1985年、あなたはどんな日々を過ごされていましたか。この記事を開けば、当時のヒット曲から映画、ドラマ、アニメ、漫画、そして世間を賑わせた商品や出来事まで、1985年という時代を彩った輝かしい記憶の数々を一度にご覧いただけます。懐かしいあの頃のときめきを胸に、何が私たちの心を捉えたのか、その熱気を一緒に再発見してみませんか。
1. 1985年ヒット曲 音楽シーンを席巻した名曲たち
1985年(昭和60年)は、日本の音楽シーンが多様な才能であふれ、数々の名曲が生まれた輝かしい年でした。アイドル歌謡が全盛期を迎える一方で、実力派アーティストたちも存在感を示し、テレビの音楽番組からは連日のようにヒット曲が流れていましたね。カセットテープに録音して、何度も繰り返し聴いた思い出がある方もいらっしゃるのではないでしょうか。この章では、そんな1985年の音楽シーンを彩ったヒット曲の数々を振り返ってみましょう。
1.1 1985年オリコン年間シングルランキングトップ10
当時のヒットの指標として、多くの方が注目していたのがオリコンチャートです。ここでは、1985年のオリコン年間シングルランキングトップ10に輝いた楽曲をご紹介します。どの曲も、一度は耳にしたことがある名曲ばかりですね。
順位 | 曲名 | アーティスト名 |
---|---|---|
1位 | ジュリアに傷心(ハートブレイク) | チェッカーズ |
2位 | Romanticが止まらない | C-C-B |
3位 | ミ・アモーレ〔Meu amor é・・・〕 | 中森明菜 |
4位 | 恋におちて -Fall in love- | 小林明子 |
5位 | 天使のウィンク | 松田聖子 |
6位 | 飾りじゃないのよ涙は | 中森明菜 |
7位 | タッチ | 岩崎良美 |
8位 | SAND BEIGE -砂漠へ- | 中森明菜 |
9位 | 悲しみにさよなら | 安全地帯 |
10位 | あの娘とスキャンダル | チェッカーズ |
このランキングを見ると、チェッカーズと中森明菜さんの圧倒的な人気がうかがえますね。また、C-C-Bの「Romanticが止まらない」や小林明子さんの「恋におちて -Fall in love-」のように、ドラマ主題歌として大ヒットした曲も印象的です。
1.2 1985年を彩った代表的なヒット曲とアーティスト
オリコンランキング以外にも、1985年には多くの素晴らしい楽曲が生まれました。ここでは、特に記憶に残る代表的なヒット曲とアーティストをいくつかご紹介します。
まずは、社会現象ともいえる人気を博したおニャン子クラブのデビュー曲「セーラー服を脱がさないで」。その斬新な歌詞と親しみやすいキャラクターで、瞬く間に若者たちの心を掴みました。夕方のテレビ番組から生まれた彼女たちの活躍は、当時のエンターテイメントシーンに大きな影響を与えましたね。
また、吉川晃司さんの「にくまれそうなNEWフェイス」や、レベッカの「フレンズ」もこの年のヒット曲です。吉川さんのスタイリッシュなパフォーマンスと、NOKKOさんのパワフルな歌声は、多くの人々を魅了しました。安全地帯の「悲しみにさよなら」は、その美しいメロディと玉置浩二さんの情感豊かなボーカルで、今もなお愛され続ける名バラードです。
アイドルでは、菊池桃子さんの「卒業-GRADUATION-」や斉藤由貴さんの「卒業」など、春の季節にぴったりの楽曲も多く生まれました。杉山清貴&オメガトライブの「ふたりの夏物語 -NEVER ENDING SUMMER-」は、夏のドライブソングの定番として親しまれましたね。これらの曲を聴くと、当時の甘酸っぱい思い出がよみがえる方も多いのではないでしょうか。
1.3 1985年紅白歌合戦出場歌手と歌唱曲
年末の風物詩といえば、NHK紅白歌合戦です。1985年(第36回)も、その年を代表する豪華な歌手たちが集い、華やかなステージを繰り広げました。ここでは、主な出場歌手と歌唱曲を一部ご紹介します。
組 | 歌手名 | 歌唱曲 |
---|---|---|
紅組 | 中森明菜 | ミ・アモーレ〔Meu amor é・・・〕 |
紅組 | 松田聖子 | 天使のウィンク |
紅組 | 小林明子 | 恋におちて -Fall in love- |
紅組 | 河合奈保子 | デビュー 〜Fly Me To Love〜 |
紅組 | 石川さゆり | 波止場しぐれ |
白組 | チェッカーズ | ジュリアに傷心(ハートブレイク) |
白組 | 安全地帯 | 悲しみにさよなら |
白組 | 吉川晃司 | にくまれそうなNEWフェイス |
白組 | 五木ひろし | そして…めぐり逢い |
白組 | 森進一 | 女もよう |
この年も、その年のヒット曲が数多く披露され、お茶の間を大いに盛り上げました。大トリは紅組の森昌子さん「愛傷歌」、白組の森進一さん「女もよう」でした。ご家族揃ってご覧になった方も多いことでしょう。
1.4 1985年話題となった洋楽ヒット
1985年は、洋楽シーンも非常に活気がありました。特に印象深いのは、アフリカの飢餓救済のためにアメリカのスーパースターたちが集結したUSAフォー・アフリカによる「ウィ・アー・ザ・ワールド(We Are The World)」でしょう。この曲は世界的な大ヒットとなり、多くの人々に感動を与えました。
また、イギリスのデュオ、ワム!の「ケアレス・ウィスパー(Careless Whisper)」も、その甘く切ないメロディで日本でも大人気となりました。マドンナの「ライク・ア・ヴァージン(Like a Virgin)」は、その挑発的なパフォーマンスと共に、彼女を世界的スターダムへと押し上げましたね。他にも、a-haの「テイク・オン・ミー(Take On Me)」は、革新的なミュージックビデオも話題となり、多くの若者を夢中にさせました。これらの洋楽ヒットは、当時の日本の音楽ファンにも大きな影響を与え、ラジオやディスコ(今でいうクラブですね)を賑わせていました。
2. 1985年ヒット映画 スクリーンを賑わせた話題作
1985年(昭和60年)は、映画館のスクリーンがたくさんの魅力的な作品で彩られた一年でした。洋画ではハリウッドのエンターテイメント大作が人気を集め、邦画でも心に残る名作や話題作が次々と公開されました。週末になると、映画館には多くの人々が足を運び、夢のような時間を過ごしたのではないでしょうか。ここでは、1985年にスクリーンを賑わせた映画の数々を振り返ってみましょう。当時の興奮や感動がよみがえってくるかもしれませんね。
2.1 1985年日本国内興行収入ランキング
この年の映画興行は、特に洋画の勢いが目立ちました。SFアドベンチャーからアクション、感動のドラマまで、多彩なジャンルの作品が映画館を賑わせました。ここでは、当時の配給収入を基にした主なヒット作をご紹介します。懐かしいタイトルに、当時の思い出が蘇る方もいらっしゃるのではないでしょうか。(正確なランキングの詳細は、一般社団法人日本映画製作者連盟の発表などを参照ください。)
順位 | 作品名 | 配給会社 | 備考 |
---|---|---|---|
1 | ランボー/怒りの脱出 | 東宝東和 | 洋画。シルヴェスター・スタローン主演の大ヒットアクションシリーズ第2弾。 |
2 | バック・トゥ・ザ・フューチャー | UIP | 洋画。タイムトラベルを題材にしたSFアドベンチャーの金字塔。 |
3 | ゴーストバスターズ | コロンビア | 洋画(※前年公開だが1985年も大ヒット)。ユニークな設定と軽快なコメディ要素で人気。 |
4 | ビルマの竪琴(1985年版) | 東宝 | 邦画。市川崑監督によるリメイク作品で、戦争の悲しさと平和への祈りを描いた感動作。 |
5 | 007/美しき獲物たち | UIP | 洋画。ロジャー・ムーアがジェームズ・ボンドを演じた最後の作品。 |
6 | グーニーズ | ワーナー・ブラザース | 洋画。少年たちの冒険を描き、子どもたちの心を掴んだ作品。 |
7 | ビー・バップ・ハイスクール | 東映 | 邦画。不良高校生たちの日常をコミカルかつアクション満載で描いた人気シリーズ第1作。 |
8 | アマデウス | 東宝東和 | 洋画。天才音楽家モーツァルトの生涯を壮大なスケールで描いた作品。アカデミー作品賞受賞。 |
9 | ネバーエンディング・ストーリー | ワーナー・ブラザース | 洋画(※前年公開だが1985年もヒット)。ファンタジー世界の壮大な冒険物語。 |
10 | 天国にいちばん近い島 | 東映 | 邦画。原田知世さん主演、ニューカレドニアを舞台にした美しい映像と物語。 |
※上記は配給収入や公開時期により順位や作品に変動がある場合があります。当時の主なヒット作として参考にしてください。
2.2 1985年公開の主な邦画ヒット作
1985年の邦画界は、ベテラン監督による重厚な作品から、若者向けのエンターテイメント作品まで、幅広いラインナップが揃いました。映画館でご覧になった作品や、心に残っているシーンがあるかもしれませんね。
代表的な作品としては、まず市川崑監督が再びメガホンを取った『ビルマの竪琴』が挙げられます。中井貴一さん、石坂浩二さんらが出演し、戦争の無常さと人間愛を描き、多くの観客の涙を誘いました。また、不良たちの青春を描いた『ビー・バップ・ハイスクール』は、仲村トオルさんと清水宏次朗さんのコンビで大ヒットし、シリーズ化されるほどの人気を博しました。この作品をきっかけに、ツッパリファッションが流行したのも懐かしい思い出です。
角川映画からは、原田知世さん主演の『天国にいちばん近い島』が公開され、美しい南国のロケーションと少女の成長物語が多くの観客を魅了しました。薬師丸ひろ子さん主演の『Wの悲劇』もこの年の話題作で、劇中劇という複雑な構成ながら、女優の生き様を描き出し高い評価を得ました。夏目雅子さんの遺作となった『瀬戸内少年野球団』も、戦後の淡路島を舞台にした感動的な物語で、多くの人々の記憶に残っています。
そして、日本映画界の巨匠・黒澤明監督による『乱』は、シェイクスピアの「リア王」を日本の戦国時代に翻案した壮大なスケールの時代劇で、その圧倒的な映像美は海外でも高く評価されました。山田洋次監督の国民的シリーズ『男はつらいよ 寅次郎恋愛塾』も安定した人気で、多くのファンを楽しませてくれましたね。
2.3 1985年公開の主な洋画ヒット作
1985年の洋画は、まさにハリウッド大作の年と言えるでしょう。SF、アクション、ファンタジーと、夢と冒険に満ちた作品が次々と日本でも公開され、映画館は連日大盛況でした。
この年の最大のヒット作の一つが、『バック・トゥ・ザ・フューチャー』です。マイケル・J・フォックス演じる高校生マーティがタイムマシンで過去へ行き、大冒険を繰り広げる物語は、世界中で大ブームを巻き起こしました。あのデロリアン号に憧れた方も多いのではないでしょうか。また、シルヴェスター・スタローン主演の『ランボー/怒りの脱出』も、前作を大きく上回る大ヒットとなり、ランボーは一躍アクションヒーローの代名詞となりました。
スティーヴン・スピルバーグ製作総指揮の『グーニーズ』は、少年少女たちが海賊の宝を探す冒険物語で、子どもたちの心を鷲掴みにしました。シンディ・ローパーが歌う主題歌も大ヒットしましたね。そして、前年から引き続き大ヒットした『ゴーストバスターズ』は、ユーモラスなキャラクターと奇抜なアイデアで、大人も子供も楽しめる作品として人気を集めました。
その他にも、ロジャー・ムーアがジェームズ・ボンドを演じた最後の作品となった『007/美しき獲物たち』や、アカデミー賞作品賞を受賞した『アマデウス』など、話題作が目白押しでした。『アマデウス』は、天才音楽家モーツァルトの生涯を、ライバルであったサリエリの視点から描いた重厚なドラマで、その音楽と映像美は圧巻でしたね。これらの作品は、今観ても色褪せない魅力に満ちています。
3. 1985年ヒットドラマ お茶の間を釘付けにした人気番組
1985年(昭和60年)は、テレビドラマが多様な花を咲かせた一年でした。心温まるホームドラマから、社会現象を巻き起こした学園ドラマ、そして大人の恋愛模様を描いた作品まで、数々の名作がお茶の間を賑わせ、私たちの日常に彩りを与えてくれましたね。この年は、後に大スターとなる俳優さんたちが輝き始めた年でもあり、ブラウン管の前で一喜一憂した記憶がよみがえる方も多いのではないでしょうか。ここでは、そんな1985年に放送され、多くの人々の記憶に残るヒットドラマを振り返ってみましょう。
3.1 1985年高視聴率ドラマランキング
1985年、特に多くの視聴者の心を掴み、高い視聴率を記録したドラマをご紹介します。ご家族そろってご覧になったり、翌日の学校や職場で話題にしたりした作品も多いことでしょう。
作品名 | 放送局 | 主な出演者 | 概要 |
---|---|---|---|
『澪つくし』 | NHK | 沢口靖子、川野太郎、桜田淳子、津川雅彦 | NHK連続テレビ小説として放送されました。千葉県銚子を舞台に、醤油醸造の旧家のお嬢様・かをるの波乱万丈な人生を描き、平均視聴率44.3%、最高視聴率55.3%という驚異的な数字を記録しました。ヒロインを演じた沢口靖子さんのフレッシュな魅力も、日本中を虜にしましたね。 |
『金曜日の妻たちへIII 恋におちて』 | TBS系 | 古谷一行、小川知子、篠ひろ子、いしだあゆみ | 大人の複雑な恋愛模様をリアルに描き、社会現象にもなった人気シリーズの第3弾です。小林明子さんが歌う主題歌「恋におちて -Fall in love-」もミリオンセラーの大ヒットとなり、ドラマの世界観を一層深く印象づけました。 |
『毎度おさわがせします』(第1シリーズ) | TBS系 | 中山美穂、木村一八、板東英二、篠ひろ子 | 思春期の子どもたちの性への関心や悩みをコミカルに描き、大きな反響を呼びました。中山美穂さんの連続ドラマデビュー作としても知られ、その体当たりの演技が注目を集めました。ちょっぴり刺激的なテーマに、ドキドキしながらご覧になった方もいらっしゃるかもしれません。 |
『スクール☆ウォーズ 〜泣き虫先生の7年戦争〜』 | TBS系 | 山下真司、岡田奈々、松村雄基、伊藤かずえ | 1984年10月から放送が開始され、1985年4月に感動のフィナーレを迎えました。荒廃した高校のラグビー部が、元日本代表の熱血教師・滝沢賢治のもとで全国優勝を目指す姿は、多くの人々に「信は力なり」という言葉と共に勇気と感動を与えた、まさに伝説的な学園ドラマです。 |
『春の波涛』 | NHK | 松坂慶子、中村雅俊、風間杜夫、檀ふみ | NHK大河ドラマとして、日本の女優第一号といわれる川上貞奴の生涯を描いた作品です。華やかな明治・大正期を背景に、貞奴の情熱的な生き様と、彼女を取り巻く人々との人間ドラマが、多くの視聴者を魅了しました。 |
これらの作品以外にも、1985年は数多くのドラマが高い人気を集め、当時のテレビ界がいかに活気に満ちていたかを物語っていますね。
3.2 1985年話題を呼んだドラマ作品
視聴率の高さはもちろんのこと、その斬新な設定や個性的なキャラクター、社会への影響などで大きな話題となったドラマもたくさんありました。1985年という時代を象徴するような、いつまでも記憶に残る作品たちをご紹介します。
『スケバン刑事』(フジテレビ系)は、まさに社会現象とも言えるほどのブームを巻き起こしました。斉藤由貴さん演じる主人公・麻宮サキが、学生刑事として特製の鉄仮面とヨーヨーを武器に悪と戦うという奇想天外な設定は、多くの子どもたちの心を鷲掴みにしました。セーラー服姿のヒロインが活躍する姿は、それまでのドラマにはない新しいヒロイン像を確立し、斉藤由貴さんをトップアイドルの座へと押し上げました。
TBS系で放送された「大映ドラマ」も、この年のドラマシーンを語る上で欠かせません。『ポニーテールはふり向かない』は、ジャズドラマーを夢見る不良少女が、様々な困難を乗り越えながら成長していく物語です。主演の伊藤かずえさんの体当たりの演技と、劇中で演奏される迫力あるドラムシーンが、多くの視聴者に強い印象を残しました。また、前年から引き続き放送され、この年にクライマックスを迎えた『スクール☆ウォーズ』の熱気も、まだまだ続いていましたね。
その他にも、渡哲也さん主演の『私鉄沿線97分署』(テレビ朝日系)のような、下町の警察署を舞台にした人情味あふれる刑事ドラマも人気を博しました。また、若者たちの等身大の悩みや恋愛を軽快なタッチで描いた作品も登場し始め、後のトレンディドラマへと繋がる流れも感じられた年でした。テレビをつければ、そこには夢中になれる物語と、輝くスターたちがいた、そんな素敵な時代だったのかもしれませんね。これらのドラマから生まれた流行語やファッションも、当時の世相を色濃く映し出しています。
4. 1985年ヒットアニメ 子どもから大人まで夢中にさせた名作
1985年は、今も語り継がれる数々のアニメが誕生し、テレビの前の子どもたちはもちろん、大人までもが夢中になった一年でした。心に残るストーリー、魅力的なキャラクター、そして素晴らしい音楽。当時の熱気を思い出しながら、1985年を彩ったアニメの世界を一緒に振り返ってみませんか。
4.1 1985年放送開始の人気テレビアニメ
この年には、ジャンルも多彩なテレビアニメが次々と放送を開始し、多くの方々を魅了しました。ご家庭での団らんの時間や、学校での話題の中心になった作品も多かったことでしょう。
作品名 | 放送開始月 | 主な特徴・当時の反響 |
---|---|---|
機動戦士Ζガンダム | 3月 | 「機動戦士ガンダム」の続編として、より複雑な人間ドラマとシリアスな展開で、ティーンエイジャーから大人まで幅広い層の支持を集めました。斬新なモビルスーツデザインも話題を呼びましたね。 |
タッチ | 3月 | あだち充先生原作の野球と恋愛を軸にした青春ストーリーは、国民的な人気を博しました。双子の兄弟と幼なじみのヒロインが織りなす繊細な心の動きに、多くの人が共感し、涙したものです。 |
小公女セーラ | 1月 | 世界名作劇場シリーズの一作。逆境に負けず気高く生きる主人公セーラの姿は、多くの子どもたちに勇気と感動を与えました。毎週ハラハラしながら見守っていた方も多いのではないでしょうか。 |
ハイスクール!奇面組 | 10月 | 個性豊かなキャラクターたちが繰り広げる学園ギャグアニメとして大ヒット。その独特なユーモアは、子どもたちの間で大流行しました。 |
ゲゲゲの鬼太郎(第3作) | 10月 | おなじみ水木しげる先生の代表作が、カラフルな映像と新たな魅力で再びアニメ化。妖怪ブームを再燃させ、幅広い世代に親しまれました。 |
魔法のスターマジカルエミ | 6月 | ぴえろ魔法少女シリーズの第3作。マジシャンを目指す少女の夢と成長を描き、女の子たちの憧れを集めました。可愛らしいアイテムも人気でしたね。 |
これらの作品以外にも、『プロゴルファー猿』や『ダーティペア』、『戦え!超ロボット生命体トランスフォーマー』など、記憶に残るアニメがたくさん放送されました。あなたの思い出の作品はありましたでしょうか。
4.2 1985年公開の主なアニメ映画
映画館の大きなスクリーンでも、素晴らしいアニメ作品が私たちを楽しませてくれました。春休みや夏休みには、ご家族やお友達と映画館へ足を運んだ方もいらっしゃることでしょう。
4.2.1 心に残る長編アニメーション
1985年は、オリジナル作品から人気テレビアニメの劇場版まで、粒ぞろいの作品が公開されました。
作品名 | 公開月 | 見どころ・特筆事項 |
---|---|---|
ドラえもん のび太の宇宙小戦争(リトル・スター・ウォーズ) | 3月 | 国民的アニメ「ドラえもん」の劇場版第6作。小さな宇宙人と力を合わせ、悪に立ち向かう壮大な冒険は、子どもたちの心を鷲掴みにしました。友情の大切さを教えてくれる感動作です。 |
カムイの剣 | 3月 | 矢野徹先生のSF時代劇小説を原作とした壮大なスケールで描かれた冒険活劇。美しい映像と音楽も話題となり、大人も楽しめる重厚な作品として注目されました。 |
銀河鉄道の夜 | 7月 | 宮沢賢治の不朽の名作を、幻想的で美しい映像美でアニメーション化。登場人物を猫の姿で描いたことでも知られ、深い感動とともに多くの人々の心に刻まれました。 |
ルパン三世 バビロンの黄金伝説 | 7月 | 人気シリーズ「ルパン三世」の劇場版第3作。ニューヨークを舞台に、バビロンの黄金を巡るルパン一味の活躍がコミカルかつスタイリッシュに描かれました。 |
4.2.2 人気テレビシリーズの劇場版も多数公開
この年には、当時人気を博していたテレビアニメの劇場版も多く公開され、ファンを楽しませました。『うる星やつら3 リメンバー・マイ・ラブ』や『キン肉マン 逆襲!宇宙かくれ超人』、『キャプテン翼 ヨーロッパ大決戦』など、テレビとはまた違ったスケールで描かれる物語に胸を躍らせたものです。
1985年のアニメは、夢や冒険、友情、そして時には人生の厳しさや温かさを教えてくれる、まさに宝箱のような存在でした。主題歌を口ずさんだり、キャラクターの真似をしたりと、日々の暮らしに彩りを与えてくれたことでしょう。これらの作品は、今もなお多くの人々に愛され続けていますね。
5. 1985年ヒット漫画 社会現象を巻き起こした作品群
1985年(昭和60年)は、漫画の世界においても数々の金字塔が打ち立てられた、まさに黄金時代と呼ぶにふさわしい一年でした。この時代に生まれた作品たちは、子どもたちの心を鷲掴みにしただけでなく、社会全体に大きな影響を与え、今もなお多くのファンに愛され続けています。ページをめくる手が止まらなかったあの頃の熱気や、魅力あふれる作品たちの世界へご案内しましょう。
当時の漫画界を牽引したのは、やはり少年漫画でした。特に「週刊少年ジャンプ」は驚異的な発行部数を記録し、掲載作品が次々とアニメ化されるなど、その勢いは留まるところを知りませんでした。学校の休み時間や放課後には、友達同士で漫画の話題で持ちきりだったという方も多いのではないでしょうか。そんな懐かしい記憶が蘇るかもしれませんね。
5.1 1985年人気連載漫画とコミックス売上
1985年頃に連載され、絶大な人気を誇った漫画は数多く存在します。これらの作品は、単行本(コミックス)となっても記録的な売上を叩き出し、本屋さんの棚を賑わせました。当時の子どもたちにとって、お小遣いを握りしめてコミックスを買いに行くのは一大イベントであり、新刊の発売日を心待ちにしていたものです。ここでは、特に社会現象ともいえる人気を博した代表的な作品をいくつかご紹介いたしましょう。
作品名 | 主な掲載誌 | 概要・当時の人気ぶり |
---|---|---|
ドラゴンボール | 週刊少年ジャンプ | 1984年末に連載が開始され、1985年には既に人気が爆発。孫悟空の成長と冒険、そして天下一武道会などのバトルシーンは、日本中の子どもたちを熱狂させました。アニメ化により、その人気は不動のものとなりました。 |
北斗の拳 | 週刊少年ジャンプ | 「お前はもう死んでいる」のセリフはあまりにも有名ですね。世紀末を舞台にした独特の世界観と、漢たちの熱い戦いは強烈なインパクトを与え、社会現象に。アニメも大ヒットしました。 |
キン肉マン | 週刊少年ジャンプ | 超人たちが繰り広げるプロレスと友情の物語。「キン消し」と呼ばれるキャラクター消しゴムは、子どもたちの間で大ブームとなり、コレクションする楽しさも提供しました。 |
タッチ | 週刊少年サンデー | 野球と双子の兄弟、そして幼なじみの浅倉南。甘酸っぱい青春模様とスポーツの爽やかさが融合し、男女問わず幅広い層から支持されました。アニメの主題歌も大ヒットし、国民的な人気作品となりました。 |
キャプテン翼 | 週刊少年ジャンプ | この作品を読んでサッカーを始めた、という方も多いのではないでしょうか。「ボールはともだち」の名言や、個性的な必殺シュートは、日本にサッカーブームを巻き起こし、後のプロサッカー選手にも大きな影響を与えました。 |
ハイスクール!奇面組 | 週刊少年ジャンプ | 個性豊かな「奇面組」のメンバーが繰り広げる学園ギャグ漫画。その独特のキャラクターとナンセンスな笑いは、多くの子どもたちの心を掴み、アニメ化もされて人気を博しました。 |
シティーハンター | 週刊少年ジャンプ | 1985年に連載が開始された、クールでコミカルなスイーパー(始末屋)冴羽獠の活躍を描く物語。ハードボイルドなアクションと、美女に弱い「もっこり」獠ちゃんのギャップが魅力で、大人っぽい雰囲気も人気を集めました。 |
こちら葛飾区亀有公園前派出所 | 週刊少年ジャンプ | 言わずと知れた長寿漫画。1985年当時も変わらぬ人気で、両津勘吉が巻き起こす破天荒な騒動と下町人情が、多くの読者に笑いと安心感を提供していました。 |
これらの作品のコミックスは、まさに飛ぶように売れ、シリーズ累計で数千万部から億単位の販売部数を記録するものも少なくありませんでした。友達との貸し借りも盛んに行われ、漫画を通じてコミュニケーションが生まれることも日常的な光景でしたね。
また、少女漫画の世界でも、『ガラスの仮面』(花とゆめ)、『ときめきトゥナイト』(りぼん)、『有閑倶楽部』(りぼん)、『CIPHER』(LaLa)などが人気を博し、少女たちの心をときめかせる多彩な物語が花開いていました。これらの作品もまた、当時の少女たちのバイブルとして、大切に読み継がれていたことでしょう。
5.2 1985年に注目された漫画家と作品
1985年の漫画界を語る上で、忘れてはならないのが、これらの素晴らしい作品を生み出した漫画家の方々です。その卓越した画力、独創的なストーリーテリング、そして読者を引き込むキャラクター造形は、まさに天才的とも言えるものでした。
『ドラゴンボール』や『Dr.スランプ』を手掛けた鳥山明先生は、そのポップで愛らしいキャラクターデザインと、わくわくする冒険活劇で、世界中にファンを持つ巨匠です。1985年当時は、『ドラゴンボール』の初期にあたり、ギャグ要素も多く、毎週の展開が楽しみでなりませんでした。
『北斗の拳』の作画を担当された原哲夫先生(原作は武論尊先生)は、その力強く劇画的なタッチで、男性的な魅力を描き出し、多くの読者を魅了しました。筋肉の描写や迫力あるバトルシーンは圧巻でしたね。
『タッチ』や『みゆき』などで知られるあだち充先生は、独特の間やセリフ回し、そして繊細な心理描写で、青春漫画の新たな地平を切り開きました。その作品に触れると、どこか懐かしく、そして切ない気持ちになる方も多いのではないでしょうか。
『キン肉マン』の作者であるゆでたまご先生(嶋田隆司先生と中井義則先生の共同ペンネーム)は、読者からの超人アイデア募集など、ファンとの一体感を大切にしながら、友情・努力・勝利という王道のテーマを描き切り、子どもたちのヒーロー像を確立しました。
これらの漫画家の方々は、まさに時代の寵児として脚光を浴び、その作品はアニメ、映画、ゲーム、キャラクターグッズなど、様々なメディアに展開され、一大ムーブメントを巻き起こしました。彼らの作品に触れることで、夢や希望、友情の大切さを学んだという方も少なくないはずです。1985年という年は、そんな素晴らしい才能との出会いに満ちた、幸福な時代だったと言えるでしょう。
6. 1985年ヒット商品 世間を騒がせた流行アイテム
1985年(昭和60年)は、私たちの暮らしに新しい風を吹き込むような、魅力的な商品がたくさん登場した年でした。家庭用ゲーム機のブームが本格化し、おもちゃの世界も大きく変わりましたの。また、便利な家電製品や、ちょっとした贅沢を感じさせてくれる食品なども人気を集め、日々の生活に彩りを与えてくれました。ここでは、そんな1985年を象徴するヒット商品や流行アイテムを振り返ってみましょう。
6.1 1985年の主なヒット商品と流行品
この年には、子どもから大人まで夢中になった商品や、生活を豊かにするアイテムが数多く生まれました。特に印象的だったものをいくつかご紹介しますね。
6.1.1 家庭用ゲーム機・おもちゃ
1985年は、なんといっても家庭用ゲーム機が大ブームとなりました。任天堂から発売された「ファミリーコンピュータ」は、その代表格です。「スーパーマリオブラザーズ」という革新的なゲームソフトの登場も相まって、社会現象と言えるほどの人気を博しました。子どもたちはもちろん、大人もその面白さに引き込まれ、一家団欒の新しい形が生まれたと言えるでしょう。
また、女の子たちの間では、タカラ(現:タカラトミー)の「リカちゃん」人形が引き続き高い人気を誇り、新しい洋服やハウスなどが次々と発売されましたの。男の子には、変形ロボット玩具の「トランスフォーマー」が注目を集め、その複雑な変形ギミックと魅力的なキャラクターが子どもたちの心を掴みました。
ボードゲームでは、エポック社の「ドンジャラ」が家族や友達と集まって遊ぶ定番として親しまれました。キャラクターの絵柄が描かれたパイを集める楽しさは、今も昔も変わりませんわね。
6.1.2 家電製品
家電製品では、より便利で快適な生活を求める声に応える商品が登場しました。例えば、シャープからは「書院」ブランドのワードプロセッサが人気を集め、手書きが主流だった文書作成に変化をもたらしました。まだまだ高価なものでしたが、ビジネスシーンを中心に徐々に普及し始めた時期です。
また、ソニーの「ウォークマン」は、カセットテープで音楽を外に持ち出して聴くというスタイルを定着させ、若者を中心に大ヒットしました。音楽をよりパーソナルに楽しむ文化が花開いたのです。
6.1.3 食品・飲料
食品分野では、手軽でおいしいものが好まれました。日清食品の「日清焼そばU.F.O.」のようなカップ焼きそばは、その代表例です。お湯を注ぐだけで本格的な焼きそばが味わえるとあって、忙しい方々の強い味方となりました。
飲料では、コカ・コーラ社の「コカ・コーラ」が引き続き定番商品として愛され、また、サントリーからは「サントリー烏龍茶」が登場し、健康を意識する流れとともに人気を得ましたの。
6.1.4 その他
ファッションでは、DCブランドブームが継続し、個性的なデザインの洋服が若者たちの心をとらえました。また、文房具では、パイロットの「ドクターグリップ」のような握りやすさを追求したシャープペンシルが登場し、学生たちの間で人気となりましたわ。
以下に、1985年の主なヒット商品と流行品をいくつか表にまとめました。
カテゴリ | 商品名・流行品 | メーカー・ブランド(当時) | 備考 |
---|---|---|---|
ゲーム機 | ファミリーコンピュータ | 任天堂 | 「スーパーマリオブラザーズ」同時期に大ヒット |
おもちゃ | トランスフォーマー | タカラ | 変形ロボット玩具、「戦え!超ロボット生命体トランスフォーマー」としてアニメ放送開始 |
おもちゃ | リカちゃん | タカラ | 着せ替え人形の定番 |
家電 | 書院(ワードプロセッサ) | シャープ | 日本語ワープロの普及に貢献、WD-20などが発売 |
家電 | ウォークマン | ソニー | 携帯型カセットプレーヤー、WM-101などが人気 |
食品 | 日清焼そばU.F.O. | 日清食品 | カップ焼きそばのロングセラー |
飲料 | サントリー烏龍茶 | サントリー | 缶入り烏龍茶の普及に貢献 |
6.2 1985年の新製品と技術トレンド
1985年は、未来を感じさせる新しい技術や製品が次々と登場し、私たちの生活や社会に大きな変化をもたらす予感を抱かせた年でもありましたの。特に注目されたのは、情報技術の分野です。
前述のワードプロセッサ「書院」もその一つですが、パーソナルコンピュータ(パソコン)も徐々に一般家庭への普及の兆しを見せ始めました。NECの「PC-9800シリーズ」は、ビジネス用途を中心に高いシェアを誇り、日本のパソコン市場を牽引する存在でした。まだまだ専門的な知識が必要で高価なものでしたが、情報化社会の到来を予感させるものでした。
また、通信技術の分野では、日本電信電話公社(電電公社)が民営化され、NTT(日本電信電話株式会社)が誕生した年でもあります。これにより、通信サービスの自由化が進み、その後の携帯電話やインターネットの普及へとつながる大きな一歩となりましたの。この年には、肩から掛けるタイプの「ショルダーホン」(100形)が登場し、まだ一般的ではありませんでしたが、移動体通信の可能性を示しました。
映像技術では、家庭用ビデオカメラが小型化・軽量化し、より手軽に使えるようになってきました。ソニーからは、パスポートサイズのビデオカメラ「8ミリビデオ ハンディカム CCD-M8」が登場し、家族の思い出を映像で記録するという文化が広がり始めましたわ。
これらの新しい製品や技術は、1985年当時の最先端であり、その後の私たちの生活を大きく変えていく礎となったのです。未来への期待感に満ち溢れた時代だったと言えるでしょう。
7. 1985年の主な出来事と流行語 社会を映すトピックス
1985年という時代を振り返りますと、私たちの暮らしや社会のあり方に大きな影響を与えた出来事がたくさんありました。また、その年ならではの言葉が生まれ、人々の間で交わされたものです。ここでは、1985年に日本で起きた印象深い出来事と、当時の空気を映し出す流行語を振り返り、あの頃の日本を一緒に感じてみましょう。
7.1 1985年に起きた国内の大きな出来事
1985年は、希望に満ちた出来事もあれば、胸を痛めるような悲しい出来事も起こった、忘れられない一年でした。社会の仕組みが新しく変わったり、科学技術の進歩に心躍らせたりした一方で、大きな事故も発生し、多くの人々の記憶に深く刻まれています。当時の主な出来事をいくつか見ていきましょう。
日付 | 出来事 | 概要 |
---|---|---|
4月1日 | NTT・JT発足 | 長年親しまれてきた日本電信電話公社(電電公社)と日本専売公社が民営化され、それぞれ日本電信電話株式会社(NTT)と日本たばこ産業株式会社(JT)として新たな一歩を踏み出しました。「民営化」という言葉が社会に広まり、サービスの向上や競争の促進が期待されました。私たちの生活に身近な通信やたばこのあり方が変わる、大きな節目でしたね。 |
5月17日公布 (翌年4月1日施行) | 男女雇用機会均等法成立 | 働く場において、性別による差別をなくし、女性も男性と同じように能力を発揮できる社会を目指す「雇用の分野における男女の均等な機会及び待遇の確保等女子労働者の福祉の増進に関する法律」(男女雇用機会均等法)が成立しました。女性の社会進出を後押しする、画期的な出来事として記憶されています。 |
3月17日~9月16日 | 国際科学技術博覧会(つくば科学万博)開催 | 茨城県の筑波研究学園都市で「人間・居住・環境と科学技術」をテーマに開催され、2000万人以上が訪れる大盛況となりました。未来を感じさせるパビリオンや、愛らしいキャラクター「コスモ星丸」は、子どもから大人まで多くの人々の心をつかみ、科学技術への夢と関心を高めました。 |
8月12日 | 日本航空123便墜落事故 | お盆の帰省ラッシュの中、羽田発大阪行きの日本航空123便が群馬県御巣鷹山に墜落し、乗員乗客524名のうち520名の方がお亡くなりになるという、日本の航空史上最悪、単独機としても世界最悪の事故が発生しました。日本中が深い悲しみに包まれ、空の安全について改めて考えさせられる痛ましい出来事でした。 |
9月22日 | プラザ合意 | ニューヨークのプラザホテルで、日本、アメリカ、イギリス、西ドイツ、フランスの先進5か国(G5)の蔵相・中央銀行総裁が集まり、ドル高を是正するための協調介入に合意しました。この合意により、急激な円高ドル安が進行し、日本の輸出産業は大きな影響を受けましたが、一方でその後のバブル経済へとつながる一因ともなりました。 |
10月16日 (日本シリーズは11月2日) | 阪神タイガース、21年ぶりセ・リーグ優勝、初の日本一 | 吉田義男監督のもと、ランディ・バース選手、掛布雅之選手、岡田彰布選手らの強力打線「ニューダイナマイト打線」が大活躍し、熱狂的なファン「トラキチ」の応援に後押しされ、21年ぶりのリーグ優勝、そして球団史上初の日本一に輝きました。日本中が虎フィーバーに沸き、道頓堀川へのダイブなども社会現象となりましたね。 |
7.2 1985年の流行語大賞と世相
その年を象徴する「ことば」は、当時の人々の関心事や社会の雰囲気を色濃く映し出す鏡のようなものです。1985年に話題となった流行語を振り返りながら、あの頃の日本の空気を感じてみましょう。この年は、第2回「日本新語・流行語大賞」(当時の名称は「新語・流行語大賞」)が開催されました。
賞 | 言葉 | 解説 |
---|---|---|
新語部門・金賞 | 分衆(ぶんしゅう) | 評論家の三浦展さんが提唱した言葉で、人々の価値観が多様化し、興味や関心によって小さな集団(分衆)に細分化されていく社会の様子を表しました。「みんなが同じものを求める」時代から、「一人ひとりが違うものを求める」時代への変化を感じさせる言葉でした。 |
流行語部門・金賞 | イッキ!イッキ! | 主に宴会の席などで、お酒を一気に飲み干すことを促すコールとして、若者を中心に広まりました。当時のエネルギッシュな雰囲気を象徴する一方で、後にはアルコールハラスメントの問題も指摘されるようになりました。 |
表現賞 | パフォーマンス | もともとは演劇や音楽などの「演技」「演奏」を指す言葉でしたが、この頃から人目を引くような行動や自己表現、効果的な見せ方といった広い意味で使われるようになりました。自己アピールが重視される時代の流れを感じさせますね。 |
大衆賞 | 私はこれで会社をやめました | 禁煙パイポのテレビCMで使われた印象的なセリフです。サラリーマン風の男性たちが次々とこのセリフを言うCMは大きな話題となり、商品とともにこの言葉も広く知れ渡りました。 |
大衆賞 | 金妻(きんつま) | TBS系で放送された大ヒットドラマ「金曜日の妻たちへIII 恋におちて」の略称です。既婚男女の恋愛模様を描いた刺激的な内容が話題を呼び、社会現象とも言えるほどの人気を博しました。 |
大衆賞 | トラキチ | 熱狂的な阪神タイガースファンを指す愛称です。この年の阪神タイガースの快進撃はすさまじく、選手たちの活躍とともに、ファンの熱い応援ぶりも注目を集めました。 |
このほかにも、1985年は「新人類」という言葉が、それまでの世代とは異なる価値観を持つとされる若者たちを指して使われ始めました。また、NTTやJTの発足に象徴される「民営化」の流れや、プラザ合意後の急激な「円高」も、当時の社会を語る上で欠かせないキーワードです。これらの言葉や出来事からは、日本が新しい時代へと移り変わっていく、そんな活気と少しの不安が入り混じった1985年の空気を感じ取ることができますね。
8. まとめ
1985年という一年を彩った数々の輝きは、今も私たちの心に鮮やかな記憶として息づいていますね。音楽、映画、そして日々の暮らしの中に生まれた新しい波は、現代にも通じる確かな足跡を残しました。この記事が、あの頃の懐かしい情景を呼び覚まし、あなたの毎日にそっと温もりを添えるひとときとなれば幸いです。きっと、当時の流行には、今を生きる私たちへのヒントも隠されているのかもしれません。
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