一富士二鷹三茄子の意味とは?続きや由来、徳川家康との関係まで徹底解説

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新しい年の始まりに、良い夢を見たいと願うのは誰もが同じ気持ちですよね。「一富士二鷹三茄子」は、そんな縁起の良い初夢の代名詞として知られていますが、なぜこの三つが選ばれたのか、その理由をご存知でしょうか。この記事では、「一富士二鷹三茄子」が縁起物とされる由来を、最も有力とされる徳川家康との関係をはじめ、いくつかの説を交えながら丁寧に解説します。また、富士・鷹・茄子それぞれに込められた意味や、あまり知られていない「四扇五煙草六座頭」という続き、さらには「そもそも初夢はいつ見る夢?」という素朴な疑問まで、すっきりと解消します。新年の縁起物にまつわる知識を深め、晴れやかな気持ちで一年をスタートさせるためのヒントをお届けします。

目次

1. 一富士二鷹三茄子とは 縁起の良い初夢の象徴

新しい年が明けると、どこからか聞こえてくる「一富士二鷹三茄子(いちふじにたかさんなすび)」。あなたも一度は耳にしたことがあるのではないでしょうか。これは、初夢に見ると大変縁起が良いとされているものを、良い順番に並べたことわざです。古くは江戸時代から人々の間で語り継がれてきた、幸運を呼び込む吉夢のしるしなのです。

一年の始まりに見る夢だからこそ、素敵な夢であってほしい。そんなふうに願うのは、今も昔も変わりませんよね。このことわざには、新しい一年が素晴らしいものになるようにという、日本人のささやかで温かい祈りが込められています。

1.1 縁起物ベスト3「一富士二鷹三茄子」

では、なぜこの3つが選ばれたのでしょうか。それぞれが持つ意味については後の章で詳しく触れるとして、ここではまず、縁起が良いとされる夢のトップ3をご紹介します。

順位縁起物簡単な意味合い
富士(ふじ)日本一高い山であり、その雄大な姿から「無事」や「不死」を連想させます。
鷹(たか)空高く舞い上がる賢い鳥。「高い」や、獲物を掴む姿から幸運を「掴む」に通じます。
茄子(なすび)事を「成す(なす)」という言葉に掛けられており、物事が成就する象徴とされます。

このように、言葉の響きや、それぞれの持つイメージから幸運につながるものが選ばれています。たとえ夢に見られなくても、この言葉を知っているだけで、なんだか晴れやかな気持ちでお正月を迎えられそうですね。

2. なぜ一富士二鷹三茄子は縁起が良いのか 由来とされる3つの説

「一富士二鷹三茄子」が縁起の良い夢とされるのには、いくつかの素敵な由来があるのですよ。昔の人々がどんな願いを込めていたのか、その背景をのぞいてみると、なんだか心が温かくなります。ここでは、特に有名な3つの説をご紹介しますね。

2.1 徳川家康ゆかりの駿河国の名物だったという説

ひとつめは、江戸幕府を開いた徳川家康にゆかりのある、駿河国(現在の静岡県)の名物を並べたという説です。天下人である家康にあやかりたい、という人々の思いが伝わってきますね。

まず「一富士」は、言わずと知れた日本一の山、富士山のこと。駿河国から見えるその雄大な姿は、まさに国の象徴でした。

次に「二鷹」。家康は趣味として鷹狩りをこよなく愛しており、駿河国でも頻繁に鷹狩りを楽しんでいたそうです。力強く空を舞う鷹は、権威や出世の象徴とも考えられていました。

そして「三茄子」。意外に思われるかもしれませんが、これも駿河国の名産品だったのです。特に、初夏に出回る「折戸なす」という茄子は、当時大変な高級品で、「初物(はつもの)」として珍重されていました。家康もこの茄子を好んで食べたと言われています。天下人である家康が愛したものを順番に並べることで、その幸運にあやかろうとしたのですね。

2.2 富士・鷹・茄子の言葉に掛けた語呂合わせという説

ふたつめは、昔ながらの言葉遊び、縁起の良い言葉を掛けた「語呂合わせ」であるという説です。昔の人々のユーモアあふれる発想が感じられて、とても面白いですよね。それぞれの言葉に、こんな願いが込められているのですよ。

夢の題材掛けられた言葉込められた願い
富士(ふじ)無事(ぶじ)一年を安全に、健やかに過ごせること
鷹(たか)高い(たかい)目標を高く持ち、出世や成功を収めること
茄子(なす)成す(なす)物事を成し遂げ、願いが成就すること

このように並べてみると、「無事に過ごし、高い目標を成し遂げる」という、新しい一年にかける人々の前向きな気持ちが伝わってくるようです。

2.3 それぞれが持つ縁起の良さから来たという説

みっつめは、富士、鷹、茄子というモチーフそのものが持つ縁起の良さを組み合わせたという説です。ひとつひとつに、古くから信じられてきた幸運のしるしが隠されています。

題材縁起が良いとされる理由
富士「不死(ふし)」にも通じることから長寿の象徴とされたり、その末広がりの美しい形から子孫繁栄や商売繁盛の願いが込められています。
鋭い爪で獲物をしっかりと掴む様子から「幸運を掴む」、大空を高く舞う姿から「運気が上昇する」と考えられました。
茄子「事を成す」という成功への願いのほか、花が咲くと必ず実がなる性質から「子孫繁栄」や「努力が実を結ぶ」ことの象徴とされました。

どの説が正しいというわけではなく、これらの様々な意味合いが重なり合って、「一富士二鷹三茄子」は縁起の良い初夢の代名詞として、今日まで親しまれてきたのでしょうね。

3. 一富士二鷹三茄子に隠されたそれぞれの意味

「一富士、二鷹、三茄子」という言葉の響きは、なんだか心地よくて覚えやすいですよね。でも、どうしてこの3つが選ばれたのでしょうか。実は、それぞれに古くからの願いが込められた、奥深い意味があるのです。ここでは、富士・鷹・茄子がそれぞれ象徴する、幸運のメッセージを一つひとつ丁寧に見ていきましょう。新しい一年の始まりに、こんな素敵な意味が込められていると思うと、なんだかワクワクしてきますね。

3.1 富士が意味するもの

まず一番目の「富士」は、言わずと知れた日本一の山、富士山のことです。その雄大で美しい姿には、たくさんの良い意味が重ねられています。

代表的なのは、言葉の響きにかけたもの。富士は「無事」や「不死」を連想させ、一年の安全や長寿を願う気持ちが込められています。また、その堂々たる姿から、大きな目標の達成や社会的な成功を意味する「立身出世」の象徴ともされています。

さらに、富士山の美しい末広がりの形は、子孫や商売が未来に向かって豊かに広がっていく「子孫繁栄」や「商売繁盛」を願うしるし。古くから神様が宿る山として人々の信仰を集めてきたこともあり、夢に現れること自体が大変縁起の良いこととされてきました。

富士が象徴するもの込められた願いや意味
無事・不死一年を安全に過ごせること、健康で長生きできること。
日本一の高さ大きな目標を達成すること、社会的に高い地位につくこと(立身出世)。
末広がりの形家系や商売が未来永劫にわたって栄えること。
神聖な山神様からのご加護や大きな幸運に恵まれること。

3.2 鷹が意味するもの

二番目の「鷹」は、賢く力強い鳥として知られています。大空を悠々と舞う姿や、鋭い爪で獲物を捕らえる様子から、幸運を掴むための様々な意味が見出されてきました。

鷹は「高い」に通じることから、富士山と同じく「高い目標の達成」や「地位が上がること」を象徴します。そして、何よりも特徴的なのが、その鋭い爪で獲物をがっちりと「掴む」姿。これが「幸運を掴む」「チャンスをものにする」という意味に繋がり、夢や目標の実現を後押ししてくれると考えられているのです。

また、大空を自由に飛ぶ様子は、運気が上昇していく「運気上昇」や、より良い未来へ羽ばたく「飛躍」のしるし。力強く賢い鷹の姿は、私たちに成功への希望と勇気を与えてくれるかのようですね。

鷹が象徴するもの込められた願いや意味
高い・貴い目標を高く持つこと、気運が高まること。
幸運を掴むチャンスを逃さず、幸運や成功を自分のものにすること。
大空を飛ぶ姿運気が上がること、大きく飛躍すること、自由になること。

3.3 茄子が意味するもの

そして三番目が、少し意外に思えるかもしれない「茄子(なす)」です。野菜である茄子にも、実は素晴らしい意味が込められているのですよ。

茄子の一番の縁起は、物事を「成す(なす)」という言葉に掛けられていること。何かを成し遂げたい、願いを叶えたいという思いが、この茄子に託されています。また、茄子は花が咲くと、そのほとんどが無駄になることなく実をつけます。この性質から、これまでの努力が実を結ぶことや、子宝に恵まれる「子孫繁栄」の象徴とされてきました。

さらに、昔は茄子がとても高価な野菜だったため、「財産を成す」という意味合いも持っています。金運アップの願いも込められているなんて、なんだか得した気分になりますね。たくさんの実をつける茄子のように、豊かな実りのある一年を過ごせますように、という先人たちの優しい願いが感じられます。

茄子が象徴するもの込められた願いや意味
事を「成す」願い事が叶うこと、目標を成し遂げること。
実がなる性質努力が実を結ぶこと、子宝に恵まれること(子孫繁栄)。
高価な野菜だったこと財産を築くこと、金運に恵まれること。

4. 一富士二鷹三茄子には続きがあった 四扇五煙草六座頭とは

「一富士二鷹三茄子」が、縁起の良い初夢の代名詞であることは、多くの方がご存知ですよね。でも、実はこのことわざには続きがある、と言われているのをご存知でしたか?

その続きとは、「四扇五煙草六座頭(しせんごたばころくざとう)」というものです。なんだかユニークな言葉が並んでいますね。一体それぞれどのような意味が込められているのでしょうか。ここでは、あまり知られていない縁起物の続きを、一つひとつ丁寧に見ていきましょう。

一富士二鷹三茄子ほど有名ではありませんが、こちらも江戸時代から伝わる縁起の良い言葉。知っておくと、お正月の話題がさらに豊かになるかもしれませんよ。

4.1 四扇の意味

「四扇(しせん、または“よんせん”)」の扇は、扇子(せんす)のことを指します。扇子は広げると先端に向かって形が広がっていくことから、「末広がり」として古くから縁起の良いものとされてきました。その形から、子孫や家、商売が未来に向かってますます栄えていく「子孫繁栄」や「商売繁盛」の象徴とされています。お祝いの席で舞に使われたり、贈りものとされたりするのも、こうした縁起の良さからきているのですね。

4.2 五煙草の意味

「五煙草(ごたばこ)」は、今では少し意外に思われるかもしれませんね。煙草の煙がふわりと空高く昇っていく様子から、運気が上昇することの象徴とされています。また、昔はお祝い事やお客様をもてなす席で煙草盆が用意されることが多かったため、人が集まる「商売繁盛」や「客足が絶えない」といった賑わいのしるしとも考えられていました。夢の中で煙が立ち上る光景は、良い知らせが舞い込んでくる前触れかもしれません。

4.3 六座頭の意味

「六座頭(ろくざとう)」は、少し変わった由来を持つ言葉です。「座頭」とは、髪を剃った盲目の僧侶や琵琶法師のことを指します。彼らは髪の毛がないことから、「毛がない(けがない)」と「怪我ない(けがない)」をかけた語呂合わせになっているのです。なんとも面白い発想ですが、ここには「一年を怪我なく安全に過ごせますように」という、家族の無事を願う切実な気持ちが込められています。家内安全を願う、昔の人々のユーモアあふれるおまじないですね。

このように、四以降は語呂合わせや連想からくる縁起物が並んでいます。それぞれの意味を一覧で見てみましょう。

名称意味・由来象徴するもの
四扇(しせん)扇子の「末広がり」の形から子孫繁栄、商売繁盛
五煙草(ごたばこ)煙が空へ昇っていく様子から運気上昇
六座頭(ろくざとう)「毛がない」と「怪我ない」の語呂合わせ家内安全

一富士二鷹三茄子に比べると、少しこじつけのように感じるかもしれませんが、それもまたご愛敬。昔の人々が、新しい一年を健やかで幸せに過ごしたいと願う遊び心から生まれた言葉だと思うと、なんだか微笑ましい気持ちになりますね。

5. そもそも初夢とはいつ見る夢を指すのか

「一富士二鷹三茄子」といえば初夢の代名詞ですが、ではその「初夢」が、いったいいつ見る夢のことかご存じですか?「大晦日の夜に見る夢?」「それとも元日の夜?」と、意外と迷ってしまう方も多いのではないでしょうか。実は、初夢がいつの夢を指すのかについては、いくつかの説があるのです。ここでは、代表的な説をひもときながら、初夢の時期について見ていきましょう。

5.1 現在では「元日から2日の夜」が一般的

現在、最も一般的とされているのは「1月1日(元日)の夜から、1月2日の朝にかけて見る夢」を初夢とする説です。なんだか少し意外な気もしますよね。

なぜこの日が初夢とされるようになったかというと、その背景には江戸時代の人々の暮らしがありました。昔は、大晦日から元日にかけては夜通しお祝いをしたり、新年のお客様を迎えたりと、とても忙しく眠る暇もなかったそうです。そのため、ようやく落ち着いて眠りにつける元日の夜に見た夢を、その年最初の夢「初夢」として大切にした、というわけですね。

また、昔の商い始めが1月2日だったことも関係しているようです。新しい年の商売繁盛を願い、その前夜に見る夢で吉凶を占ったのかもしれません。

5.2 「大晦日から元日の夜」という説も

もちろん、「年が明けて最初に眠って見る夢なのだから、大晦日の夜から元日の朝にかけて見る夢が初夢でしょう」という考え方もあります。こちらも、とても分かりやすいですよね。カレンダー通りに考えると、こちらの方がしっくりくるかもしれません。

どちらの説が絶対に正しい、というわけではありません。大切なのは、新しい一年に思いを馳せながら見る夢、ということです。もし大晦日の夜に素敵な夢を見たら、それを初夢として一年の希望にするのも素敵ですね。

5.3 時代の移り変わりと初夢の日付

さらに時代をさかのぼると、初夢の考え方はまた少し違っていました。昔の日本では、一年の始まりは「立春」とされていたため、室町時代頃には「節分の夜から立春の朝にかけて見る夢」を初夢と呼んでいたそうです。

このように、初夢の日付は時代や暦の移り変わりとともに変化してきました。それぞれの説を下の表にまとめてみましたので、見比べてみてください。

いつ見る夢か主な理由や背景
現在の一般的な説1月1日の夜から2日の朝にかけて江戸時代の風習。元日は忙しく、落ち着いて眠るのが2日の夜だったため。
もう一つの有力な説12月31日の夜から1月1日の朝にかけて年が明けて、最初に眠りについて見る夢であるという解釈。
古い時代の説節分の夜から立春の朝にかけて旧暦では立春が新年の始まりとされていたため。

結局のところ、「この日に見なければ初夢ではない」という厳格な決まりはありません。ご自身が「これが新しい年の最初の夢だ」と感じたものを、大切に受け止めるのが一番ではないでしょうか。気持ちよく新年を迎え、穏やかな心で眠りについた夜に見た夢こそが、あなたにとっての最高の初夢なのかもしれませんね。

6. まとめ

今回は、初夢で見ると縁起が良いとされる「一富士二鷹三茄子」について、その意味や由来を紐解いてまいりました。徳川家康にゆかりのある駿河国の名物を由来とする説や、言葉の響きを楽しむ語呂合わせの説など、その理由はひとつではないからこそ、古くから人々に親しまれてきたのかもしれませんね。

また、富士は「無事」や「不死」、鷹は「高く舞い上がる」、茄子は事を「成す」というように、それぞれに幸運を願う意味が込められていることも分かりました。さらに「四扇五煙草六座頭」という続きがあることも、面白い発見だったのではないでしょうか。

いつ見る夢が初夢かという点にも諸説ありますが、大切なのは新しい一年に希望を馳せる心そのもの。たとえ夢に見なくとも、一富士二鷹三茄子に込められた願いを知ることで、晴れやかな気持ちで新年を迎えられるはずです。あなたの新しい一年が、健やかで幸多きものとなりますよう、心から願っております。

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この記事を書いた人

ハレノヒ編集部は、「わたしらしく、身軽に暮らす」をテーマに、日々の暮らしを前向きに楽しむためのヒントをお届けしています。
美容や健康、趣味、暮らしの工夫など、50代以降の女性を中心に、誰もが自分らしく輝けるような情報をやさしい目線で発信しています。
ちょっと気になる話題や、ふと心に残る言葉も添えて、皆さまの毎日が少し晴れやかになりますように。

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