6月といえば?特徴、風物詩、行事、季語、食材、花など一覧で紹介

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雨音が心地よい季節、6月。この記事では、梅雨の気配や衣替えといった日常の風景から、父の日などの行事、紫陽花や花菖蒲といった美しい花々、そして旬の味覚まで、6月を彩る様々な情報をお届けします。何気なく過ぎていく毎日にも、季節の移ろいを感じる楽しみが隠れています。6月の魅力を再発見し、心豊かなひと月を過ごすヒントを見つけてみませんか。

目次

1. 6月といえば思い浮かぶ基本的な特徴

6月と聞くと、皆さまはどのようなイメージをお持ちでしょうか。雨の多い季節、あるいは祝日がなくて少し残念な月…そんな声も聞こえてきそうですね。でも、6月は新しい季節の始まりを感じさせてくれる、変化に富んだ月でもあるのですよ。ここでは、そんな6月の基本的な特徴をいくつかご紹介します。日々の暮らしの中で、6月ならではの魅力を再発見するきっかけになれば嬉しいです。

1.1 6月の気候と暦の上での特徴

6月は、本格的な夏の到来を前にした季節の変わり目にあたります。日本の多くの地域で梅雨入りを迎え、しとしとと降る雨や、時には力強い雨音とともに、じめじめとした日が続くこともありますね。気温もぐんぐん上がり、日によっては汗ばむような陽気も。湿度が高いため、体感温度は実際の気温よりも高く感じられることも多いでしょう。お洗濯物が乾きにくいなど、少し悩ましい時期でもありますが、雨に濡れた紫陽花や木々の緑は一層鮮やかさを増し、私たちの目を楽しませてくれます。

暦の上では、6月は「水無月(みなづき)」と呼ばれます。「水が無い月」と書くので、雨の多い6月とは反対のイメージを持たれるかもしれませんね。これには諸説あり、田んぼに水を引く月であることから「水張月(みずはりづき)」が転じたという説や、梅雨が明けて水が涸れる時期だからという説などがあるようです。どちらにしても、古くから農耕と深く関わりのある月であったことがうかがえます。

また、6月下旬には「夏至(げし)」を迎えます。これは一年で最も昼の時間が長く、夜が短い日。この日を境に、少しずつ日が短くなっていくと思うと、夏の盛りへと向かうエネルギーと、どこか過ぎゆく季節への寂しさも感じられるかもしれませんね。太陽の恵みをたっぷりと感じられる夏至の日には、日々の忙しさを少し忘れて、空を見上げてみるのも素敵です。

6月の気候の特徴をまとめると、以下のようになります。

項目特徴
気象多くの地域で梅雨入り。湿度が高く、蒸し暑い日が増える。
気温初夏から梅雨の時期特有の気温。日中は汗ばむ陽気になることも。
旧暦で「水無月(みなづき)」。夏至(一年で最も昼が長い日)を迎える。

1.2 6月は祝日がない月

「6月って、祝日がないのよね…」と、ため息をつかれる方もいらっしゃるかもしれません。そうなんです、現在の日本の暦では、6月は祝日が一日もない月として知られています。ゴールデンウィークが終わると、次の祝日は7月の「海の日」までお預け。そのため、カレンダーを見て少しがっかりしてしまうこともあるかもしれませんね。

以前は6月に祝日があった時代もありましたが、現在は残念ながらありません。学校や会社のお休みが少ないため、少し長く感じられる月かもしれませんが、その分、週末の過ごし方を工夫したり、梅雨の晴れ間を有効活用したりと、日々の暮らしにメリハリをつける良い機会と捉えることもできそうです。祝日がないからこそ、落ち着いて物事に取り組める時期と考えるのも一つですね。

1.3 衣替えの季節としての6月

6月1日は、衣替えの目安とされる日です。この日を境に、学校の制服が夏服に変わったり、企業によってはクールビズが本格的に始まったりと、街の風景も少しずつ軽やかになりますね。ご家庭でも、冬物の厚手の衣類をしまい、夏物の風通しの良い服を出す準備を始める頃ではないでしょうか。

とはいえ、6月は梅雨寒(つゆざむ)といって、肌寒い日があったり、朝晩は意外と冷え込んだりすることもあります。一気にすべての衣類を入れ替えてしまうのではなく、気温の変化に対応できるよう、薄手の羽織ものなどを手元に残しておくと安心ですね。湿気が多い季節でもあるので、衣類をしまう際には、しっかりと乾燥させ、防虫対策をすることも大切です。お気に入りの夏服に袖を通すと、気分も一新され、これからの季節への期待感も高まりますね。

2. 6月といえばこの風物詩

6月と耳にすると、皆さまはどのような情景や出来事を思い浮かべられますか?しっとりとした雨の季節ならではの趣や、古くから伝わる心ときめく言い伝えなど、6月ならではの風物詩が私たちの日常に彩りを添えてくれます。ここでは、そんな6月を象徴する風物詩について、少し掘り下げてご紹介いたしましょう。

紫陽花の写真

2.1 梅雨を彩る6月の風物詩

日本の6月といえば、多くの方が梅雨の季節を思い浮かべることでしょう。空はどんよりと曇り、雨がしとしとと降り続く日も多く、ちょっぴり憂鬱な気分になってしまうこともありますよね。でも、この梅雨の時期だからこそ出会える美しい景色や、心なごむ風習があるのをご存知でしょうか。雨音に耳を澄ませながら、梅雨ならではの風情を楽しんでみるのも素敵です。

雨の季節に欠かせないのが、傘やレインコート、長靴といった雨具たち。最近では、機能性はもちろんデザイン性に優れたおしゃれな雨具がたくさん登場しています。お気に入りの傘をさせば、雨の日のお出かけも少し心が弾むかもしれませんね。雨粒がきらきらと輝く様子や、雨に洗われた木々の緑が一層鮮やかに見えるのも、この時期ならではの美しい光景です。

そして、梅雨の時期に私たちの目を楽しませてくれるのが、雨に濡れてしっとりと咲き誇る紫陽花(あじさい)です。青や紫、ピンク、白と色とりどりの紫陽花が、雨の日の風景に美しい彩りを添えてくれます。お庭や公園、お寺の境内など、さまざまな場所でその可憐な姿を見ることができ、まるで梅雨の主役のようですね。雨の中、傘をさして紫陽花の名所を散策するのも、この季節ならではの楽しみ方の一つです。

また、昔ながらの風習として、「明日天気になあれ」と願いを込めて窓辺に吊るした、可愛らしいてるてる坊主を思い出す方もいらっしゃるのではないでしょうか。ティッシュペーパーや布で簡単に作れるてるてる坊主は、子どもたちの純粋な願いが込められた、微笑ましい梅雨の風物詩ですね。雨上がりの葉っぱの上でゆっくりと進むカタツムリを見かけると、なんだか心が和むという方もいらっしゃるでしょう。そして、雨が上がった後に空に架かる大きな虹を見つけたときの感動は、梅雨の時期のささやかな贈り物と言えるかもしれません。

2.2 ジューンブライド 6月の花嫁

「6月に結婚した花嫁は幸せになれる」というロマンチックな言い伝え、「ジューンブライド」。皆さまも一度は耳にしたことがあるのではないでしょうか。この素敵な風習は、遠くヨーロッパから伝わってきました。

その由来にはいくつかの説がありますが、最も有力とされているのが、ローマ神話に登場する結婚や出産、育児を司る女神「ユノ(Juno)」にまつわるものです。ユノはローマ神話の主神ユピテルの妻であり、女性の守護神とされています。この女神ユノを祀る月が6月(June)であることから、6月に結婚式を挙げると女神ユノのご加護を受けて、生涯幸せな結婚生活を送ることができると信じられるようになったのです。また、昔のヨーロッパでは、3月から5月は農作業が忙しく結婚が禁じられていたため、それが解禁される6月に結婚式が集中したという説や、ヨーロッパの6月は一年で最も雨が少なく気候が良い時期で、祝祭も多く開催されることから、結婚に最適なシーズンとされたという説もあります。

日本では、6月は梅雨の真っただ中。雨の日が多く、結婚式の日取りとしては少し心配に思われるかもしれませんね。しかし、それでも「ジューンブライド」に憧れて、6月に結婚式を挙げるカップルは少なくありません。雨の日の結婚式には、「雨降って地固まる」ということわざのように、新郎新婦の絆がより一層強くなるという意味合いや、「新郎新婦が流す一生分の涙を神様が代わって流してくれる」といったロマンチックな言い伝えもあるのですよ。しっとりとした雨音が祝福の調べのように聞こえ、緑が一層美しく映える中で行われる結婚式も、また格別な趣があるものです。

最近では、天候に左右されない快適な屋内施設や、雨の日ならではの美しい演出を取り入れるなど、工夫を凝らした結婚式も増えています。大切な人たちに囲まれて迎える特別な一日が、より思い出深いものになることでしょう。ご自身やお子様、お孫様の結婚式を思い浮かべながら、ジューンブライドの幸せなジンクスに思いを馳せるのも素敵ですね。

3. 6月といえばどんな行事やイベントがあるか

6月は、梅雨の季節で少し気分が沈みがちになることもありますが、心温まる行事や、初夏の訪れを感じさせる活気あるイベントも各地で催される月です。家族との絆を深めたり、日本の伝統文化に触れたりする良い機会にもなりますね。ここでは、6月ならではの代表的な行事やイベントをご紹介します。

3.1 感謝を伝える父の日

毎年6月の第3日曜日は「父の日」ですね。お父さんへ日頃の感謝の気持ちを伝える、家族にとってとても大切な一日です。母の日にカーネーションを贈るように、父の日には黄色いバラを贈る習慣もあるのをご存知でしたか?

父の日の起源はアメリカにあります。ソノラ・スマート・ドッドという女性が、自分たち6人の子どもを男手ひとつで育ててくれた父親を敬い、感謝する日を作ってほしいと提唱したのが始まりとされています。日本でも1950年代頃から少しずつ知られるようになり、1980年代にはデパートなどが積極的にキャンペーンを行ったことで、一般的な行事として定着しました。

父の日には、家族みんなで食卓を囲んだり、お父さんの好きなものをプレゼントしたりするご家庭が多いのではないでしょうか。高価なものでなくても、手作りの料理や心のこもったメッセージカードは、きっとお父さんの心に響くはずです。普段は照れくさくて言えない「ありがとう」の言葉を、この機会に伝えてみてはいかがでしょう。

3.2 時の記念日とは

6月10日は「時の記念日」です。あまり聞き馴染みがないかもしれませんが、私たちの生活に深く関わる「時間」の大切さを改めて考える日として制定されました。

この記念日は、今から遡ること飛鳥時代、天智天皇10年(西暦671年)の4月25日(現在の暦で6月10日)に、日本で初めて水時計(漏刻:ろうこく)が新しい都、近江大津宮に設置され、鐘や太鼓で人々に時を知らせたという『日本書紀』の記述に基づいています。そして、1920年(大正9年)に、当時の東京天文台(現在の国立天文台)と生活改善同盟会によって、時間をきちんと守り、生活を合理的にして欧米先進国に追いつこうという趣旨で制定されました。詳しくは国立天文台の暦計算室の解説も参考になりますよ。

特別な祝日ではありませんが、この日をきっかけに、ご自宅の時計に目を向けてみたり、日々の時間の使い方を少し振り返ってみたりするのも良いかもしれませんね。忙しい毎日だからこそ、一瞬一瞬を大切に過ごす意識を持つきっかけになるのではないでしょうか。

3.3 日本各地の6月のお祭りや主要イベント

梅雨の時期ではありますが、6月には初夏の訪れを告げる様々なお祭りやイベントが日本各地で開催されます。地域に根ざした伝統行事から、多くの人々で賑わう活気あふれる催しまで、その土地ならではの魅力を感じることができますよ。

3.3.1 代表的なお祭り・イベント

ここでは、6月に開催される代表的なお祭りやイベントをいくつかご紹介します。開催時期や内容は年によって変更になる場合もありますので、お出かけの際は事前に公式サイトなどで最新情報をご確認くださいね。

イベント名開催時期(目安)場所概要
YOSAKOIソーラン祭り6月上旬北海道札幌市 大通公園ほか鳴子を手に激しく踊る、エネルギッシュなお祭りです。全国から集まったチームが独創的な演舞を披露し、札幌の街が熱気に包まれます。詳細はYOSAKOIソーラン祭り公式サイトでご確認ください。
山王祭(さんのうまつり)6月中旬(隔年で神幸祭)東京都千代田区 日枝神社江戸三大祭りの一つに数えられる歴史あるお祭りです。神田祭と隔年で大規模な「神幸祭」が行われ、王朝絵巻のような美しい行列が都心を練り歩きます。詳しくは日枝神社公式サイトをご覧ください。
横浜開港祭6月上旬(主に6月1日・2日)神奈川県横浜市 みなとみらい21地区臨港パークほか横浜港の開港を祝い、港に感謝する市民祭です。多彩なステージイベントや海上でのショー、花火などが楽しめます。最新情報は横浜開港祭公式サイトでご確認を。
熱田まつり(尚武祭)6月5日愛知県名古屋市 熱田神宮熱田神宮で最も重要かつ荘厳な例祭で、「尚武祭(しょうぶさい)」とも呼ばれます。境内では武道や芸能が奉納され、夜には献灯まきわらが灯され、花火も打ち上げられます。詳細は熱田神宮公式サイトで。
貴船祭(きぶねまつり)6月1日京都府京都市左京区 貴船神社水の神様として知られる貴船神社の例祭です。午前中には子供たちによる可愛らしい「子供千度詣」、午後には雅やかな「出雲神楽」の奉納や、勇壮な神輿の渡御が行われます。詳しくは貴船祭り公式サイトをご覧ください。

3.3.2 各地の蛍祭り

6月は、美しい蛍の光が舞う幻想的な季節でもありますね。清らかな水辺を求めて飛び交う蛍の淡い光は、日本の初夏の風情を感じさせてくれる特別な存在です。この時期、全国各地の蛍の名所では「蛍祭り」や観賞会が催され、多くの人々がその幽玄な光景に心を癒やされます。

お住まいの地域や、少し足を伸ばした先で、蛍が見られる場所を探してみるのも素敵ですね。自然の中で静かに光る蛍の姿は、日々の喧騒を忘れさせてくれる、穏やかな時間をもたらしてくれることでしょう。ただし、蛍はとてもデリケートな生き物ですので、観賞の際はマナーを守り、静かに見守ることが大切です。

4. 俳句で楽しむ6月の季語

雨の音に耳を澄ませたり、ふと目にした草花に季節の移ろいを感じたり。そんな日常の小さな発見を、五七五の短い言葉で表現する俳句は、私たちの心に豊かな彩りを与えてくれます。6月には、この時期ならではの美しい情景や風物を映し出す季語がたくさんあります。ここでは、そんな6月の季語をいくつかご紹介しましょう。日々の暮らしの中で、季語に触れてみるのも素敵ですね。

4.1 6月を表す時候の季語

時候の季語は、その季節の気候や天候、暦の上での特徴を表すものです。6月といえば、やはり梅雨のイメージが強いですが、他にも趣深い季語がありますよ。

季語(よみ)解説
梅雨(つゆ、ばいう)6月頃に日本や東アジアで見られる長雨の季節。しとしとと降る雨が、木々の緑を一層濃くし、しっとりとした風情を感じさせてくれます。
入梅(にゅうばい、ついり)暦の上で梅雨に入る日、または梅雨の時期に入ること。本格的な雨の季節の始まりを告げます。
梅雨晴(つゆばれ)梅雨の期間中に、時折見せる晴れ間のこと。貴重な太陽の光が、心をぱっと明るくしてくれますね。
芒種(ぼうしゅ)二十四節気の一つで、例年6月5日頃。稲など穂の出る穀物の種をまく時期とされています。農家にとっては大切な節目です。
夏至(げし)二十四節気の一つで、例年6月21日頃。一年で最も昼の時間が長く、夜が短い日です。これから本格的な夏に向かいます。
短夜(みじかよ)夏の夜が短いことを表す季語。あっという間に白んでくる空に、季節の移ろいを感じます。

4.2 6月を感じる動物の季語

雨の季節には、生き物たちも活発に動き出します。そんな6月ならではの動物たちの姿を捉えた季語をご紹介します。

季語(よみ)解説
(ほたる)清らかな水辺を淡い光を放ちながら飛び交う蛍。その幻想的な姿は、初夏の夜の風物詩ですね。
(かえる、かわず)雨が降ると元気に鳴き声を聞かせてくれる蛙。田んぼや水辺から聞こえる合唱は、梅雨の時期の馴染み深い音風景です。
蝸牛(かたつむり、ででむし)雨上がりの葉の上などで、ゆっくりと進む姿を見かける蝸牛。紫陽花の葉に乗っている姿は、愛らしいですね。
(あゆ)初夏を代表する川魚。6月頃から鮎釣りが解禁される地域も多く、旬の味覚として楽しまれます。若鮎(わかあゆ)とも言います。

4.3 6月に咲く植物の季語

雨に濡れて一層美しさを増す花々や、旬を迎える植物も6月の季語として詠まれます。目にも鮮やかな植物たちに、季節の恵みを感じてみましょう。

季語(よみ)解説
紫陽花(あじさい、しような)梅雨の時期を代表する花。土壌の酸度によって花の色が変わることから「七変化」とも呼ばれ、雨の中でしっとりと咲く姿は格別です。
花菖蒲(はなしょうぶ)梅雨の晴れ間に凛と咲く姿が美しい花。紫や白、ピンクなど多彩な色があり、水辺を華やかに彩ります。
梅の実(うめのみ)梅の木になる実のこと。この時期に収穫され、梅酒や梅干し、梅ジャムなどに加工されます。青梅(あおうめ)も同じく季語です。
梔子(くちなし)初夏に甘い香りを放つ白い花を咲かせます。雨に濡れると、その香りは一層引き立ちますね。
夏茱萸(なつぐみ)初夏に赤く熟すグミの実のこと。甘酸っぱい実は、子どもの頃のおやつとしても親しまれました。

4.4 6月の生活を表す季語

私たちの暮らしの中にも、6月ならではの習慣や行事があります。そんな日々の営みを映した季語に触れてみましょう。

季語(よみ)解説
衣更(ころもがえ)季節に合わせて衣服を替えること。6月1日を目安に夏服へと替える習慣は、気分も新たになりますね。
田植(たうえ)水田に稲の苗を植え付ける作業。日本の美しい原風景の一つで、豊作を願う大切な農作業です。
梅仕事(うめしごと)梅の実を使って梅酒や梅干し、シロップなどを作ること。手作りの保存食は、旬の恵みを長く楽しむ知恵ですね。
(おうぎ、せんす)暑さをしのぐために使う扇。涼やかな風を送るだけでなく、装飾品としての美しさも楽しめます。

これらの季語を知ることで、いつもの6月が少し違って見えてくるかもしれません。俳句の世界に触れて、季節の移ろいをより深く味わってみてはいかがでしょうか。

5. 6月が旬の美味しい食材

梅雨の時期に入り、少し気分が沈みがちな6月ですが、食卓には初夏ならではの美味しい恵みがたくさん並び始めます。この時期にしか味わえない旬の食材をいただくことは、体にも心にも嬉しいもの。ここでは、6月にぜひ味わっていただきたい、選りすぐりの野菜、果物、魚介類をご紹介します。毎日の献立に、旬の味覚を取り入れてみませんか。

5.1 6月に旬を迎える野菜

太陽の光を浴びて育った野菜たちは、みずみずしさと栄養がたっぷり。6月には、食卓を豊かに彩る様々な野菜が旬を迎えます。サラダや和え物、炒め物など、調理法を工夫して、それぞれの野菜が持つ美味しさを存分に引き出しましょう。

5.1.1 初夏の味覚!みずみずしい野菜たち

この時期に特におすすめしたい、代表的な旬の野菜とその楽しみ方をご紹介します。

野菜の名前特徴と魅力おすすめの食べ方
きゅうり夏の食卓に欠かせないきゅうりは、この時期に特有のみずみずしさが際立ち、シャキシャキとした心地よい食感が楽しめます。体を冷やす効果も期待できるので、暑い日にぴったりです。サラダ、酢の物、浅漬け、冷や汁など。味噌をつけてそのままかじるのも美味しいですね。
なすつやつやとした美しい紫色が目を引くなすも、6月に旬を迎えます。油との相性が抜群で、加熱するとトロリとした食感に変わるのが魅力です。揚げびたし、麻婆茄子、焼きなす、味噌田楽、煮物など。和洋中どんな料理にも合います。
トマト太陽の恵みをたっぷり浴びたトマトは、リコピンやビタミンCが豊富。甘みと酸味のバランスが良く、生で食べても加熱しても美味しい万能野菜です。サラダ、カプレーゼ、トマトソース、スープ、炒め物など。丸かじりもおすすめです。
新玉ねぎ春から初夏にかけて出回る新玉ねぎは、通常の玉ねぎに比べて辛みが少なく、甘みが強いのが特徴です。みずみずしさも格別ですよ。薄くスライスしてサラダに。水にさらさなくても美味しくいただけます。加熱するとさらに甘みが増します。
そら豆鮮やかな緑色が美しいそら豆は、初夏ならではの短い期間しか味わえない貴重な味覚です。豆本来の甘みとほっくりとした食感が楽しめます。さやごと焼いたり、塩ゆでにするのが定番。豆ごはんにしたり、ポタージュにするのもおすすめです。
アスパラガスグリーンアスパラガスは、シャキッとした歯ごたえとほのかな甘みが特徴です。ビタミンやミネラルも豊富で、疲労回復にも良いとされています。茹でてマヨネーズ、バター炒め、ベーコン巻き、天ぷら、グラタンなど。シンプルにグリルするだけでも美味しいです。
らっきょう梅雨の時期に収穫されるらっきょうは、独特の香りとシャキシャキした食感が魅力。この時期に自家製で甘酢漬けを作る方も多いのではないでしょうか。甘酢漬け、塩漬け、醤油漬けなど。カレーライスの付け合わせとしてもおなじみですね。

5.2 6月が食べ頃の果物

6月は、甘酸っぱくてジューシーな果物が美味しい季節。梅雨の晴れ間にいただく旬の果物は、格別の味わいです。そのまま食べるのはもちろん、ジャムやデザートにアレンジするのも楽しいですね。

5.2.1 甘酸っぱさが魅力!6月のフルーツ

初夏の訪れを感じさせてくれる、代表的な旬の果物をご紹介します。

果物の名前特徴と魅力おすすめの食べ方
6月といえば、やはり梅仕事の季節。青梅や完熟梅が出回り、梅酒や梅シロップ、梅干し作りに挑戦するご家庭も多いことでしょう。手作りの保存食は、安心で美味しさもひとしおです。梅酒、梅シロップ、梅ジャム、梅干し、梅漬けなど。梅肉エキスも健康効果が期待できます。
びわ上品な甘さと優しい香りが魅力のびわは、初夏の短い期間にだけ味わえる貴重な果物です。オレンジ色の可愛らしい見た目も食欲をそそりますね。皮をむいてそのままいただくのが一番。コンポートやゼリー、タルトなどにしても美味しいです。
さくらんぼ「赤い宝石」とも称されるさくらんぼは、可愛らしい見た目と甘酸っぱくジューシーな味わいで、大人から子供まで大人気。様々な品種があり、食べ比べるのも楽しいですね。そのまま食べるのが一番。ヨーグルトやケーキのトッピング、ジャムやコンポートにも。
すもも(プラム)甘酸っぱくて果汁が豊富なすももも、6月頃から旬を迎えます。爽やかな酸味と濃厚な甘みのバランスが絶妙で、食後のデザートにもぴったりです。そのまま食べるほか、ジャム、コンポート、果実酒、スムージーなど。ドライフルーツにも適しています。

5.3 6月に味わいたい魚介類

海からの贈り物も、6月は見逃せません。この時期に旬を迎える魚介類は、脂がのっていたり、身が引き締まっていたりと、格別の美味しさです。お刺身や焼き物、煮物など、素材の良さを活かした調理法で味わいましょう。

5.3.1 海の恵みを満喫!旬の魚介

初夏の食卓を豊かにする、おすすめの旬の魚介類をご紹介します。

魚介の名前特徴と魅力おすすめの食べ方
あじ(鯵)「味が良いからアジ」という説もあるほど、旨みが強く美味しい魚です。6月頃から夏にかけて脂がのり、さらに美味しくなります。DHAやEPAも豊富です。刺身、たたき、なめろう、塩焼き、フライ、南蛮漬け、煮付けなど。様々な料理で楽しめます。
いわし(鰯)梅雨の時期に旬を迎えることから「入梅いわし」とも呼ばれ、この時期のいわしは脂がのって格別の美味しさです。手頃な価格で栄養価が高いのも魅力ですね。刺身(新鮮なもの)、塩焼き、煮付け(梅煮、生姜煮)、蒲焼き、つみれ汁、オイルサーディンなど。
かつお(鰹)春から初夏にかけて北上する「初鰹」は、さっぱりとした赤身の味わいが特徴です。秋の「戻り鰹」とはまた違った美味しさがあります。刺身、たたき(薬味をたっぷり添えて)、手こね寿司など。新鮮なものは生姜醤油でシンプルに。
きす(鱚)上品な白身で、淡白ながらも旨みがあり、ふっくらとした食感が楽しめます。骨が少なく食べやすいのも嬉しいポイントです。天ぷらが代表的ですが、塩焼き、フライ、ムニエル、お吸い物などもおすすめです。
いさき(伊佐木)初夏から夏にかけて旬を迎える白身魚で、「麦わらイサキ」「梅雨イサキ」とも呼ばれ、脂がのって美味しくなる時期です。皮と身の間に旨みがあります。刺身、塩焼き(皮目をパリッと焼くと美味しい)、煮付け、ポワレ、アクアパッツァなど。
するめいか夏にかけて旬を迎えるするめいかは、手頃な価格で手に入りやすく、コリコリとした食感が楽しめます。高タンパク低カロリーなのも魅力です。刺身、イカそうめん、焼きイカ、煮物、天ぷら、イカ飯など。肝を使った塩辛も美味しいですね。

6月は、自然の恵みが豊かな月。旬の食材を上手に取り入れて、日々の食卓を楽しく、美味しく彩ってみてくださいね。新鮮な食材は、私たちの心と体に元気を与えてくれるはずです。

6. 6月といえばこの花々

6月は雨の日が多い季節ですが、そんな時期だからこそ一層美しく咲き誇る花々があります。雨露に濡れて輝く姿は、私たちの心に潤いと安らぎを与えてくれますね。この章では、6月を代表するお花や、この時期に見頃を迎える美しい花々をご紹介します。

6.1 梅雨の代名詞 紫陽花

鉢植えの紫陽花

6月の花といえば、多くの方がまず思い浮かべるのが「紫陽花(あじさい)」ではないでしょうか。雨の中でしっとりと咲く姿は、梅雨の風情を象徴するかのようです。

土壌の酸度によって花の色が青から紫、ピンクへと変化するのは有名ですね。日本原産のガクアジサイや、それを改良したホンアジサイ(西洋アジサイ)など種類も豊富で、最近では「万華鏡」や「ダンスパーティー」といった可愛らしい名前の園芸品種もたくさん登場し、私たちの目を楽しませてくれています。

紫陽花の花言葉には「移り気」「辛抱強い愛情」「家族の結びつき」などがあり、色の変化や長く咲き続ける姿に由来すると言われています。お庭で育てている方も多いのではないでしょうか。雨の日の窓辺に一輪挿しで飾るのも素敵ですね。

6.2 気品あふれる花菖蒲

紫陽花と並んで6月を彩る代表的な花が「花菖蒲(はなしょうぶ)」です。すっと伸びた茎の先に咲く大輪の花は、凛とした気品に満ちており、見る人の心を惹きつけます。

アヤメやカキツバタと似ていますが、花菖蒲は花びらの付け根に黄色い筋模様があるのが特徴で、主に湿地に生えます。江戸系、伊勢系、肥後系、長井古種など多くの系統があり、それぞれに趣の異なる美しさがあります。紫や白、絞り模様など、その色彩の豊かさも魅力の一つです。

全国各地の花菖蒲園では、この時期に見事な花菖蒲の競演を楽しむことができます。例えば、東京都の明治神宮御苑の菖蒲田や、神奈川県の横須賀しょうぶ園などが有名です。雨上がりのしっとりとした空気の中で観賞する花菖蒲は、また格別な美しさですよ。花言葉は「優しい心」「優雅」「信頼」など。その美しい姿にぴったりの言葉ですね。

6.3 その他6月に見頃を迎える美しい花

紫陽花や花菖蒲のほかにも、6月には私たちの目を楽しませてくれる花がたくさんあります。いくつか代表的なものをご紹介しましょう。

花の名前特徴花言葉の例
ラベンダー清涼感のある香りが人気で、リラックス効果も期待できます。紫色の小花が穂状に咲き、北海道の富良野地方などが名所として知られています。「沈黙」「期待」「あなたを待っています」
クチナシ初夏に甘く強い香りを漂わせる純白の花を咲かせます。一重咲きと八重咲きがあり、庭木としても人気です。果実は染料にも使われますね。「とても幸せです」「喜びを運ぶ」「洗練」
タチアオイ梅雨入りの頃から咲き始め、梅雨明けの頃に花が終わることから「梅雨葵(つゆあおい)」とも呼ばれます。まっすぐに伸びた茎に、下から順に花を咲かせる姿が印象的です。「大望」「野心」「豊かな実り」「気高く威厳に満ちた美」
アガパンサスすらりと伸びた花茎の先に、涼しげな青や紫、白色の小花を放射状にたくさん咲かせます。その姿からギリシャ語で「愛の花」という意味の名前が付けられました。「恋の訪れ」「知的な装い」「愛の便り」
スカシユリユリの中でも早咲きの品種で、6月頃から見頃を迎えます。花びらの間に隙間があり、向こう側が透けて見えることからこの名前がつきました。上向きに咲く鮮やかな色の花が特徴です。「飾らぬ美」「注目を浴びる」「親思い」
グラジオラス夏を代表する花の一つですが、早咲きの品種は6月頃から開花します。剣のような細長い葉の間から花穂を伸ばし、色とりどりの花を穂状に咲かせます。「密会」「用心」「勝利」「思い出」

これらの花々も、梅雨空の下で健気に咲き、私たちの暮らしに彩りを添えてくれます。お散歩の途中やお花屋さんで見かけたら、ぜひ足を止めてその美しさを味わってみてくださいね。雨の季節だからこその、しっとりとした花の魅力に気づかされるかもしれません。

7. まとめ

6月といえば、梅雨の季節という印象が強いかもしれませんが、実は多彩な魅力にあふれています。祝日はありませんが、衣替えの時期であり、ジューンブライドや父の日といった心温まる行事も。紫陽花や花菖蒲が咲き誇り、旬の味覚も豊富です。この記事でご紹介した風物詩や食材、季語などを通じて、6月ならではの楽しみ方を見つけていただけたなら嬉しいです。どうぞ、この季節を心豊かにお過ごしくださいね。

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この記事を書いた人

ハレノヒ編集部は、「わたしらしく、身軽に暮らす」をテーマに、日々の暮らしを前向きに楽しむためのヒントをお届けしています。
美容や健康、趣味、暮らしの工夫など、50代以降の女性を中心に、誰もが自分らしく輝けるような情報をやさしい目線で発信しています。
ちょっと気になる話題や、ふと心に残る言葉も添えて、皆さまの毎日が少し晴れやかになりますように。

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