「修正」と「訂正」の違いは?意味や使い分けを例文を交えて紹介

「修正」と「訂正」…どちらも「間違えを直す」という意味で使われますが、微妙なニュアンスの違いに戸惑ったことはありませんか? この記事では、「修正」と「訂正」の正しい意味と使い分けを、分かりやすい例文を交えて解説します。事実関係の誤りか、表現の誤りか、文章なのか発言なのかなど、具体的なシーンに合わせた適切な言葉選びをマスターしましょう。さらに、類語との比較や使用上の注意点にも触れているので、ビジネスシーンはもちろん、日常生活でも自信を持って使い分けられるようになります。もやもやとした疑問を解消して、より正確で美しい日本語を使いこなしてみませんか?

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目次

1. 「修正」と「訂正」の意味

「修正」と「訂正」は、どちらも間違いを直すという意味を持つ言葉ですが、そのニュアンスには微妙な違いがあります。それぞれの意味を詳しく見ていきましょう。

1.1 「修正」の意味

「修正」とは、不適切な箇所や不完全な部分をより適切な状態、より完全な状態へと変更することを意味します。 たとえば、文章の誤字脱字を直したり、数値の誤りを正したり、デザインのバランスを整えたりするといった行為が「修正」にあたります。必ずしも間違いを直すだけでなく、より良い状態にするための変更も含まれます。

デジタル大辞泉では「あるものを、あるべき状態に直すこと。また、より適切な状態にするために変更すること。」と説明されています。デジタル大辞泉「修正」

1.2 「訂正」の意味

「訂正」とは、公表された情報や広く認識されている情報の中で、事実と異なる部分や誤りを正すことを意味します。 誤った情報を正しい情報に置き換えることで、真実を明らかにすることを目的としています。 そのため、公式な発表や報道などでよく使われる言葉です。

デジタル大辞泉では「まちがっているところをただして、正しいものにすること。」と説明されています。デジタル大辞泉「訂正」

2. 「修正」と「訂正」の違い

「修正」と「訂正」は、どちらも間違いを直すという意味を持つ言葉ですが、そのニュアンスには微妙な違いがあります。間違いの種類や対象によって使い分けることで、より正確で適切な表現になります。

2.1 間違いの種類による使い分け

間違いの種類によって、「修正」と「訂正」を使い分けることができます。

2.1.1 事実関係の間違い

事実関係の間違いを直す場合は、「訂正」を使います。例えば、ニュース記事で誤った情報を伝えてしまった場合、後日「訂正記事」を出すことで、正しい情報を伝え、読者の信頼を回復しようとします。

2.1.2 表現や形式の間違い

表現や形式の間違いを直す場合は、「修正」を使います。例えば、文章の誤字脱字を直したり、デザインのバランスを整えたりする際に「修正」という言葉が適切です。また、作成途中の書類や資料における内容の変更も「修正」といいます。

2.2 対象物による使い分け

対象物によっても、「修正」と「訂正」の使い分けが変化します。

対象物適切な言葉
文書やデータ修正/訂正報告書の誤字脱字を修正する。
顧客情報の誤りを訂正する。
行動や発言修正間違った発言を修正する。
自分の行動を修正する。
機器やプログラム修正プログラムのバグを修正する。
機械の不具合を修正する。

文書やデータの場合は、事実関係の間違いであれば「訂正」、表現や形式の間違いであれば「修正」を使います。行動や発言、機器やプログラムの場合は、基本的に「修正」を使います。これらの違いを理解することで、より正確なコミュニケーションが可能になります。たとえば、プレゼンテーション資料の間違いを直す場合は、「誤字脱字を修正する」「内容に誤りがあったので訂正する」のように使い分けることができます。

3. 「修正」と「訂正」の使い分けを例文で解説

「修正」と「訂正」はどちらも間違いを直すことを意味しますが、そのニュアンスには微妙な違いがあります。ここでは、具体的な例文を交えながら、それぞれの言葉の使い分けをわかりやすく解説していきます。

3.1 「修正」の例文

「修正」は、主に内容や形式、数値などの間違いを直す場合に用います。事実とは異なる部分や、より適切な表現に変更する場合にも使われます。

場面例文
報告書の数値の誤り売上高の誤りを修正し、再提出しました。
デザインの調整ウェブサイトのデザインを修正して、より見やすくしました。
文章の表現の変更読みにくい文章表現を修正し、より分かりやすくしました。
プログラムのバグの除去プログラムのバグを修正し、正常に動作するようにしました。
レシピの分量の調整ケーキのレシピの分量を修正して、より美味しく作れるようにしました。

3.2 「訂正」の例文

「訂正」は、主に公表された情報や公式な記録などにおける事実関係の誤りを正す場合に用います。訂正印を押す、新聞でお詫びと訂正を掲載するなど、公式な場面で使われることが多い言葉です。

場面例文
新聞記事の誤報昨日の記事内容に誤りがありましたので、ここに訂正いたします。
公式発表の間違い先日の発表内容に誤りがありましたので、訂正してお詫び申し上げます。
契約書の誤記契約書の氏名に誤りがありましたので、訂正をお願いします。
発言の撤回先ほどの発言は誤りでしたので、訂正させていただきます。
戸籍の記載事項の誤り戸籍の記載事項に誤りがあったため、訂正の手続きを行いました。

これらの例文を通して、「修正」と「訂正」の使い分けのイメージが掴めたでしょうか。日々の生活の中でも、これらの言葉を意識的に使い分けることで、より正確で適切なコミュニケーションを取ることができるようになります。より詳しく知りたい方は、文化庁の報告書も参考にしてみてください。

4. 類語との比較

「修正」と「訂正」以外にも、似た意味を持つ言葉はいくつかあります。それぞれの言葉のニュアンスの違いを理解することで、より適切な言葉選びができるようになります。

4.1 「修正」の類語

「修正」の類語には、次のようなものがあります。

類語意味例文
変更内容や状態を別のものにすること。予定を変更する。
改める悪い点や不都合な点を改めて良くする。生活習慣を改める。
調整全体がうまくいくように、部分部分を整える。機械の動作を調整する。
手直し不完全な部分を直すこと。文章の手直しをする。
改善悪い状態をより良い状態にすること。作業効率を改善する。

これらの類語は、「修正」と同様に、何かをより良くするために変更を加えるという意味合いを持っています。weblio辞書 例えば、「変更」は広く一般的な変化を表すのに対し、「改善」は悪い状態から良い状態への変化を表します。

4.2 「訂正」の類語

「訂正」の類語には、次のようなものがあります。

類語意味例文
正す誤りを正しくする。誤字を正す。
改める悪い点や不都合な点を改めて良くする。発言を改める。
修正する不完全な部分を直すこと。「訂正」よりも広い意味を持つ。誤った情報を修正する。
直す悪い状態を正常な状態に戻す。間違いを直す。

これらの類語は、「訂正」と同様に、誤りを正しくするという意味合いを持っています。goo辞書 「正す」はより直接的に誤りを正すことを表すのに対し、「改める」は反省を伴って誤りを正すことを表します。

このように、「修正」と「訂正」の類語にもそれぞれ微妙なニュアンスの違いがあります。状況に応じて適切な言葉を選ぶことで、より正確で分かりやすい表現になります。

5. 「修正」と「訂正」を使う際の注意点

「修正」と「訂正」は、どちらも間違いを直すという意味を持つ言葉ですが、微妙なニュアンスの違いを理解せずに使用すると、誤解を招いたり、相手に失礼な印象を与えてしまう可能性があります。特にビジネスシーンや公式な場面では、適切な言葉選びが重要です。

5.1 誤用による誤解を防ぐ

「修正」と「訂正」の使い分けを誤ると、意図しない意味に取られてしまうことがあります。例えば、事実関係の誤りを「修正」と言うと、事実を都合よく変えているような印象を与えてしまう可能性があります。また、他人の発言を「修正」すると、上から目線で失礼な印象を与えてしまう可能性があります。状況に応じて適切な言葉を選ぶことで、誤解やトラブルを未然に防ぎましょう。

5.2 対象に合わせた適切な表現を選ぶ

「修正」と「訂正」は、対象によって使い分ける必要があります。例えば、数値データの誤りを直す場合は「修正」、文章の内容の誤りを直す場合は「訂正」が適切です。また、機械やプログラムの不具合を直す場合は「修正」、公式な記録や文書の誤りを直す場合は「訂正」がより適切です。対象に合わせた適切な表現を選ぶことで、より正確で分かりやすいコミュニケーションを図ることができます。

5.3 言葉のニュアンスに配慮する

「訂正」は「修正」よりもフォーマルな印象を与えるため、公式な場面や公の文書では「訂正」を用いる方が適切です。一方、「修正」は比較的カジュアルな印象を与えるため、日常会話や社内でのやり取りなどでは「修正」を用いることが多いです。TPOに合わせて言葉のニュアンスに配慮することで、よりスムーズなコミュニケーションを図ることができます。

5.4 具体的な場面を想定した使い分け

場面適切な言葉例文
プレゼンテーション資料の数値ミスを直す修正プレゼンテーション資料の数値に誤りがあったため、修正しました。
ニュース記事の事実誤認を直す訂正先日のニュース記事に事実誤認がありましたので、訂正してお詫び申し上げます。
会議での発言内容を補足する修正先ほどの発言を少し修正させてください。
契約書の誤字脱字を直す訂正契約書の誤字脱字を訂正いたしました。

上記以外にも、様々な場面での使い分けが考えられます。迷った場合は、故事ことわざ辞典やgoo辞書などで言葉の意味やニュアンスを確認し、より適切な表現を選ぶように心がけましょう。言葉の使い分けを意識することで、正確で丁寧なコミュニケーションを実現し、良好な人間関係を築くことができるでしょう。

6. まとめ

「修正」と「訂正」の違い、分かりましたか?簡単に言うと、「修正」は幅広い意味で、間違いを直したり、より良くしたりすることを指します。一方、「訂正」は、事実関係の誤りを正す場合に使います。例えば、企画書の数値が間違っていたら「訂正」、文章表現が分かりにくければ「修正」ですね。対象物によっても使い分けができ、文書やデータは「修正」または「訂正」、行動や発言、機器やプログラムは「修正」を使うことが多いでしょう。ニュアンスの違いを理解して、適切に使い分けられるようになると、より正確で分かりやすいコミュニケーションにつながります。

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この記事を書いた人

ハレノヒ編集部は、「わたしらしく、身軽に暮らす」をテーマに、日々の暮らしを前向きに楽しむためのヒントをお届けしています。
美容や健康、趣味、暮らしの工夫など、50代以降の女性を中心に、誰もが自分らしく輝けるような情報をやさしい目線で発信しています。
ちょっと気になる話題や、ふと心に残る言葉も添えて、皆さまの毎日が少し晴れやかになりますように。

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