1990年のヒット・流行大全!曲、映画、ドラマ、アニメ、漫画、商品、出来事一覧

1990年という、どこか華やかでエネルギッシュだった時代。あの頃に心を動かされたヒット曲や映画、夢中になったドラマやアニメ、そして暮らしを彩った品々を覚えていますか?この記事では、そんな1990年のヒットを様々な角度から丁寧に紐解きます。懐かしい記憶と共に、当時の空気感や人々の想いに触れ、あなたの心にそっと温かな灯をともせたら幸いです。

目次

1. 1990年 ヒット曲 あの名曲をもう一度

1990年、それは新しい時代の幕開けを感じさせるとともに、どこか浮き足立つような華やかな空気に満ちていた時代でした。音楽の世界も例外ではなく、たくさんの名曲たちが生まれ、私たちの日常を彩ってくれましたね。CDが音楽メディアの主役となり、ミリオンセラーという言葉も頻繁に聞かれるようになったこの年。あなたにとって、1990年の思い出の曲はどんな曲でしょうか。ここでは、あの頃のきらめきをぎゅっと詰め込んだヒット曲の数々を、当時の記憶とともにお届けします。

1.1 1990年 オリコン年間シングルランキングとヒットの背景

1990年の音楽シーンを語る上で欠かせないのが、オリコン年間シングルランキングです。この年のランキング上位には、今も歌い継がれる名曲がずらりと並んでいます。どのような曲がヒットし、その背景には何があったのでしょうか。当時の代表的なヒット曲をいくつか見てみましょう。

順位曲名アーティスト名備考
1位おどるポンポコリンB.B.クィーンズアニメ「ちびまる子ちゃん」主題歌
2位浪漫飛行米米CLUBJAL沖縄旅行’90 CMソング
3位今すぐKiss MeLINDBERGドラマ「世界で一番君が好き!」主題歌
4位さよなら人類たまTBS系「三宅裕司のいかすバンド天国」出身
5位OH YEAH!プリンセス プリンセスアルバム「LOVERS」先行シングル

この年のヒット曲の大きな特徴は、テレビ番組との強力なタイアップでした。特にアニメやドラマの主題歌、CMソングから多くのヒットが生まれました。「おどるポンポコリン」は、国民的アニメ「ちびまる子ちゃん」の主題歌として、子どもから大人まで幅広い層に愛され、社会現象とも言える大ヒットを記録しましたね。また、LINDBERGの「今すぐKiss Me」は、トレンディドラマの主題歌として、その年の若者たちの心を掴みました。

そして、バンドブームの継続もこの年の音楽シーンを語る上で重要です。米米CLUBやLINDBERG、プリンセス プリンセスといったバンドがチャート上位を賑わせ、個性豊かなサウンドで多くのファンを魅了しました。テレビのオーディション番組「三宅裕司のいかすバンド天国」(通称「イカ天」)からも、たまの「さよなら人類」のようなユニークなヒット曲が生まれ、音楽シーンに多様性をもたらしました。

CDプレイヤーの普及が進み、CDシングルの売上が大きく伸びたことも、この時代の音楽市場を象徴しています。気軽に音楽を楽しめる環境が整い、多くの人々が新しい音楽との出会いを楽しんでいたのです。

1.2 1990年 カラオケで愛されたヒットソング

1990年頃は、カラオケボックスが急速に普及し、友人や同僚と集まって歌を楽しむ機会が増えた時代でもありました。そんなカラオケシーンでも、数々のヒット曲が愛唱されました。みんなで盛り上がれる曲から、しっとりと歌い上げるバラードまで、当時のカラオケ定番ソングをいくつかご紹介しましょう。

やはり「おどるポンポコリン」(B.B.クィーンズ)は外せません。誰もが知っている親しみやすいメロディと歌詞で、宴会やパーティーの場を盛り上げる定番曲でした。子どもも大人も一緒に歌って踊れる、そんな楽しさがありましたね。

米米CLUBの「浪漫飛行」も、高揚感あふれるサウンドとスケールの大きな歌詞で、カラオケで歌うと気分がスカッとする一曲でした。仲間たちと肩を組んで熱唱した思い出がある方もいらっしゃるのではないでしょうか。

LINDBERGの「今すぐKiss Me」は、ストレートな歌詞とキャッチーなメロディが女性を中心に人気を集め、カラオケでもよく歌われました。元気いっぱいに歌うことで、ストレスも吹き飛ぶような爽快感がありましたね。

そして、少し遅れて年末から翌年にかけて大ヒットしたKANさんの「愛は勝つ」も、力強いメッセージと美しいメロディで多くの人の心を打ち、カラオケの定番ソングとなりました。卒業式や送別会など、人生の節目で歌われることも多かったのではないでしょうか。

また、しっとりとしたバラードでは、徳永英明さんの「壊れかけのRadio」が人気でした。切ない歌詞と美しい歌声が心に染み渡り、じっくりと歌の世界に浸りたいときに選ばれることが多かったようです。

1.3 1990年 時代を象徴するその他のヒット曲

オリコンランキング上位やカラオケの定番以外にも、1990年という時代を象徴するような、個性豊かなヒット曲がたくさん生まれました。ここでは、そんな記憶に残る楽曲たちをいくつかご紹介します。

「イカ天」出身バンドとして鮮烈なデビューを飾った、たまの「さよなら人類」。独特の歌詞の世界観とアコースティックなサウンド、そして何よりもその風貌は、当時の音楽シーンに大きな衝撃を与えました。一度聴いたら忘れられない、強烈なインパクトがありましたね。

JITTERIN’JINN(ジッタリン・ジン)の「プレゼント」や「にちようび」も、キュートでポップなメロディと、ちょっぴり切ない女の子の気持ちを歌った歌詞で人気を集めました。彼女たちのファッションや世界観に憧れた方も多かったのではないでしょうか。

冬の定番ソングとして親しまれたのが、GO-BANG’S(ゴーバンズ)の「あいにきて I・NEED・YOU!」。スキー用品店のCMソングとしてもおなじみで、この曲を聴くと冬のゲレンデを思い出す方もいらっしゃるかもしれません。明るく元気な曲調が、冬のワクワク感を盛り上げてくれました。

THE BLUE HEARTSの「情熱の薔薇」も、この年にリリースされた名曲です。シンプルながらも心に突き刺さるストレートな歌詞とメロディは、多くの若者たちの共感を呼び、今もなお愛され続けています。「なるべく小さな幸せと なるべく小さな不幸せ なるべくいっぱい集めよう」という歌詞に、勇気づけられた方も多いことでしょう。

1.4 1990年 話題となった洋楽ヒット

1990年は、邦楽だけでなく洋楽も豊作の年でした。日本でも多くの洋楽ヒットが生まれ、ラジオや街中で耳にする機会も多かったのではないでしょうか。当時の日本の音楽シーンにも影響を与えた、話題の洋楽ヒットをいくつかご紹介します。

マドンナの「ヴォーグ (Vogue)」は、洗練されたサウンドと、ヴォーギングという新しいダンススタイルで世界中を席巻しました。ミュージックビデオも非常にスタイリッシュで、当時のファッションやカルチャーシーンに大きな影響を与えましたね。

MCハマーの「U Can’t Touch This」も、一度聴いたら忘れられないキャッチーなフレーズと、「ハマーダンス」と呼ばれる独特のダンスで大ヒット。日本でもバラエティ番組などでよく取り上げられ、お茶の間にも浸透しました。

シネイド・オコナーの「愛の哀しみ (Nothing Compares 2 U)」は、魂を揺さぶるような力強い歌声と、感情豊かな表現で世界的なヒットとなりました。プリンスが書いたこの曲を、彼女ならではの世界観で歌い上げ、多くの人々の心を捉えました。

映画『プリティ・ウーマン』の挿入歌として大ヒットしたのが、ロクセットの「イット・マスト・ハヴ・ビーン・ラヴ (It Must Have Been Love)」。映画のロマンティックな雰囲気にぴったりの美しいバラードで、映画と共に多くの人々の記憶に残っています。

フィル・コリンズの「アナザー・デイ・イン・パラダイス (Another Day in Paradise)」は、ホームレス問題という社会的なテーマを扱いながらも、美しいメロディで聴かせる名曲です。グラミー賞を受賞するなど、音楽的にも高く評価されました。

これらの洋楽ヒットは、当時の日本の若者たちにとって、海外の音楽や文化に触れる窓口のような役割も果たしていたのかもしれませんね。

2. 1990年 ヒット映画 スクリーンを彩った名作たち

1990年、映画館の大きなスクリーンは、私たちに夢や感動、そして時にはハラハラドキドキするような刺激を与えてくれましたね。あの頃、映画館に足を運んだ方も、ご家庭のテレビで週末の映画劇場を楽しみにしていた方もいらっしゃるのではないでしょうか。ここでは、1990年に日本国内や世界で大きな話題を呼んだ映画、そして映画賞に輝いた名作たちを、当時の思い出とともに振り返ってみましょう。あなたの心に残る一本も、きっと見つかるはずです。

2.1 1990年 日本国内興行収入ランキングと話題作

1990年の日本では、どのような映画が多くの人々の心をつかんだのでしょうか。当時の映画界では、現在主流の「興行収入」ではなく、「配給収入」(映画館の興行収入から映画館の取り分を引いた、配給会社に入る収入)でランキングが発表されることが一般的でした。ここでは、その配給収入に基づいた情報と共に、特に話題となった作品をいくつかご紹介します。壮大なスケールの歴史大作から、心温まるアニメーション、そして手に汗握るアクションまで、多彩なジャンルの映画が映画館を賑わせましたね。

2.1.1 1990年 日本国内配給収入ランキング(主な作品)

種別・順位作品名配給収入(当時の発表)ジャンル・備考
邦画1位天と地と50億5000万円歴史スペクタクル。角川春樹事務所が製作費50億円(当時)を投じた超大作で、豪華キャストと新潟県での大規模ロケによる壮大な合戦シーンが圧巻でした。
洋画1位バック・トゥ・ザ・フューチャー PART347億5000万円SFアドベンチャー。大人気シリーズの完結編として、多くのファンが劇場に駆けつけ、マーティとドクの最後の冒険を見届けました。
洋画2位ダイ・ハード232億円アクション。ブルース・ウィリス演じるジョン・マクレーン刑事が、またしても絶体絶命の危機を乗り越える姿に、手に汗握る展開でした。
邦画2位ドラえもん のび太とアニマル惑星(プラネット)19億円アニメ。毎年春休みの定番として、子どもたちに大人気のシリーズ。環境問題をテーマにしたメッセージ性も込められていました。
洋画3位ゴースト/ニューヨークの幻28億円ロマンス・ファンタジー。デミ・ムーアとパトリック・スウェイジが演じる切ない愛の物語と、主題歌「アンチェインド・メロディ」が世界中で大ヒットし、日本でも多くの女性の涙を誘いましたね。

この他にも、桑田佳祐さんが初めて監督を務め、音楽も担当した『稲村ジェーン』は、夏の湘南を舞台にした青春群像劇で、その年の夏を象徴する作品として大きな話題を呼びました。また、世界のクロサワこと黒澤明監督の『夢』は、8つの夢をオムニバス形式で描いた幻想的で美しい映像世界が、国内外で高い評価を受けました。

ランキングの出典参考: 一般社団法人日本映画製作者連盟 統計(「過去データ」をご参照ください)

2.2 1990年 世界でヒットした洋画

1990年は、日本だけでなく世界でも数々の名作、話題作が誕生しました。国境を越えて多くの人々に愛された洋画は、私たちに新しい文化や価値観、そして大きな感動を届けてくれましたね。ここでは、1990年に世界的な大ヒットを記録した作品をいくつかご紹介します。日本でも公開され、映画館やレンタルビデオで楽しまれた方も多いのではないでしょうか。

  • 『ゴースト/ニューヨークの幻』(Ghost) 日本でも大ヒットしましたが、全世界でもこの年の興行収入トップクラスを記録。デミ・ムーアとパトリック・スウェイジがろくろを回すロマンティックなシーンは、映画史に残る名場面として語り継がれています。ウーピー・ゴールドバーグのコミカルな演技も光りました。
  • 『ホーム・アローン』(Home Alone) クリスマスの家族旅行で一人だけ家に置き去りにされてしまった8歳の少年ケビンが、留守宅を狙う泥棒コンビを知恵と勇気で撃退するファミリーコメディ。主演のマコーレー・カルキン君の愛らしい魅力と、子どもらしい奇想天外な仕掛けの数々が世界中で大ウケし、一大ブームを巻き起こしました。日本では翌1991年の公開でしたが、記録的なヒットとなりましたね。
  • 『プリティ・ウーマン』(Pretty Woman) ジュリア・ロバーツを一躍トップスターの座に押し上げた、現代版シンデレラストーリー。リチャード・ギア演じる実業家と、ジュリア・ロバーツ演じるコールガールとの身分違いのロマンティックな恋模様に、多くの女性が胸をときめかせ、ファッションも注目されました。
  • 『ダンス・ウィズ・ウルブズ』(Dances with Wolves) ケビン・コスナーが監督・製作・主演の3役を務めた渾身の西部劇大作。南北戦争後のフロンティアを舞台に、アメリカ先住民(ネイティブ・アメリカン)スー族との交流を通して人間性を見つめ直す主人公の姿を、壮大な映像美と共に描き出し、アカデミー賞作品賞など多くの賞に輝きました。
  • 『トータル・リコール』(Total Recall) アーノルド・シュワルツェネッガー主演のSFアクション大作。「記憶の売買」が現実となった近未来を舞台に、自分が何者なのか分からなくなるスリリングな展開と、ポール・バーホーベン監督ならではの強烈なバイオレンス描写、革新的な特殊効果が観客を魅了しました。原作はフィリップ・K・ディックの小説『追憶売ります』です。

これらの作品は、当時の最先端の映像技術や、心に残るストーリー、そして魅力的な俳優たちの名演によって、世界中の映画ファンを虜にしました。今観ても色褪せない魅力がありますね。

2.3 1990年 映画賞を賑わせた作品

1990年に公開された映画の中には、その芸術性や社会への影響力が高く評価され、国内外の権威ある映画賞を受賞した作品も数多くありました。ここでは、映画界で最も権威のある賞の一つであるアカデミー賞と、日本の映画賞である日本アカデミー賞で、1990年の作品を対象に輝かしい成績を収めた主な作品たちをご紹介します。これらの作品は、映画史に残る傑作として、今もなお語り継がれています。

2.3.1 第63回 アカデミー賞(1991年発表、1990年公開作品対象)

部門受賞作品・受賞者備考
作品賞『ダンス・ウィズ・ウルブズ』ケビン・コスナー監督・主演。西部劇としては久々の作品賞受賞となり、監督賞など主要7部門を受賞しました。
監督賞ケビン・コスナー『ダンス・ウィズ・ウルブズ』
主演男優賞ジェレミー・アイアンズ『運命の逆転』。実在の事件を基にした法廷ドラマで、疑惑の大富豪を見事に演じました。
主演女優賞キャシー・ベイツ『ミザリー』。スティーヴン・キング原作のサイコスリラーで、作家を監禁する狂信的なファンを鬼気迫る演技で見せ、強烈な印象を残しました。
助演女優賞ウーピー・ゴールドバーグ『ゴースト/ニューヨークの幻』。インチキ霊媒師オダ・メイ・ブラウン役のコミカルで人間味あふれる演技が絶賛されました。

2.3.2 第14回 日本アカデミー賞(1991年発表、1990年公開作品対象)

部門受賞作品・受賞者備考
最優秀作品賞『少年時代』篠田正浩監督。藤子不二雄Ⓐさんの自伝的漫画を原作に、戦時下の富山に疎開した少年たちの友情や淡い恋心をノスタルジックに描きました。井上陽水さんの主題歌も心に残りますね。
最優秀監督賞篠田正浩『少年時代』
最優秀脚本賞山田太一『少年時代』
最優秀主演男優賞三國連太郎『釣りバカ日誌2』『利休』での演技が評価されました。幅広い役柄をこなす名優の受賞でした。
最優秀主演女優賞松坂慶子『死の棘』。夫の不倫とそれによって精神を病んでいく妻の壮絶な姿を、小栗康平監督のもとで見事に演じきりました。

これらの映画賞を受賞した作品は、単にエンターテイメントとして楽しむだけでなく、その時代を映し出す鏡として、また後世に語り継がれるべき芸術作品としての価値も高く評価されています。もし未見の作品があれば、この機会にご覧になってみてはいかがでしょうか。きっと新たな発見や感動があるはずです。

3. 1990年 ヒットドラマ 記憶に残る名シーン

1990年、テレビがお茶の間の中心だった時代。ブラウン管の前には家族が集い、数々のドラマに一喜一憂したものです。心ときめくラブストーリーから、手に汗握る人間ドラマ、そしてスカッとする時代劇まで、多彩な作品が私たちの日常を彩ってくれました。今も語り草となる名作や、ふとした瞬間に思い出すあの名シーン…。ここでは、そんな1990年のヒットドラマを振り返り、記憶に残る名場面を辿ってみましょう。あなたのお気に入りの作品もきっと見つかるはずです。

3.1 1990年 高視聴率を記録した人気ドラマ

当時は今よりもテレビの影響力が大きく、高視聴率を記録したドラマは多くの人々の話題の中心となりました。学校や職場で、昨日のドラマの話題で盛り上がった経験をお持ちの方も多いのではないでしょうか。ここでは、特に高い人気を集めたドラマをご紹介します。

ドラマ名主な出演者概要・当時の話題
渡る世間は鬼ばかり (第1シリーズ)泉ピン子、赤木春恵、長山藍子、中田喜子、野村真美、藤田朋子、橋田壽賀子(脚本) ほか1990年10月から放送が開始された、橋田壽賀子ファミリーの代表作ですね。岡倉家の五人姉妹それぞれの結婚や家庭生活を中心に、嫁姑問題など、身近なテーマで多くの共感を呼びました。長きにわたり愛される国民的ホームドラマの原点です。
HOTEL (第1シリーズ)高嶋政伸、松方弘樹、紺野美沙子、丹波哲郎 ほか1990年1月から放送。一流ホテル「プラトン」を舞台に、ホテルマンたちの人間模様やプロフェッショナルな仕事ぶりを描きました。高嶋政伸さん演じる赤川一平の成長物語と、松方弘樹さん演じる東堂マネージャーの「姉さん、事件です」のナレーションはあまりにも有名ですね。
連続テレビ小説 凛凛と田中実、荻野目洋子、川谷拓三、樹木希林 ほか1990年4月から放送されたNHKの朝ドラです。日本初のテレビジョン開発に情熱を燃やした若者たちの姿を描き、多くの視聴者に勇気と感動を与えました。主演の田中実さんの爽やかな演技も印象的でした。

これらのドラマは、その高い視聴率が示す通り、多くの人々の心に深く刻まれ、今もなお語り継がれる名作として輝き続けています。

3.2 1990年 社会現象にもなったトレンディドラマ

1980年代後半から続くトレンディドラマのブームは、1990年に入っても健在でした。都会的でおしゃれな男女の恋愛模様を描いた作品は、当時の若い世代を中心に熱狂的に支持され、登場人物のファッションやライフスタイルが流行するなど、社会現象とも言えるほどの大きな影響力を持っていたのです。皆さんも、お気に入りの俳優さんの髪型を真似したり、ドラマのロケ地を訪ねたりした思い出があるかもしれませんね。

ドラマ名主な出演者概要・当時の話題
すてきな片想い中山美穂、柳葉敏郎、相原勇、和久井映見 ほかフジテレビ月曜9時枠、いわゆる「月9」で放送され、中山美穂さん演じる主人公の切ない恋心が多くの女性の共感を呼びました。柳葉敏郎さんとのコミカルながらもキュンとするやり取りや、中山美穂さんが歌う主題歌「愛してるっていわない!」も大ヒットしましたね。
世界で一番君が好き! You are my favorite in the world浅野温子、三上博史、工藤静香、布施博 ほかこちらもフジテレビ系のドラマで、浅野温子さんと三上博史さんのW主演が話題となりました。個性的なキャラクターたちが織りなすラブコメディで、その斬新な展開とスタイリッシュな映像が人気を集めました。
クリスマス・イブ仙道敦子、吉田栄作、清水美砂、松下由樹 ほかTBS系で放送された、クリスマスの時期を舞台にした恋愛ドラマです。吉田栄作さんの人気が沸騰し、清水美砂さんや松下由樹さんといった若手女優も注目を集めました。辛島美登里さんが歌う主題歌「サイレント・イヴ」もドラマを盛り上げ、クリスマスの定番ソングとなりました。

これらのトレンディドラマは、当時の若者たちの憧れや夢を映し出し、時代を象徴するカルチャーとして、今も鮮やかに記憶されています。

3.3 1990年 時代劇やシリーズもののヒットドラマ

華やかなトレンディドラマが注目を集める一方で、長年親しまれてきた時代劇や、安定した人気を誇るシリーズもののドラマも、1990年のテレビシーンをしっかりと支えていました。お茶の間で家族揃って楽しむことができる作品が多く、勧善懲悪のストーリーや、お馴染みのヒーローの活躍は、私たちに安心感と爽快感を与えてくれましたね。

ドラマ名主な出演者概要・当時の話題
翔ぶが如く (NHK大河ドラマ)西田敏行、鹿賀丈史、緒形拳、富司純子 ほか西郷隆盛と大久保利通の友情と対立を軸に、幕末から明治維新の激動の時代を描いた重厚な作品です。西田敏行さん演じる人間味あふれる西郷隆盛と、鹿賀丈史さん演じるクールな大久保利通の対比が見事でした。司馬遼太郎さんの原作も人気でしたね。
鬼平犯科帳 (第2シリーズ)中村吉右衛門、多岐川裕美、高橋悦史、尾美としのり ほか池波正太郎原作の人気時代劇シリーズ。中村吉右衛門さん演じる火付盗賊改方長官・長谷川平蔵の人間味あふれる活躍と、江戸の粋や人情を描き、多くのファンを魅了しました。食通としても知られる平蔵の食事シーンも楽しみの一つでした。
水戸黄門 (第19部)西村晃、あおい輝彦、伊吹吾郎、由美かおる ほか言わずと知れた国民的時代劇。西村晃さんが二代目水戸光圀公を演じられたシリーズです。お馴染みの「この紋所が目に入らぬか!」の決めゼリフと、諸国漫遊の旅で悪を懲らしめる痛快なストーリーは、いつの時代も私たちを楽しませてくれます。
名奉行 遠山の金さん (第3シリーズ)松方弘樹、若林豪、坂口良子 ほか松方弘樹さん演じる遊び人の金さんが、いざという時には桜吹雪の刺青を見せて悪を裁く、痛快時代劇です。お白州での「この桜吹雪、見忘れたとは言わせねぇぜ!」の啖呵は、胸がすく思いでしたね。

これらの時代劇やシリーズものは、日本の伝統的な価値観や様式美を伝えつつ、エンターテインメントとしても高い完成度を誇り、幅広い世代に愛され続けました。懐かしい顔ぶれと安定感のある物語は、今見返しても心が落ち着くのではないでしょうか。

4. 1990年 ヒットアニメ 子供たちのヒーロー&ヒロイン

1990年は、今も語り継がれる数々のアニメ作品が誕生し、私たちに夢や感動を与えてくれた年でした。テレビの前で、あるいは映画館の大きなスクリーンで、心躍らせた方も多いのではないでしょうか。ここでは、そんな1990年に子供たちの心を掴んだヒットアニメを、テレビシリーズ、劇場映画、そして記憶に残るアニメソングとともに振り返ってみましょう。あの頃のワクワクした気持ちが蘇ってくるかもしれませんね。

4.1 1990年 テレビで人気を博したアニメシリーズ

1990年のテレビ画面は、個性豊かなキャラクターたちが大活躍するアニメでいっぱいでした。家族みんなで楽しんだり、友達との話題の中心になったりした作品も多かったことでしょう。特に印象深いのは、国民的アニメとしての地位を確立した『ちびまる子ちゃん』の放送開始です。さくらももこさんの描く日常とユーモアは、子供から大人まで幅広い層に愛されました。また、前年から引き続き『ドラゴンボールZ』はその人気がさらに加速し、子供たちの間で「かめはめ波」を真似するのが大流行しましたね。その他にも、魅力的な作品がたくさんありました。

作品名放送開始年当時の思い出
ちびまる子ちゃん(第1期)1990年日曜日の夕食時、家族みんなで見たという方も多いのではないでしょうか。まるちゃんの日常に共感したり、クスッと笑ったり。エンディングテーマ「おどるポンポコリン」は社会現象にもなりました。
ドラゴンボールZ1989年(1990年も継続)悟空たちの熱いバトルに胸を躍らせ、友達とキャラクターの強さについて語り合った日々。関連グッズも大人気でしたね。
ふしぎの海のナディア1990年ジュール・ヴェルヌのSF小説を原案とした冒険活劇。謎めいたストーリーと魅力的なキャラクターに引き込まれました。NHKでの放送ということもあり、質の高い作画も話題でした。
勇者エクスカイザー1990年ここから始まった「勇者シリーズ」の第1作。合体ロボットのかっこよさに、男の子たちは夢中になりました。
NG騎士ラムネ&401990年ギャグと熱血が融合した独特の世界観が人気を博しました。個性的なキャラクターとメカデザインも記憶に残ります。

これらのアニメは、当時の子供たちにとって、まさにヒーローやヒロインそのものでした。学校から帰ってテレビの前に座るのが楽しみだった、そんな温かい記憶が蘇りますね。

4.2 1990年 劇場でヒットしたアニメ映画

1990年は、映画館でも素晴らしいアニメ作品が上映され、多くの観客を魅了しました。春休みや夏休みには、家族や友達と映画館へ足を運んだ思い出がある方もいらっしゃるでしょう。特に、国民的アニメの劇場版は安定した人気を誇り、子供たちの期待に応える作品が届けられました。

作品名公開日作品の魅力
ドラえもん のび太とアニマル惑星(プラネット)1990年3月10日環境問題をテーマに取り入れつつ、ドラえもんならではの夢あふれる冒険が描かれました。動物たちが暮らす星でのび太たちが大活躍する姿に、心が温かくなりましたね。
ドラゴンボールZ 地球まるごと超決戦1990年7月7日劇場版ならではの迫力あるバトルシーンと強大な敵キャラクターが登場し、ファンを熱狂させました。悟空の新たな戦いに、手に汗握った方も多いはずです。
ちびまる子ちゃん 大野君と杉山君1990年12月15日テレビシリーズの人気を受けて公開された初の劇場版。まる子たちの友情や日常が丁寧に描かれ、心温まるストーリーが多くの感動を呼びました。

映画館の大きなスクリーンで観るアニメは、テレビとはまた違った迫力と感動がありました。パンフレットや関連グッズを大切に集めたのも、良い思い出ではないでしょうか。

4.3 1990年 アニメソングのヒットと影響

1990年のアニメを語る上で欠かせないのが、心に残るアニメソングの数々です。オープニングやエンディングで流れる曲は、作品の世界観を彩り、私たちの記憶に深く刻まれました。特にこの年は、アニメの枠を超えて大ヒットし、社会現象にまでなった楽曲も登場しました。

曲名歌手アニメ作品当時の反響
おどるポンポコリンB.B.クィーンズちびまる子ちゃんこの曲を知らない人はいない、と言っても過言ではないでしょう。1990年のオリコン年間シングルチャートで第1位を獲得し、子供から大人まで誰もが口ずさみ、踊りました。年末の歌番組でも引っ張りだこでしたね。
CHA-LA HEAD-CHA-LA影山ヒロノブドラゴンボールZアップテンポで元気が出るメロディと前向きな歌詞が、作品の持つエネルギッシュな雰囲気にぴったりでした。カラオケでも定番の人気曲となりました。
夢を信じて徳永英明ドラゴンクエスト(アニメ版)アニメのエンディングテーマとして起用され、徳永英明さんの甘く切ない歌声と美しいメロディが多くの人々の心を打ちました。アニメソングの枠を超えたヒット曲として知られています。
ブルーウォーター森川美穂ふしぎの海のナディア壮大な冒険物語を予感させる、透明感あふれる歌声とメロディが印象的でした。作品の世界観と見事にマッチし、多くのファンに愛されました。

これらのアニメソングは、カセットテープやCDで何度も聴いたり、友達と一緒に歌ったりした楽しい記憶と結びついているのではないでしょうか。アニメソングが音楽チャートの上位にランクインすることも珍しくなくなり、アニメ文化の広がりを感じさせた時代でした。

5. 1990年 ヒット漫画 ページをめくる手が止まらない

1990年という年は、漫画の世界でも数々の名作が生まれ、私たちの日常に彩りを与えてくれた時代でした。毎週の発売日が待ち遠しく、ページをめくる手が止まらなかった、そんな記憶をお持ちの方も多いのではないでしょうか。ここでは、あの頃の熱気とともに、1990年に特に輝きを放ったヒット漫画を振り返ってみましょう。

5.1 1990年 週刊少年誌のヒット漫画

少年たちの心を鷲掴みにした作品が、この年も数多く誕生しました。友情、努力、勝利といった王道のテーマから、新しい風を吹き込む斬新な設定の物語まで、まさに百花繚乱。「週刊少年ジャンプ」を筆頭に、各誌が競い合うように名作を生み出し、社会現象とも言えるほどのブームを巻き起こした作品も少なくありません。当時の熱狂を思い出しながら、代表的な作品を見ていきましょう。

作品名作者掲載誌1990年頃の状況・特徴
DRAGON BALL(ドラゴンボール)鳥山明週刊少年ジャンプフリーザ編がクライマックスを迎え、国民的な人気を不動のものにしていました。アニメも高視聴率を記録し続けていましたね。
SLAM DUNK(スラムダンク)井上雄彦週刊少年ジャンプ1990年に連載が開始され、瞬く間に大人気に。バスケットボールブームの火付け役となり、多くの若者が影響を受けました。
幽☆遊☆白書冨樫義博週刊少年ジャンプこちらも1990年に連載開始。魅力的なキャラクターと独特な世界観で、読者を惹きつけました。
DRAGON QUEST -ダイの大冒険-原作:三条陸、漫画:稲田浩司、監修:堀井雄二週刊少年ジャンプ大人気ゲーム「ドラゴンクエスト」の世界観を基にした冒険譚。勇気と友情の物語は、多くの子供たちの心を掴みました。
花の慶次 -雲のかなたに-原作:隆慶一郎、漫画:原哲夫、脚本:麻生未央週刊少年ジャンプ1990年に連載開始。戦国時代を舞台にした豪快な生き様が描かれ、大人の読者からも支持を集めました。
まじかる☆タルるートくん江川達也週刊少年ジャンプ1990年にテレビアニメ化され、「たるる~」の呪文とともに人気が爆発。子供たちの間で大流行しました。
ろくでなしBLUES森田まさのり週刊少年ジャンプ不良少年たちの熱い友情とケンカを描き、リアルな描写で共感を呼んだ作品です。
はじめの一歩森川ジョージ週刊少年マガジン1989年末に連載開始。いじめられっ子だった主人公がボクシングを通して成長していく姿は、多くの読者に勇気を与えました
カメレオン加瀬あつし週刊少年マガジン1990年に連載開始。ハッタリと運だけで成り上がっていく主人公の痛快な物語が人気でした。
うしおととら藤田和日郎週刊少年サンデー1990年に連載開始。妖怪との壮大な戦いを描いた伝奇ロマンで、熱いドラマが多くのファンを生みました。
らんま1/2高橋留美子週刊少年サンデー男女に変身してしまう特異体質の主人公と、個性豊かなキャラクターたちが織りなすドタバタラブコメディ。アニメと共に世界的な人気を博しました。

5.2 1990年 少女漫画・女性漫画のヒット作

少女たちの心をときめかせ、時には涙させた珠玉の作品たちも忘れてはいけません。恋愛はもちろん、友情、家族、夢といったテーマが、繊細なタッチで描かれました。「りぼん」や「なかよし」、「別冊マーガレット」といった雑誌から、時代を象徴するような作品が次々と登場し、読者の日常に寄り添いました。付録の可愛らしさも、当時の少女たちにとっては大きな楽しみの一つでしたね。

作品名作者掲載誌1990年頃の状況・特徴
ちびまる子ちゃんさくらももこりぼん1990年にテレビアニメが放送開始され、国民的な大ブームに。漫画も引き続き高い人気を誇り、まるちゃんの日常に誰もが共感しました。
姫ちゃんのリボン水沢めぐみりぼん1990年に連載開始。魔法のリボンで変身する少女の物語は、多くの女の子たちの憧れとなりました。
有閑倶楽部(ゆうかんくらぶ)一条ゆかりりぼん超お金持ち高校生6人組が様々な事件を解決していく痛快コメディ。華やかで個性的なキャラクターたちが魅力的でした。
ミラクル☆ガールズ秋元奈美なかよし1990年に連載開始。エスパーの双子の姉妹が主人公という設定が新鮮で、友情や恋模様が描かれました。
BANANA FISH(バナナフィッシュ)吉田秋生別冊少女コミックニューヨークを舞台にしたハードな物語。少女漫画の枠を超えた骨太なストーリーで、多くの読者を魅了し続けました。
あさきゆめみし大和和紀mimi、BE・LOVE源氏物語を漫画化した壮大な歴史ロマン。美しい絵と巧みなストーリーテリングで、古典の世界へと誘いました。
海の闇、月の影篠原千絵ちゃお双子の姉妹と古代からの謎を巡るサスペンスロマン。ミステリアスな展開にハラハラドキドキさせられました。

5.3 1990年 青年漫画その他のヒット作品

青年誌やその他のジャンルでも、社会派ドラマからギャグ、SFまで、多様なテーマの作品が読者を唸らせました。大人の読者がじっくりと楽しめる、深みのある物語や、鋭い視点で社会を切り取った作品も多く、漫画文化の成熟を感じさせました。『モーニング』や『ビッグコミックスピリッツ』といった雑誌からは、後年まで語り継がれる傑作が生まれています。

作品名作者掲載誌1990年頃の状況・特徴
YAWARA!浦沢直樹ビッグコミックスピリッツ1989年にアニメ化され、「ヤワラちゃん」ブームを巻き起こしました。柔道に打ち込む主人公の姿が爽やかでしたね。
美味しんぼ原作:雁屋哲、作画:花咲アキラビッグコミックスピリッツ食をテーマにした先駆け的な作品。究極のメニューと至高のメニューの対決は、食文化にも影響を与えました。
沈黙の艦隊かわぐちかいじモーニング原子力潜水艦「やまと」を巡る壮大なポリティカル・フィクション。緊迫感あふれる展開と深いテーマ性で社会現象にもなりました。
課長 島耕作弘兼憲史モーニング大手電機メーカーに勤めるサラリーマン島耕作のリアルな日常と成長を描き、多くのビジネスパーソンの共感を得ました。
クッキングパパうえやまとちモーニング料理上手なサラリーマン荒岩一味と家族の心温まる日常を描いた作品。作中に登場するレシピも人気でした。
静かなるドン新田たつお週刊漫画サンデー昼は下着会社のデザイナー、夜は暴力団総長という二つの顔を持つ主人公の物語。コメディとシリアスが絶妙に融合していました。
AKIRA(アキラ)大友克洋週刊ヤングマガジン1988年の劇場アニメで世界的な評価を得ていましたが、原作漫画は1990年に完結。その緻密な描写と壮大なスケールは圧巻でした。
寄生獣岩明均モーニングオープン増刊→月刊アフタヌーン謎の寄生生物「パラサイト」と共生することになった高校生の物語。生命とは何かを問う深いテーマ性が話題を呼びました。

これらの作品は、1990年という時代を鮮やかに映し出し、私たちの心に深く刻まれました。今読み返してみても、色褪せない魅力と新たな発見があるかもしれませんね。

6. 1990年 ヒット商品 生活を豊かにしたアイテム

1990年(平成2年)は、バブル経済の華やかさがまだ残る一方で、新しい技術やライフスタイルが芽吹き始めた時代でした。私たちの暮らしを豊かに、そして便利にしてくれた数々のヒット商品が生まれ、日々の生活に彩りを与えてくれましたね。ここでは、当時を思い出しながら、家電、食品・飲料、ファッション・雑貨、そして子供たちが夢中になったゲーム・おもちゃのヒット商品をご紹介します。

6.1 1990年 家電製品のヒット商品

1990年の家電業界は、技術の進化が目覚ましく、より高機能で便利な製品が次々と登場しました。一家に一台から一人一台へとパーソナル化が進んだものや、新しい放送サービスの開始で私たちの情報生活も大きく変わりました。あの頃、憧れだった家電や、毎日使っていた懐かしい製品を振り返ってみましょう。

製品カテゴリ代表的な特徴やヒット要因具体的な商品例(メーカーなど)
BSチューナー内蔵テレビ衛星放送の開始に伴い、よりクリアな映像と多彩なチャンネルを楽しめるテレビとして注目されました。大画面化への期待も高まりましたね。各社から多数登場
高機能ビデオデッキレンタルビデオの全盛期でもあり、S-VHSなどの高画質録画や長時間録画、簡単操作が可能なモデルが人気でした。週末は家族で映画鑑賞、なんてご家庭も多かったのではないでしょうか。各社から多数登場
CDラジカセCDの高音質を手軽に楽しめるだけでなく、ダブルカセットや多機能リモコンを備えた機種も登場し、音楽ライフを豊かにしてくれました。「バブルラジカセ」と呼ばれる大型・高機能なものもありました。ソニー、パナソニック(当時 松下電器)など
ワープロ専用機手書きが主流だった文書作成を効率化し、美しい活字で手紙や報告書が作成できると、ビジネスシーンだけでなく家庭にも普及が進みました。シャープ「書院」、富士通「OASYS」、NEC「文豪」など
コードレス電話機家の中を移動しながら通話できる自由さが受け、一家に一台の必需品となりました。子機が増やせるタイプも人気でしたね。各社から多数登場

これらの家電製品は、私たちの生活をより便利で快適なものへと導いてくれました。新しい製品が出るたびに、ワクワクした気持ちになったことを思い出しますね。

6.2 1990年 食品・飲料のヒット商品

1990年の食卓は、グルメブームの影響を受け、新しい味やおしゃれな食べ物への関心が高まりました。また、健康志向の芽生えも見られ、体に良いとされる商品も注目を集めました。当時の流行を思い出しながら、あの味をもう一度、味わってみませんか。

商品名 / カテゴリ特徴・ヒットの背景メーカー / ブランド例
ティラミス「イタめし」ブームを象徴するイタリアンスイーツとして、瞬く間に大流行しました。レストランやカフェだけでなく、ご家庭で手作りする方もいらっしゃいましたね。(洋菓子店、レストラン各店)
高級アイスクリーム「自分へのちょっとした贅沢」として定着し、濃厚な味わいやこだわりの素材を使った商品が人気を集めました。ハーゲンダッツなど
ファイブミニ「おなかの調子を整える」食物繊維を手軽に摂れる飲料として、健康を気遣う女性を中心に支持されました。大塚製薬
お~いお茶1989年に缶入りが、1990年にはペットボトル入りが登場し、いつでもどこでも本格的な緑茶が楽しめると、緑茶飲料市場を大きく拡大させました。伊藤園
ポカリスエット イオンウォーター従来のスポーツドリンクよりも甘さ控えめで後味がスッキリしていると、日常の水分補給飲料としても人気を博しました。1990年に発売されました。大塚製薬

当時のヒット食品や飲料は、私たちの食生活に新しい風を吹き込み、日々の楽しみに繋がっていました。友人との会話のきっかけにもなりましたね。SMBCコンサルティング株式会社様のウェブサイトでも、当時のヒット商品が紹介されていますので、ご興味のある方はご覧になってみてください。(1990年のヒット商品番付 – SMBCコンサルティング

6.3 1990年 ファッション・雑貨のヒット商品

1990年のファッションは、バブル期の華やかさを引き継ぎつつも、より自分らしいスタイルを求める動きが見られました。また、生活を彩るユニークな雑貨も人気を集め、毎日の暮らしにちょっとした楽しみを与えてくれました。あの頃のおしゃれや、お気に入りのアイテムを思い出してみましょう。

アイテム / スタイル特徴・ヒットの背景ブランド / 商品例
渋カジ(渋谷カジュアル)渋谷の若者たちから生まれた、アメリカンカジュアルをベースにしたファッションスタイル。ラルフローレンのシャツやリーバイスのジーンズなどが定番でした。(特定のブランドではなくスタイル)
DCブランドデザイナーズ&キャラクターズブランドの略で、個性的なデザインが特徴。80年代から続くブームで、自分らしさを表現するアイテムとして人気でした。コム・デ・ギャルソン、Y’s(ワイズ)、ピンクハウスなど
使い捨てカメラ(レンズ付きフィルム)フィルムの装填やピント合わせが不要で、誰でも手軽に写真撮影を楽しめると大ヒット。旅行やイベントの必需品でしたね。「写ルンです」はその代表格です。富士フイルム「写ルンです」、コニカ(当時)「撮りっきりコニカ」など
キャラクターグッズ「ちびまる子ちゃん」など、人気アニメや漫画のキャラクター商品が、子供だけでなく大人にも愛されました。文房具や雑貨など、様々なアイテムがありました。ちびまる子ちゃんグッズなど

ファッションや雑貨は、その時代の空気感を色濃く反映していますね。お気に入りの服を着て出かけたり、好きなキャラクターのグッズを集めたりした楽しい記憶が蘇ります。

6.4 1990年 ゲーム・おもちゃのヒット商品

1990年は、家庭用ゲーム機の世界に大きな変革が訪れた年でした。新しいゲーム機の登場は社会現象となり、子供たちはもちろん、大人も夢中にさせました。おもちゃもまた、子供たちの創造力を刺激し、楽しい時間を提供してくれました。あの頃、胸を躍らせたゲームやおもちゃを振り返ってみましょう。

商品名 / カテゴリ特徴・ヒットの背景メーカー / ブランド
スーパーファミコン1990年11月に任天堂から発売されたファミリーコンピュータの後継機美しいグラフィックと豊かなサウンドで、ゲームの表現力が格段に向上し、発売日には販売店に長蛇の列ができました。任天堂
ゲームボーイ1989年に発売されましたが、1990年も引き続き大ヒット。どこにでも持ち運んで遊べる手軽さで、子供たちのコミュニケーションツールとしても重要な役割を果たしました。任天堂
『スーパーマリオワールド』スーパーファミコンと同時発売された、大人気「スーパーマリオ」シリーズの最新作。ヨッシーの登場や多彩なアクションで、多くのプレイヤーを魅了しました。任天堂
『ファイナルファンタジーIII』1990年4月にスクウェア(当時)から発売されたファミリーコンピュータ用ロールプレイングゲーム感動的なストーリーと戦略性の高いジョブチェンジシステムで、社会現象ともいえる大ヒットを記録しました。スクウェア(当時)

スーパーファミコンの登場は、まさにゲームの新しい時代の幕開けでしたね。友達の家で集まって遊んだり、お小遣いを貯めて欲しかったソフトを買ったりした思い出は、今も色褪せません。

7. 1990年 世間を賑わせた出来事と流行語

1990年(平成2年)は、バブル経済の華やかさの中にありながらも、その後の変化を予感させるような出来事が国内外で起こった年でした。人々の生活や価値観に影響を与えた出来事や、当時の世相を映し出す流行語を振り返ってみましょう。あの頃の空気感を思い出しながら、懐かしい時代に少しだけタイムスリップしてみませんか。

7.1 1990年 国内の主要な出来事

国内では、皇室の慶事や国際的なイベントが開催され、華やかなムードに包まれる一方で、経済の先行きには少しずつ影が差し始めた時期でもありました。私たちの暮らしにも関わる大きな変化がいくつも起こった年です。

即位の礼(11月12日)
天皇陛下(現:上皇陛下)の即位を国の内外に宣明する「即位礼正殿の儀」が執り行われ、日本中が祝賀ムードに包まれました。古式ゆかしい儀式はテレビでも中継され、多くの国民が新たな時代の幕開けを見守ったことでしょう。

国際花と緑の博覧会(花の万博)の開催(4月1日~9月30日)
大阪の鶴見緑地で「花と緑と人間生活のかかわりをとらえ 21世紀へ向けて潤いのある豊かな社会の創造をめざす」をテーマに開催されました。国内外から多くの人々が訪れ、会場は美しい花々と緑で彩られ、未来への夢と希望を感じさせてくれる一大イベントでしたね。

大学入試センター試験の開始(1月13日・14日)
それまでの共通一次試験に代わり、現在の大学入学共通テストの前身である「大学入試センター試験」がこの年から始まりました。受験生にとっては、入試制度の大きな変化に戸惑いもあったかもしれません。

礼宮文仁親王(現:秋篠宮皇嗣殿下)と川嶋紀子さま(現:秋篠宮皇嗣妃殿下)のご成婚(6月29日)
「紀子さまスマイル」が日本中に広がり、お二人のご結婚は「紀子さまブーム」と呼ばれるほどの社会現象となりました。清らかで初々しいお二人の姿は、多くの人々に祝福され、温かい気持ちにさせてくれました。

バブル経済の変調
年初から株価が下落し始め、不動産価格の高騰も続いていましたが、その勢いには陰りが見え始めた年でもあります。多くの人が好景気に沸いていた一方で、経済の先行きに対する不安も少しずつ囁かれ始めていました。

7.2 1990年 海外の主要な出来事

世界に目を向けると、冷戦構造の終焉を象徴するような歴史的な出来事や、新たな国際秩序の形成に向けた動きが活発になった年でした。遠い国の出来事も、私たちの生活や意識に少なからず影響を与えたのではないでしょうか。

東西ドイツ統一(10月3日)
前年のベルリンの壁崩壊を受け、東西に分かれていたドイツが約45年ぶりに統一されました。これは冷戦終結を象徴する出来事であり、世界の歴史における大きな転換点として記憶されています。平和への願いがより一層強まった出来事でしたね。

イラクによるクウェート侵攻と湾岸危機の勃発(8月2日)
イラクが隣国のクウェートに侵攻したことにより、湾岸危機が勃発しました。この出来事は国際社会に大きな衝撃を与え、日本も経済的な影響や国際貢献のあり方について問われることとなりました。

ネルソン・マンデラ氏の釈放(2月11日)
南アフリカ共和国でアパルトヘイト(人種隔離政策)と闘い、27年間もの獄中生活を強いられていたネルソン・マンデラ氏が釈放されました。これはアパルトヘイト撤廃に向けた大きな一歩となり、世界中に感動と希望を与えました。

ハッブル宇宙望遠鏡の打ち上げ(4月24日)
NASA(アメリカ航空宇宙局)によって、ハッブル宇宙望遠鏡が打ち上げられました。宇宙の謎を解き明かすための新たな目が開かれ、その後の天文学の発展に大きく貢献することになります。宇宙へのロマンをかき立てられるニュースでした。

7.3 1990年 新語・流行語大賞と世相

その年を象徴する言葉として注目される「新語・流行語大賞」。1990年はどのような言葉が選ばれ、当時の世相を映し出していたのでしょうか。懐かしい言葉の数々に、あの頃の思い出がよみがえるかもしれませんね。

1990年の「第7回ユーキャン新語・流行語大賞」では、以下のような言葉が選ばれました。

部門受賞語簡単な説明
新語部門・金賞ファジィ「あいまい」を意味し、家電製品などで「ファジー制御」が注目されました。人間の感覚に近い制御を指す言葉として広まりましたね。
流行語部門・金賞ちびまる子ちゃん(現象)さくらももこさんの漫画を原作とするアニメ『ちびまる子ちゃん』が大ヒット。主人公まる子の日常や言葉遣いが人気を博し、社会現象にまでなりました。
大衆賞アッシーくん女性の送り迎えをする男性を指す言葉。バブル期の女性上位の風潮を象徴する言葉の一つとして、よく耳にしました。
表現賞…あげちゃう若い女性の間で流行した言葉遣い。「~してしまう」といった意味合いで使われました。
特別賞人間は考える葦である湾岸危機に際し、当時の土井たか子社会党委員長が国会質疑で引用したパスカルの言葉。国際情勢の緊迫化の中で、平和や人間の尊厳について考えさせられる言葉として注目されました。

このほかにも、1990年頃には、食事をおごってくれる男性を指す「メッシーくん」や、本命ではないけれど関係を維持しておく男性を指す「キープくん」といった言葉も生まれ、当時の男女の付き合い方を反映していました。また、おじさんのような趣味や行動をする若い女性を指す「おやじギャル」という言葉も話題になりましたね。

食文化では、イタリアンデザートの「ティラミス」が大ブームとなり、多くのレストランやカフェで提供され、家庭でも手作りする人が増えました。また、イタリア料理全般を指す「イタ飯(いためし)」という言葉も定着し、おしゃれな食事として人気を集めました。こうした流行語や食文化は、1990年という時代の空気感を色濃く伝えてくれますね。

8. まとめ

1990年という特別な時代が生んだ、きらめくヒットの数々を巡る旅、お楽しみいただけましたでしょうか。音楽、映画、ドラマから、日々の暮らしを彩った商品や社会を動かした出来事まで、当時の息吹を少しでも感じていただけたなら幸いです。この記事が、懐かしい思い出を呼び覚まし、また新たな視点を発見するきっかけとなり、あなたの心に温かな灯をともす一助となれば、これほど嬉しいことはありません。当時の輝きが、今のあなたにもそっと寄り添いますように。

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この記事を書いた人

ハレノヒ編集部は、「わたしらしく、身軽に暮らす」をテーマに、日々の暮らしを前向きに楽しむためのヒントをお届けしています。
美容や健康、趣味、暮らしの工夫など、50代以降の女性を中心に、誰もが自分らしく輝けるような情報をやさしい目線で発信しています。
ちょっと気になる話題や、ふと心に残る言葉も添えて、皆さまの毎日が少し晴れやかになりますように。

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