、そんな7月の魅力に迫ってみましょう。

1.1 7月の気候と暦 梅雨明けから本格的な夏へ
7月は、日本の多くの地域で梅雨が明け、本格的な夏が到来する月です。じめじめとした雨の季節が終わりを告げると、空には入道雲がもくもくと湧き上がり、太陽が力強く照りつけます。気温もぐんぐん上昇し、日中は30度を超える真夏日や、時には35度以上の猛暑日となることも珍しくありません。蝉の鳴き声も一層賑やかになり、夏の訪れを実感させてくれますね。
暦の上では、7月7日頃に「小暑(しょうしょ)」を迎え、梅雨明けが近づき暑さが本格的になる頃とされています。そして、7月23日頃には「大暑(たいしょ)」を迎え、一年で最も暑さが厳しくなる時期へと移り変わります。この時期は、日差しも強く、屋外での活動には熱中症対策が欠かせません。こまめな水分補給や休憩を心がけ、元気に夏を乗り切りたいものですね。
1.2 7月の祝日 海の日について
7月には、私たちにとって嬉しい祝日がありますね。それは「海の日」です。海の日がいつかご存知ですか? 以前は7月20日に固定されていましたが、2003年からはハッピーマンデー制度により、7月の第3月曜日と定められました。この日は、「海の恩恵に感謝するとともに、海洋国日本の繁栄を願う」ことを趣旨としています(内閣府「国民の祝日について」)。
四方を海に囲まれた日本にとって、海は私たちの生活や文化と深く結びついてきました。この日には、海水浴やマリンスポーツを楽しんだり、海辺のイベントに参加したりする方も多いのではないでしょうか。改めて海の豊かさや大切さを感じる良い機会ですね。連休になることも多いので、ちょっとしたお出かけの計画を立てるのも楽しいひとときです。
2. 7月といえば思い浮かぶ夏の風物詩
7月に入ると、いよいよ本格的な夏の訪れを感じますね。日差しは強まり、蝉の声が響き渡るようになると、どこか懐かしい日本の夏の情景が目に浮かびます。この季節ならではの風物詩は、私たちの五感を心地よく刺激し、日々の暮らしに彩りを与えてくれるものです。ここでは、7月と聞いて多くの方が思い浮かべる、代表的な夏の風物詩をご紹介します。暑い夏を少しでも涼やかに、そして楽しく過ごすためのヒントが見つかるかもしれませんよ。
2.1 夏の風物詩といえばこれ!7月の代表的なもの
日本の夏には、古くから親しまれてきた素敵な風物詩がたくさんあります。その中でも、特に7月にふさわしく、私たちの心に涼や安らぎ、そしてワクワク感を与えてくれるものをいくつか見ていきましょう。

2.1.1 風鈴の涼やかな音色
チリンチリンという風鈴の音は、日本の夏の風物詩の代表格といえるでしょう。軒先で風に揺れる風鈴の姿と、その涼やかな音色は、聞くだけで不思議と体感温度が下がるともいわれています。これは、風鈴の音が「風が吹いている」という情報を脳に送り、実際に涼しい風を感じているような錯覚を引き起こすからだとか。また、その音には「1/fゆらぎ」というリラックス効果のあるリズムが含まれているとも言われています。
風鈴には、ガラス製のものや南部鉄器などの金属製、陶器製など、さまざまな素材があります。素材によって音色も異なり、ガラス製は軽やかで涼しげな音、金属製は澄んだ余韻の長い音が特徴です。お気に入りの音色の風鈴を見つけて、耳で感じる涼を楽しんでみてはいかがでしょうか。窓辺に吊るせば、風が通り抜けるたびに優しい音色が響き、心地よい夏のひとときを演出してくれますよ。
2.1.2 浴衣で楽しむ夏
夏のおしゃれといえば、やはり浴衣を思い浮かべる方が多いのではないでしょうか。もともとは湯上がりに着る部屋着でしたが、江戸時代頃から夏の外出着としても親しまれるようになりました。手軽に和装の雰囲気を楽しめるのが浴衣の魅力です。木綿などのさらりとした生地は肌触りが良く、風通しも良いので、見た目にも涼やかです。
最近では、伝統的な柄だけでなく、モダンでかわいらしいデザインの浴衣もたくさんあり、帯や下駄、髪飾りなどの小物と合わせて、自分らしいコーディネートを楽しむことができます。夏祭りや花火大会はもちろん、夕涼みやちょっとしたお出かけに浴衣を着るだけで、気分が上がり、特別な夏の思い出になることでしょう。着付けが難しいと感じる方には、簡単に着られる工夫がされた浴衣や、着付け教室などを利用してみるのも良いかもしれませんね。
2.1.3 うちわや扇子で涼をとる
エアコンが普及するずっと昔から、日本の夏に欠かせない道具がうちわと扇子です。手元でパタパタと扇げば、優しい風が心地よく、暑さを和らげてくれます。うちわは、竹の骨組みに紙を貼ったものが一般的で、広い面で効率よく風を送ることができます。一方、扇子は折りたたんでコンパクトに持ち運べるのが特徴で、広げたときの美しい形も魅力の一つです。
うちわも扇子も、さまざまな絵柄や素材のものがあり、選ぶ楽しさもあります。夏らしい金魚や朝顔の柄、涼しげな風景が描かれたものなど、見ているだけでも涼を感じさせてくれますね。お祭りやイベントで配られる広告入りのうちわも夏の風物詩の一つですが、お気に入りの一本を長く使うのも素敵です。電気を使わないエコな涼み方としても、うちわや扇子を見直してみてはいかがでしょうか。バッグに忍ばせておけば、外出先でもさっと取り出して涼をとることができ、粋な夏の嗜みとしても楽しめます。
3. 7月といえばこの行事!全国のイベントカレンダー
7月になると、いよいよ本格的な夏の到来を感じますね。梅雨が明け、太陽がきらめくこの季節は、心躍るような行事やイベントが目白押しです。全国各地で様々なお祭りや催しが開かれ、街は活気に満ち溢れます。ここでは、7月ならではの代表的な行事やイベントをご紹介します。夏の思い出作りに、ぜひお役立てくださいね。
3.1 7月の代表的な国民的行事
古くから日本人に親しまれてきた、7月の国民的な行事をご紹介します。季節の移ろいを感じながら、日本の伝統に触れてみませんか。
3.1.1 七夕 織姫と彦星の物語

7月7日は七夕(たなばた)です。織姫と彦星が年に一度だけ天の川を渡って会えるというロマンチックな伝説は、多くの方が子供の頃に絵本などで親しんだのではないでしょうか。笹竹に色とりどりの短冊や飾りをつけ、願い事をする風習は今も続いていますね。夜空を見上げて星に願いを込める、そんな素敵な一日を過ごしてみるのも良いでしょう。
七夕飾りには、それぞれ意味が込められているのをご存知ですか。例えば、短冊は願い事や学問の上達、折り鶴は家族の長寿や家内安全、巾着は金運上昇や商売繁盛など、様々な願いが託されています。お子さんやお孫さんと一緒に飾り付けをしながら、それぞれの飾りに込められた意味を教えてあげるのも、きっと楽しいひとときになりそうですね。
3.1.2 お中元 日頃の感謝を伝える
お中元は、日頃お世話になっている方へ感謝の気持ちを込めて品物を贈る、日本の美しい習慣です。一年の半分が過ぎたこの時期に、上半期の感謝と相手の健康を願う気持ちを伝えます。一般的には7月初旬から中旬にかけて贈りますが、地域によって時期が異なる場合もありますので、事前に確認しておくと安心ですね。何を贈ろうか、相手の喜ぶ顔を思い浮かべながら選ぶ時間もまた、心温まるひとときではないでしょうか。心のこもった贈り物で、感謝の気持ちを伝えてみませんか。
お中元を贈る時期の目安は以下の通りです。地域によって習慣が異なりますので、ご参考になさってください。
地域 | 時期 |
---|---|
北海道 | 7月中旬~8月15日頃 |
東北・関東地方 | 7月1日~7月15日頃 |
北陸地方 | 地域により7月1日~15日、または7月15日~8月15日 |
東海・関西・中国・四国地方 | 7月中旬~8月15日頃 |
九州地方 | 8月1日~8月15日頃 |
沖縄県 | 旧暦の7月13日~15日(旧盆) |
最近では、相手の好みがわからない場合や、遠方の方へ贈る際に便利なカタログギフトも人気があります。また、お中元をいただいたら、できるだけ早くお礼状を出すのがマナーとされています。感謝の気持ちを言葉で伝えることも忘れないようにしたいですね。

3.2 7月といえば夏祭り!各地の有名な祭り
7月は、全国各地で大小さまざまなお祭りが開催され、日本の夏を象徴する風物詩となっています。威勢の良い掛け声や勇壮な太鼓の音、美しい山車(だし)や神輿(みこし)、そして夜空を彩る花火は、私たちの心を高揚させてくれますね。ここでは、特に有名な夏祭りをいくつかご紹介します。お出かけの際は、最新の情報を公式サイトなどでご確認くださいね。
3.2.1 京都 祇園祭
日本三大祭りの一つにも数えられる京都の祇園祭は、八坂神社の祭礼で、その歴史は千年を超えると言われています。7月1日から1ヶ月間にわたり様々な神事や行事が行われますが、特に注目されるのは17日(前祭)と24日(後祭)の山鉾巡行です。「動く美術館」とも称される豪華絢爛な山鉾が都大路を練り歩く様は圧巻の一言。コンチキチンという祇園囃子の音色も風情があります。宵山(よいやま)期間の賑わいも格別で、多くの人々を魅了し続けています。一度は訪れてみたい、日本の伝統と文化を肌で感じられるお祭りです。(参考:八坂神社 祇園祭)
3.2.2 大阪 天神祭
大阪の天神祭もまた、日本三大祭りの一つとして知られ、千年以上の歴史を誇るお祭りです。学問の神様・菅原道真公を祀る大阪天満宮の氏地を中心に、毎年7月24日(宵宮)と25日(本宮)に行われます。特に25日の本宮では、約3,000人の行列が街を練り歩く陸渡御(りくとぎょ)と、約100隻の船が大川を行き交う船渡御(ふなとぎょ)が行われ、その様子は壮観です。夜には奉納花火が打ち上げられ、祭りのクライマックスを華やかに彩ります。活気あふれる「水の都」大阪の夏を体感できるでしょう。(参考:大阪天満宮 天神祭)
3.2.3 東京 隅田川花火大会
東京の夏の夜空を彩る隅田川花火大会は、江戸時代から続く歴史ある花火大会で、日本で最も古い花火大会の一つとも言われています。毎年7月の最終土曜日に開催されるのが恒例で(開催状況は年により異なります)、多くの人々がその美しい花火に酔いしれます。第一会場と第二会場があり、合計で約2万発もの花火が打ち上げられます。東京スカイツリー®を背景に上がる花火も美しく、屋形船から眺める花火もまた格別な風情があります。夏の良い思い出になることでしょう。大変な混雑が予想されるため、お出かけの際は早めの準備と情報収集が大切です。(参考:隅田川花火大会 公式サイト)
3.3 7月といえば海水浴やプール開き
7月に入ると、各地の海水浴場では海開きが行われ、屋外プールも次々とオープンします。太陽の光を浴びながら思いっきり水遊びを楽しむのは、夏の醍醐味ですね。青い海と空、白い砂浜は、見ているだけでも心が開放的になり、日頃の疲れも癒されるのではないでしょうか。ご家族やご友人と、安全に注意しながら楽しい夏のひとときをお過ごしください。帽子や日焼け止めなどの紫外線対策や、こまめな水分補給も忘れずに行いましょう。
3.4 夏休み突入!7月のレジャー計画
7月下旬になると、多くの子どもたちが待ちに待った夏休みが始まりますね。家族旅行や帰省、キャンプ、昆虫採集、自由研究など、計画を立てるだけでもワクワクするのではないでしょうか。どこへ行こうか、何をして過ごそうかと家族みんなで話し合う時間は、コミュニケーションを深める良い機会にもなります。暑さ対策をしっかりとして、熱中症には十分気を付けながら、思い出に残る素敵な夏休みをお過ごしくださいね。
4. 7月といえばこの言葉!美しい日本語 季語の世界
7月は、本格的な夏の訪れを感じる月。そんな季節の移ろいや情景を、短い言葉で豊かに表現するのが「季語」です。俳句や短歌の世界だけでなく、私たちの日常会話やお手紙にもそっと季節感を添えてくれる、美しい日本語の魅力に触れてみませんか。ここでは、7月を代表する季語を分類ごとにご紹介します。それぞれの言葉が持つ奥深い世界を感じてみてくださいね。
4.1 7月の季語一覧 夏の情景を表す言葉
7月には、夏のきらめきや生命力、そして暮らしの知恵を感じさせる季語がたくさんあります。ここでは、代表的なものをいくつか選び、その言葉が描き出す情景や意味合いとともにご紹介します。日々の暮らしの中で、ふとこれらの言葉を思い浮かべると、何気ない瞬間も少し豊かに感じられるかもしれません。
4.1.1 時候に関する7月の季語
まずは、7月の気候や時間の移り変わりを表す季語から見ていきましょう。暑さの中にも、さまざまな表情があることがわかります。
季語 | 読み方 | 夏の情景や意味合い |
---|---|---|
梅雨明け | つゆあけ | 長かった雨の季節が終わり、本格的な夏の到来を告げる言葉です。空気がからりと変わり、太陽の光が一層まぶしく感じられる、そんな解放感が込められています。 |
炎昼 | えんちゅう | 太陽が真上に輝き、最も暑さが厳しくなる昼間の時間帯を指します。じりじりとした日差しと、むっとするような熱気が目に浮かぶようです。 |
夕立 | ゆうだち | 夏の午後に突然降り出す激しい雨のこと。暑さを和らげ、雨上がりの清々しさをもたらしてくれる、夏の風物詩の一つですね。 |
溽暑 | じょくしょ | 蒸し暑さが続く様子を表します。湿度が高く、まとわりつくような暑さは、日本の夏ならではの感覚かもしれません。 |
土用(どよう) | どよう | 夏の土用は立秋前の約18日間を指し、暑さが最も厳しい時期とされます。「土用の丑の日」に鰻を食べる習慣もこの季語と深く結びついていますね。 |
4.1.2 天文に関する7月の季語
次に、7月の空や天体に関する季語です。夏の夜空を見上げたくなるような、ロマンチックな言葉が並びます。
季語 | 読み方 | 夏の情景や意味合い |
---|---|---|
天の川 | あまのがわ | 七夕の夜空を彩る、無数の星々の帯。織姫と彦星の伝説とも結びつき、ロマンチックな夏の夜空を象徴します。 |
夏の月 | なつのつき | 冬の冴え冴えとした月とは異なり、どこかぼんやりと、しかし力強く夜を照らす月。その光の下で涼むのもまた一興です。 |
星月夜 | ほしづきよ | 月が出ていなくても、満天の星が月のように明るく輝く夏の夜のこと。澄んだ空気の中で見上げる星空は格別です。 |
雷 | かみなり | 夏の空に轟く雷鳴と稲光。自然の力の雄大さと、少しの恐ろしさを感じさせます。夕立とともに訪れることも多いですね。 |
4.1.3 生活に関する7月の季語
続いては、7月の暮らしの中で見られる風物や習慣に関する季語です。暑い夏を快適に過ごすための知恵や楽しみが詰まっています。
季語 | 読み方 | 夏の情景や意味合い |
---|---|---|
風鈴 | ふうりん | 軒先でチリンチリンと鳴る音は、聞くだけで涼を感じさせてくれる、日本の夏の知恵です。ガラスや鉄など素材によって音色も異なります。 |
団扇・扇子 | うちわ・せんす | 手元で風を起こし涼をとる道具。エアコンとは違う、やさしい風が心地よいですね。浴衣姿にもよく似合います。 |
蚊帳 | かや | 昔ながらの夏の寝具。蚊の侵入を防ぎながら、風通しを良くする工夫が凝らされています。最近では見かけることも少なくなりましたが、どこか懐かしい響きがあります。 |
素麺 | そうめん | 冷たくつるりとした喉ごしが、暑さで食欲がない時でも美味しくいただける夏の定番です。薬味を添えていただくのも楽しみの一つですね。 |
夏休み | なつやすみ | 子どもたちにとっては待ち遠しい、学び舎を離れて過ごす長いお休み。大人にとっても、どこかワクワクする響きを持つ言葉ではないでしょうか。 |
4.1.4 動物に関する7月の季語
7月になると活発になる生き物たちも、夏の訪れを告げてくれます。その鳴き声や姿は、夏の情景に欠かせません。
季語 | 読み方 | 夏の情景や意味合い |
---|---|---|
蝉 | せみ | 夏の到来を告げるかのように、力強く鳴き始めます。ミンミンゼミやアブラゼミなど、種類によって異なる鳴き声も夏の風情の一つです。その声に夏の盛りを感じますね。 |
蛍 | ほたる | 清らかな水辺で淡い光を放ちながら舞う姿は、幻想的で美しい夏の夜の情景を織りなします。儚い光に、夏の夜の趣を感じます。 |
金魚 | きんぎょ | 涼しげに水の中を泳ぐ姿は、夏の暑さを忘れさせてくれる一服の清涼剤のよう。縁日での金魚すくいも夏の楽しい思い出ですね。 |
4.1.5 植物に関する7月の季語
最後に、7月に花を咲かせたり、実をつけたりする植物の季語です。夏の太陽を浴びて輝く植物たちの生命力を感じてみましょう。
季語 | 読み方 | 夏の情景や意味合い |
---|---|---|
朝顔 | あさがお | 夏の早朝に色鮮やかな花を咲かせます。小学生の頃に育てた思い出がある方も多いのではないでしょうか。その儚さと美しさが魅力です。 |
向日葵 | ひまわり | 太陽に向かって大きな花を咲かせる姿は、夏のエネルギーを象徴しているかのようです。見ているだけで元気をもらえますね。 |
蓮 | はす・はちす | 早朝、泥の中から清らかな花を咲かせます。仏教とも縁が深く、その気高い美しさは多くの人を魅了します。池一面に咲く蓮の花は見事です。 |
合歓の花 | ねむのはな | 夕方になると、化粧筆のような淡い紅色の可憐な花を咲かせ、夜には葉が閉じることからこの名がつきました。どこか夢見るような風情があります。 |
いかがでしたでしょうか。7月の季語には、暑い夏を彩るさまざまな言葉がありますね。これらの季語を知ることで、いつもの夏も少し違った視点から楽しむことができるかもしれません。俳句や短歌に挑戦してみたり、お手紙にそっと季節の言葉を添えてみたりするのも素敵ですね。
5. 7月といえば旬の味覚!美味しい食材を紹介
7月は、太陽の光をたっぷり浴びて育った、みずみずしい野菜や果物、そして活きの良い魚介類が市場に並び始める、まさに味覚の宝庫。旬の食材は栄養価が高く、その時期ならではの豊かな風味を味わえるのが魅力です。食卓に旬のものを取り入れて、夏の訪れを感じてみませんか?ここでは、7月にぜひ味わっていただきたい、とっておきの食材をご紹介します。
5.1 7月に旬を迎える野菜
夏の日差しを浴びて元気に育った野菜たちは、色鮮やかで栄養も満点。シャキシャキとした食感や、ジューシーな味わいは、暑い季節の体に活力を与えてくれます。サラダや和え物、炒め物など、さまざまな調理法で楽しんでみましょう。
5.1.1 きゅうり
きゅうりは、約95%が水分で、カリウムも豊富に含まれているため、夏の水分補給や体の熱を冷ますのにぴったりの野菜です。独特の歯ごたえと爽やかな香りが食欲をそそりますね。薄切りにして塩もみし、酢の物や和え物にするのはもちろん、味噌をつけて丸かじりするのも夏ならではの醍醐味です。最近では、スムージーの材料としても人気があります。
5.1.2 トマト
「トマトが赤くなると医者が青くなる」ということわざがあるほど、トマトは栄養価の高い野菜として知られています。特に、抗酸化作用のあるリコピンやビタミンCが豊富で、美容と健康の強い味方です。真っ赤に熟したトマトは、甘みと酸味のバランスが絶妙。そのままサラダでいただくのはもちろん、煮込み料理やパスタソースなどに使うと、料理の味をぐっと引き立ててくれます。冷やして丸かじりするのも、暑い日にはたまりませんね。
5.1.3 なす
なすは、スポンジのような果肉が特徴で、油との相性が抜群。炒め物や揚げ物にすると、とろりとした食感になり、だしの旨味をよく吸い込みます。皮には「ナスニン」というポリフェノールの一種が含まれており、抗酸化作用が期待できます。焼きなすにして生姜醤油でいただいたり、煮浸しや麻婆茄子など、和洋中どんな料理にも活躍する万能野菜です。夏野菜カレーの具材としても欠かせませんね。
5.1.4 とうもろこし
プチプチとした食感と、ぎゅっと詰まった甘みが魅力のとうもろこし。食物繊維が豊富で、ビタミンB群やビタミンE、ミネラルなどもバランス良く含んでいます。茹でたり焼いたりしてそのまま食べるのが一番人気ですが、コーンスープやサラダ、かき揚げの具材としても美味しくいただけます。新鮮なとうもろこしは、生で食べられる品種もあるんですよ。お子様から大人まで、みんな大好きな夏の味覚の代表格ですね。
5.2 7月に旬を迎える果物
夏の太陽をいっぱいに浴びて甘みを増した果物は、ジューシーで香り高く、火照った体を優しくクールダウンさせてくれます。そのまま味わうのはもちろん、デザートやスムージーにするのもおすすめです。
5.2.1 スイカ
夏の果物の王様といえば、やはりスイカでしょう。シャリシャリとした食感と、口いっぱいに広がる甘い果汁は、夏の暑さを忘れさせてくれます。水分が豊富で、カリウムやシトルリンも含まれているため、夏バテ予防やデトックス効果も期待できます。よく冷やして、家族や友人と分け合って食べるのが夏の風物詩ですね。美味しいスイカの選び方は、皮の縞模様がくっきりしていて、ツルが付いていた部分が少しへこんでいるものが良いとされています。
5.2.2 桃
芳醇な香りと、とろけるような甘い果肉がたまらない桃。デリケートで傷みやすいため、旬の短い時期にしか味わえない貴重な果物です。食物繊維やカリウム、ビタミンCなどが含まれています。冷やしすぎると風味が落ちてしまうため、食べる1〜2時間前に冷蔵庫で冷やすのがおすすめです。皮をむいてそのままかぶりつくのが一番美味しいですが、コンポートやタルト、ゼリーなどにしても絶品です。
5.2.3 メロン
高級感あふれる甘い香りと、なめらかでジューシーな果肉が魅力のメロン。特別な日のデザートとしても人気がありますね。カリウムやビタミンC、βカロテンなどが含まれています。追熟が必要な場合が多く、ツルが枯れてきたり、お尻の部分を軽く押して少し弾力を感じたりする頃が食べ頃のサインです。半分に切って種を取り、スプーンで贅沢にいただくのは至福のひととき。生ハムメロンとして、前菜で楽しむのもおしゃれですね。
5.3 7月に旬を迎える魚介類
日本の夏は、美味しい魚介類にも恵まれています。脂がのって旨味が増す魚や、磯の香りが豊かな貝類など、この時期ならではの海の幸を堪能しましょう。お刺身や焼き魚、煮付けなど、素材の味を活かした調理法でいただくのがおすすめです。
5.3.1 アジ
アジは「味が良い」ことからその名がついたと言われるほど、旨味が強く、DHAやEPAといった良質な脂質も豊富に含んでいます。初夏から夏にかけて旬を迎え、この時期のアジは特に脂がのって美味しいと評判です。お刺身やたたき、塩焼き、フライ、南蛮漬けなど、さまざまな料理で楽しめます。新鮮なアジは、目が澄んでいて、エラが鮮やかな紅色をしているのが特徴です。
5.3.2 スズキ
スズキは、白身で淡白ながらも上品な味わいが特徴の魚です。夏に旬を迎え、「夏のスズキはタイにも劣らぬ」と言われるほど味が良くなります。成長するにつれて名前が変わる出世魚としても知られていますね。洗い(薄切りにして氷水で締めたもの)や塩焼き、ムニエル、ポワレ、アクアパッツァなど、和洋問わず幅広い料理に合います。皮と身の間にも旨味があるので、皮目をパリッと焼く調理法もおすすめです。
5.3.3 ウナギ
夏のスタミナ食の代表格といえば、やはりウナギでしょう。特に「土用の丑の日」にウナギを食べる習慣は、江戸時代から続いていると言われています。濃厚な旨味と、とろけるような柔らかい身は格別で、ビタミンAやビタミンB群、ビタミンE、DHA、EPAなどが豊富に含まれており、夏バテ予防や疲労回復に効果が期待できます。蒲焼きにしてご飯にのせた鰻丼や鰻重は、多くの人に愛される夏の味覚ですね。白焼きにしてわさび醤油でいただくのも、ウナギ本来の味を楽しめておすすめです。
6. 7月といえばこの花!夏を彩る美しい花々
日差しが日に日に強くなり、本格的な夏の訪れを感じる7月。この季節には、私たちの心まで明るくしてくれるような、色とりどりの美しい花々が咲き誇ります。暑い毎日にも、ふと目にする花の姿は一服の清涼剤のようですね。ここでは、7月に見頃を迎える代表的な花々をご紹介します。それぞれの花の魅力や花言葉、そして暮らしの中での楽しみ方などを知って、夏の彩りを身近に感じてみませんか。
6.1 7月に見頃を迎える代表的な花
7月には、夏の日差しをいっぱいに浴びて、生き生きと咲く花がたくさんあります。見ているだけで元気をもらえたり、その香りに癒されたり…。ここでは、その中でも特に代表的で、私たちの目を楽しませてくれる美しい花々をいくつかご紹介しますね。
花の名前 | 主な特徴 | 花言葉(代表的なもの) |
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朝顔(アサガオ) | 夏の早朝に開花するつる性の植物。青、紫、ピンク、白など多彩な花色。 | はかない恋、固い絆、愛情 |
向日葵(ヒマワリ) | 太陽の方向を向いて咲くと言われる大きな黄色い花。夏の象徴。 | 憧れ、あなただけを見つめる、情熱 |
ラベンダー | 紫色の小さな花が穂になって咲く。心地よい芳香が特徴。 | 沈黙、期待、あなたを待っています |
蓮(ハス) | 池や沼などの水面に咲く清らかな花。早朝に開き、午後には閉じる。 | 清らかな心、神聖、離れゆく愛 |
これらの花々は、夏の庭先や公園、自然の中で私たちを迎えてくれます。それでは、それぞれの花について、もう少し詳しく見ていきましょう。
6.1.1 朝顔(アサガオ)
夏の風物詩といえば、多くの方が思い浮かべるのが朝顔ではないでしょうか。早朝の涼やかな時間帯に、色鮮やかな花を咲かせる姿は、夏の訪れを告げる風情がありますね。江戸時代から観賞用として親しまれ、品種改良も盛んに行われてきました。青や紫、ピンク、白、絞り模様など、その色彩の豊かさも魅力の一つです。つるを伸ばして成長するので、窓辺で育てて緑のカーテンにしたり、行灯仕立てにして楽しむのも素敵です。
朝顔の花言葉には、「はかない恋」「固い絆」「愛情」などがあります。朝に美しく咲き、昼にはしぼんでしまうその姿から「はかない恋」という花言葉が生まれたと言われています。一方で、支柱にしっかりとつるを絡ませて伸びていく様子からは、「固い絆」や「愛情」といった花言葉も連想されます。お子さんの夏休みの観察日記の題材としてもおなじみですね。
6.1.2 向日葵(ヒマワリ)
太陽に向かって大きな花を咲かせる向日葵は、まさに夏の太陽を象徴するような花です。見ているだけで元気をもらえるような、明るい黄色い花びらが印象的ですね。その名前の通り、若い時期には太陽の動きを追って花の向きを変える性質があると言われています(成長しきると東を向いたままになることが多いようです)。広大なひまわり畑の風景は、夏の絶景スポットとしても人気があります。
向日葵の花言葉は、「憧れ」「あなただけを見つめる」「情熱」「光輝」など、ポジティブなものが多くあります。太陽を追いかけるその一途な姿から、「憧れ」や「あなただけを見つめる」といった花言葉がつけられました。お部屋に一輪飾るだけで、ぱっと明るい雰囲気にしてくれるのも嬉しいですね。また、花が終わった後には、種を収穫して楽しむこともできます。
6.1.3 ラベンダー
美しい紫色と、心安らぐ清々しい香りが魅力のラベンダーも、7月に見頃を迎える代表的なハーブです。小さな花が集まって穂のようになり、風に揺れる姿はとても優雅ですね。北海道の富良野地方などが名所として知られていますが、家庭でも比較的育てやすく、ガーデニングでも人気があります。
ラベンダーの花言葉には、「沈黙」「期待」「あなたを待っています」「清潔」などがあります。その強い香りには心を落ち着かせる効果があるとされ、「沈黙」という花言葉が生まれたり、また、心地よい香りが何か良いことを期待させることから「期待」という花言葉も。ドライフラワーやポプリにして香りを楽しんだり、ハーブティーとして味わったりと、様々な方法で私たちの暮らしに彩りと癒やしを与えてくれます。
6.1.4 蓮(ハス)
泥の中からすっと茎を伸ばし、清らかで美しい花を咲かせる蓮は、どこか神秘的な雰囲気を持っていますね。仏教では極楽浄土に咲く花とされ、神聖なイメージがあります。早朝にゆっくりと花びらを開き、午後には閉じてしまうため、その美しい姿を見るためには少し早起きが必要です。大きな葉が水面に浮かぶ様子も涼しげで、夏の暑さを忘れさせてくれます。
蓮の花言葉は、「清らかな心」「神聖」「離れゆく愛」「雄弁」などです。泥水に染まらずに咲くその気高い姿から、「清らかな心」や「神聖」といった花言葉が生まれました。「離れゆく愛」は、花びらが一枚一枚散っていく様子から連想されたと言われています。公園の池や植物園などで、その凛とした佇まいをじっくりと眺めてみるのも、心豊かな時間となるでしょう。また、根の部分であるレンコンは、美味しい食材としてもおなじみですね。
7. 7月といえば知っておきたい豆知識
7月という月をより深く楽しむために、知っておくとちょっと嬉しい豆知識をご紹介します。大切な方への贈り物の参考や、日々の会話のきっかけにもなるかもしれませんね。夏の訪れとともに、新しい発見を楽しんでみませんか。
7.1 7月の誕生石 ルビー
7月の誕生石は、「宝石の女王」とも称される美しいルビーです。その燃えるような深い赤色は、古くから情熱や愛情、そして生命力の象徴とされてきました。身に着ける人に勇気と自信を与え、困難に打ち勝つ力をサポートしてくれるともいわれています。
ルビーという名前は、ラテン語で「赤」を意味する「rubeus(ルベウス)」に由来すると伝えられています。主な産地としてはミャンマーやタイ、スリランカなどが知られており、特にミャンマー産の最高品質のものは「ピジョン・ブラッド(鳩の血)」と呼ばれ、その希少性と美しさから高い価値が認められています。
ルビーが持つ石言葉には、「情熱」「仁愛」「威厳」「勇気」「純愛」などがあります。これらの言葉からもわかるように、ルビーは持ち主の魅力を引き出し、目標達成や恋愛成就のお守りとしても人気があります。7月生まれの方への特別な贈り物として、またご自身を励ますためのお守りとして、ルビーの輝きを取り入れてみるのはいかがでしょうか。その鮮やかな赤が、日常に華やぎとエネルギーをもたらしてくれることでしょう。
7.2 7月の星座 かに座としし座
7月生まれの方の星座は、月の前半がかに座、後半がしし座となります。それぞれの星座には、古くから伝わる神話や、性格の特徴など、興味深いお話がたくさんあります。ご自身の星座はもちろん、大切な方の星座について知るのも楽しいものですね。
7.2.1 かに座(蟹座)
おおよそ6月22日から7月22日頃までに生まれた方が、かに座にあたります。かに座の方は、感受性が豊かで、思いやりにあふれ、家庭や仲間を大切にする傾向があるといわれています。母性的な優しさや、共感力の高さも特徴で、周囲の人々にとって心の拠り所となるような存在になることも多いでしょう。
ギリシャ神話では、英雄ヘラクレスがヒュドラという怪物を退治する際、女神ヘラがヘラクレスを邪魔するために送った巨大な蟹が、かに座のモデルとされています。この蟹はヘラクレスに踏み潰されてしまいますが、ヘラはその忠義をたたえ、天に上げて星座にしたと伝えられています。この物語からも、かに座の持つ献身的な愛情深さや、守るべきものへの強い思いが感じられますね。
7.2.2 しし座(獅子座)
おおよそ7月23日から8月22日頃までに生まれた方が、しし座にあたります。しし座の方は、太陽のように明るく、華やかで、リーダーシップを発揮する方が多いといわれています。自己表現が得意で、ドラマチックなことや注目を集めることを好み、自信に満ち溢れた堂々とした姿が魅力的です。
しし座のモデルとなったのは、ギリシャ神話に登場するネメアの谷のライオンです。このライオンは非常に強く、どんな武器も通用しない強靭な毛皮を持っていたとされています。英雄ヘラクレスが12の試練の最初に退治したのがこのライオンで、その勇猛さと威厳ある姿が天に上げられ、しし座になったといわれています。百獣の王ライオンのイメージそのままに、誇り高く、情熱的な星座といえるでしょう。
星占いは、日々の暮らしにちょっとした楽しみや気づきを与えてくれるかもしれません。7月の夜空を見上げながら、遠い星々に思いを馳せてみるのも素敵ですね。
8. まとめ
7月といえば、梅雨が明け、本格的な夏の訪れを感じる季節ですね。この記事では、7月の気候や祝日、風鈴や浴衣といった夏の風物詩、七夕やお中元などの伝統行事、全国各地の夏祭り、そして美しい季語の世界をご紹介いたしました。さらに、きゅうりやトマト、スイカといった旬の食材や、朝顔やひまわりなど夏を彩る花々も取り上げました。これらの情報が、皆さまの7月をより豊かに、そして楽しく過ごすための一助となれば幸いです。どうぞ素敵な夏のひと月をお過ごしください。
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