焼酎の甲類と乙類の違いは?体にいいのはどっち?

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焼酎の「甲類」と「乙類」、名前は聞いたことがあるけれど、その違いやどちらが体に優しいのか、気になりますよね。この記事を読めば、二つの焼酎の基本的な違いから、味わいや風味、気になる糖質・カロリー、そして体に負担をかけにくい飲み方まで、わかりやすく解説します。甲類にも乙類にもそれぞれの魅力があり、どちらが良いとは一概には言えません。それぞれの特徴を知り、ご自身に合う一杯を見つけるヒントをお届けしますね。

目次

1. 甲類焼酎と乙類焼酎 まずは基本の違いを知ろう

焼酎には「甲類(こうるい)」と「乙類(おつるい)」という2つの大きな分類があるのをご存知でしたか?スーパーのお酒売り場でもよく見かけるこれらの言葉ですが、具体的に何が違うのか、意外と知らない方も多いかもしれませんね。この章では、焼酎選びがもっと楽しくなる、甲類焼酎と乙類焼酎の基本的な違いについて、わかりやすくご紹介します。

1.1 製造方法で分類される甲類焼酎と乙類焼酎

甲類焼酎と乙類焼酎の最も大きな違いは、その製造方法、特に「蒸留」という工程の違いにあります。お酒の分類は酒税法という法律で定められており、焼酎もこの法律に基づいて甲類と乙類に分けられています(酒税法及び酒類行政関係法令等解釈通達 第3条 酒類の定義及び種類 10 焼酎参照)。

具体的にどのような違いがあるのか、下の表で比べてみましょう。

項目甲類焼酎乙類焼酎
主な蒸留方法連続式蒸留単式蒸留
アルコール度数 (酒税法)36%未満45%以下
味わいの特徴無色透明でピュアな味わい、クセが少ない原料由来の豊かな風味と香り、個性的
別名・通称ホワイトリカー、新式焼酎本格焼酎、旧式焼酎

このように、蒸留方法の違いが、それぞれの焼酎の個性を作り出しているのですね。それでは、甲類焼酎と乙類焼酎それぞれについて、もう少し詳しく見ていきましょう。

1.2 甲類焼酎とは 連続式蒸留が生み出すピュアな味わい

甲類焼酎は、「連続式蒸留機」という機械を使って何度も蒸留を繰り返すことで造られます。この製法により、アルコール以外の香味成分がほとんど取り除かれ、非常にクリアでクセのない味わいが特徴です。アルコール度数は36%未満と定められています。

1.2.1 甲類焼酎の主な原料

甲類焼酎の主な原料には、廃糖蜜(サトウキビなどから砂糖を精製した後に残る蜜)や、とうもろこし、大麦、タピオカなどが使われます。これらの原料を発酵させてできた「もろみ」を連続式蒸留機で蒸留することで、高純度のアルコールが効率よく得られます。

1.2.2 甲類焼酎の味わいと特徴

甲類焼酎の最大の魅力は、その無色透明でクセのない、すっきりとしたピュアな味わいです。香りも穏やかで、アルコールの純度が高いため、そのまま飲むというよりは、何かで割って楽しむベースのお酒として優れています。酎ハイやサワー、お茶割り、ジュース割りなど、割り材の風味を邪魔することなく、その美味しさを引き立ててくれるのが甲類焼酎の素晴らしいところです。価格も比較的お手頃なものが多く、日常的に楽しむお酒としても人気があります。

1.2.3 代表的な甲類焼酎の銘柄

スーパーやコンビニエンスストアでよく見かける甲類焼酎には、以下のような銘柄があります。

  • 宝焼酎(タカラ焼酎)
  • 鏡月(キョウゲツ)
  • JINRO(ジンロ)
  • ビッグマン
  • トライアングル

これらの銘柄は、ご家庭での酎ハイ作りなどにもよく使われていますね。

1.3 乙類焼酎とは 単式蒸留が引き出す素材の風味

乙類焼酎は、「単式蒸留機」という伝統的な機械を使って、基本的に一度だけ蒸留して造られます。この製法では、原料の風味がアルコールと一緒に抽出されるため、素材本来の豊かな香りと味わいが色濃く残ります。そのため、乙類焼酎は「本格焼酎」とも呼ばれ、多くのファンに愛されています。アルコール度数は45%以下と定められています。

1.3.1 乙類焼酎(本格焼酎)の主な原料

乙類焼酎の原料は非常に多彩で、その土地土地の農産物を活かした個性豊かなものが多くあります。代表的なものとしては、以下のようなものが挙げられます。

  • 芋(さつまいも): 鹿児島県や宮崎県を中心に、黄金千貫(こがねせんがん)などの品種が使われます。独特の甘い香りとコクが特徴です。
  • 麦: 大分県や長崎県などで多く造られ、大麦が主原料です。香ばしい香りとすっきりとした飲み口のものが多いです。
  • 米: 熊本県球磨地方の「球磨焼酎」が有名で、日本酒のような吟醸香を持つものもあります。
  • 黒糖: 鹿児島県の奄美群島でのみ製造が許可されており、黒糖由来の甘く芳醇な香りが楽しめます。
  • そば: 宮崎県などで生産され、そば特有の香ばしさと素朴な味わいが特徴です。

他にも、ごま、しそ、じゃがいも、栗など、様々な原料から乙類焼酎が造られています。

1.3.2 乙類焼酎の味わいと特徴

乙類焼酎(本格焼酎)の最大の魅力は、なんといっても原料由来の個性豊かな風味と香りです。芋焼酎なら芋の甘く芳しい香り、麦焼酎なら麦の香ばしさ、米焼酎なら米のふくよかな旨みといったように、それぞれの素材が持つ個性をダイレクトに楽しむことができます。ロックや水割り、お湯割りなど、素材の風味をじっくりと味わえる飲み方がおすすめです。近年では、ソーダ割りで爽やかに楽しむスタイルも人気を集めています。

1.3.3 代表的な乙類焼酎の銘柄

乙類焼酎(本格焼酎)には、その原料や産地によって数えきれないほどの銘柄があります。ここでは、比較的よく知られている代表的な銘柄をいくつかご紹介します。

  • 芋焼酎: 黒霧島(くろきりしま)、三岳(みたけ)、伊佐美(いさみ)、魔王(まおう)、森伊蔵(もりいぞう)
  • 麦焼酎: いいちこ、二階堂(にかいどう)、兼八(かねはち)
  • 米焼酎: 白岳しろ(はくたけしろ)、鳥飼(とりかい)
  • 黒糖焼酎: れんと、里の曙(さとのあけぼの)
  • そば焼酎: 雲海(うんかい)、吉兆雲海(きっちょううんかい)

これらの銘柄は、それぞれに異なる風味と物語があり、飲み比べてみるのも乙類焼酎の楽しみ方のひとつですね。

2. 甲類焼酎と乙類焼酎 どっちが体にいいの? 健康面を比較

焼酎を選ぶとき、味わいや香りはもちろんですが、「体にいいのはどっちかしら?」と気になる方もいらっしゃるのではないでしょうか。ここでは、甲類焼酎と乙類焼酎を健康面から比較し、それぞれの特徴や体にやさしい飲み方についてご紹介します。どちらの焼酎がご自身に合っているか、選ぶ際の参考にしてみてくださいね。

2.1 糖質やプリン体は甲類焼酎も乙類焼酎もゼロ

健康を気にされる方にとって、糖質やプリン体の量は気になるところですよね。焼酎は蒸留酒ですので、製造過程で糖質やプリン体は取り除かれます。そのため、甲類焼酎も乙類焼酎も、糖質ゼロ、プリン体ゼロ(※)というのがうれしいポイントです。血糖値が気になる方や、プリン体を控えたい方にも比較的安心して楽しんでいただけるお酒と言えるでしょう。

※食品表示基準に基づき、100mlあたり糖質0.5g未満、プリン体0.5mg未満をゼロと表示しています。市販の焼酎の中には、風味付けのために糖分などが添加されているものもごく稀にありますので、気になる方は成分表示をご確認ください。

2.2 カロリーで比較 甲類焼酎と乙類焼酎

ダイエット中の方やカロリーを意識されている方にとって、お酒のカロリーは気になりますね。甲類焼酎と乙類焼酎のカロリーは、主にアルコール度数によって決まります。一般的に、同じアルコール度数であれば、甲類焼酎と乙類焼酎のカロリーに大きな違いはありません。

例えば、一般的なアルコール度数25度の焼酎の場合、100mlあたりのカロリーの目安は以下の通りです。

焼酎の種類アルコール度数(目安)100mlあたりのカロリー(目安)
甲類焼酎25%約140kcal
乙類焼酎(芋、麦など)25%約140kcal

(参考:文部科学省「日本食品標準成分表2020年版(八訂)」)

このように、カロリー自体に大きな差はありません。ただし、乙類焼酎の中にはアルコール度数が高いもの(30度、35度、40度以上など)もあり、その場合は度数に比例してカロリーも高くなります。また、割るものによって総カロリーは変わってきますので、ジュースや甘い炭酸飲料で割る際は注意が必要です。

2.3 添加物の有無 甲類焼酎と乙類焼酎

お酒に含まれる添加物が気になるという方もいらっしゃるかもしれませんね。酒税法上の定義では、甲類焼酎と乙類焼酎(本格焼酎)で添加物に関する扱いに違いがあります。

甲類焼酎は、連続式蒸留という方法で何度も蒸留を繰り返すため、アルコール以外の成分が極限まで取り除かれ、非常にピュアなアルコールとなります。そのため、基本的に水以外の添加物は使用されません。ただし、ごく微量の香味調整成分の使用が認められている場合もあります。

一方、乙類焼酎(本格焼酎)は、単式蒸留という方法で造られ、原料由来の風味や香りを大切にするお酒です。こちらも基本的には水以外の添加物は認められていませんが、例えば黒糖焼酎における黒糖の使用や、貯蔵によって生じた色の調整のための濾過など、風味や品質を保つために最低限必要な処理が認められている場合があります。いずれにしても、過度な添加物が使われることはありませんので、安心してお楽しみいただけます。

2.4 二日酔いしやすいのは甲類焼酎か乙類焼酎か

「甲類焼酎はピュアだから二日酔いしにくい」「乙類焼酎は香味成分が多いから二日酔いしやすい」といった話を聞いたことがあるかもしれません。しかし、二日酔いの主な原因は、アルコールの過剰摂取によって体内で分解しきれなかったアセトアルデヒドという物質です。そのため、どちらの焼酎であっても、飲み過ぎれば二日酔いのリスクは高まります。

甲類焼酎は不純物が少ないため、比較的スッキリとした酔い心地と感じる方がいらっしゃるかもしれません。一方、乙類焼酎に含まれる香味成分(フーゼル油など)は、適量であれば豊かな風味をもたらしますが、過剰に摂取したり、体質に合わなかったりすると、頭痛などの原因になる可能性も指摘されています。しかし、これには個人差が大きく、一概にどちらが二日酔いしやすいとは言えません。

最も大切なのは、ご自身の適量を守り、正しい飲み方をすることです。体質やその日のコンディションによっても酔い方は変わりますので、無理のない範囲で楽しむことが重要ですね。

2.5 健康的な焼酎の飲み方とは

焼酎を体にやさしく楽しむためには、いくつかのポイントがあります。これらを守ることで、翌日の体調もすこやかに保ちやすくなりますよ。

  • 適量を守る:厚生労働省が示している「健康に配慮した飲酒に関するガイドライン」などを参考に、純アルコール量で1日20g程度(焼酎25度なら約100ml)を目安にしましょう。もちろん、体質や年齢によって適量は異なります。
  • 和らぎ水(チェイサー)を飲む:焼酎を飲む合間に、お水やお茶などのノンアルコール飲料を挟むことで、アルコールの吸収を穏やかにし、脱水を防ぎます。同量以上の和らぎ水を飲むのがおすすめです。
  • 空腹時の飲酒は避ける:空腹時にアルコールを摂取すると、胃腸への刺激が強く、アルコールの吸収も早まり、酔いが回りやすくなります。食事と一緒にお酒を楽しむようにしましょう。
  • 休肝日を設ける:週に2日程度はアルコールを飲まない日を作り、肝臓を休ませてあげましょう。
  • バランスの良い食事とともに:タンパク質やビタミン、ミネラルを多く含むおつまみと一緒に摂ることで、アルコールの分解を助け、体への負担を軽減できます。枝豆、豆腐、野菜スティックなどがおすすめです。

これらのポイントを意識して、焼酎との上手な付き合い方を心がけてみてくださいね。ご自身のペースで、美味しく、そして健康的に焼酎を楽しみましょう。

3. 甲類焼酎と乙類焼酎 それぞれの楽しみ方

甲類焼酎と乙類焼酎、それぞれに個性があり、その個性を活かした美味しい飲み方や相性の良いお料理がありますの。ここでは、それぞれの焼酎が持つ魅力を最大限に引き出す楽しみ方をご紹介いたしますわね。日々の晩酌が、もっと豊かで楽しい時間になりますように。

3.1 甲類焼酎の美味しい飲み方 おすすめの割り材

甲類焼酎は、連続式蒸留によって造られるため、クセがなくピュアな味わいが特徴ですの。そのため、さまざまな割り材との相性が抜群で、自分好みの味を自由自在に作れるのが大きな魅力ですわ。

代表的な飲み方とおすすめの割り材をいくつかご紹介しますわね。

割り方割り材味わいの特徴おすすめポイント
酎ハイ・サワー炭酸水スッキリとしたのどごしと爽快感が楽しめますわ。最もポピュラーな飲み方の一つですの。レモンやライム、グレープフルーツなどの柑橘類を搾り入れると、さらに風味が引き立ちますわよ。
お茶割り緑茶、ウーロン茶、ジャスミン茶などお茶の風味と焼酎が調和し、食事にも合わせやすいさっぱりとした味わいになりますの。温かいお茶で割る「お湯割り」も、寒い季節には体が温まっておすすめですわ。使うお茶の種類によって、がらりと雰囲気が変わるのも楽しいですわね。
ジュース割りオレンジジュース、グレープフルーツジュース、トマトジュース、ジンジャーエールなどフルーティーで甘みがあり、カクテルのように楽しめるので、焼酎が初めての方にも親しみやすいですわ。果汁100%のジュースを使うと、より本格的な味わいになりますの。いろいろなジュースで試して、お気に入りを見つけるのも一興ですわね。
水割り・お湯割り水、お湯焼酎本来のほのかな甘みや香りをシンプルに味わえますが、甲類焼酎の場合は風味がおだやかなため、割材の風味を足すことが多いですわ。お好みの濃さに調整できるのが利点ですの。お湯で割る際は、熱湯ではなく少し冷ましたお湯を使うと、アルコールの刺激が和らぎますわ。

このほかにも、コーヒーや牛乳、乳酸菌飲料などで割るなど、甲類焼酎の楽しみ方は無限大ですの。自分だけのオリジナルな割り方を見つけるのも、甲類焼酎ならではの醍醐味と言えるでしょう。

3.2 乙類焼酎の美味しい飲み方 素材の味を活かす

乙類焼酎(本格焼酎)は、単式蒸留で造られるため、原料由来の豊かな風味と香りがしっかりと残っているのが特徴ですの。そのため、その個性を活かした飲み方がおすすめですわ。

素材の風味を存分に楽しむための代表的な飲み方をご紹介しますわね。

飲み方特徴おすすめの乙類焼酎ポイント
ストレート焼酎本来の香り、味わい、そして余韻を最もダイレクトに感じられる飲み方ですわ。芋焼酎、麦焼酎、米焼酎、黒糖焼酎、泡盛など、特に香り高いものや熟成古酒。チェイサー(水など)を用意して、少しずつゆっくりと味わうのがおすすめですの。常温で飲むと、香りがより一層引き立ちますわ。
ロック氷で冷やすことで口当たりがまろやかになり、時間とともに氷が溶けて味わいの変化も楽しめますの。芋焼酎、麦焼酎、米焼酎など、多くの乙類焼酎に適していますわ。大きめの氷を使うと溶けにくく、ゆっくりと楽しめますわね。最初にガツンとした風味を感じ、徐々に優しい味わいに変わっていく様は格別ですわ。
水割り加水することで香りが華やかに開き、アルコールの刺激が和らいで飲みやすくなりますの。芋焼酎、麦焼酎など、香りがしっかりしているタイプ。焼酎と水の割合は、6:4(ロクヨン)や5:5(ゴーゴー)が一般的ですが、お好みで調整なさってくださいませ。あらかじめ割っておく「前割り」も、味が馴染んでおすすめですわ。
お湯割り温めることで香りが豊かに立ち上り、甘みやコクが一層引き立ちますわ。体が温まるのも嬉しいですわね。芋焼酎、そば焼酎、麦焼酎など。特に芋焼酎はお湯割りで香りが花開きますの。お湯を先に器に入れ、後から焼酎を注ぐと対流が起きて自然に混ざり、香りも立ちやすいと言われていますわ。温度は70℃前後のお湯がおすすめですの。

乙類焼酎は、その土地の産物から造られることが多く、まさに「地の酒」とも言えますの。それぞれの原料が持つ個性と、造り手の想いが詰まった一杯をじっくりと堪能するのが、乙類焼酎の粋な楽しみ方ではないでしょうか。

3.3 甲類焼酎に合う料理

甲類焼酎は、味わいがクリアでクセがないため、基本的にどんなお料理とも合わせやすいのが魅力ですの。特に、味付けがしっかりしたお料理や、少し脂っこいお料理とも相性が良く、口の中をさっぱりとさせてくれますわ。

  • 揚げ物:唐揚げ、天ぷら、フライドポテトなど。炭酸で割った酎ハイが油を流してくれますの。
  • 中華料理:餃子、麻婆豆腐、酢豚など。濃いめの味付けにも負けず、お互いを引き立て合いますわ。
  • 韓国料理:キムチチゲ、チヂミ、ヤンニョムチキンなど。辛いお料理との相性も抜群ですの。
  • 濃い味付けの和食:豚の角煮、もつ煮込みなど。焼酎が後味をすっきりとさせてくれますわ。
  • お惣菜やスナック類:普段の食卓に並ぶお惣菜や、気軽なスナック菓子とも気軽に楽しめますの。

甲類焼酎は、料理の味わいを邪魔することなく、食事全体を爽やかに引き立てる名脇役として、日々の食卓で大活躍してくれることでしょう。

3.4 乙類焼酎に合う料理

乙類焼酎(本格焼酎)は、原料の風味が豊かなため、その風味と料理の相性を考える「ペアリング」の楽しみがありますの。それぞれの焼酎の個性を活かすお料理を選ぶと、より一層美味しくいただけますわ。

焼酎の種類(原料)相性の良い料理の例ペアリングのポイント
芋焼酎豚の角煮、さつま揚げ、もつ鍋、焼き鳥(タレ)、チーズ(ゴーダなど)、チョコレート(ビター)芋焼酎特有の甘みとコクが、濃厚な味わいの料理や発酵食品とよく合いますの。同じ九州地方の郷土料理との相性は鉄板ですわね。
麦焼酎焼き魚、お刺身(白身魚)、鶏肉のハーブ焼き、野菜の天ぷら、豆腐料理、だし巻き卵麦焼酎の香ばしさや軽快な味わいが、素材の味を活かした和食や魚介類と好相性ですわ。すっきりとした後口が、繊細な料理の風味を引き立てますの。
米焼酎お刺身、寿司、焼き魚、煮物、お吸い物、湯豆腐、山菜料理日本酒に似た吟醸香やフルーティーな香りが特徴で、繊細な味わいの和食全般とよく合いますの。お米由来のうまみが、料理のうまみを引き立てますわ。
黒糖焼酎ゴーヤチャンプルー、ラフテー(豚の角煮)、鶏飯、エスニック料理(タイ料理など)、フルーツ、ドライフルーツ黒糖由来の甘い香りとドライな後味が、南国料理やスパイシーな料理、甘味のある食材とも意外なほどマッチしますの。食後のデザート酒としても楽しめますわね。
そば焼酎そば料理(ざるそば、そばがき)、鴨南蛮、山菜の天ぷら、きのこ料理、鶏肉の治部煮そば特有の香ばしい風味が、素朴な味わいの料理や、同じそばを使った料理とよく調和しますの。出汁を使った料理とも相性が良いですわ。
泡盛沖縄料理(ゴーヤチャンプルー、ラフテー、ミミガー)、中華料理(特に香辛料の効いたもの)、エスニック料理、チーズ(ブルーチーズなど)、ドライフルーツ泡盛独特の芳醇な香りと力強い味わいは、濃厚な味付けの料理や個性的な食材にも負けませんの。古酒(クースー)は、食後にゆっくりと味わうのもおすすめですわ。

乙類焼酎と料理の組み合わせは、まさに無限の可能性を秘めていますの。「この焼酎にはどんな料理が合うかしら?」と考えながら選ぶ時間も、また楽しいひとときですわね。ぜひ、いろいろ試して、あなただけのお気に入りの組み合わせを見つけてみてくださいませ。

4. 甲類焼酎と乙類焼酎 あなたに合うのはどっち? 選び方のポイント

焼酎には大きく分けて「甲類(こうるい)」と「乙類(おつるい)」の2種類があることは、もうご存知かもしれませんね。でも、いざ選ぶとなると「自分にはどっちがいいのかしら?」と迷ってしまうこともあるのではないでしょうか。ここでは、あなたの好みや飲みたいシーンに合わせて、ぴったりの焼酎を見つけるためのヒントをお届けします。

4.1 スッキリ飲みたいなら甲類焼酎

「今日は軽やかに、スッキリとしたお酒が飲みたいな」そんな気分の時には、甲類焼酎がおすすめです。甲類焼酎は、連続式蒸留という方法で造られるため、雑味が少なくクリアでピュアな味わいが特徴です。クセがないので、どんな割り材とも相性が良く、レモンサワーやウーロンハイ、緑茶ハイなど、お好みのドリンクで割って楽しむのにぴったりです。また、ご家庭で梅酒などの果実酒を漬ける際のベースアルコールとしてもよく使われますね。強いお酒の風味が少し苦手な方や、いろいろなアレンジを楽しみたい方には、甲類焼酎がきっと気に入っていただけるでしょう。

4.2 素材の風味を楽しみたいなら乙類焼酎

一方、「お酒そのものの味わいや、原料の持つ豊かな香りを楽しみたい」という方には、乙類焼酎(本格焼酎とも呼ばれます)が向いています。乙類焼酎は、単式蒸留という昔ながらの製法で造られ、芋や麦、米、そばといった原料の風味がしっかりと活かされているのが魅力です。ロックやお湯割り、水割りなど、シンプルな飲み方でこそ、その個性が際立ちます。例えば、芋焼酎なら独特の甘い香り、麦焼酎なら香ばしい風味といったように、銘柄ごとに異なる奥深い味わいの違いを飲み比べるのも乙類焼酎ならではの楽しみ方です。お食事との相性を考えて選ぶのも素敵ですね。

4.3 焼酎初心者におすすめなのは甲類か乙類か

「焼酎をこれから楽しんでみたいけれど、どちらから始めたらいいかしら?」と迷う方もいらっしゃるかもしれませんね。どちらが良いとは一概には言えませんが、それぞれの特徴を踏まえて選んでみてはいかがでしょうか。

甲類焼酎は、クセがなくスッキリとしているため、焼酎独特の風味に慣れていない方でも比較的飲みやすいと言えるでしょう。お好きなジュースや炭酸水で割れば、まるでカクテルのように気軽に楽しめます。

乙類焼酎は、原料の風味が豊かなため、最初は少し個性が強く感じられるかもしれません。でも、最近ではフルーティーで華やかな香りのものや、軽やかで飲みやすいタイプの乙類焼酎もたくさん登場しています。例えば、麦焼酎や米焼酎の中には、比較的クセが少なく初心者の方にも親しみやすい銘柄があります。少量から試してみたり、水割りでアルコール度数を調整したりしながら、ゆっくりと乙類焼酎の魅力に触れてみるのも良い経験になるでしょう。

どちらのタイプにも、それぞれの良さがあります。まずはご自身の好みや、その日の気分に合わせて選んでみてくださいね。もしかしたら、これまで知らなかった新しいお気に入りの一杯に出会えるかもしれません。

特徴甲類焼酎乙類焼酎(本格焼酎)
味わいクセがなくピュア、スッキリとした味わい。割り材の味を活かします。原料由来の豊かな風味と香り。個性的な味わいが楽しめます。
おすすめのシーン気軽に楽しみたい時、色々な割り方で飲みたい時、大人数での集まりなど。お酒そのものの味をじっくり楽しみたい時、食事とのペアリングを楽しみたい時など。
初心者へのポイント飲みやすくアレンジも自由自在なので、焼酎入門にもおすすめです。フルーティーなものや軽快なタイプから試すのがおすすめ。水割りなどで調整しながらどうぞ。

最終的には、ご自身が「美味しい!」と感じるものが一番です。いろいろ試して、あなたにぴったりの焼酎を見つけてくださいね。

5. まとめ

焼酎の甲類と乙類、それぞれの魅力と違い、おわかりいただけましたでしょうか。連続式蒸留で造られる甲類焼酎は、クセがなくピュアな味わいで、酎ハイなど様々な割り材と相性抜群です。一方、単式蒸留の乙類焼酎(本格焼酎)は、芋や麦といった原料本来の豊かな風味をじっくりと楽しめます。どちらも糖質やプリン体は含まれていませんが、カロリーや添加物の有無には違いがあります。ご自身の好みやその日の気分、お料理に合わせて、あなたにぴったりの一杯を見つけて、健やかな毎日にお役立てくださいね。

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この記事を書いた人

ハレノヒ編集部は、「わたしらしく、身軽に暮らす」をテーマに、日々の暮らしを前向きに楽しむためのヒントをお届けしています。
美容や健康、趣味、暮らしの工夫など、50代以降の女性を中心に、誰もが自分らしく輝けるような情報をやさしい目線で発信しています。
ちょっと気になる話題や、ふと心に残る言葉も添えて、皆さまの毎日が少し晴れやかになりますように。

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